◇長野市の未来を語ろう「みんなでトーク2010・ながの」ファ
イナル・トーク
2月10日の夜、昨年の秋から開始した新しい懇話会「みんなで
トーク2010・ながの」のファイナル・トークを開催しました。
この懇話会は、今後の長野市をデザインするために、長野市は何を
目指していくべきか、長野市の将来にどんな夢を描くのか、といっ
たことをあらゆる年代の皆さんが語り合う中で、長野市のこれから
の「旗印」を一緒に探していきたい、そんな思いから創設したもの
です。
開始から約5カ月間、18~29歳、30~49歳、50歳以上
の三つの世代に分かれて公募市民と市職員が集まり、自由に意見を
出し合う中で、長野市の将来を描いていただきました。
この日のファイナル・トークは、その成果を披露していただくた
めに開催したものです。それぞれの世代を代表する3人の皆さんの
発表を聴かせていただきましたが、いろいろな議論があったという
ことをはじめ、仲良くなって懇親会をやったこと、善光寺を見学し
たこと・・・楽しい報告がありました。もっと時間があれば良かっ
たとの感想もありました。
私とすれば、市民の皆さんと市職員が同じ目的に向かい、同じテ
ーブルで話し合えたことも良かったと思っています。
最年長の50歳以上のグループからは、「都会の人は何を求めて
いるのか」との視点から、広域連携などによる定住人口の増加策、
観光振興などによる交流人口の増加策をはじめ、農業に魅力を感じ
るまちづくり、郷土愛・地域愛を育むまちづくりなどについて語っ
ていただきました。
30~49歳のグループは、責任世代としての自覚、自給自足の
街、自立を強調されていました。街に眠っている宝物、長野にしか
ないもので、食べていけるブランドを育成する、そして観光客にお
金を落としていただく仕組みづくりなどにより、地域や産業を活性
化し、市民の皆さんの満足度を高めたい、そういう意味での金メダ
ルを目指したいとのこと。何よりも「自分たちが長野を愛している
か」ということの大切さについて、熱を込めて発表されました。
18~29歳のグループは、善光寺や中心市街地などを実際に歩
き、中央通りを“善光寺・ザ・夢公園”にしようという大変ユニー
クな計画を発表されました。歩行者天国にした中央通りでマルシェ
(市場)などさまざまなイベントを開催し、そこで全市民が観光大
使になって、長野市の魅力を伝えよう・・・。そんな発表でした。
三世代とも熱心に提案してくださいました。すぐにも採用できそ
うなこと、ちょっと無理だなあと思われることなどいろいろでした
が、長野市の政策に大いに参考にしていきたいと思っています。
長野市は、オリンピックの成功に代表されるように“おもてなし”
の心を持っており、来訪された人に優しく、そしてボランティアが
盛んで、いろいろな大会やイベントの運営も上手です。
ただ、残念ながら“場所貸し”になっていて、市民が主役になっ
ていないと感じています。戦国時代、上杉氏と武田氏が戦った川中
島の合戦は有名ですが、長野市はその頃から“場所貸し”だったの
ではないかと思っています。
どんなことで可能になるのかは分かりませんが、そろそろ長野市
民が舞台の中央へ躍り出す場面を作りたい・・・最後に私から、こ
んな夢を語らせていただき、本年度の「みんなでトーク」を終了し
ました。
一朝一夕に「旗印」を見つけることは容易ではありません。おそ
らく試行錯誤しつつということになるとは思いますが、私とすれば、
来年度以降も市民の皆さんや市職員と未来を語り合える場をあらた
めて設けていきたいと考えています。
◇「ゆめ舞台応援プロジェクト・ながの」基金活用事業選考会
このプロジェクトは、「ながの夢応援基金」の活動をサポートし
ていただくために、昨年8月にスタートしたものです。
「ながの夢応援基金」は、長野オリンピック記念基金の助成が平
成21年度で終了したことを受け、その後どうするか検討した結果、
昨年9月に創設した基金で、これからも長野オリンピックの歴史を
途切れることなく後世へ伝えるとともに、長野市からオリンピック
に出場できる選手を育成していくことなどを目的としています。
基金は、長野オリンピック記念基金からの寄付金(基金の残金の
一部)に加えて長野市からの積立金、そこに個人や企業の皆さんか
ら頂いた寄付金で造成し、5年間で5億円を活用できるよう、現在、
さまざまな皆さんにご協力をお願いしているところです。
このようにこの基金は、さまざまな皆さんの思いがこもっている
大切な基金ですから、活用に当たっては、行政だけで勝手に活用先
を決めるべきではないと考えています。そこで、「ゆめ舞台応援プ
ロジェクト・ながの」の構成メンバーのうち、財団法人日本オリン
ピック委員会(JOC)や長野商工会議所、長野市教育委員会など
からなる「基金活用事業選考会」をつくり、話し合いをしながら活
用先を決めることにしたのです。
2月14日に開催した第1回の選考会には、JOCの市原専務理
事、商工会議所の加藤会頭さん等々に出席していただきました。資
金の集まり具合が分からず、まだ、全体構図が描けないということ
もあり、詳細を決めることはできませんでしたが、今後、議論を深
めてより有効な事業へ活用することを前提に、基本方針だけをご了
解いただきました。
今後、この決定をベースに、この基金を大きく育て、長野市から
多くのオリンピック選手が生まれることを期待しています。
◇平成23年度当初予算案
先月から、新年度予算編成のヤマ場である市長査定に取り組んで
きました。
このたびまとまった当初予算案は、大規模プロジェクト事業の本
格化と生活保護費など社会保障関係費の伸び、子宮頚(けい)がん
などのワクチン接種費が増えたことなどにより、一般会計で82億
9,000万円の大幅増となる1,547億6,000万円となり、
景気対策、地域活性化にも配慮した大型予算になりました。
歳入については、地方交付税が国全体で5,000億円の増額と
なったことから、本市においても14億円増の250億円を見込ん
でいます。しかし、市税については、企業業績に改善が見込まれる
ものの、依然として厳しい雇用情勢が続いていることなどから、前
年度とほぼ同額と見込まざるを得ず、その意味では厳しい予算編成
となりました。
歳出については、「子育ち・子育て支援の推進」「エネルギーの
適正利用」「公共交通機関の整備」の3つの優先施策に予算総額の
8.7%、134億5,000万円を、小・中学校の耐震化事業や
長野駅周辺第二土地区画整理事業など、7つの大規模プロジェクト
事業に予算総額の7.8%、120億7,000万円を優先的に配
分することとし、めりはりのある予算としました。
予算の編成に当たっては、将来を見据え、安定した財政運営に配
慮する意味においても「選択と集中」を徹底して施策を厳選しまし
た。また、財源については、国・県の補助制度のほか、交付税措置
のある有利な市債や、将来の財政支出に備えて積み立ててきた基金
の有効活用などにより、健全財政を堅持できるよう心掛けたつもり
です。
予算を執行するには、3月市議会で議決していただかなければな
りませんが、この予算により、新年度も市民サービスの充実に努め、
地域の特色を生かした魅力と個性があふれるまちづくりにまい進し
たいと考えています。
ただ、国の交付金・補助金を見込んで編成している予算でもあり
ますから、市議会で議決していただいたとしても、国会で成立しな
いことには執行できない内容も多く含んでいます。速やかな国の予
算成立を願いたいものです。
2011年2月24日木曜日
長野市の未来に向けて
2011年2月17日木曜日
長野市の冬、いろいろありました
長野市役所に「月光仮面」の名前で、ランドセルが届けられたこ
とは、既に報道されているとおりです。2月7日、今度は「矢吹丈」
という差出人名で現金1万円が保育家庭支援課に郵送されてきまし
た。「矢吹丈」という名前以外に、本人を特定できる記載はありま
せん。同封の手紙には「少ないですが子供達のために使ってくださ
い」と書かれていましたので、この趣旨を尊重し、児童福祉事業へ
の寄付金として取り扱うことにさせていただきました。
匿名の善意に心から感謝します。ありがとうございました。
さて、毎年のことですが、2月3日、今年も善光寺と権堂秋葉神
社の節分行事にご招待いただきました。ただ、ほかの公務との関係
から、なかなか全日程に参加させていただくことができないのも毎
年のことです。
善光寺節分会(せつぶんえ)には、開会式と仁王門から本堂へ向
かう行列に参加できました。特別来賓として参加されていたのは、
俳優の中村雅俊さん、タレントの山田邦子さんに加えて、フリース
タイルスキー女子モーグル選手の上村愛子さんとスピードスケート
元五輪選手の吉井小百合さん。仁王門から本堂まで、沿道を埋め尽
くした善男善女の人気を集めていました。
権堂秋葉神社の節分追儺(ついな)祭には、本殿での儀式と、豆
まきに参加できました。こちらの特別来賓は、俳優の峰竜太さん、
タレントの下嶋兄さん、歌手の柴村佳奈さん。その後、権堂のます
栄で行われた打ち上げにも参加させていただきました。
マメ(景品)を遠くの人にも届くように投げるのですが、なかな
か難しいものです。
節分は、冬から春へ、新たな気持ちへ切り替えるイベントと考え
ています。今年も元気に一年間頑張っていきたい、そんな気持ちに
なりました。
2月4日、長野市は2台目の電気自動車を導入しました。昨年9
月に導入したのは、三菱自動車のアイ・ミーブでしたが、今回は日
産自動車のリーフです。
電気自動車は、走行時に二酸化炭素を排出しないため、地球温暖
化対策に有効です。ただ、暖房を使用すると電気を多量に消費して
走行可能距離が短くなってしまうそうですし、まだ4輪駆動車がな
いなど、車としての性能や仕様が限定的なことも事実です。
長野市は、寒冷地であることに加え、市域の約75%が中山間地
域で、坂道が数多くありますから、できれば4輪駆動車がほしいと
ころですし、暖房を使用する頻度も高くなります。どちらかといえ
ば、電気自動車の利用に不向きな条件がある土地柄と言えるのでし
ょう。その中での導入ですから、実際にどのくらいの距離を走行で
きるのか、使い勝手や経費はどうなのか、とても気になるところで
す。それに、価格もまだちょっと高いですよねえ・・・。
市役所の公用車として使えるのかどうか、今後、実際に電気自動
車を利用する中でこれらのことを検証していくことにしています。
2月5日から13日まで、長野灯明まつりが行われました。
このまつりは、長野オリンピックを記念して、オリンピックの開
会式が行われた2月7日前後に毎年開催しているもので、今年は8
回目になります。冬の市街地は観光客が少ないので、この時期何と
か長野に多くのお客さんをお迎えしたいということも、みんなが一
生懸命になる理由の一つでしょう。
このまつりでは、世界的に活躍していらっしゃる照明デザイナー
の石井幹子さんに「善光寺の五色のライトアップ」をお願いしてい
ます。今年は、特に日独友好150周年の記念の年ということもあ
って、仁王門にドイツ国旗をイメージしたライトアップをしていた
だきました。
加えて、オープニングセレモニーでは、ドイツ大使館のアンナ・
プリンツ公使(素敵な公使さんでした)をお迎えしました。そして、
今年は、国連が定める国際森林年。ドイツは、黒い森(シュバルツ
バルト)で有名な森林国、長野市も大変森林の多い都市ということ
で、プリンツ公使から菩提樹(ぼだいじゅ)の苗木をいただきまし
た。どこへ植えるか未定ですが、公使には大切に育てると約束しま
したので、早く良い場所を決めたいと思っています。森林整備の必
要性をあらためて感じさせられたイベントでした。
セレモニーが始まる前、プリンツ公使とお話しする時間があった
のですが、この日公使は、スキーを楽しむためにお子さんと滞在し
ている志賀高原からお越しになったのだそうです。オープニングセ
レモニーが終わったら志賀高原へ戻り、翌日またスキーを楽しまれ
るとのこと。私からは、次の機会にはぜひ戸隠スキー場へお越しく
ださるよう、お誘いさせていただきました。
今年の灯籠の数は、昨年を大幅に上回って650基。クリアウォ
ーター市民の皆さんからの作品、市内小学生の作品をはじめ、たく
さんの灯籠が大門から権堂通りとの交差点まで、中央通りを埋め尽
くしました。
灯明まつりの期間中の2月12日、トイーゴ広場で「長野市民平
和の日のつどい」を行いました。このつどいは、昭和60年9月の
「平和都市宣言」を契機に始まり、長野オリンピック後は、「長野
オリンピック記念 平和とスポーツの日」を記念する事業として開
催され、今回で24回目を数えます。
長野市は、オリンピック開催都市です。オリンピックは、国境を
越えてスポーツで世界が一つになる「平和の祭典」であり、長野市
には、その理念を後世まで伝えていく責務があります。このつどい
は、世界平和を願い、市民が積極的に平和に向けて行動することの
大切さをアピールするイベントとして、昭和61年から毎年11月
ごろに行われていました。オリンピック開催後は、オリンピックの
開会式前後の日に若里市民文化ホールで行われるようになり、さら
にトイーゴ広場に会場を移して行うようになったものです。
翌13日には、長野駅東口ユメリア通りで東口フェスティバルが
行われました。
このイベントも、あのオリンピックの時のにぎわいを目指して、
オリンピック後に始まったものです。地元の皆さんの努力で、継続
し、だんだん盛大になっていると思います。寒い時期なので、参加
者が集まりにくい面は確かにあると思うのですが、そこを工夫して、
平和への思い、そしてオリンピックの時の思いを、さらに将来につ
なげていきたいと感じました。
灯明まつり、長野市民平和の日のつどい、東口フェスティバルに
は、長野オリンピックや平和など、共通するテーマがあります。私
とすれば、それぞれが融合して、全体としてもっと大きなまつりに
成長し、長野市が誇る冬のイベントとして、世界に発信していくこ
とができれば、一番望ましい形かなあ、と考えています。
2月10日、若里市民文化ホールで「長野市農村いきいきフォー
ラム」を開催しました。女性農業者中心のフォーラムということで、
平成5年度から行っています。
フォーラムの開会行事で私は、主催者としてあいさつさせていた
だいたのですが、参加していただいた皆さんに感謝しながら、長野
市の農業の再生に向けて、来年度の目玉施策にしたいと考えている
「新規就農者支援」についても触れさせていただきました。一生懸
命話をさせていただいたものですから、少し長めになってしまった
かもしれません。
その後、二つの事例発表に続き、俳優の峰竜太さんに、「男女
(とも)に輝くために」と題して、夫婦円満の秘訣(ひけつ)など
について、講演していただきました。
現在の農業を支えている人の過半数は女性ということで、大変多
くの参加者がおられ、あふれんばかりの女性で会場は大にぎわいで
した。
さまざまな皆さんのお力で、今年も長野の冬を盛り上げていただ
いています。
2011年2月10日木曜日
「中山間地域市民会議」と「教育委員さんとの懇談」
1月27日、中山間地域市民会議を開催しました。恒例になった
この会議、中山間地域の活性化について意見を交換する場として、
多くの市民の皆さんに参集していただけるようになったと思ってい
ます。
会議の参加者は、市内の中山間地域13地区の住民自治協議会の
会長さんをはじめとした各地区の皆さん、市議会議員の皆さん、地
域活性化推進員、支所長などで、100人ほどの規模になりました。
本年度は昨年度とは趣を変えて、中山間地域共通の悩みである
「野生鳥獣対策」にテーマを絞って開催しました。
会議では、まず信州大学農学部の泉山茂之教授を講師にお迎えし、
野生鳥獣に関する講演をしていただきました。講演の中で泉山教授
が強調されていたのは、地域が一体になっての取り組みの大切さで
す。主な論点を、以下の4点に整理されていました。
(1)誘引する原因をなくす
収穫されなかった野菜など、餌になる物を畑に残さない
(2)必ず田畑を防御する
緩衝帯の整備、柵・電気柵の設置、モンキードッグ(農地にや
ってくるサルなどを追い払うために訓練されたイヌ)の利用な
ど、どんな方法を使ってでも必ず防御する
(3)集落全体で取り組む
対応にむらがあると付け入られる
(4)必ず「追い払う」
野生鳥獣が畑にやってきたら、必ず、人間が追い払う
また、「総合的防除」、つまり、できることは何でも実践すると
いうことで、次の3点を強調されていらっしゃいました。
(1)当事者になる
(2)地域ぐるみで取り組む
(3)決して「あきらめない」
以上、いろいろなアドバイスを頂きました。
続いて、事例発表として、松代地区住民自治協議会副会長で区長
会長の中島嘉一郎さんに素晴らしいお話をしていただきました。お
話によりますと、中島さんが自治協の副会長になって松代地区内を
歩いてみたところ、野生鳥獣による被害の大きさ、区民がいかに悩
んでいるかを知り、これは何とかしたいと考えて取り組みを始めた
とのことでした。
昨年度までは、松代といえば文化・観光について語ることが自治
協の通例でしたが、本年度は農業、それも野生鳥獣対策。これにつ
いて、自治協を挙げて取り組みを始めたとのことで、正直びっくり
でした。
中島さんは、この取り組みについて、情熱を込めて語られました。
住民の意識改革を手始めに、さまざまな対策を講じた意欲的な取り
組みに感心しましたが、それ以上にびっくりしたのは、これまで農
業には縁がなかったはずの中島さんが取り組んでいるということで
す。自治協の副会長になり、早期に実情を把握して、何とかしなく
てはと思い立ち、地区を挙げて取り組む体制をつくり上げたという
中島さんの姿勢と努力に敬服しています。
講師の泉山教授の意見とともに、松代の皆さんの実践力が、中山
間地域全体に広がることを期待したいと思っています。
中山間地域市民会議よりだいぶ前のことになりますが、年明け早
々に長野市の教育委員の皆さんとの懇談会を行いました。
市の教育委員会は、昨年末の小泉教育委員長の退任により、新た
に近藤教育委員長をお迎えしています。また、堀内教育長の就任か
ら1年を過ぎたところでもあり、市長として教育委員会の中心とな
る新たなお二人の意見を十分お聴きする良い機会、そして私の考え
方を知っていただく大切な懇談になったと考えています。
懇談会では、お二人だけでなく、夏目委員さん、塚田委員さん、
藤澤委員さんの5人全員の皆さんとじっくりお話しすることができ、
とても有意義でした。
教育委員の皆さんからは、以下のことについて提言がありました。
(1)小・中学校の耐震化事業について
(2)小・中学校校舎大規模改造について
(3)新教育課程教科書・補助教材について
(4)学校図書館運営事業について
(5)第四学校給食センター建設事業(案)について
(6)文化芸術の振興について
(7)公民館の建設・改修について
(8)放課後子どもプランの推進について
(9)重要伝統的建造物群保存地区選定について
(10)大室古墳群アクセス道路の整備について
(11)市立博物館の展示改善および館内改装について
(12)博物館学芸員の増員について
(13)スポーツ環境の整備・充実について
(14)スポーツ振興基金について
いずれも重要な項目であり、従来から懸案になっていることも多
いのですが、大規模な予算措置が必要な事業が多いので、なかなか
実現が難しいテーマだと思っています。
ご存じのとおり教育委員会は、行政委員会の一つとして市長部局
とは一線を画しており、独立した存在です。ただし、予算の編成・
提案権については、地方公共団体の一体性を確保するという趣旨か
ら、独立した権限を持っていません。このため、ご提言頂いた事項
を実現していくためには、市長部局に予算要求し、市議会での議決
を経る必要があります。
随分前の話ですが、故柳原市長さんの時代、私が市PTA連合会
の会長をしていたときのことです。当時、私は、会長として市長陳
情をする機会が何回かあったのですが、私の意見が強硬だったせい
でしょうか、柳原市長さんから「それは市民税とは別に、教育税を
集めて、独自にやっていただくより仕方ないですね・・・」と言わ
れてしまったことがあります。そんなことを懐かしく思い出しまし
た。
今回の懇談を通して、教育委員の皆さんからは、さまざまなご提
案を頂くことができました。それに対して市長の立場から申し上げ
たことは、「ご提案はどれも大切な事業ですから、いずれは全てや
らなくてはならないと思いますが、予算に限りがありますので、全
体のバランスを見ながら、優先度も考えて、判断させていただくこ
とにしたい」ということです。
今回の懇談会では、以前の私のような強硬意見はありませんでし
たので、当時の柳原市長さんのような発言をせずに済みました。
2011年2月3日木曜日
2月になりました
新しい年になったと思ったら、もう2月になってしまいました。
1月中は、新年度の予算査定などの会議が続いたこともあり、少
々疲れ気味です。加えて、新年会などの行事で、お酒を伴う席が多
かったものですから、胃の方も疲れ気味です。そんな中ではありま
すが、今日のメルマガでは、1月中にあった主な出来事を報告させ
ていただくことにします。
1月8日、長野市消防出初式を行いました。朝早くから鍋屋田小
学校のグラウンドに集合していただいたのは、消防団員をはじめと
した関係者約1,400人の皆さんです。開式式典の後、中心市街
地のパレード、長野市民会館前での市長観閲式と続き、その後、市
民会館の中で行われた式典へと進みました。
式典では、消防団の木遣(きや)り、まとい隊の演技、杉の子あ
ぴっく保育園の幼年消防クラブの鼓笛演奏と「火遊びをしない誓い」
に続いて、市長式辞、消防局長あいさつ、消防団長あいさつ、来賓
祝辞、そして、退職消防団員への感謝状贈呈、長野県消防協会の表
彰を行いました。
この日、来賓としてお越しいただいたのは、市議会議員の皆さん
をはじめ、国会議員、県知事代理、県議会議員、中央警察署長など
の方々です。皆さん、万障差し繰ってご出席いただきました。
最後に、市民代表による「火災追放の誓い」と会場内全員で「火
の用心三唱」を行い、今年の出初式を終了しました。
この直後、まるで待っていたかのように火災発生の通報が入った
のです。それも長野駅前ということで、はしご車まで出動したので
心配しましたが、幸い火災ではなかったようです。安心しました。
翌9日には、市立公民館8館合同の成人式が長野市民会館で行わ
れました。今年の新成人は、市内全体で3,812人です。これだ
けの新成人が一堂に集まることは無理ということもあり、毎年、各
地区で分散して開催しています。
この日、この会場に参加した新成人は、1,135人だったそう
です。私も来賓の一人として出席させていただき、ステージから客
席を見ていましたが、ほぼ満席という印象でした。
式典は、国歌斉唱、式辞、新成人代表2人による誓いの言葉、来
賓祝辞と続き、全員で長野市市歌を斉唱して30分ほどで終えまし
た。
この二つの行事ですが、長野市民会館が3月末で閉館になること
から、来年からは違う会場で開催する予定です。
次に、スポーツの話題です。
1月17~23日、「平成22年度全国高等学校総合体育大会
第60回全国高等学校スケート競技・アイスホッケー競技選手権大
会」・・・何とも長い名前のこの大会(いわゆるインターハイのス
ケート競技)が長野市を中心に、岡谷市、軽井沢町で開催され、全
国から大勢の選手、役員の皆さんをお迎えしました。
長野市では、スピードスケートとフィギュアスケートの全日程、
アイスホッケーの準決勝・決勝戦が行われました。日頃、長野市に
は、スケート文化がないと嘆いていたことはご存じだと思いますが、
関係者の努力により、長野オリンピックから13年を経てようやく
少しずつ芽生えてきました。
まず、この大会における学校別参加者数ですが、市立長野高校は
13人(監督・コーチを入れると15人)でした。これは団体競技
のアイスホッケーを除くと、県内では一番多かったようです。スケ
ートは諏訪地方や佐久地方だと言われている中で、長野市から全国
大会に出場できる選手が多くなったということは大変な躍進です。
ただ、種目別の成績については、入賞者が少ないなど、必ずしも
満足できるものではありませんでしたが、宮澤里沙さん、青木唯人
さんが6位に入賞するなど、上位での活躍もありました。
そして、10位から30位ぐらいに1・2年生の選手が大勢ひし
めいているようですから、今後が楽しみです。
なお、新聞報道によりますと、インターハイ直後の1月26~
30日、第66回国体冬季大会が青森県八戸市で行われ、宮澤里沙
さんが少年女子500メートルで2位、同1000メートルで3位、
青木唯人さんが少年男子500メートルで4位、同1000メート
ルで7位に入ったようです。インターハイよりも上位に食い込んだ
2人のこの成果、とてもうれしく思っています。
1月29日~2月1日にかけては、「平成22年度全国中学校体
育大会 第31回全国中学校スケート大会」がエムウェーブとビッ
グハットで行われました。今回の大会は、長野市で10年間連続で
開催することになってから4年目。長野市とすれば、高校球児の甲
子園のように、エムウェーブをスピードスケーターの憧れの場所に
しようと努力している真っ最中です。
今回、長野市内からは、スピードスケートに5人、フィギュアス
ケートに1人、計6人の選手が出場しました。長野オリンピック翌
年のことですが、県大会ですら長野市からの参加選手が一人もいな
かったことを思いますと、隔世の感があります。大変うれしく、ま
た頼もしく感じています。
出場選手だけでなく、市内の中学生の皆さんの努力にも敬服して
います。開会式での司会、入場行進曲や国歌などの演奏、選手・来
賓の誘導、入場行進の先導、全て中学生が務めたのです。それと会
場を彩る応援フラッグも美術部の中学生の作品とのことでした。も
ちろん、エムウェーブ友の会の皆さんをはじめ、市やエムウェーブ
の職員も手伝いましたが、中学生の運営は素晴らしいと感じました。
31日には、短時間ではありましたが、エムウェーブで3000
メートル予選の様子を観戦することができました。レース方式は、
国体と同じで、滑走コースが分かれておらず、数人が一斉にスター
トする方式です(国体では1000メートル以上の長距離になると
責任先頭制)。この方式ですと、レース中の駆け引きなどが分かり
やすく、迫力もあり、個人的にはこの方が面白いと思っているので
すが・・・。最近、この方式のレースを見る機会がなかったもので、
懐かしく感じました。
今回のインターハイや全中大会でも、他の国際大会などと同様に、
氷を最高の状態にして選手の皆さんをお迎えしました。ただ、氷を
最高の状態に保つ努力は、大変なものがあります。エムウェーブで
は、氷を厚さ約33ミリメートルにするそうなのですが、厚くなり
すぎれば記録が出ず、薄くなりすぎればひび割れてしまうそうで、
職員が徹夜に近い状態で製氷に取り組んだそうです。頑張った結果
として、素晴らしい記録が生まれてくれれば・・・それが製氷担当
者の思いとのことです。
全中大会中、財団法人日本中学校体育連盟のスケート競技部長を
されている更北中学校の林克己先生とお話しできたのですが、製氷
担当者の思いが見事に実り、自己最高記録を更新できた選手が続出
だったそうです。また、全国各地のリンクで持ち回り開催している
インターハイでも、今回、大会記録が数多く塗り替わっており、こ
のことからもエムウェーブの氷の状態の良さを知ることができます。
林先生のお話によりますと、全国から集まってきている選手、そ
して保護者の皆さんが絶賛しているとのことで、誠にうれしい限り
です。ただ、氷が良かった分(良すぎるぐらい)、有力選手が転倒
してしまうというハプニングもかなりあったそうで、その面では気
の毒でした。
今回の2大会の結果などを基に、長野県全体のスピードスケート
選手の分布をざっと見てみました。すると、高校では、岡谷南、佐
久長聖、小海、東海大三、そして市立長野に優秀な選手が集まって
いるようです。中学では、スケートの伝統がある佐久地域、諏訪地
域の選手層が厚いように思いました。
全国的に見ると、スピードでは北海道、フィギュアでは中京・関
西圏の選手が多いようですが、中学の全国大会を10年間長野市で
開催できることのメリットは大きいようで、スピード、フィギュア
ともに、長野にもかなり有望な選手が育ってきているようです。な
んとか昔日の「スピード長野」の復活を夢見て、これから伸びる長
野市の小・中学生、高校生に頑張ってほしいものです。
アイスホッケーでも長野市のチームが活躍しています。インター
ハイの長野県代表は、長野工業高校でした。中学では犀陵中学校が
代表で、全国大会の出場は12年連続です。アイスホッケーの全国
中学校大会は、スピードやフィギュアとは別日程で、今日から北海
道釧路市で始まっています。アイスホッケーの練習環境が市内に整
っていない中での出場で、申し訳ないと思う気持ちもあるのですが、
でも、何とか、上位に食い込んでもらいたいと思っています。
来週も、1月中の主な出来事について書かせていただきます。