2009年3月26日木曜日

住民自治協議会


 平成20年度、最後のメルマガです。
 本年度もいろいろなことがあり、一週間に一度のメルマガを書く
のが待ち遠しい時もありましたが、書き難いことも多く、困ったこ
ともありました。
 毎週、金曜日に帰宅するとき、事前に翌週分のメルマガの原稿を
書いて渡してあるときは余裕があるのですが、何も書けていないと
きも結構多いのです。秘書課の職員は、口には出さないけれど、
「大丈夫ですか」と心配していることがよく分かります。

 土・日曜日は、公務もありますし、まとめて本も読みたい、冬の
時期などはスキー場へ行くこともあって、結構忙しいものですから、
「いつ書くのだろう?」とみんな心配してくれているわけです。
 でも、私は、意地でもきちんとやろうと思っていますので、数日
間温めてきた構想を夜中に一気に書き上げて、月曜日の朝までに広
報担当へ送信するという約束をこれまで果たしてきました。
 書き始めてから、もう丸7年になりますが、その間、書けずに連
載を休んだことは一度も無かったと思います。海外に出掛けたとき
も、パソコンを持参、通信方法を確保して、メールのチェック、メ
ルマガの執筆、そして日記だけは、毎晩書いていました(グーグル
を使えばもっと楽にできるのですが、市の情報セキュリティ上の方
針により、今のところ使用できません)。

 さて、平成20年度の最終メルマガですので、本年度一番大きか
ったと感じていることを書かせていただきます。すなわち、先日、
3月22日(日)までに、市内30地区すべてで、長野市が進める
とです。
 まず、ここに至るまでの経過を、私なりに報告させていただきま
す。

 平成14年に、私(市長)が各地区の支所を視察、市職員の仕事
ぶりやシステムを見せてもらいながら、区長さん方と懇談もさせて
いただきました。その中で、少しやり方を改めた方が良いと思うこ
とがありました。それまでの長野市は、昭和41年の大合併以来、
本庁に業務を集中し、支所の仕事と職員数はなるべく減らし、もし
何かあったら本庁から職員が地域に出掛けて問題を解決する、そん
なシステムを目指しているように感じました。
 従って、地区の仕事の手伝い(例えば住民団体の会計など)は、
なるべくやめるように指導していたようです。効率を考えれば、そ
の時点では確かに適切な判断だったと思います。

 ただ、私としては、現在は少し違うのではないか、これからの支
所長の仕事は、地域の住民の皆さんと一体となって、地域経営に取
り組んでいくことではないだろうかと考えました。併せて、縦割り
の仕事をやめて、職員数は少なくとも、なるべく本庁と同じように
何でもできるようにすることを考えてほしい・・・役所の中でそん
な話をしてきました。地域・支所のシステムの中に、縦軸だけでな
く、横軸を一本通す必要性を感じたのです。

平成15年1月 私の思いを実現するため、市職員によるプロジェ
        クトチームが調査研究を始めました。
平成16年12月 プロジェクトチームが「長野市都市内分権調査・
        研究報告書」を公表。
        その後、地区団体長説明会、市民会議を開催。さ
        まざまな意見をいただきました。
平成17年5月 長野市都市内分権審議会に諮問。
        審議会の中での活発な議論の後、
平成18年1月 「都市内分権についての答申」をいただきました。
平成18年4月 平成18年度を「都市内分権元年」と宣言し、
        平成21年度までに、都市内分権の基盤となる住
        民自治協議会を立ち上げてほしいと30地区の皆
        さんにお願いしました。
平成20年度末 各地区の努力のおかげで、予定より1年早く30
        平成22年度から本格実施するまでに1年間の余
        裕ができたこと、大変ありがたいことと感じてい
        ます。
        定する条例を議決。
        との間で結ぶ協定書の締結式を予定しています。
 そして、平成21年度中は、いろいろな準備・検討が行われ、い
ことになるわけです。

 以上、予定も含め、経過と私の考え方を少し詳しく申し上げまし
たが、いずれにしろ都市内分権については、かなり時間をかけ、市
民、地域の皆さんの自主性を尊重する中で、一歩一歩合意をいただ
いてきたのです。

 地域の皆さんのご意見で構想を変更したこともありました。その
最たるものは、地域総合事務所の設置を保留し、当面は30地区の
 本庁組織を小さくして、身近なところですべての業務を行えるよ
うにするため、幾つかの地区をまとめた上で地域総合事務所を設置
したいと提案していたのですが、その場所をどこにするか、過去の
歴史や地域ごとの事情もあって、意見はまとまりませんでした。そ
うかと言って、30地区に職員を分散することは、かえって職員が
増えてしまいそうで、実際には不可能と判断せざるを得なかったの
です。
 その結果、市の体制の大転換については、中途半端になったかな
とも感じていますが、30地区ごとの組織を充実させることに重点
が置かれることになりました。

げてきたことは、3点だけです。
  の皆さんが認めていること。
  と。
(3)思い付きの仕事では困る、計画性のある組織であること。

 この3点以外は、地域で自由に決めていただきたい、と申し上げ
てきました。
ことは統制につながるということで遠慮してきましたが、最終段階
で、地域からの要望もあり、マニュアルを用意してお示しすること
になったものです。

り、市が用意している支援策の骨格は、以下のとおりです。
(1)財政支援について
   これまで各種団体に交付していた補助金などを一本化して、
  会自らが企画・立案した独自事業を応援するための補助金、中
  山間地域に対する支援交付金、以上3つの財政支援策を創設す
  ることにしています。特に、一括交付金については、できるだ
  け使途を限定せず、柔軟な地域づくりができるよう工夫させて
  いただきます。

(2)依頼事務について
   従来、長野市では多くの事務を区長さんにお願いしてきまし
  た。今回、それを大胆に整理し、必須事務と選択事務に分けて、
  必須事務だけは今後もお願いし、選択事務は、やるかやらない
  した。当然ですが、地区独自の事業にも取り組んでいただきた
  いと考えています。
   併せて、市が行うイベントなどに、区長さんを通じて出席者
  を動員していただくこともありましたが、今後は、このような
  事務はお願いしないことにしました。

(3)人的支援について
   人的な支援については、市職員がボランティアとして地域支
  援を行う制度を立ち上げました。さらに、地域活性化アドバイ
  市職員OBなどを市の嘱託職員として派遣し、さまざまなお手
  していただくことになれば理想的かなあ、と考えています。

 そのほか、平成21年度中は、本格実施を前に、試行錯誤もある
と思いますので、今後も十分な話し合いを継続し、改めるべきこと
は改めていきたいと考えています。

地区すべてで立ち上がった記念すべき時に当たり、私の感謝とうれ
しい気持ちを表すために、このメルマガを書かせていただきました。

2009年3月19日木曜日

今期のスキー・シーズンが一段落


 3月中旬になり、私の好きなスキー・シーズンがほぼ終わりかけ
ています。
 残念ながら、今期は暖冬のせいか、雪が少なく、スキー愛好家の
私にとっては、正直に言ってあまり快適とは言えませんでした。

 長野地方気象台のまとめによりますと、この冬(昨年の12月か
ら今年の2月まで)の気候は、強い寒気が流れ込む日が少なく、冬
型の気圧配置が続かなかったことから、長野では観測史上2番目と
なる記録的な暖冬となったとのことです(ちなみに1番は、昭和
24年とのこと)。平均気温は、平年が0.3度なのに対しこの冬
は2.3度。そして、3カ月間の降雪量の累計は42センチメート
ル。平年の243センチメートルに比較すると、なんと17%とい
う少なさだったそうです。

 市民の皆さんにとっては、里に雪が少ないのは、除雪の手間も無
く、暮らしやすくてありがたい、というのが本音でしょう。
 ただ、今期のように雪が少ないと、スキー場経営が苦しいことは
当然ですが、毎年、行政からの依頼を受けて除雪作業を請け負って
いる建設関連業の方々にとっても厳しい状況になっています。
 実は、長野市としても、収入が減ってしまう見込みです(支出も
減るということではありますが)。例年は、積雪地帯として、国か
ら除雪費用が普通交付税で交付されているのですが、数年前に大雪
に見舞われたときには、特別交付税が追加交付されました。本年度
は、どうも追加交付の対象にはなりそうもありません。
 来年度以降のことを考えますと、除雪に使用していただいている
建設機械などを建設関連業の方々が手放さざるを得ないような事態
になっては困ると思うのですが、悩ましいところです。

 今シーズンの私のスキーは、昨年12月20日の戸隠スキー場開
きに先立ち、足慣らしをしようということで、13日に志賀高原の
横手山の頂上まで出掛けたのが手始めでした。今シーズンは20回
ぐらい(半日単位ですが)は出掛けたいと思っていたのですが、こ
れまでに戸隠、飯綱高原、妙高杉ノ原、野沢温泉・・・等々、週末
の仕事の合間を利用して、既に15回ぐらいは出掛けたでしょうか。
 ただ、残念ながら毎年一度は滑りに行っていた大岡の聖山パノラ
マスキー場は、行きそびれてしまいました。

 絶対にけがをしないようにすると、秘書課の職員と約束していま
すので、雪質が悪い時は我慢して慎重に滑る、急斜面には行かない、
コブがある所へは行かない。そして、何とかもう少し上手になりた
い、カービングスキーの特性を生かした、あの格好良い滑りを体験
したい。これらが、スキー再開5シーズン目の目標でした。

 私の滑りは、昔風で現在のカービングスキーの特性を生かしてい
ない、いかにも古いという評価が定着してしまっている感じです。
スキー場では、スキーのお師匠さんである友人たちに、厳しく指導
されています。滑りながら、“拇指球(ぼしきゅう)に乗れ”“姿
勢が後傾になっている”“もっと前傾姿勢に”“山スキーを引き付
けるな”・・・いろいろ言われますので、「船頭多くして、船、山
へ登る」という感じもあるのですが・・・。でも、確実に少しずつ
上手になってきていると信じることにしています。
 そして、お師匠さんに付きっきりで指導され、普段使わない筋肉
を使うため、筋肉痛で悩む日も続いています。

 この年齢になって、何でそんなにスキーをやりたいのか・・・時
々言われることがあります。5年前にスキーを再開したのは、長野
市にある三つのスキー場を何とかしたいという思いや、運動不足を
解消したいという思いからなのですが、その後、上手になりたい、
という新しい目標ができて、熱心に取り組むことの楽しさ、大切さ
を痛感しています。新しいことに挑戦しているからこそ、続くのだ
と思います。
 しかし、昔の癖はなかなか直らないということも、思い知らされ
ています。

 戸隠の旅館で一泊してスキーをするというのは、毎年行っている
恒例のプログラムです。私にとってのホームグラウンドである戸隠
をもっと楽しくしたいとの思いから、仲間約10人前後で毎年出掛
けており、今年も1月に行ってきました。
 1日目は、朝から越水ゲレンデで、瑪瑙(めのう)山から大いに
滑って、昼食は越水にある“お食事処くえい”(この“くえい”の
名前は中社区営という意味だそうです)で。午後、再びゲレンデに
出てスキーを楽しみ、その後は中社区の旅館で宿泊しました。

 変化を楽しむために、毎年違う旅館に泊まることにしているので
すが、本当の理由は、スキー旅館にとってかき入れ時の土曜日に、
毎回ご迷惑をお掛けすることは申し訳ないし、戸隠を良く知りたい
・・・そんな思いからです。

 旅館での宴会は、仲間と酒を酌み交わしながら、スキー談義など
に花を咲かせる楽しいひとときです。そして、二次会は、これも恒
例になっているのですが、戸隠中社地区にある唯一のショットバー
(ほかにもあるかもしれません)で、ウイスキーをストレートで飲
む・・・ちょっとカッコ良すぎでしょうかね。
 スキーには、アフタースキー、すなわちスキーが終わってからの
楽しみもあることを、ぜひ知ってほしいと思います。もちろん、ス
キー場や地域の側もそれに応えることが必要ですが・・・。

 2日目ですが、仲間の中には、朝食はそこそこにして、朝早くか
ら滑りに出掛けてしまう元気者もいますが・・・私は悠々と食事を
してから、ゆっくり出掛けて午後まで楽しんできました。

 今年の雪不足もあり、市内のスキー場には、残念な事態が起きて
います。
 大岡聖山パノラマスキー場は、大岡地区の皆さんがこれ以上の運
営は無理と判断され、平成21年度末、すなわち来年の3月で、ス
キー場を廃止することはやむを得ないということを決定しました。
私としても残念ですが、この温暖化の中では仕方ないと感じ、地域
の重い決断に敬意を表しています。

 やや厳しい言い方で申し訳ないのですが、北信地方全体で、スキ
ー場の数が多すぎる、需要と供給のバランスがとれていないと思う
のです。温暖化も考え合わせると、まだまだ幾つかのスキー場が閉
鎖に追い込まれるのではないかと、心配しています。

 飯綱高原スキー場は、雪不足のために、3月11日で今シーズン
の営業をやめることになってしまいました。やむを得ない決定では
ありますが、例年よりかなり早い営業終了で残念です。

 でも、戸隠は大丈夫ですから、ぜひ、お出掛けください。

 話は変わって、3月になってからですが、野沢温泉へ行ってきま
した。これも昔からの恒例になっており、昼間のスキーと温泉、夜
の酒と料理、仕事の合間を縫っての行程でしたが、楽しい一泊旅行
でした。
 明日20日もできれば行きたいのですが、どうなることやら・・
・。

 そして、今シーズン最終のスキーは、これも恒例になりつつあり
ますが、5月の連休に、志賀高原の熊の湯、横手山へ行きたいと思
っています。暖冬の今年は、果たして滑れるのでしょうか。

 さらに、スキー仲間いわく、“オーストラリアかニュージーラン
ドの都市と姉妹提携しませんか。そうすれば、盆休みにスキーがで
きますよ”・・・だそうです。スキーはともかくとして、信州新町
のサフォーク種のめん羊を注目していることもあり、めん羊の本場、
環境政策の先進地と言われるニュージーランド、面白いかもしれま
せんね・・・。

2009年3月12日木曜日

市長の“充て職”について


 3月になって、平成20年度も残り1カ月足らずになりました。
日本の行政は4月から翌年3月までを一会計年度にしていますから、
いろいろな制度も3月末で区切りをつけることが多いのです。そこ
で、市長として就任している役職について考えながら、退任するこ
とになった役職の主なものについて報告させていただき、感じてい
ることを書かせていただきます。

 まず、長野県市長会の会長職は、ようやく2年の任期が終わり、
新年度に入ると退任することになります。この職には、東北信と中
南信が2年ごとに交代で就任するという内規になっており、次の会
長は中南信の市長さんの中から、選ばれることになっています。
 市長会長になりますと、同時に“充て職”で、多くのほかの役職
にも就かなくてはなりません。そして、特に権限があるわけではな
く、まあ、まとめ役と言って良いのでしょう。忙しいだけで、正直
に言えば、私としては、あまり楽しい職だとは感じられなかったの
ですが、県都の市長として責任は果たせたかなと思っています。

 長野県後期高齢者医療広域連合の初代連合長に就任したことは前
にも報告しましたが、こちらも2年の任期が終了し、間もなく退任
です。後任は、県内の市町村長の中から選挙で選ばれることになっ
ています。“後期高齢者”という名前などで、評判はあまり良くな
いのですが、制度そのものは、私は良くできていると思っています。
 ただ、国の方針により、あえて都道府県ごとに一つの広域連合を
設置して運営していることには、疑問を感じています。制度設計か
ら運営そのものまで、すべて国の指示通りに行っているのですから、
連合長として経営の腕を振るう場はまず無いのです。広域連合の議
員さんも同じような思いを持っておられるのではないかと思います。

 昨年11月末には、長野県市町村職員共済組合の理事長を退任し
ました。後任として就任されたのは、中沢坂城町長です。
 もともとこの組合は、県内の市町村職員の医療保険などの社会保
険事業をしているのですが、市民の皆さんから見えるものでは、山
王共済会館(サンパルテ山王)を含む県内3施設を、福利厚生施設
として経営している組合と申し上げれば、お分かりになるでしょう
か。私が理事長を退任して間もなく、これらの施設を利用した公務
員の不祥事が報道されましたが、もともとは、私の在任中に起きて
いたことで、申し訳なく思っています。

 以前、この組合では、市町村職員の年金も預かっていましたので、
私が理事長就任前に監事をしていた時期も含め、当時は、
2,000億円近い資金の管理もしていました。しかしその後、法
改正により全国市町村職員共済組合連合会が一括管理することにな
り、全国の同じような団体の年金資金の管理は、この連合会が責任
を持ってくれることになったわけで、私とすれば、正直ホッとした
のは事実です。ただ、社会保険庁のご粗末な顛末(てんまつ)を知
ってみると、違う意味での心配はありますが・・・。

 まあ、個人個人の数字は、県単位で独自に管理していますから、
大丈夫だとは思いますが・・・ただ、これにしても、掛金を預かり、
町村や広域連合などの退職者に退職金を払っている長野県市町村総
合事務組合が、おそらく実質大赤字になっているだろうと言わざる
を得ない実態を知ると、心配になるのは果たして取り越し苦労でし
ょうか?(以前、このメルマガにも書かせていただきましたが、平
成17年に4町村と合併した際に、約11億円の請求書がこの事務
組合から長野市に来たことは、記憶に新しいところです。)

 長野地区農業共済事務組合の管理者もやらせていただいていまし
たが、先日のメルマガでご報告させていただいたとおり、4月1日
に北信農業共済組合と統合することが決まり、事務組合は解散、私
も退任することが決まりました。今後は、事務組合(市町村営)か
ら組合営(民営)へ移行しますが、農業共済は公的な保険制度です
ので、私も行政の立場から、理事の1人として移行後も組合運営に
携わる予定です。

 農業共済制度は、天候に左右されがちな農業の再生を図るために、
農業経営のセーフティーネットとして絶対に必要なシステムだと思
っています。今後は、可能であればもっと適用する農作物の種類を
増やし、農家ニーズにより広く対応できるよう、国に要請していき
たいと考えています。

 長野広域連合長も、重い役職の一つです。関係市町村長の選挙で
選ばれ、老人福祉施設の運営、介護認定審査会の運営、ごみ焼却施
設の建設計画などを行っていることは、皆さんご存じの通りです。
この役職にも任期があるのですが、関係市町村長の中では、ほぼ自
動的に、と言える状態で長野市長が就任しています。
 国では今後、地方の広域的な行政連携を「定住自立圏構想」とい
う新たな手法で推進していくようですので、今の広域連合の役割も
見直されるのでしょう。

 このほか、長野県市町村職員研修センター運営委員会会長、財団
法人長野県市町村振興協会理事長、長野県市町村自治振興組合副管
理者にも就いているのですが・・・これらは多分、市長会長を退任
すると、辞めることになると思っています。
 県の審議会関係では、長野県行政機構審議会、長野県総合計画審
議会、長野県都市計画審議会等々がありますが、こちらも多分同様
に、市長会長とともに辞めることになるのでしょう。

 こちらは、退任するわけではありませんが、全国史跡整備市町村
協議会北信越地区協議会の会長もやらせていただいています。この
協議会は、史跡を有する市町村などが、その整備・保護に努めよう
ということで、総会や研修のほか、国に対して文化財保護予算の増
額要望なども行う組織です。いわば、史跡整備を推進するための応
援団みたいなものと感じています。

 社団法人長野市農業公社の理事長にも就いています。発足から約
1年半が経過し、「ながのいのち」ブランドの推進や農作業支援、
遊休農地対策などの事業も動き始めました。新年度、この理事長職
は、とても大事な仕事になってくると思っています。
 このほか、長野市の外郭団体的な組織では、会長・理事長という
のはあまり多くはなく、顧問などの肩書きが多いのですが、実質的
には運営や予算などの相談に乗らなくてはならないわけですから、
責任が重いことに変わりはありません。

 さらに、長野県税政研究会会長、長野県信用保証協会理事、長野
県公立学校施設整備期成会副会長、日本赤十字社長野市地区長、北
陸新幹線長野県沿線広域市町村連絡協議会会長、長水防犯協会連合
会会長、長野市暴力追放市民協力会会長、長野市日中友好協会名誉
会長・・・数え始めたら切りがありません。このほかにもたくさん
あるものですから、秘書課に調べてもらいましたら、なんと250
もの役職があるようです。ただし、本人が意識していない役職もあ
り、市の職員などが代理で出席していることが多いのです。

 2年ぐらい前になりますが、市長が“充て職”でやっている仕事
はすべて辞めて、副市長や担当の部課長に割り振ろう、すべて名実
ともに責任を持って事業を行ってもらうのが正しい組織運営である
と考えて手を付け始めたのですが・・・いろいろ事情があり、予算
確保や法律の問題もあって、どうもうまくいきませんでした。
 結局、私の継続・再登板になるものも出てしまう、ということで、
市長会長退任とともに辞めることになるものを除いても、まだ、
200近い数の役職を抱えているのが実情です。
 幾つかの例外はありますが、市としての決定や市から発信する通
知などは、すべて市長名で行われることになっており、責任は大変
重いわけで、担当者がしっかりやってくれているから、何とかもっ
ている、市長一人では何もできないというのが実感です。

 最近は、事務局さえしっかりしていれば、市長は、ある意味“お
みこし”に乗せてもらっていることも仕方がないかなと感じるよう
になりました。
 とは言え、“おみこし”にも乗り方があると思っています。それ
は、(1)全体を俯瞰(ふかん)的に見て、正道を見誤らないよう
にすることが大切。もう一つは、(2)良き部下を育て、持つこと。
そして、(3)可能な限り現場を知る努力が肝要だということでし
ょう。

 ただ、市役所もそうですが、団体や組織の「前例主義」はとても
大きな壁です。「今までやってきたことだから」「先輩がやってき
たことだから」などということがルール化されており、これを変え
ることに、かなりの困難を感じてきました。
 新しい発想は事務局に任せていては出てこない。これは、私がこ
れまでに体得してきた実感です。組織のさまざまな壁を破り、新た
な発想の下にあるべき方向へ修正する、それが市長の仕事だといつ
も思っています。

2009年3月5日木曜日

平成21年3月市議会 施政方針の骨子


 2月26日(木)、3月市議会定例会が始まりました。通常は3
月に開催されるのですが、今年は2月の開会となりました。
 初日、私が市長として施政方針を、教育長、上下水道事業管理者、
各部局長からそれぞれの担当部署の方針と予算を発表し、副市長か
ら補正予算の提案を行いました。

 私の施政方針は、読み終わるまで約70分かかったとのことで、
かなりの長文です。詳細は長野市のホームページに掲載しています
ので、そちらを読んでいただければ幸いです。ただ、全文を読んで
いただくのは大変だと思いますので、ここでは、私がどういう意図
で施政方針を組み立てたのかをご理解いただきたいと思い、解説的
にお話しさせていただきます。

 まず、一番分かりやすいと思いますので、施政方針をつくるため
に、職員と一緒に議論しながら準備した骨子を以下に載せさせてい
ただきます。

(はじめに)
 1.議員への出席御礼
 2.市職員の飲酒運転事件のおわび
(市政運営所信)
 1.市政運営の基本方針『きらめく人づくり・地域づくりで、元
   気なまち』へ
 2.内需拡大を目指した中山間地域の活性化
(財政運営と新年度予算案)
 1.財政運営と新年度予算案
 2.経済対策(定額給付金とプレミアム付き商品券、中小企業へ
   の融資制度)
(新年度の施策の大要)<きらめく人づくり・地域づくりで、元気
 なまち>
 1.「きらめく人づくり」への取り組み
 (1)快適で安全な教育環境の整備
 (2)子育て・子育ち支援の推進
 (3)スポーツを軸としたまちづくり
 2.「きらめく地域づくり」への取り組み
 (1)地域の魅力を磨き、存在感を大きくする取り組み
   ア.中山間地域の活性化
   イ.訪れてみたくなる地域づくり
   ウ.企業立地の推進
   エ.都市を支える基盤整備(コンパクトシティ、中心市街地
     活性化、長野駅の顔づくり、長野駅東口区画整理)
 (2)安全で安心な地域への取り組み
   ア.防災体制の整備
   イ.生活衛生の推進(斎場の整備)
   ウ.保健・福祉・医療分野
 3.「きらめく人づくり」「きらめく地域づくり」を横軸に貫く
   取り組み
 (1)環境対策
 (2)公共交通の再生
 4.「健全で効率的な行政経営」に向けた取り組み
 (1)都市内分権の推進
 (2)行政改革の推進
 (3)信州新町と中条村との合併
 (4)市役所第一庁舎と長野市民会館の在り方
 5.その他
 (1)上下水道事業について
 (2)組織・機構の見直し
(むすび)
 1.クリアウォーター市姉妹都市提携50周年
 2.結びの言葉
 3.提出議案
******************************

 以上の骨子を読んでいただければ、私の考えや、長野市の将来に
どんな夢を描いているのかが、大ざっぱにはお分かりいただけるも
のと思いますが、その中から特に強調したかったことを、説明させ
ていただきます。

 まず、決意表明ですが、私は市長就任以来、以下の5原則を座右
の銘とし、絶対にブレないことを心に誓い、市民の皆さんにお伝え
してきました。
(1)入りを量りて出ずるを為す
(2)市民とのパートナーシップ
(3)簡素で分かりやすい市政運営
(4)民間活力の導入
(5)市職員の意識改革ときちんとした行政の遂行

 この上に立って、平成21年度の施策の中では、次の5項目を意
識的に考えたつもりです(予算が大きいということではなく、現在
そして将来の長野市に何が重要かという観点でご覧いただければ、
幸いです)。
(1)都市内分権
(2)内需拡大策
(3)中山間地域の活性化策
(4)環境対策(化石燃料の消費削減・新エネルギーへの転換)
(5)公共交通の再生

 これらは、独立した項目ではありますが、相互に関連しています。
例えば中山間地域を活性化することは、内需拡大に貢献することで
しょうし、農林業の再生にもつながり、環境問題にも関連があるは
ずです。公共交通を再生することは、環境対策に大きく貢献してく
れると考えていますし、すべての施策を実行していく上で、新たな
住民自治が必要になる、それが住民自治協議会であり、都市内分権
のシステムです。

 都市内分権は、平成20年度末までに、市内30の行政区すべて
で、住民自治協議会が設立されるめどが立ちました。平成18年度
を「都市内分権元年」と宣言し、その基礎となる住民自治協議会の
立ち上げをお願いしてから3年、予定より1年早く30地区での立
ち上げに至ったわけです。
 平成21年度は、さらに準備期間として組織強化をしていただき
ながら、平成22年度からの本格実施に向けて、さらに意見交換を
していきたいと考えています。

 内需拡大策は、現在の不況を克服するためには、輸出には頼れな
い、内需を拡大するしかない、との認識のもと、「市内中小企業の
支援」と「農業・林業の再生」に全力を挙げていこうという決意で
す。特に農業は、日本の安全・安心のよりどころ、セーフティーネ
ットとして、なんとしても“もうかる産業”に育てたい、そんな思
いで市農業公社とともに頑張っていく決意です。

 中山間地域の活性化は、長野市域の約7割が中山間地域であり、
間もなく合併する信州新町、中条村の区域も中山間地域ですから、
この地域の活性化なくして、長野市の活性化はあり得ないとの認識
のもと、内需拡大策とも関係がありますが、可能なことはすべて実
施しようと決意しています。

 環境対策は、幅の広いテーマですが、ごみの減量と再資源化、そ
して新エネルギーとして太陽光発電の導入やバイオエネルギーの研
究に取り組みます。

 公共交通の再生は、中心はバス交通の再生ですが、軌道交通も経
営が大変になってきているということで、「公共交通は都市のイン
フラである」との信念のもと、持続可能なシステムを作ることに全
力を挙げていきます。

 以上、骨子部分をご覧いただきながら、特に強調したいと考えて
いることを紹介させていただきました。

 なお、今回の定例会に提案している新年度の一般会計予算ですが、
経済不況の影響もあり、実は、市税や譲与税・交付金などの収入が、
前年度に比べて38億円も減ってしまう見込みなのです。わずかに
増えそうな交付税に加え、合併特例債なども活用することにしてい
ますが、この減収分を補いきれそうもありません。そこで、苦肉の
策として、これまで抑制してきた基金の取り崩しを増やすことで編
成できた予算なのです・・・複雑な思いですが、地域経済の活性化
を図るためにも、なんとか前年度並みの金額を確保することができ
ましたので、今は、ホッとしています。