2007年5月17日木曜日

長野県市長会と後期高齢者広域連合


 4月20日、長野県自治会館で長野県市長会総会が開催され、私
(長野市長)が会長に選出されました。市長会の在り方については、
あまり考えたことがありませんでしたので、戸惑っていますが、2
年の任期を一生懸命務める決意です。

 長野県市長会の会長については、東北信と中南信の順番で就任す
るという、従前からの慣例がありました。私が市長に就任した5年
前は、松本市(中南信)の有賀市長が会長で、次に佐久市(東北信)
の三浦市長、その次は大町市(中南信)の腰原市長(腰原市長は昨
年7月、市長任期満了で退任され、その残任期間を茅野市の矢崎市
長が務められました)、そしてこの4月から東北信の順番となり、
私が選任されたということです(本来ならば市長会副会長を経験さ
れている上田市の母袋市長が就任するのが、妥当とも思ったのです
が・・・長野市長と松本市長については、慣例では特例扱いとなっ
ているそうです)。

 市長会長としては、長野県総合計画審議会の委員(会長職務代理
者)や(財)長野県廃棄物処理事業団の理事など50を超える団体
の役員に就任することとなっていました、ちょっとびっくり・・・
同時に忙しくなって困ったというのが実感です。もう既に幾つかの
会議に出席させていただいていますが、なかなか大変です。

 ただ市長会とは何を行う組織か、というのも難しいところがあり
ます。それぞれの「市」は独立した自治体ですから、ほかから干渉
されることはおかしいですし、またそれはあってはならないことで
しょう。市長会が決定したとしても、必ずしも拘束されるものでは
ありませんし、多数決で物事を決する組織でもありません。結局、
全員の総意か、あるいは各市長の良識的な判断のもとに各市の要望
を取り上げ、北信越市長会・全国市長会あるいは県・国などへつな
いでいくことが主たる仕事ということになりそうです。

 加えて、市長会長とは、別の動きですが、後期高齢者医療広域連
合が長野県内81の全市町村を構成員とする広域連合として設置さ
れることになりました。全県レベルでのはじめての広域連合という
ことになります(長野県の場合、広域連合はこれまでに10団体設
けられていて、長野市は長野広域連合に所属しています)。
 運営については、市長会と町村会が昨年度から話し合いを続けて
きました。その広域連合の連合長は、構成する県内81の市町村長
の内から選挙で決めることになっており、最初は市長会長が務める
ことになりました。

 そして、本年3月23日に長野県後期高齢者医療広域連合が発足
しました。
 広域連合は市町村の集合組織という印象があると思いますが、法
的には県も参加できる規定になっており、今回は全県対象の広域連
合ということもあって、長野県も事務局長を派遣するなど、万全を
期しています。

 さて、一般的に後期高齢者とは75歳以上の方を指し、65歳か
ら74歳までの方を前期高齢者といいます。それでは、後期高齢者
医療広域連合とは何を行うかということですが、後期高齢者を対象
に、新しい医療保険制度を創設し、高齢者自らが負担能力に応じて
保険料を負担することを基本としつつ、保険制度間(国保・社保な
ど)の公平な負担が確保されることを目指す。その際、現役世代の
支援、高齢者世代の負担、それと公費の適切な組み合わせを図ると
ともに、必要な財源の確保を目指すこととし、その医療保険制度を
広域連合が運営する・・・そんな内容が医療制度改革大綱に書いて
あります。

 そして、財政運営を都道府県単位の広域連合が行うとしており、
それなら県が主体的に行えば問題ないと思うのですが、県は住民情
報を持っていないなどの理由から、広域連合で行うことになったよ
うです(広域連合にしても独自で住民情報を持っていませんから、
市町村からの住民情報の提供が必要となります。結局、同じことの
ように思いますが・・・)。

 実際には、平成20年度から制度がスタートしますので、本年度
は準備期間として、電子計算処理システムを整備し、医療給付事業
を誤り無く行うこと、県内81市町村から被保険者の基本データを、
市町村にあまり迷惑を掛けないような形で、効率よく、誤り無く、
収集するシステムをつくり上げることが仕事だと思っています。
 今回の医療制度改革で創設された後期高齢者医療制度は、国民す
べてがいずれお世話になる制度として、超高齢社会を支えていく根
幹の制度であると考えますので、きちんと運営していくために、広
域連合に集まった県と市町村の職員の衆知を集めて、充実したシス
テムを構築していきたいと考えています。