2007年5月31日木曜日

農業集落排水事業が完了しました(2)


 前回は、篠ノ井山布施地区の農業集落排水事業の完成や、公共下
水道事業の経緯などを書かせていただきました。

 今回は、前回の話を整理して、下水道事業を総括的に記してみた
いと思います。
(1)公共下水道
 ア 単独公共下水道(単独というのは長野市という意味です)
 イ 千曲川流域関連公共下水道(上流・下流があり県と周辺市町
  村の共同事業です)
 ウ 特定環境保全公共下水道(飯綱・若穂・松代・戸隠・鬼無里
  の一部。農業集落排水事業と似た事業です)
(2)農業集落排水事業(市内21カ所。公共下水道に比べて規模
 が小さいため、コストはどうしても高くなります)
(3)合併処理浄化槽

 なぜ三本柱になっているかというと、国土交通省・農林水産省・
環境省にそれぞれ補助制度があり、その違いが原因で、長野市も担
当課がすべて違っています。しかし目的は全戸水洗化ですから、長
野市としては少しでも早く整備を進めるためすべての方策を導入し
ているわけです。

 今後について、市民の皆さんにお願いですが、公共下水道地区、
農業集落排水地区のいずれかに属し、すぐに接続できる状態であり
ながら、まだ接続されていない方々につきましては、一日も早く各
ご家庭の接続工事を実施していただき、施設が十分に生かされ、生
活環境がより改善されるようお願いします。

 また、三本柱の中で圧倒的に区域が広い公共下水道管敷設工事で
すが、市長就任以来、下水道の敷設が行われていない地域の皆さん
から、極めて強い要望が寄せられ、私も市民の公平感から、一日も
早く完成させたいと思った事業でしたので、特に力を入れて推進し
てきたつもりです。
 そこで、平成15年3月には下水道計画の見直しを行い、今後整
備完了までに従来20年間としていた下水道整備計画を、整備期間
を5年短縮し向こう15年間で完成するという目標を立てました
(平成15年度末の段階での人口普及率は68%を見込んでいまし
た。農業集落排水や合併浄化槽に力を入れてきたのも、全戸水洗化
を一日も早く実現したいとの思いからでした)。

 公共下水道の完成に向けては、市水道局が中心になって一生懸命
工事に取り組んでおり、現在の公共下水道事業人口普及率は、平成
18年度末で、78.3%、農業集落排水などを含めた全体の普及
率は約83.7%になりました。そして平成24年度までにほぼ完
成する予定です(“ほぼ”と申し上げているのは、どうしてもでき
ない場所が残る可能性があるからです。15年間という目標を実質
的にさらに短縮しようというものです)。

 ただ建設工事がほぼ終わっても、すべて終わりではありません。
次のような問題があります。
(1)工事が難しい場所は引き続き努力しなくてはなりません。
(2)市民の皆さんに下水道管を接続していただかなくてはなりま
 せん。
(3)古い管は昭和28年ごろから建設していますから、不断のメ
 ンテナンスが必要です。
(4)市民の皆さんにご負担いただく料金の統一問題(公共下水道
 ・農業集落排水・合併浄化槽)があります。
(5)下水道経営は上水道と合わせて、長野市水道局の経営です。
 健全経営をしていかなくてはなりません。技術的な改良も常に研
 究していかなくてはなりません。
  一番大切なことは、建設中に積み重なった約1,200億円の
 企業債の返済です。

 以上、こう考えてみると、全戸水洗化という事業は、なかなか終
わりのない、しかし行政にとっては、重要な事業であるということ
が、お分かりいただけたのではないかと思います。大切な文化的な
生活、水質の良化にとって重要なインフラ(生産や生活のための基
盤となるもの)です、全力を挙げて取り組みます。