9月1日、村井新知事が初登庁されました。村井知事は決して地
位に固執され時間を空費される方ではない、自分の利益を考えない、
無私の心で、きちんとした政治を必ずやってくださると私は信じて
います。長野県の再建に力を発揮していただき、さらに本当の意味
での改革を進めていただきたい、大いに期待しています。
前日の8月31日、田中氏の知事最後の日・・・ガラス張り知事
室を見たいということで、大勢の方が県庁を訪れたとのことです。
ここは、田中前知事の象徴のような場所で全国的にも有名になった
ところです。
それはいいのですが、田中前知事がやり残していったことで、私
にはどうにも理解できない、皆さんも首を傾げるのでは、と思える
ことがあります。
一つは、任期最終日に、職員に昇任の辞令を渡したことです。こ
れは何のためにやったのでしょうか?やるならなぜもっと早くやら
なかったか?最終日にやることは法的には、この日まで任命権者は
知事ですから、可能なのだそうですが、ご自身で責任をもてない人
事行為には疑問を持たざるを得ないのです。
辞令をもらった職員も苦しんだのではないでしょうか。そのよう
な思いをさせる人事行為は、組織としてはマイナスにしかならない
し、もらった職員のためにならないと思うのですが・・・。
もう一つは、県が法的に設置しなくてはならない審議会、委員会
の委員に、自身の後援会役員や親交のある方を任命してしまったこ
とです。今までの委員は多分任期がきていたのでしょうが、いった
ん任命されれば任期があるわけですから、村井知事が自分の責任で
委員を選ぶことができなくなる。こんな審議会を作りたい・・・と
思っても多分難しくなるでしょうね。これも法的にはできるのだそ
うですが、しかし村井知事が自分の施策を行うために置く委員会や
審議会について、足かせとなるような行為はいかがなものか、もっ
と配慮があってもよかったのではないでしょうか。
豊富ですよね、この言葉を知らないはずは無いと思います。次に就
任される方がやりやすいように、それが無理ならば影響が出ないよ
うに、配慮することが当たり前と私は常識的に思っていましたが、
まったくの期待外れでした。
願わくば、委員の方々がいったん辞任され、村井知事としても委
員として適任だと思われる方に、再度任命をできるような方法論が
あればよいと思うのですが、どうでしょうか。それとも新知事が前
知事の行った行為を取り消すことができるならば、簡単なのですが
・・・。
村井新知事の前途は洋々です。多くの方の支持を受けたのですか
ら、自由に発想して県政に携わっていただきたい。前任者が、後任
者にそれなりの敬意を表すなら、後任者もそれなりに前任者を思い
やることは必要ですが・・・。
「談合は悪」です。確かに公共事業の受注に際して、業者があら
かじめ「談合」し、落札者を決めてから入札に臨むというのは「悪
」です。断固排除すべきことです。ただ、すべての事前調整さえも
「悪」とする風潮があります。本当に悪いことでしょうか?私はそ
うは思いません。
先日、国連の安保理事会で北朝鮮の拉致問題で日本が決議案を提
出し、中国、ロシアが反対・・・結局話し合いを行って全会一致の
決議になりましたが、あの話し合いも事前調整でしょう。県議会に
大事な人事案や条例を提出する場合、スムーズに可決してもらうた
めに、事前調整を行う・・・オープンな話し合いまで止めるのは間
違いではないでしょうか。
話し合い重視の村井知事の姿勢、大いにやっていただきたいと思
います。これこそ知事と県議会、知事と市町村、知事と県民、そし
て知事と国の関係を正常に戻す根本であると考えるからです。