6月1日、昨年と同じく9月末まで4カ月間、長野市は「クール
ビズ」を始めました。私も昨年は、公式行事等やむを得ない場合を
除き、クールビズに率先して取り組んできました。地球温暖化防止
のため、クールビズが社会に一層定着していくよう全庁的な取り組
みを行っていきたいと考えていますので、皆さんのご理解をお願い
します。
また、待ちに待った「2006FIFAワールドカップ」がいよ
いよ始まります。日本中がいろいろな形で盛り上がってきていま
す。今回、長野市として初めての取り組みになるパブリックビュー
イングをNHKと共催で行います。6月12日(月)には日本対オ
ーストラリア戦、その後の日本戦においても若里市民文化ホールで
試合の様子を大型スクリーンで受信公開します。私自身は行けるか
どうか、朝早くて、午前4時の試合は無理かなとも思っています
が…非常に期待しています。私は前々から街の中にスポーツバーみ
たいなのを作らないかと言っていましたが、こういうものは行政施
設の中でやるには限界があるとは思うのですが、にぎわいをつくっ
ていく、あるいは街の元気をつくり出すという点では非常にいいと
思っています。
さて、5月29日、浅川改修期成同盟会の総会がメルパルクで開
催されました。浅川治水問題について、県の説明があり、会員さん
からの発言もあり、大変有意義な会議であったと思います。久しぶ
りに浅川治水について、整理のつもりで、報告させていただきます。
冒頭、私は同盟会会長として、次のように申し上げました(挨拶
内容を正確に写したものではありません、説明的になっていること
はお許しください)。
浅川治水について
(1)浅川治水は、知事による「脱ダム宣言」以来、ダムに替わる
総合的な治水対策を一刻も早く策定するよう、同盟会として県
に強く求めてきました。
(2)宣言以来、すべてが止まっていた浅川治水事業について、危
険な状況を少しでも解決しようと、県議会、市町村及び市町村
議会が一丸となって、国への熱心な陳情を繰り返した結果、平
成16年度になり、既に国が認めた「全体計画」(平成7年に
国の認可を得た計画で、宣言以来、国では休止扱いをしていた)
に基づき、河川改修だけを再開するとの国の決定があり、現在
工事が行われている状況です。ただ休止扱いとなっているため、
国からも十分な予算をつけていただけないので、あまり進展し
ている状況ではないようです。
(3)そして、ダムに替わる代替案が示されないまま、平成17年
11月になって、ようやく県から「浅川の河川整備に関する基
本的な考え方」が発表されました。
その内容は「河川整備計画」の認可後20年間で実施する治水
対策として、河川改修、ため池の治水利用、2カ所の遊水地と
していますが、治水安全度が中・下流で異なるものです。河川
整備に関する考え方は、「ある」と公約された代替案といえる
ものではなく、論点を、外水問題から内水問題にすり替えよう
とする意図が感じられる「考え方」でありました。
(4)本同盟会としては、百分の一の治水安全度の計画(代替案)
を、早急に示してほしいということを、お願いしています。
新幹線に関すること
この件に関連する地元の皆さんとの約束(確認書による履行事項)
については、長野県が平成12年度を目途に多目的ダムを早期に完
成させることや、新幹線車両基地の受け入れに伴う水害防止対策と
して、浅川の改修を早期に完成させるという項目があります。これ
ら約束事の不履行による用地買収の遅れは、この地域だけではなく、
長野以北の北陸地域にも影響が及ぶことが懸念されます。
内水対策について
市では、今年の2月に県から示された「内水対策案」については、
一定の理解をしており、具体的な内容については、現在県と市の技
術者レベルでの協議・打ち合わせを実施しています。この中で、排
水機場の増設計画については、現機場も含め県の河川施設に位置付
けて実施することを提案しており、遊水地等の施設については内水
対策効果の確認等を行っております。
最近の東大・沖グループの研究によると、「地球温暖化により海
水温が上昇し、水蒸気が増えることにより、日本や米国東部でも1
00年に一度の大洪水が10~30年周期となる」という試算も発
表されています。このようなことからも、地域住民の皆さんの安全
・安心な暮らしを実現するために、一日も早く浅川治水が進められ
ることが求められています。
以上が私の挨拶要旨ですが、そのあと県の青山出納長が、概要説
明ということで、県の発表した河川改修計画(代替案ではありませ
ん)を説明されました。地域の説明会でされた内容と同じですので
詳細は改めて申し上げませんが、新しい河川整備計画を国に申請す
る、そして認可後20年間に実施する治水対策について従来の主張
を繰り返されました。私も繰り返しですが、あえて申し上げれば、
代替案とは言えないものと感じています。
議事に移り、17年度事業報告と決算、18年度の事業計画と予
算が議決されたあと、会場から、県の説明も含めて意見のある方は
どうぞと申し上げましたら、次から次へ手が挙がり、議長の私も整
理に戸惑うほどでした。
すべてを報告することはできませんが、主なものをご報告します
と、「百分の一の治水計画の全体像を示してほしいし、全体像がな
ければ地元では検討しようもない」、「流木や土石流対策、遊水地
の場所は県営事業で優良農地とするためのほ場整備が終わったばか
りの土地で容認できない」、「新幹線事業に関連する地元との約束
について地域の感情をどう考えるのか」、「猫又池、大池は土地改
良区の管理であり、水利権等はどうなっているのか」、「20年後
に安全度が三十分の一、出してほしい百分の一の全体計画が出てこ
ない、20年後において、ほんとうにやる気があるのか」・・・
等々であり、出納長の答えは、国土交通省と交渉中という話も含め
て、大変苦慮している様子でした。
私は会議の最後に、会長として次のように総括しました。
(1)地元は全体計画を要求しているのに、県は20年後までに行
う河川改修計画を話しており、しかも百分の一の治水安全度に
はなっていない、“要はダム代替案になっていない”。そのこ
とを事実として認め、ダムに替わる代替案を早急に示すべきで
ある。
(2)青山出納長は「脱ダム宣言以来、治水対策の説明が足りなか
ったことについてお詫びする」と発言されました。私は知事を
含めてこの件で「お詫び」と言う言葉ははじめてお聞きしまし
た。しかし、会場からの発言にもあるように、地域の皆さんは
20年後の中途半端な案を求めているのではないということを
承知しながら、論点をすりかえ、肝心のこと(「ある」と称し
た代替案はないということ)については、お詫びはしていない
ことは極めて遺憾である。
(3)全体計画(県のいう二次計画を含めて)について、国の認可
が下りるかどうかがポイントである。すなわち、現在は技術的
な裏付けをしっかりと行う段階であり、技術的に可能な案(百
分の一の治水安全度、基本高水流量450トンが計画されてい
るもの)が提出されない限り一歩も前に進まないであろう。
以上で浅川改修期成同盟会総会は終了しました。