2006年6月29日木曜日

スポーツの話題


 長野市若里市民文化ホールで、長野市とNHKとの共催により、
2006FIFAワールドカップ日本戦のPV(パブリック・ビュ
ーイング)を3日間開催しました。PVというのは、スポーツにお
ける大型映像装置を使用しての観戦イベントのことで、試合の行わ
れていないスタジアムや駅前の広場、特設会場などで多くの方に楽
しんでいただくために行われるイベントです。今回は初めての試み
ということや時間帯が深夜早朝に及ぶことから、間違いがあっては
いけないということで、運営サイドはかなり緊張して取り組みまし
た(サッカーの試合は、時に観衆が興奮状態になって思わぬ事故等
もあるからです)。

 当初、長野の人はおとなしいから、盛り上がらないのではないか
・・・と心配したのですが、まったくの杞憂(きゆう)でした。開
催した3日間とも、収容人員約600人の会場に入りきれないほど
のサポーターの皆さんに来ていただき、皆さん元気に、日本の健闘
をたたえて大きな声と手拍子、そしてチア・スティックスという応
援グッズなどを使って、応援していました。私も、3日間ともサム
ライブルーのユニフォームTシャツを着て、若里市民文化ホールに
通い、一緒になって応援しました。

 残念ながら、日本は決勝トーナメントには進出できませんでした
が、さすがに王者ブラジルは強かったですね。日本とすれば最初の
オーストラリア戦の最後の10分間がすべてだったかなあ、あそこ
で勝っていれば流れは変わっていたのでは・・・勝負に「たら」
「れば」は禁物ということは分かっているのですが・・・。

 日本からのサポーターが“0泊2日”で成田からドイツへ向かっ
たという報道がテレビや新聞をにぎわせていましたし、日本中が日
本代表チームに声援を送っていたように感じています。4年後には、
何としても決勝トーナメントに進出できる、強いチームを送り出し
たいものです。

 また改めて、サッカーというスポーツは皆の心を一つにして夢中
にするゲームであること、それがゆえにワールドカップは世界中の
人々を引き付けるのだということを証明したように感じます。
 まさにサッカーは世界共通語ですね。

 今回のワールドカップのPVは、県内ではNHKとの共催により
長野市と松本市で行われたのですが、このPVの試みは成功だった
と思います。結局こういうイベントは中味(コンテンツ)さえよけ
れば、それほど宣伝しなくとも、多くの皆さんが集まって盛り上が
ってくれる、運営もボランティアの人たちが中心になって、実にき
ちんとやっていただける。今回は受付、場内整理、駐車場係等のス
タッフは長野オリンピックからずっと活動しているボランティアグ
ループの皆さんでした。こうした皆さんの活躍がイベント成功の原
動力となったことは間違いありません。行政と市民の皆さんとの協
働により経費をかけずにできた良いイベントだと思いました。特に
NHKとの共催のPVは国内各地で行なわれたようですが、早朝か
らのブラジル戦まで開催したのは全国でも3カ所とお聞きしており
ます。長野オリンピックを契機としたボランティアグループにより
運営されたことといい、ワールドカップという世界的イベントに強
い関心を寄せたことといい、これは長野オリンピックの効果ではな
いでしょうか。

 同じサッカーの話ですが、JFLさらにはJリーグを目指して現
在北信越リーグのトップを走っている「長野エルザ」に素晴らしい
ニュースがありました。長野エルザの監督としてバルディエール・
バドゥ・ビエイラ氏が就任しました。彼はドイツ在住のブラジル人
で、コスタリカ、オマーン、イラン等のナショナル・チームの監督
も務めたことがある大物監督だそうです。Jリーグ関係者の紹介で
のご縁と聞いていますが、JFL昇格への請負人と言って良いかも
しれません。
 6月25日に新潟経営大学サッカー部との試合終了後、立ち話で
すがお会いしました。とても気さくな良い方という印象です。その
手腕に対する期待は当然ですが、加えて、子供の指導などを通して、
長野のサッカーの底辺を広げたいという意欲を持っておられるよう
ですから、大いに期待しています。

 もう一つ、スポーツに関し長野に関係ある動きを報告しますと、
夏季・冬季の両オリンピックでも活躍された参議院議員の橋本聖子
さんが日本スケート連盟の会長に就任されました。彼女がエムウェ
ーブのオープンの時、記念滑走をして下さったことを昨日のように
覚えています。
 日本スケート連盟は、不祥事を起こし、役員の告発問題にまで発
展してしまいました。会長・専務理事以下総退陣になって、岡谷市
の元市長の林泰章氏(長野県スケート連盟会長)が会長代行に就任
して、体制立て直しに努力され、ようやく新しい人事が決まったも
のです。

 私は、長野市もエムウェーブを中心にしてスケートのメッカにな
りたいと言い続けてきたものですから、スケート連盟の皆さんと良
い関係を作っていきたいと望んでいます。その意味でも日本スケー
ト連盟がしっかりしていただかないと困ると思っていました。
 橋本会長の誕生、そしてそれを支える林副会長の存在は、大歓迎
です。新しい体制ができての再出発、長野冬季オリンピックを開催
した市として、応援もしたいし、オリンピック選手をどしどし輩出
したい、そんな思いです。
 文部科学省やJOC(日本オリンピック委員会)に、エムウェー
ブとスパイラルを、ナショナルトレーニングセンターに指定してい
ただきたいというお願いをしている最中ですから、いっそう体制立
て直しに期待しています。

 今年も南長野運動公園のオリンピックスタジアムで、6月24・
25日、プロ野球の公式戦が行われました。セ・パ交流戦が終了、
通常の公式戦に戻っての西武対ロッテ戦でした。チラシには「長野
で激突!日本一奪還のドラマが始まる!」のキャッチフレーズが踊
っていました。結果はご存じの通り、西武の連勝でした。
 さらに8月22日には、横浜対巨人戦の公式戦もありますので、
プロ野球ファンには大いに楽しんでいただきたい、プロ野球側にも
オリンピックスタジアムを大いに利用していただき、市民を楽しま
せていただきたい・・ぜひお願いします。

 そのほか、長野運動公園では長野市障害者スポーツ大会、豊野地
区では長野県聴覚障害者球技大会が行われ、そして前にもご報告し
たスペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会・長野メモリア
ル第1回フロアホッケー大会(勇気の翼フロアホッケー大会)など、
この時期スポーツは素晴らしい盛り上がりを見せています。
 家の中で読書やパソコンを楽しむのもいいですが、大空の下で大
いに身体を動かしましょう。

2006年6月22日木曜日

集客プロモーションパートナー都市協定について


 長野市では昨年、上越市と第1号となる「集客プロモーションパ
ートナー都市協定」を結びました。上越市と長野市は古くからさま
ざまな「縁」がありましたので、都市間の市民の往来および交流を
促進することにより、さらに地域経済の活性化を図ることを目的と
したパートナーになったということです。この協定は、パートナー
都市において実施される観光イベント等に関する情報を積極的に市
民の皆さんに提供するためのプロモーション活動を相互に支援・協
力することを定めたものです。

 この第1号の協定は昨年10月14日、上越市長に長野市にお越
しいただき、調印したものです。このころは私が対象になる市長選
挙の直前だったこともあると思いますが(上越市の木浦市長も私と
同日の選挙でした)、皆さんの記憶にあまり残っていないかもしれ
ません。

 人口減少時代を迎えつつある現在、「旅行客」「観光客」という
名の交流人口拡大が都市活性化のキーポイントの1つになっていま
す。旅の形態も、かつて隆盛を誇った団体旅行が激減し、趣味など
テーマを持った個人・グループ旅行が主流になりつつあります。こ
の個人の関心をどうとらえるか、そのためには“旅へのきっかけづ
くり”としての情報を、できるだけ身近なところへ継続的に発信し
ていくことが大切と考えました。

 これらのことから、市庁舎はじめ公民館、図書館など市民生活に
密着した市有施設に観光・イベントポスターを張り出したり、市発
行の広報紙やホームページも利用しあっていこうというものです。

 上越市からは、市内の小・中学生及び幼稚園・保育園児を対象に、
夏休み期間に使用できる水族館や屋内プールの無料招待券をご好意
によりいただくなど、これまでも海と山をテーマに親交を深めてき
ています。また、両市の商工会議所が、昔から連携していることも
あり、この協定によりさらに市民交流が活発になることが期待され
ます。

 既に実施したことですが、昨年12月には長野市の灯明まつりの
チラシ1,500部を上越市内38施設に置いていただき、今年3
月には上越市の高田城100万人観桜会のチラシ1,500部を長
野市内57施設に置きました。また、長野市のホームページから、
上越市のホームページにアクセスできるようになっており、私もア
クセスしてみましたが、なかなか魅力的なホームページです。
 今後もこの協定を広げ、他の都市とも協定を締結していこうと考
えています。

 協定の話とは違いますが、長野市では観光を一大産業に育てよう
ということでいろいろなことに取り組んでいます。

 善光寺発信州北回廊プロジェクトのことは、以前にメルマガでも
書きましたが、参加している各自治体が、JR東日本長野支社など
の交通機関等と連携して、今年から本格的に首都圏へ向けてプロモ
ーション活動を開始しています。

 市内では、今年「歩く」をテーマとした観光キャンペーンを展開
しており、秋には川中島古戦場・松代を舞台としたツーデイウオー
クが予定されているほか、市内各地でさまざまなウオーキングイベ
ントが計画されていますので皆さんも是非参加してみてください。

 また、来年のNHK大河ドラマに井上靖原作の「風林火山」が決
定し、出演者の方々も決まってきましたので大いに活用していきた
いと考えています。

 ドラマでは武田・上杉の川中島の戦いが後半のハイライトでしょ
うが、長野市にはこの戦いにゆかりのある名所・旧跡がたくさんあ
ります。川中島古戦場、今回のドラマの主人公となる武田方の軍師
山本勘助が造営したともいわれる海津城と彼のお墓、上杉勢が陣を
敷いた妻女山(さいじょざん)、武田信玄の弟信繁のお墓がある典
厩寺(てんきゅうじ)、信玄の側近で海津城の初代城主高坂弾正(
こうさかだんじょう)のお墓がある明徳寺、南長野運動公園にある
勘助宮跡地(かんすけのみやのあとち)の碑、頼山陽(らいさんよ
う)の詩で有名な「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)・・・」の
雨宮の渡し・・・など、ほとんどすべての場所を視察してみました。
 いずれもネットワークを組んで素晴らしい観光資源にしたいもの
です。

 中でも先日お伺いした松代町豊栄の明徳寺は、曹洞宗のお寺で、
ここには高坂弾正のお墓があります。ご住職の話では、昔から墓石
を削って持ち帰る人が多いとのことで、墓石はかなり削られていま
した。
 境内には太平洋戦争の時、硫黄島で玉砕された栗林中将(松代出
身の方で、墓石は大将になっていました)のお墓もあり、また「酒
呑弥勒菩薩(さけのみみろくぼさつ)」という仏のお堂があって、
この寺の鎮守仏と書いてありました。“酒呑み”の仏さんがお寺の
守り仏という寓話(ぐうわ)は、なんともおかしく、また楽しい話
です。また蛙合戦で有名な池もあり、毎年春桜の満開の頃、遠近の
蛙が大挙して境内に集まり、あたかも合戦の様子を呈すのだそうで
す。この池は明徳寺のヒキガエル産卵池として市の天然記念物に指
定されています。
 松代地区にはお寺が多いですね。それぞれの歴史があって、それ
ぞれの物語があるわけですから、工夫すればすごい観光資源です。
仏教関係の方からすれば「静かな信仰のお寺ですから・・・」との
声も聞こえてきそうですが・・・。

 松代といえば、先日松代藩文武学校で開催されました「御前上覧
演武会」に招待されました。真田会の皆さんが中心となり、真田家
14代当主の真田幸俊氏(慶応義塾大学助教授)の御前で、剣士の
方々が羽織、袴姿で真剣を使って型を見せるもので、居合術、荒試
し、抜刀術、刀術を見事な気合で演じておられました。凛とした雰
囲気が場内にピーンと張り詰め、剣士の方々の緊張感が伝わりまし
た。

 いずれにしろ長野市南部方面は、南長野運動公園、八幡原史跡公
園、茶臼山動物園等も含め、魅力一杯の地域です。「風林火山」を
きっかけに、大きなスポットライトが当たるそんな予感がしていま
す。

2006年6月15日木曜日

嬉しい報告がありました


 先日、市長室に嬉しい報告が入りました。
 6月7日、横浜市で開催された第29回全国消防長会消防職員意
見発表会で、長野市消防局の斉藤良明消防士が、見事最優秀賞を獲
得、全国15万8200人余の消防職員の頂点に立ったということ
で、これは大変な快挙です。

 最優秀賞までの経過を聞いてみますと、厳しい選考過程を経ての
ものでした。
1月10日 長野市消防局内の第一次選考会により、局内出場応募
     者18名から二次選考会出場者8名を選考。
1月20日 長野市消防局内の第二次選考会(出場者8名)で、最
     優秀賞を受賞し、長野市消防局の代表として県大会代表
     に決定
2月16日 長野県消防職員意見発表会(木曾勤労者福祉センター)
     で、県内14消防本部の代表者14名の中で最優秀賞(
     1名)を受賞し、関東支部消防職員意見発表会に県代表
     として出場決定。
4月26日 全国消防長会関東支部消防職員意見発表会(さいたま
     市)に出場、最優秀賞(2名)を受賞し、全国大会出場
     決定。
6月7日  全国消防長会消防職員意見発表会に関東支部代表とし
     て出場、全国各支部代表10名の中で見事、最優秀賞を
     受賞。

 以上が経過ですが、6月1日庁内の部課長会議の席上、斉藤消防
士が「これから行ってきます」ということで、挨拶代わりに意見発
表を披露してくれました。私も初めて聞いたのですが、びっくりす
るほど上手で、その場に居た職員はみんな拍手喝采でした。

 発表テーマは「小学生からのDIG(注)」ということで、突然
起こる災害時、先生も親もいない通学路で、自分の身を自分で守れ
るよう、通学路の危険箇所や避難場所を地図上で確認するDIGに
取り組んでおく必要性を提案したもので、DIGは登下校時の防犯
対策など、防災以外の分野にも活用できると主張(先日行われた市
の水防訓練でも、安茂里の皆さんがこのDIGに取り組んでいらっ
しゃいました)、子供の安全に対する関心が高まっている中、防犯
対策にまで視野を広げた発表テーマが評価されたのではないか、と
いうことです。

 そして8日、受賞の報告に来てくれたのですが、私は彼に「君は
昔、演劇部にいたのですか?」と質問しましたが、返事は「いいえ」
でした。庁内の部課長会議での事前発表を聞いたとき、発表内容も
よかったけれど、演技を含めた「しゃべり」が素晴らしかったので
思わず聞いたのですが、元来の素質に加え何段階かの選考会を経験
する中で、さらに上手になったのでしょう。

 発表時間は一人5分以内、発表内容、表現力で審査されたそうで
す。全国大会での審査員は、明治大学法科大学院教授、神奈川新聞
社編集局長、横浜夢座の座長、前橋市・大阪市・福岡市の消防長と、
そうそうたる方々ですから素晴らしいことです。
 長野の名を揚げていただいたこと、大いに称え、感謝しました。

 長野市消防局職員の自慢をさせていただいたついでにもうひとつ。
一昨年の中越地震のとき、優太ちゃんを救った素晴らしい消防の活
動がありましたが、あの時も東京消防庁のハイパーレスキュー隊に
混じって、長野市消防局職員の活躍は光っていました。日ごろの訓
練の積み重ねが実っているなと大いに誇りに思ったものです。

 日ごろ申し上げていることですが、日本に比べてアメリカでの消
防士の社会的地位は、とても高いと感じています。アメリカに倣え
ということではありませんが、自らの命をかけて働く消防士の社会
的地位をもっと上げるべき、私の考えていることの一つです。

 話は変わりますが、長野市の交通安全教育を担って頂いている講
師の方についてお話しします。

 長野市は、交通安全指導、交通安全教育を行い、交通安全思想の
普及を図ることを目的として、市民の皆さん一人一人に交通安全に
関する正しい知識と交通習慣を身に付けていただくために、毎年交
通安全教室を開催しています。

 その教室の講師には、長年にわたり警察で交通部門に携わった方、
交通安全団体等で交通安全に取り組まれた方などから、市長と警察
署長が適任者を選任し、連名で委嘱させていただいています(任期
2年)が、この方々の活躍が見事なのです。
 特にその方々が交通安全教室で披露する腹話術、そして寸劇は素
晴らしく、私がみどりの移動市長室で拝見したときは、女性の講師
の方2名でしたが、感激しました。交通安全を訴える寸劇で姑役と
嫁役を見事に演じられ、腹話術で歌まで歌ってしまうのですから、
びっくりでした。
 平成17年度は、市内123カ所で交通安全教室を開催、受講人
数は約6800人ということですが、実に楽しい催しなのです。

 講習というのはいろいろありますが、たとえば免許証の更新時等
に行われる講習は、誰もが重要であることは理解しているのですが、
どうしても堅苦しく考えてしまいがちですよね。目的が違うので仕
方が無いと言えばその通りですが、でも彼女たちに講師として登場
してもらったら、目線が変わって楽しいだろうし、有意義なのでは
ないかなあと思うのですが・・・無理でしょうかね。

(注)DIGとは・・・DIG(ディグ)は、参加者が地図を使っ
 て防災対策を検討する訓練です。Disaster(災害)、
 Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文
 字を取って命名されました。

2006年6月8日木曜日

浅川改修期成同盟会総会が開催されました


 6月1日、昨年と同じく9月末まで4カ月間、長野市は「クール
ビズ」を始めました。私も昨年は、公式行事等やむを得ない場合を
除き、クールビズに率先して取り組んできました。地球温暖化防止
のため、クールビズが社会に一層定着していくよう全庁的な取り組
みを行っていきたいと考えていますので、皆さんのご理解をお願い
します。

 また、待ちに待った「2006FIFAワールドカップ」がいよ
いよ始まります。日本中がいろいろな形で盛り上がってきていま
す。今回、長野市として初めての取り組みになるパブリックビュー
イングをNHKと共催で行います。6月12日(月)には日本対オ
ーストラリア戦、その後の日本戦においても若里市民文化ホールで
試合の様子を大型スクリーンで受信公開します。私自身は行けるか
どうか、朝早くて、午前4時の試合は無理かなとも思っています
が…非常に期待しています。私は前々から街の中にスポーツバーみ
たいなのを作らないかと言っていましたが、こういうものは行政施
設の中でやるには限界があるとは思うのですが、にぎわいをつくっ
ていく、あるいは街の元気をつくり出すという点では非常にいいと
思っています。

 さて、5月29日、浅川改修期成同盟会の総会がメルパルクで開
催されました。浅川治水問題について、県の説明があり、会員さん
からの発言もあり、大変有意義な会議であったと思います。久しぶ
りに浅川治水について、整理のつもりで、報告させていただきます。

 冒頭、私は同盟会会長として、次のように申し上げました(挨拶
内容を正確に写したものではありません、説明的になっていること
はお許しください)。

浅川治水について
(1)浅川治水は、知事による「脱ダム宣言」以来、ダムに替わる
  総合的な治水対策を一刻も早く策定するよう、同盟会として県
  に強く求めてきました。
(2)宣言以来、すべてが止まっていた浅川治水事業について、危
  険な状況を少しでも解決しようと、県議会、市町村及び市町村
  議会が一丸となって、国への熱心な陳情を繰り返した結果、平
  成16年度になり、既に国が認めた「全体計画」(平成7年に
  国の認可を得た計画で、宣言以来、国では休止扱いをしていた)
  に基づき、河川改修だけを再開するとの国の決定があり、現在
  工事が行われている状況です。ただ休止扱いとなっているため、
  国からも十分な予算をつけていただけないので、あまり進展し
  ている状況ではないようです。
(3)そして、ダムに替わる代替案が示されないまま、平成17年
  11月になって、ようやく県から「浅川の河川整備に関する基
  本的な考え方」が発表されました。
  その内容は「河川整備計画」の認可後20年間で実施する治水
  対策として、河川改修、ため池の治水利用、2カ所の遊水地と
  していますが、治水安全度が中・下流で異なるものです。河川
  整備に関する考え方は、「ある」と公約された代替案といえる
  ものではなく、論点を、外水問題から内水問題にすり替えよう
  とする意図が感じられる「考え方」でありました。
(4)本同盟会としては、百分の一の治水安全度の計画(代替案)
  を、早急に示してほしいということを、お願いしています。

新幹線に関すること
 この件に関連する地元の皆さんとの約束(確認書による履行事項)
については、長野県が平成12年度を目途に多目的ダムを早期に完
成させることや、新幹線車両基地の受け入れに伴う水害防止対策と
して、浅川の改修を早期に完成させるという項目があります。これ
ら約束事の不履行による用地買収の遅れは、この地域だけではなく、
長野以北の北陸地域にも影響が及ぶことが懸念されます。

内水対策について
 市では、今年の2月に県から示された「内水対策案」については、
一定の理解をしており、具体的な内容については、現在県と市の技
術者レベルでの協議・打ち合わせを実施しています。この中で、排
水機場の増設計画については、現機場も含め県の河川施設に位置付
けて実施することを提案しており、遊水地等の施設については内水
対策効果の確認等を行っております。

 最近の東大・沖グループの研究によると、「地球温暖化により海
水温が上昇し、水蒸気が増えることにより、日本や米国東部でも1
00年に一度の大洪水が10~30年周期となる」という試算も発
表されています。このようなことからも、地域住民の皆さんの安全
・安心な暮らしを実現するために、一日も早く浅川治水が進められ
ることが求められています。

 以上が私の挨拶要旨ですが、そのあと県の青山出納長が、概要説
明ということで、県の発表した河川改修計画(代替案ではありませ
ん)を説明されました。地域の説明会でされた内容と同じですので
詳細は改めて申し上げませんが、新しい河川整備計画を国に申請す
る、そして認可後20年間に実施する治水対策について従来の主張
を繰り返されました。私も繰り返しですが、あえて申し上げれば、
代替案とは言えないものと感じています。

 議事に移り、17年度事業報告と決算、18年度の事業計画と予
算が議決されたあと、会場から、県の説明も含めて意見のある方は
どうぞと申し上げましたら、次から次へ手が挙がり、議長の私も整
理に戸惑うほどでした。

 すべてを報告することはできませんが、主なものをご報告します
と、「百分の一の治水計画の全体像を示してほしいし、全体像がな
ければ地元では検討しようもない」、「流木や土石流対策、遊水地
の場所は県営事業で優良農地とするためのほ場整備が終わったばか
りの土地で容認できない」、「新幹線事業に関連する地元との約束
について地域の感情をどう考えるのか」、「猫又池、大池は土地改
良区の管理であり、水利権等はどうなっているのか」、「20年後
に安全度が三十分の一、出してほしい百分の一の全体計画が出てこ
ない、20年後において、ほんとうにやる気があるのか」・・・
等々であり、出納長の答えは、国土交通省と交渉中という話も含め
て、大変苦慮している様子でした。

 私は会議の最後に、会長として次のように総括しました。
(1)地元は全体計画を要求しているのに、県は20年後までに行
  う河川改修計画を話しており、しかも百分の一の治水安全度に
  はなっていない、“要はダム代替案になっていない”。そのこ
  とを事実として認め、ダムに替わる代替案を早急に示すべきで
  ある。
(2)青山出納長は「脱ダム宣言以来、治水対策の説明が足りなか
  ったことについてお詫びする」と発言されました。私は知事を
  含めてこの件で「お詫び」と言う言葉ははじめてお聞きしまし
  た。しかし、会場からの発言にもあるように、地域の皆さんは
  20年後の中途半端な案を求めているのではないということを
  承知しながら、論点をすりかえ、肝心のこと(「ある」と称し
  た代替案はないということ)については、お詫びはしていない
  ことは極めて遺憾である。
(3)全体計画(県のいう二次計画を含めて)について、国の認可
  が下りるかどうかがポイントである。すなわち、現在は技術的
  な裏付けをしっかりと行う段階であり、技術的に可能な案(百
  分の一の治水安全度、基本高水流量450トンが計画されてい
  るもの)が提出されない限り一歩も前に進まないであろう。

以上で浅川改修期成同盟会総会は終了しました。

2006年6月1日木曜日

地産地消について私の解釈


 「地産地消」をインターネットで調べてみますと、「地域生産、
地域消費」の略語で、地域で生産された農産物や水産物を、その地
域で消費することとあります。
 地域の農産物を手軽に手に入れる場所として各地に農産物直売所
が作られたり、最近は「道の駅」も地域産品の総合的販売所として
脚光を浴びています。アグリながぬま、道の駅大岡特産センター、
鬼無里農林産物直売所・・・豊野温泉りんごの湯、新しく出来た
「湯~ぱれあ」にも、地域の方々の農産物直売所が出来ています。

 さらに調べてみると、地産地消について次のように出ていました
ので、引用させていただきますと、
長所・旬のものを新鮮なうちに食べられる。
  ・消費者と生産者の距離が近いゆえに鮮度が高い。
  ・地域経済の活性化、地域への愛着につながる。
  ・地域の伝統的食文化の維持と継承。
短所・行き過ぎた「地産地消」は排他主義や小地域ブロック経済に
   つながる恐れがある。
  ・地産農産物はフードマイレージ(食料の輸送距離)が少ない
   ため、価格競争力があり、他地域の農産物を駆逐してしまっ
   て、食における多様性が減る。
  ・それまでの農産物の輸出道県および輸出国の農業不振につな
   がる。
  ・地域における地産農産物の寡占が進むと競争力が減り、価格
   が上がる。

 短所については、最初の意見はその通りと思いますが、その他は
現状とはかけ離れすぎて、ちょっとついていけません。でも、長所
についてはその通りだなと思っています。日本農業再生の切り札に
なる可能性を秘めているのではないかと考えています。

 最近、地産地消という言葉とあわせて「身土不二」(しんどふじ)
という言葉がよく出てきます。これも調べてみますと「人(身)と
その人が生きる郷土(土)は、密接な関係があるものであり、別々
に存在するものではない(不二)という思想を表す言葉であり、転
じて「地元の食材を食べることが、人間の健康に良い影響を及ぼす」
という意味に使われているようです。

 「スローフード」という言葉も、地産地消の意味で使われること
があるようです。
 元々は「ファストフード」に対する言葉のようで、イタリアでフ
ァストフード店がチェーン展開され始めたとき、イタリアの「食」
が食いつぶされるという危機感が募り、この「スロー」を強調する
ことで、自分たちの食を見直し、守りたいという動機につなげたと
のことでした。

 消えていく恐れのある伝統的な食材や料理、質の良い食品(ワイ
ン)を守る。
 質の良い素材を提供する小生産者を守る。
 子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。

 スローフードという言葉が、そのような活動と結び付いて、伝統
の食事、素朴でしっかりした素材、有機農業、健康に良いといった
イメージが「美食」という言葉と重なって、一挙に人の注目を引く
ようになってきているようで、日本にも紹介され、導入されてきた
ようです。

 この語は、ファストフードと対立する意味で作られたわけですが、
決してファストフードを否定、排斥するものではなく、グローバリ
ズム(地球主義)には、ローカリズム(地域密着主義)を対置させ
る、その意味では村おこし運動などに、そして、地産地消にもつな
がってくるのだろうと思います。

 私は地域社会の活性化を考える時、「地産地消」を農産物に限る
ことはないと考えています。そして、現在の世界レベルの商品流通、
ナショナルブランドの商品流通が、地域社会を席巻している現状を
大変憂慮している一人です。

 昔から、家電製品をはじめとして、車等あらゆる「モノ」が大企
業によって(結果としてと言った方が正確でしょうが)開発・製造
され、流通経路の整備が進んだことで、地域産品が圧迫されてきた
のが歴史でしょう。ただそれによって私たちは安く良質な「モノ」
を持てるようになり、豊かな生活が出来るようになったことも事実
です。

 インターネットが商売に利用されるようになって、個人でも、店
を構えなくても、あるいは全国へチェーン展開しなくても、いつで
も、どこでも、誰でも、誰にも・・・「モノ」を売ったり買ったり、
あるいはアイデアを売買したり、いろいろな可能性が広がると私た
ちは思ったのですが・・・確かに現にその仕組みに取り組んで、成
功している人たちもおられることは事実ですが、すべての人がその
恩恵にあずかっているわけではありません。

 地域社会の活性化、生活圏域の確立という観点からは、現段階で
はかえって地域の衰退を招いているのが実態でしょう。少し前のメ
ルマガでも書きましたが、郵政民営化が進んで、全国レベルでの物
資の調達が進み、地方の卸問屋が苦戦しているのも、インターネッ
トのせいとは言わないまでも、その一つの現れでしょう。

 地産地消の「地産」の意味もなかなか難しい。農産物だって肥料
や農機具、種子のことを考えればすべてがその地域で作られたとは
いえません。地方卸問屋だって、仕入れは全国ベースでしょうし・
・・昔、旅先の朝市で、獲れたての魚を購入する素晴らしい経験を
しましたが、その後行ったとき、どうみてもその地域の産品とは思
われないものが多くてがっかりしたことを、思い出します。

 私は「地産」というためには、その商品の付加価値の大きな部分
が長野市に落ちるかどうかで決めるべきだと思っています。それが
雇用の増加にもつながります。
 例えば、ビールですが地ビールは別として、地元の酒屋さんはメ
ーカーや問屋さんから仕入れるわけですから、付加価値と言えるの
は売値と仕入れ値の差だけと言ってもよいでしょう。そこへいくと
日本酒は地産です。酒ビン、ラベルの印刷は、仮に県外からとして
も、酒を造るという「付加価値」の大部分は、長野市の醸造メーカ
ーである限り、長野市内に落ちるはずですから、地産と言って良い
のではないでしょうか。そして酒米も地域で生産しているならばま
さに地産です。そのことに気付いてから、私は飲み屋で酒、そして
出来れば長野市の醸造所の名前を挙げることにしています。

 付加価値が大きい産業を育てたい・・・それが長野市の産業を活
性化する元だと私は信じています。地産地消と言える長野の事業者
に期待しています。

 ただ、この発想が行き過ぎると、地産地消の短所として挙げた
「排他主義や小地域ブロック経済につながる」ことが考えられます。
でも、そうなった時は反対の方向へ動けばいいと思います。まずは、
そう言われてみたいものです。