2004年2月12日木曜日

行政改革の継続と民間活力の導入

  
 年初のメールマガジン(第90号)で、私が考えている今年の政
策を箇条書きで書かせていただきました。その中で、基本政策のう
ち「合併と都市内分権」については、メールマガジン91号・92
号の2週にわたってご説明申し上げました。

 今週は、今年の政策として2番目に掲げた「行政改革の継続と民
間活力の導入(聖域なき改革)」について書かせていただきます。
ただ、この分野については過去2年間に、私の主張をメールマガジ
ンの中で取り上げておりますので、重複する部分があるとは思いま
すがお許しください。

 行政改革をやらなくてはならない、そんなことは当たり前です。
大切なことは「目的は何か」、「どの分野の改革か」ということと
同時に「継続の努力」ということです。行政はどうしても肥大化し
たがる傾向がある。常時、無駄を廃し、簡素・簡潔な組織へ向けて
の努力をしていくことが必要です。

 私は、行政改革のポイントは次のようなものと考えています。

(1)行政が担う役割とサービスの範囲と質についての検討
(2)行政の直接サービス分野と民間委託等を含めた民間活力導入
   分野の区分の検討
(3)行政が行う事業のやり方のスリム化、新しいやり方の工夫
(4)行政組織の定員の検討
(5)行政職員の待遇の検討

 この5つをきちんと検討することが基本でしょう。

 もちろん、これらを検討して結論を出したとしても、固定的なも
のであってはなりません。時の経過、技術力の進化、あるいは法律
の改正などとも連動して変わっていくことも大切です。それが先に
述べた「継続の努力」ということです。

 長野市では平成14年度に行政改革大綱を策定し、平成15年度
には行政改革推進局を設置して内部努力を始めました。

 職員の待遇について申し上げますと、特別職については、現在、
公募委員を含めた特別職報酬等審議会で審議していただいています
し、一般職については、国家公務員の給与等の勧告を行う人事院勧
告がマイナスになっていることに準じ、市職員の給与も減額の方向
が出てきました。

 民間活力の導入については、行政内部だけの問題ではありません
から、市民の皆さんとの協働(コラボレーション)とパートナーシ
ップが大切です。加えて、市民の皆さんのご理解をいただくことが
大切と考えています。 

 市民の皆さんの一般的な概念としては、行政がやっている方が安
心という感覚があるようです。そういった行政に対する信頼は大変
ありがたいことであり、行政マンは「以って瞑すべし」ことではあ
りますが、行政より民間の方が進んでいる分野がどんどん広がって
いますし、残念ながら行政は自ら変わる行動原理が弱いのです(競
争が無いということが、その根本理由だと思います)。

 従来、行政が行ってきた事業に民間活力を導入する場合、私の考
えるその条件は3つです。すなわち、

(1)サービスの質を落とさない
(2)競争条件が存在する
(3)コストが下がる

 この条件にかなう事業は例外無く、民営化を含む民間活力導入の
対象であると考えています。

 具体的な方式は、

(1)民営化
(2)民間委託
(3)PFI
(4)TMO
(5)人材派遣   

 などが考えられますが、地方自治法の改正により、昨年9月に施
行されました「指定管理者制度」では、公共施設の管理運営につい
て、株式会社など民間事業者が行うことが可能となりました。これに
ついても、長野市における条例整備の準備を始めておりますし、現
在、日本中で導入が検討されている構造改革特区制度も、民間活力
の導入を主眼にしている制度と言えましょう。いろんな工夫をした
いと思います。

 民営化・民間委託の具体的な分野として、検討しているものは、

(1)学校給食センター
(2)保育所
(3)火葬場
(4)児童館をはじめ福祉の分野
(5)体育施設管理の分野
(6)公園の管理
(7)その他市有施設の維持・管理・運営

 そのほかに勤労者共済会等の外郭団体の在り方、農業共済制度や
交通災害共済等の制度の在り方問題、市営住宅の建設や管理、学校
経営などについても検討課題であると考えています。

 これらを含め現在、各部署で検討しているものは117項目、今
後、市民の皆さんのご理解とご協力をいただけるよう、きちんと説
明を申し上げ、「継続の努力」をしてまいります。