先週のメルマガでは、皇太子殿下、皇太子妃殿下にご臨席いただ
いた「長野かがやき国体」のことを書かせていただきましたが、今
回は、2月2日から5日まで行われた第28回全国中学校スケート
大会について報告します。
この大会は、小泉元首相の発想で、各種スポーツの全国大会を同
じ場所で継続的に開催することによって、それぞれの種目のメッカ
を各地につくることを目指しています。すなわち「高校野球は甲子
園」、「高校ラグビーは花園」というように、いろいろな種目のメ
ッカを日本中のいろいろな地域に展開し、スポーツの振興と地域の
活性化を図ろうというものです。この事業の正式名称は、「スポー
ツ拠点づくり推進事業」ということで、10年間は財政支援を受け
ることができ、優れた大会には内閣総理大臣から国民スポーツ杯が
授与されることになっています。
この大会開催の趣旨が公になり、希望する市町村を公募する構想
が発表されたとき、オリンピック開催都市として、長野市はどうす
べきか考えました。結果、エムウェーブという世界に誇れるスケー
トリンクがあり、冬季オリンピックを開催した都市として、スケー
トで名乗りを挙げることは当然のこと、義務でもあろうと考えまし
た。さらにスケートのメッカというからには、中学生、高校生、大
学生、社会人とすべての種目に立候補したいと考えたのですが・・
・あまり欲張ってはいけないというアドバイスをいただき、全国中
学校スケート大会を選択し、認められたものです。応援団を含め、
大勢の皆さんが長野にお出でになるであろうことを、期待している
ことも事実です。
そして(財)日本中学校体育連盟から、当時開催地が既に決まっ
ていた大会が終わってから、長野市で10年間継続開催することの
ご理解をいただきました。その第一回が本年でした。
以上の経過から、われわれ長野市は、この大会を素晴らしい競技
会に育て、全国の中学生のあこがれの地にする義務を負っているの
だと考えています。
ちなみに、この事業を実施している(財)地域活性化センターの
資料で、どんな大会が承認されたか調べてみましたら、62もの大
会が全国で選定されていました。
アイスホッケー(釧路市・苫小牧市・日光市・軽井沢町)、スキ
ー(富良野市・雫石町・鹿角市・妙高市・高山市・都留市)、ゴル
フ(富岡町・川越市)、剣道(岩沼市・大阪市)・・・もちろんサ
ッカーや水泳、駅伝、など私たちになじみがある競技のほかに、全
国少年少女スポーツチャンバラ選手権(由比町)というものもあり
ました(二つ以上の都市があるのは、小学生・中学生・高校生など
の参加対象者の違いでしょう)。
以下は2月2日、全国中学校スケート大会の開会式での私のあい
さつ要旨です。
全国から選び抜かれた選手の皆さん、そして役員の皆さん、よう
こそ長野市へお出でくださいました。38万人の長野市民を代表し
て、心から歓迎いたします。
1998年に開催されました長野オリンピック・パラリンピック
冬季競技大会から、10周年を迎える節目の年にこのような大会を
開催できることは、大変喜ばしいことであります。
また、この大会は、今後10年間長野市で継続して開催されます。
その記念すべきスタートの年に、こうして皆さんをお迎えできるこ
とをうれしく思います。
長野でオリンピック・パラリンピックが開かれた時、選手の皆さ
んは、まだ小学校へ入学する前で、覚えているかどうか分かりませ
んが、このエムウェーブで、世界の一流選手が心に残る素晴らしい
戦いを繰り広げてくれました。
スピードスケート男子500メートルでは、清水宏保選手が金メ
ダルを、女子500メートルでは岡崎朋美選手が銅メダルを獲得し、
日本中を沸かせてくれました。
「五輪の地 あの感動をもう一度 輝く銀盤 熱き舞台」のスロ
ーガンのとおり、皆さんも日ごろの練習の成果を十分発揮して、あ
の感動に匹敵するエキサイティングなレースや華麗な演技を私たち
に見せてくれるものと期待しています。そして、競技が終わった後
には、競い合った者同士、お互いをたたえ合い、友好の輪を広げて
ください。
最後になりますが、開催に当たりご尽力いただきました関係の皆
さまに心から敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げ歓迎の
ことばといたします。
以上が私のあいさつ要旨です。
これから10年間、この大会が行われるわけですが、長野市とし
て何をすればよいか、いろいろ考えてみました。
まずは、競技に当たって、最高の環境を提供することです。これ
はエムウェーブという世界最高レベルの施設がありますから、あと
は宿泊や市内交通手段などをしっかりとしていくことだと考えてい
ます。
次は、長野市にお出でいただいた皆さんに、市民の皆さんがオリ
ンピックの時と同じようにおもてなしの心で、接していただきたい
と思います。
そして、選手にとって一番の励みは大勢の観客がエムウェーブと
ビッグハットに集まって、一生懸命応援してくれることです。満員
となった競技場からの声援は、選手を奮い立たせてくれるはずです
(ただ今年は、冬季国体やオリンピック10周年記念行事もあって、
準備が十分ではなかったのでは・・・今後の課題だと思っています)。
最後は、全国の中学生スケーターが、長野市へ行けば最高レベル
の選手と競うことができると感じられるように、長野市の小中学生
を鍛え、スケートのレベルを高くすることだと思っています。
昨年、エムウェーブは国の競技別強化拠点、すなわちナショナル
トレーニングセンター(NTC)に指定されました。当然のことな
がら、長野市は選手強化に対して支援していく義務があると感じて
います。長野市としてはそのことにも、応えなくてはいけないわけ
で、上質な競技条件でトレーニングができる施設の提供とともに、
選手の養成だけでなく、スピードスケート競技の底辺拡大のために、
指導者も雇用して頑張るつもりです。皆さん応援してください。