間もなく3月定例市議会が始まります。今回は施政方針演説を含
め、演説や議論のあり方について、私の考え方を述べてみたいと思
います。
市議会での市長の施政方針演説がケーブルテレビの番組で、生放
送されるようになったのは、いつ頃からかよく覚えていませんが、
全て生放送されるようになった時、家族から「原稿を棒読みしてい
る姿は格好が悪い、原稿を見ないで堂々とやれないの?」と言われ
ました。
私も原稿を読むことは好きではありません。できれば原稿を読ま
ずに自由に喋りたいと思うことはありますが、議会での施政方針演
説の場合は、かなりのボリュームがある上、政策担当の職員と一緒
に、細心の注意を払って組み立てているわけで、きちんと原稿を読
むことが大切だと思っています。また、市会議員さんにも私の読み
原稿を配布させていただき、多少の読み間違いがあってもご理解い
ただけるよう、また、聞き漏らしや誤解の無いように努めています。
私は、それが本来のやり方であろうと考えています。
同様に、議会での質疑・討論につきましても、これも議会を面白
くする、あるいは活性化のために一問一答形式でやったらどうか、
という意見もいただいていますが、私は、議会というのは、議員さ
んからきちんとした質問をいただき、それに対し理事者が誠意ある
回答をすることが義務と考えていますので、議員の皆さんには、予
め質問内容を聞かせていただくようにお願いしています(駄目と言
われれば仕方がありませんが、その場合は、当意即妙の回答ができ
ず、「後日調べた上でお答えします」ということが多くなるでしょ
うね)。その代わり、回答は誠意をもってやろうということで、毎
晩遅くまで、多くの職員と一緒にヒアリングと回答文づくりを行っ
ています。私にとっては、議会での議論も気になりますが、このヒ
アリングの場が大変であると同時に、市政を勉強する最大の場であ
ると感じています。また、議会での質疑・答弁時間は、議員さんご
とに時間の制限がありますので、時間内に全ての質問に答えようと
しますと、原稿を読む以外は難しいようです。
もう2年以上前になりますが、市長就任直後の平成13年12月
市議会のヒアリングでは、職員と私の議論が長引いてしまって、午
前0時前に帰宅したことはなかったように記憶していますし、時に
朝5時過ぎまで議論したこともありました。でも最近は私と職員と
の理念の共有ができたのか、あるいはどちらかが妥協するようにな
ったのか、早い時間に帰宅できるようになってきました。
また、原稿を読むことを自分でも潔しと思わなかったが故に、答
弁の最中、アドリブでいろいろなことをお答えしたこともありまし
たが、結果はあまり良くなかったという反省があります。そして再
質問等の場合、これは予め原稿を用意することができませんので、
議論の中でつい激してしまうこともあり、議長さんから注意された
こともありました。
議会以外でもいろいろな会合に出席して挨拶をさせていただく機
会が多くあります。数は多いし、会合の目的もそれぞれ違いますの
で、これも基本的には原稿を読ませていただいています。挨拶で申
し上げるべき内容に落ちがあっては申し訳ありませんし、それは失
礼です。担当課には箇条書きで良いから、要点は書いてほしいと頼
んでいます。
地域の皆さんと地域の課題について懇談する「元気なまちづくり
市民会議」等で話をする場合、これは分かりやすくするためにプロ
ジェクターを使うようにしています。読み原稿を作るのと同じこと
ですが、市民の皆さんに分かりやすくしようということで、視覚に
訴えようとしてやっていることです。もちろん、私自身にとっても
スクリーンに映し出された資料を見ながら喋れるので、読み原稿と
同じ効果がありますし、特に地図や図表を使う場合には、絶大な効
果があって、参加された皆さんからは「分かりやすかったよ」と声
をかけていただき、嬉しく感じています。
あまり多くはないのですが、諸団体から「市長講演」の依頼もあ
ります。30分から90分ぐらいの講演の要請が多いのですが、こ
れも予め系統別に、スライドを沢山作っておき、依頼団体の趣旨と
要請時間の兼ね合いで、その中から選んでお話しさせていただいて
います。行政というのは、結局のところ市民に理解していただくこ
とが重要ですから、時間の都合がつく限り出席させていただき、話
をさせていただくことにしています。
喋るということとは少し違いますが、発刊以来、約2年を迎える
メールマガジンも、分かりやすく市民の皆さんに語りかける、ある
いは市長がどんなことを考えているかを知っていただくという意味
では、大変重要視しているものです。毎週配信するということは、
正直言ってきついのですが、まあ始めた以上仕方ないでしょう。市
政に関係ない趣味等のことを書いている部分もあり、若干お叱りを
いただいている部分もありますが、私の人間性を知っていただく意
味もあり、お許しいただきたいと思います。何人かの方から「メル
マガのゴースト・ライターは誰だ?」と言われていますが、正真正
銘、私が毎週書いています。ただ、広報担当等から若干クレームが
ついて訂正させられてはいますが・・・・・。