9月22日(金)、待ちに待ったという表現がピッタリだと思う
のですが、長野市の中心市街地最大の再開発事業トイーゴが、完成
オープンしました。長野銀座A-1地区の市街地再開発事業として、
トイーゴ ウエスト(銀座棟)とトイーゴ SBC(SBC棟)、
また、昭和通りを挟んだ向かい側の長野銀座D-1地区の市街地再
開発事業としてトイーゴ・パーキングが、ほぼ時期を同じくしての
オープンです。
トイーゴ ウエストの1~2階は商店街、3~4階は長野市生涯
学習センター
トイーゴ SBCの1~2階は商店街、3階以上はSBC(信越
放送)本社およびスタジオ
トイーゴ・パーキングの1階はスポーツクラブ、カラオケなどの
アミューズメント・スペースとビジネスコンビニエンスストア、
2~7階と屋上は430台のパーキング・スペース(駐車場)
これで、新田町交差点(中央通りと昭和通りの交差点)南西の角
にある「もんぜんぷら座」や周辺の商店街も元気が出て、きっと新
しい街の顔になってくれると思っています。
皆さん気が付いてくださったでしょうか?新田町交差点の横断歩
道が市役所方面に約20m伸びていることです。街の一体感、特に
トイーゴとトイーゴ・パーキングとの一体感を出すために、警察に
お願いしたところ、中心市街地の活性化のため、全国的にも珍しい
幅の広い横断歩道を実現していただきました。また、この場所は国
道19号ですから国道事務所にもお願いし、ご支援をしていただき
ました。感謝します。
欲を言いますと、善光寺方面、長野駅方面も・・・と思っていま
すが、無理でしょうかネ!
交差点の北東にできたトイーゴ広場に、速水史朗氏の野外彫刻を
配しました。そして再開発組合としては大型スクリーンを設置(ス
クリーンの発注を受けた会社の社長さんの話を聞きますと、新しい
工夫をして、価格を抑えて精密な画面を提供できたと自負しておら
れました)、街のにぎわいにきっと資するはずですし、トイーゴ・
パーキングの北東の角にも広場を作ることができました。市民の皆
さんが憩う場として、きっと気に入っていただけると思います。い
ずれここにも素晴らしい野外彫刻を設置したいですネ。
県庁と市役所を結ぶ昭和通り、善光寺と長野駅を結ぶ中央通り、
その二つが交差する地点は、長野市の大切な場所ということは、か
ねてから主張してきたことです。オリンピックから8年以上かかっ
て、ようやく再生の兆しが見えてきました・・・ここを起爆剤にし
て、にぎわいが広がっていくと思うと本当に感無量です。
そして、善光寺表参道の活気も長野市の象徴です。大門町に古い
土蔵を生かした「ぱてぃお大門」がオープンしています。セントラ
ルスクゥエアも、時間制の駐車場として常時満車状態ですから、そ
れだけ中心市街地に人が集まり始めたということでしょう。
SBCさんにも、単なる本社ビルを造ることをお願いしただけで
はありません。東京のお台場とまではいかなくとも、TV局の機能
を最大限生かして街のにぎわいを演出していただきたいと思ってい
ます。
そして、このA-1地区再開発に命をかけて頑張ってくれた銀座
商店街の故太田秀夫さんに感謝したいと思います。過去になんども
崩れかけた再開発のスキーム(計画)を立て直し、必死になって周
囲を説得し、SBCの進出が決定してからも、自ら再開発組合の副
理事長として、計画実現に向けて利害調整や説得に、必死になって
頑張っておられました。この再開発事業は太田さん抜きには考えら
れなかった・・・と私は思っています。そして工事が始まって、完
成することが確実になったとき、突然、不帰の人になってしまわれ
ました。あと数カ月・・・完成したトイーゴを一目見せてあげたか
った、私は心からそう思っています。ご冥福をお祈りします。
このようにさまざまな思いを持ちながら、トイーゴグランドオー
プンのセレモニーの席上、私が皆さんに申し上げましたあいさつを
全文掲載させていただきます。
「トイーゴのグランドオープンにあたり、一言ごあいさつを申し
上げます。
かねてより整備を進めてまいりました「長野銀座A-1地区」と
「長野銀座D-1地区」の市街地再開発事業が完成し、「トイーゴ」
および「トイーゴ・パーキング」として、グランドオープンを迎え
る事ができましたことは、関係の皆様はもとより、長野市民にとっ
ても大変喜ばしい事であり、心よりお祝い申し上げます。
これもひとえに国土交通省および長野県のご指導ならびに関係機
関の皆様のご理解、ご協力のたまものと深く感謝申し上げます。
この新田町交差点を中心とした長野中央地域は、昭和30年代か
ら50年代ごろまでは、長野市商業の中心としてにぎわってまいり
ました。しかし、モータリゼーション(自動車の大衆化)の進展と
郊外への沿道型大型店の進出や、居住人口の流出が進んだことなど
により、その求心力が低下し、活力が失われてしまいました。
そのような中、地元の方々から、県都の中心地区にふさわしいま
ちづくりを進めようという機運が高まり、昭和60年度に長野銀座
地区の再開発基本計画を地域の方々と協働して長野市が策定し、ま
ちの再生に向け、その第一歩を踏み出しました。
しかし、その後のバブルの崩壊、長引く経済活動の低迷などによ
り、なかなか前に進まずにいましたが、平成9年に関係の方々の熱
意により、事業化の合意形成が調い「長野銀座A-1地区」の都市
計画決定を行い、市街地再開発事業が動き始めました。
しかしながら、事業計画を煮詰めている時に、「長野そごう」の
倒産、「ダイエー長野店」の撤退があり、周辺地域の商業環境が激
変するなどして、根本から再開発事業計画の見直しが必要となった
ため、再度、事業が停滞してしまいました。そのような中、平成
14年になり、信越放送様が「そごう」跡地への本社の移転を表明
され、「長野銀座A-1地区」と一体となって再開発事業を進める
こととなり、再開発準備組合を改組して、現在の計画により中心市
街地活性化に向け、新たに出発いたしました。
その後、平成18年10月の地上波デジタル放送開始を目指し、
平成15年に都市計画決定の変更を行い、16年4月から「旧長野
そごう」の解体工事に着手し、17年1月には建設工事を開始し、
1年8カ月余りの工事期間を経て本日のグランドオープンを迎えた
わけでございます。
また、「長野銀座D-1地区」につきましては、「トイーゴ」や
「もんぜんぷら座」の附置義務機能も備えた、中心市街地の基幹的
駐車場として整備するため、関係権利者の方々を中心として、再開
発事業を施行する「長野D-1再開発株式会社」を平成16年に設
立し、事業を進めていただきました。
この間、地区内の方々の意向をとりまとめ、平成17年9月には
工事着工し、この9月1日に駐車場がオープンするなど、関係の皆
様のご努力により短期間で事業を完成させていただきました。
本日を迎えるまでには、銀座地区の基本計画策定から20年もの
年月が経過する本当に長い道のりであり、関係の皆様方には筆舌に
尽くしがたいご苦労と苦難の日々がおありだったことと推察いたし
ます。
思い起こせば、最初の立ち上げからこの事業に携わり、商業地権
者のリーダーとして不屈の精神力と卓越した指導力で数々の難題を
乗り越え、この事業に情熱と全精力を傾け、完成を目前にして無念
にも本年1月に急逝された、故太田秀夫様には、晴れがましいこの
席で、共に喜びを分かち合えなかったことは、誠に残念ではござい
ますが、太田様の傾けた情熱が見事に結実し、本日を迎えることが
できました。
また、再開発組合の塩澤理事長様をはじめとして地権者の方々、
信越放送様など数多くの皆様方の、本日に至るまでの並々ならぬご
努力とご協力に対し、深く敬意を表すとともに心から感謝を申し上
げます。
このトイーゴは、商業施設、放送局、長野市生涯学習センターや
広場が一体となっており、それぞれの機能が連携し、様々な目的を
持ったお年寄りからお子さんまで、男性・女性を問わずどなたにも
親しんでいただける施設であります。また、トイーゴ・パーキング
は駐車場としてだけではなく、1階の商業施設も併せてご利用いた
だけるように構成していただきました。
トイーゴ、トイーゴ・パーキングを大勢の市民の皆様にご利用い
ただき、もんぜんぷら座とも相まって、中心市街地のにぎわいの復
活が図られるものと期待しております。
一つの事業の完了は、新しいまちづくりのスタートであります。
トイーゴとトイーゴ・パーキングが、中心市街地のにぎわい再生の
シンボルとして、多くの市民の皆様に末永く愛されるとともに、有
効に活用されますことを心からご祈念申し上げましてごあいさつと
いたします。
本日はおめでとうございました。」