4月7日(木)、高崎市で上信越トライネット推進協議会主催の
「上信越三極連携シンポジウム」が開催され、松浦高崎市長、篠田
新潟市長、木浦上越市長、そして長野市長である私が出席し、意見
を述べ合いました。ほかにそれぞれの市から企画担当の職員、青年
会議所関係者、議会関係者・・・そして高崎市周辺の町村関係者も
出席されていたようです。
上信越トライネット推進協議会は、三極(新潟・群馬・長野)の
経済的、文化的連携に着目し、発展の可能性を探り、複数の地方圏
が連携して東京との関係を考えながら、独自の地域を確立すること
を目的としている、あるいはそれぞれ魅力ある拠点になろうという
意志が働いている・・・そんなことを目的に平成3年から続いてい
る研究会です。
今回のシンポジウムでは、平成の大合併の時期だけに、各市とも
合併の話が多かったことは当然です。特に新潟市は、12市町村を
編入し、既に約78万人の人口に達し、秋には巻町と合併して約8
0万9千人になるそうで、平成19年4月に、日本海側で初めての
政令市を目指しているとのこと、しかも日本最大ともいえる農業都
市で、食料自給率61%ということだそうです。びっくりしました。
高崎市も内陸の交通結節点として存在感を高めていますし、上越
市は4月14日(木)のメルマガで紹介しましたが、13町村との
合併をしたばかりです。
長野市長としての発言は、合併の話はもちろんですが、建設が進
んでいる北陸新幹線の意義、特に東海道新幹線の代替補完機能の役
目を強調しながら、長野県の浅川ダム建設問題で進まない長野市内
の新幹線建設工事、そして新幹線開業後の並行在来線継続問題につ
いて話をさせていただきました。
この会議の本当の目的は何か・・・三県が連携して果敢に挑戦す
る圏域をつくろう、かつ首都圏機能の分散先となろう・・・青年会
議所が中心になって結成された1991年ころ、すなわち長野オリ
ンピックの招致が決まったころですから、今とは随分違う状況の中
で始まった会議でした。当時は各県の参加が得られなかったことで
(各県の事情を考えれば無理だったのでしょう)、いまひとつ行政
を巻き込んだ盛り上がりに欠けたということかもしれません。
でも続けてきたことで、考えていたこととは違う面での連携の可
能性も出てきたような感じもあります。それは、いろいろ思惑はあ
るのだろうと思いますが、道州制が一つのポイントとなるかもしれ
ないということです。市町村合併が一段落すると、間違いなく議論
が道州制に移ると言われており、現に青森県、秋田県、岩手県が2
010年に北東北3県合体の実現を目指し、その後5~10年程度
で道州制へ移行という方向を出しています。
県は合併してなくなり、州になる。そうなった時、その州として
の魅力、機能をどうつくっていくかが最重要テーマでしょうが、一
方でその州都をねらった都市間競争も激しくなってくることを感じ
させる会議でした。20年も前から、長野は関東圏か、中部圏か、
はたまた北陸信越圏か、甲信越圏かと話はされていますが・・・い
ずれ長野は難しい選択の時を迎えるのかもしれません。
20数年前、私が青年会議所を卒業するころ、このことで、「鶏口
となるも牛後となるなかれ」(注)ということを書いた覚えがあり
ます・・・・・。
(注)
小さい集団であっても、その中で長(鶏の口)となる方が、大きな
集団の中でしりに付き従う者(牛の尻尾)となるより良い、という
意味の中国のことわざです。