2013年4月25日木曜日

東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会東京招致


 ご存じのように、7年後の2020(平成32)年の東京オリン
ピック・パラリンピックの開催を目指し、東京都とJOC(日本オ
リンピック委員会)が中心となって、招致実現に向け取り組んでい
ます。
 以前、東京都は2016年の開催を目指し、その招致レースで健
闘されました。しかし、残念ながら、南米初の開催をうたい文句に
招致レースを展開したリオデジャネイロ(ブラジル)に惜敗してい
ます。招致の成否を握る大きなポイントの一つである開催支持率が、
前回は59%と低く、そのことが招致失敗の理由の一つに挙げられ
ていました。
 今回は、日本人選手が大活躍したロンドンオリンピックの余韻が
十分に残っている環境に加え、JOCでもメダリストによる銀座で
の凱旋パレードを行い、招致をアピールするなど、大いに盛り上げ
を図りました。また、日本が東日本大震災という大きな災害を経験
していることから、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」と
いう招致スローガンが語るとおり、東京都民を含む多くの日本人は、
世界中の人々が注目するオリンピックを東京で開催するという明る
い話題を望んでおり、オリンピック開催で元気を求めようとする気
持ちがあったとしても不思議なことではありません。そうしたもろ
もろの要素が今回の支持率70%の世論となって表れ、招致に弾み
をつけていると思います。
 3月4日から7日にかけて、IOC(国際オリンピック委員会)
評価委員会による東京の現地調査が行われました。マスコミが大々
的に報じましたので、多くの方がご存じとは思います。
 「アスリートファースト」と銘打って、女子サッカーの澤穂希(
ほまれ)選手や卓球の福原愛選手などオリンピアンのほか、パラリ
ンピアンなどが前面に出て、招致実現に向け、大変な盛り上がりを
感じる活動をされていました。また、プレゼンテーションではオリ
ンピックの歌まで交えた安倍首相による招致演説や、日本体育協会
会長でもあるトヨタ自動車の張富士夫会長がプレゼンターを務めら
れるなど、官民挙げての対応もまた非常に好評であったようです。
 最終日に行われた評価委員会記者会見では、IOC副会長でもあ
るクレッグ・リーディ委員長が、「招致委員会のプロフェッショナ
ルな準備と協力に熱意を感じた」とのコメントを発表され、まずは
大成功であったと思います。その後、評価委員会の皆さんは他の立
候補都市であるスペインのマドリード、トルコのイスタンブールを
視察され、同じようにポジティブなコメントを残されています。油
断はできませんが、東京都の対応は完璧で素晴らしいものであった
とお聞きしていますので、招致実現の可能性を一歩、二歩と引き寄
せたのではないかと思います。

 さて長野市でも、この3月市議会定例会において長野市議会が、
「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技
大会の東京招致を支援する決議」を採択しました。また、3月1日
には鷲澤市長も阿部長野県知事や山ノ内町などの長野冬季オリンピ
ック競技開催地の首長さん方と、招致活動の成功を祈って、「共同
応援アピール」を行いました。
 私も2月に上京した折に、東京都スポーツ振興局の招致担当の理
事を訪ね、招致支援のための相談をしてきました。現在、101名
いるIOC委員のうち、43名が長野冬季オリンピック開催当時も
委員を務められていたことなどの情報も提供し、協力できることも
あるのではないかといったお話をさせていただきました。
 長野冬季オリンピック招致当時とは招致に関するルールも変わり、
現実的には支援にも限界があります。しかし、今回の招致を積極的
に進めておられる猪瀬直樹都知事は長野市のご出身で、「ふるさと
NAGANO応援団」の一員としても長野市にご協力いただいてい
ますし、竹田恆和JOC会長は、NAOC(長野オリンピック組織
委員会)のスポーツディレクターとして、組織委員会が抱えていた
多くの課題に先頭に立って解決に当たっていただいた方です。
 そのお二人が、まなじりを決して取り組んでおられるオリンピッ
ク・パラリンピック招致ですから、できるだけ協力したいと考えて
います。3月末には東京都スポーツ振興局の方がお見えになり、お
話しさせていただく中で、東京都の招致活動の中で協力できること
があれば遠慮なくご依頼くださいと、あらためて申し上げました。
今後も連携を図り、多少なりとも頼もしいパートナーと感じてもら
えるように対応していきたいと考えています。

 7月にはスイスのローザンヌで、IOC委員に対して開催計画に
関するプレゼンテーションが行われます。そして、9月7日にアル
ゼンチンのブエノスアイレスで開かれる「第125回IOC総会」
で2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市が決定しま
す。
 招致スローガンにもあるとおり、今の日本には世界が注目するオ
リンピック・パラリンピック開催という具体的な目標・夢が必要だ
と感じています。
 政権交代以降、安倍首相が主導する、いわゆるアベノミクスが機
能し、円安と株価の上昇が続いています。景気は「気」からという
至言があります。GDP(国内総生産)世界第3位の日本が再び世
界経済をけん引していくためにも、「2020東京オリンピック・
パラリンピック開催決定」のような国民の気分が高揚する景気のい
い話が不可欠だと思います。
 開催による経済波及効果は3兆円規模との報道もありますが、そ
れ以上に世界経済に貢献できる部分が大きいのではと思います。
 招致成功を大いに期待しましょう。
 頑張れ!日本。頑張れ!東京。


2013年4月18日木曜日

春の楽しいイベント、めじろ押し


 城山公園の桜が満開となりました。先週末、公務に向かう車中か
ら公園周辺の道路が渋滞しているのを見掛け、「お花見のお客さん
で、さぞ、にぎわっていることだろう」とちょっとうらやましく思
いました。長野市民新聞の記事で知ったのですが、城山公園の花見
小屋は、1949(昭和24)年から始まっているのだそうですね
・・・。1949年といえば、私は小学校3年生で、善光寺御開帳
と長野平和博覧会が開催された年です。見せ物小屋などが出てすご
くにぎわっていた記憶があります。そのころ、花見小屋も一緒に始
まったのでしょうか・・・。
 長野市には神代(じんだい)桜や巡礼桜など、山間部にも有名な
桜がたくさんありますから、まだまだ花を楽しめそうです。ただ、
残念ながらスキーは、標高の高いスキー場でも、雪が重くなって、
そろそろ滑るのが厳しくなりそうです。

 4月21日には、春の風物詩としてすっかり定着した長野オリン
ピック記念長野マラソン大会と長野車いすマラソン大会が、今年も
開催されます。1万人を超す全国からのランナーが、春の信濃路を
駆け抜けます。

 長野マラソン大会についていえば、その前身は、1958(昭和
33)年に信濃毎日新聞社創立80周年記念事業として始まった
「信毎マラソン」です。第1回大会の参加者は51人とのことです
が、長野オリンピック前には300人を超える選手が参加する大会
にまで成長しました。「新人ランナーの登竜門」と言われていた信
毎マラソンには、後にオリンピックや国際大会に出場した選手も数
多く参加し、多くのトップランナーを輩出したとのことです。 
 その信毎マラソンは、長野オリンピックが開催された1998
(平成10)年の第41回大会で幕を閉じました。その翌年、長野
オリンピックの崇高な精神を受け継いでいこうとスタートし、長野
オリンピック記念と銘打った長野マラソンは、すっかり人気のマラ
ソン大会に仲間入りしました。

 今年は「公務員ランナー」として有名な川内優輝選手(埼玉県庁)
の参加や、日本歴代2位の記録を持つ藤田敦史選手(富士通)が引
退レースにこの大会を選んだとの話もあり、熱戦が期待されます。
そのほか招待選手22人のうち、海外選手は7人とのことで、長野
マラソンと姉妹提携を結んでいるギリシャのアテネクラシックマラ
ソンの代表として男女2人の参加も決まっています。今から楽しみ
ですね。

 4月14日、パルセイロ・レディースのホーム開幕戦の応援に出
掛けました。相手は昨年リーグ3位の強豪、スフィーダ世田谷FC
でした。試合は残念ながら1対5で負けてしまいましたが、シーズ
ンは始まったばかりです。ぜひ、頑張ってほしいですね。
 同じ日、開幕5連勝中のトップチームは、アウェー戦でブラウブ
リッツ秋田と対戦しました。1対1の引き分けに終わり、6連勝と
はいきませんでしたが、依然負けなしの首位です。5月1日のホー
ムゲーム、横河武蔵野FC戦までアウェー戦が続きますが、一戦一
戦、勝利を積み重ねてほしいですね。

 篠ノ井地区茶臼山に建設していたモノレールがいよいよ完成を迎
え、4月27日には開通式を行い、運行が始まります。長野市が約
2億2千万円(付帯する工事費を除いています)を掛けて、動物園
北口と旧茶臼山自然史館の間をつないだもので、25人乗り、料金
は小学生以上1人100円です。モノレールを建設した場所は急斜
面で、これまで訪れる方にかなりご苦労を掛けていました。そのた
め、動物園北口を使われる方は少なかったようですが、これで動物
園北口からの来園者が増えることは間違いありません。このモノレ
ールが、茶臼山の新たな名物となることを期待しています。そして、
将来的には「茶臼山全体にモノレールを張り巡らせたい」なんて夢
を見ています。

 5月の連休中はいろいろなイベントが行われる予定です。
 中央通りでは、5月3~5日、「ながの花フェスタ2013 善
光寺花回廊」が開催され、5日の「第91回仏都花まつり」では、
表参道にかわいいお稚児行列がお目見えします。この他にも表参道
界隈(かいわい)では、「善光寺七福神めぐり」でまちなかをゆっ
くり散策してみたり、「おやき作り体験」や「とんぼ玉体験、手描
友禅体験」も楽しむことができます。

 特に、善光寺花回廊では、今回初めてトイーゴ広場からセントラ
ルスクゥエアの間に「アートエリア」を設置し、木枠を花で飾った
幅3メートルほどのトンネルの中で、市内などで活躍する画家や造
形作家が作品を展示したり、体験講座を開いたりするそうです。ま
た、チューリップなどの花びらで路上に絵を描く恒例の「花キャン
バス」やファッションショーなどもあるようです。

 5月3日は、中条地区で「虫倉山開山祭」と「となりの村の道め
ぐり」が行われます。旧中条村との合併以来、毎年お伺いしている
行事で、かじとり通信でも紹介したことがあります。なかなかユニ
ークな、そして楽しい催しで、毎年行きたくなるお祭りの一つです。
発動機の競演や菜の花畑の見事な景色とおいしい食べ物・・・それ
にしても一度ぐらいは開山祭の後、虫倉山に登ってみたいと考えて
いますが、無理でしょうかねえ・・・。

 その他、今年は9月に戸隠・飯綱高原で日本馬術連盟が主催する
「第14回全日本エンデュランス馬術大会2013」も開催されま
すし、たくさんのイベントの開催が決まりそうです。

 話は変わりますが、4月11日の東京出張について報告します。
 長野市議会が東京2020オリンピック・パラリンピック招致活
動を支援し、全面的に協力するとの議決を3月市議会定例会で行っ
たことを受け、その旨を記載した決議文をお渡しするため、長野市
議会の祢津議長と東京都庁にご一緒しました。祢津議長から秋山俊
行副知事に決議文をお渡しするとともに、私からも長野市として全
力を挙げてお手伝いをすることをお伝えしました。また、招致ムー
ドを高めるため、長野市出身でもある猪瀬直樹知事に長野マラソン
に出場してはいかがですかとお誘いしたかったのですが(2月の東
京マラソンで完走されています)、マラソン当日は海外出張中との
ことでした。残念です。

 その後、国土交通省に移動して、長野市が策定した「長野市歴史
的風致維持向上計画(「善光寺・戸隠地区」「松代・若穂川田地区」
「鬼無里地区」を重点区域としています)」に対して、赤澤亮正国
土交通大臣政務官から認定証を頂きました。これは、自治体が歴史
的建造物や伝統行事などからなる歴史的風致の維持および向上を目
指して策定した計画を国が認定することで、市町村の歴史的遺産を
生かしたまちづくりを支援するもので、今回は、岐阜市と島根県津
和野町、そして長野市が認定を受けました。今回で、認定された自
治体は全国で38市町になりました。
 赤澤大臣政務官は3期目の衆議院議員で、認定式後の懇談では幅
広い話題でお話しいただきました。国土強靭(きょうじん)化策な
どについてお聞きしましたが、なかなか威勢の良い方という印象で
す。私は、この認定をてこに歴史的なまちづくりに励むことを、お
約束してきました。

 春の訪れとともに、今年もさまざまなイベントや事業が一斉に動
き始めました。長野市は元気です。

2013年4月11日木曜日

中山間地域振興のための新たな一手・・・


 中山間地域を何とかしたい、元気にしたい・・・これは私にとっ
て大きなテーマです。
 しかし、これは全国共通の問題で、なかなか決め手がないのが実
情です。「理念だけではどうにもならない。具体的な手段を考えよ
う」。都市内分権に踏み込んだのも、ある意味、この問題が頭にあ
ったことは事実です。
 1月10日のかじとり通信で、「私の需要喚起策」として中山間
地域で未利用となっている土地の国有化を提案したのもその手段の
一つなのですが、これは国家への提言ですのですぐに実現できると
は思えません。それとは別に具体的な政策を考えるべきだろうと、
日々思案しています。
 こうした中、中山間地域の振興のために本年度から新たに創設し
た制度や地域の取り組みなどについて紹介します。

1 長野市やまざとビジネス支援補助金
 この制度は、市域の面積の約4分の3を占める中山間地域で、地
場野菜などの地域資源を生かした事業の拡大や起業を目指す事業者
に1千万円を上限に補助するもので、4月8日から希望者の募集を
始めました。募集は5月13日までですが、長野市ホームページや
新聞に掲載されたその日から、市内はもとより県外からも問い合わ
せがあるそうです。

 想定している事業としては、
○リンゴ、桃、大豆などの農産物を活用したジャム、おやき、お菓
 子などの加工食品の製造・販売
○農家レストラン、ジビエ料理レストラン、農家民宿の運営
○インターネットビジネスによる農産物の販売や空き家・空き店舗
 の活用
○高齢者の見守りを兼ねた買い物代行 などです。

 この制度は、「副市長プロジェクト」により庁内関係部局の積極
的な議論を重ね創設したもので、中山間地域の地域資源を活用して
「ビジネス」を展開し、地域における雇用の創出や地域内への経済
波及、地域の課題解決など、地域の活性化につなげることを目的と
して、地域内外の個人や団体が実施する事業に対し補助金を交付す
るものです。
 
 私は常々、中山間地域の振興には「もうかる農業」が必要不可欠
だと申し上げていますが、農業で高い収入が得られれば、地域に雇
用を生み、継続性が高まり、中山間地域の振興に必ずや貢献するも
のと信じています。この補助金が具体的にどのような効果を生み出
すか・・・。過去いろいろな事業をやっていますが、どうもうまく
いきませんでした。「兵力の逐次投入はいましむべし」ということ
わざのとおり、この際大規模に補助をしていくことにしました。

 多くの反対者がいるTPP(環太平洋経済連携協定)への参加も、
安倍首相が交渉参加に踏み切った以上、ただ反対していても意味が
ありません。いかに対処するかを考え、必要であれば国に対し支援
策を要求すべきと考えます。ピンチはチャンスと考えましょう。農
業に関していえば、農産物の品質では海外に十分太刀打ちできるは
ずです。もし価格が下がったら、その分を国が補償する考えを施策
として要望すべきだと思いますし、国でも検討を始めたという新聞
報道がありました。

 昭和40年ごろでしたか、自動車の輸入自由化の論議が華やかで
した。当時は、「自由化されたら、自動車産業は壊滅する」と言わ
れていました。でも、結果はどうでしたか・・・。
 確かに事情は違いますし、「夢みたいな話をするな」と言われそ
うですが、私は自由な競争の中で、強い産業をつくっていくことが
必要だと思っています。

2 小田切地区「うんめえ塾」
 小田切地区住民自治協議会では、復元した遊休農地を農作業体験
の場として提供する「小田切うんめえ塾」の塾生を募集しています。
若者の流出、高齢化といった中山間地域共通の課題を小田切地区も
抱えていますが、遊休農地を活用し、市街地などから多くの人に訪
れてもらい、おいしい農産物や住民との交流など地域の魅力を発信
することを目的としています。地区の活性化につなげようと始まっ
た「うんめえ塾」(塾長は、長野市農業委員の酒井昌之さんです)
は今年が2年目で、昨年9月13日のかじとり通信でも紹介させて
いただきました。ジャガイモや野沢菜、大根、ソバの栽培など3コ
ースがあり、参加費は1回200円です。
 昨年の様子については、長野県地方自治研究センターが発行する
機関誌「信州自治研」2013年3月号でその盛況ぶりが報告され
ていますが、参加者の満足度や今後の課題について参加者へのアン
ケート結果を基にしっかり検証されています。一過性のイベントで
はなく、「自分たちの地域を活性化させたい」という地区の皆さん
の熱い思いが伝わってきます。「自分たちの地域は自分たちでつく
る」。地域のこうした元気な取り組み、挑戦に、私も励まされてい
ます。

3 若穂地区に食肉加工センターを建設
 野生鳥獣による農林業被害は、年々増加しています。2012
(平成24)年度の野生鳥獣の捕獲実績は、イノシシが571頭、
ニホンジカは229頭ですが、捕獲されてもほとんどの場合埋設処
分されていました。こうしたことから若穂地区では、この捕獲され
た獣肉を新たな地域資源として有効活用し、地域産業の活性化と有
害鳥獣に負けない地域を目指し、若穂ジビエ振興会を設立して若穂
保科高岡地区に食肉加工施設を建設しました。
 
 施設は既に完成しており、これから食肉処理業および販売業の食
品営業許可を取得し、6月から稼動を始める予定です。しかし加工
が進んでも、消費の拡大が伴わなければ在庫を抱えてしまいます。
そこで、市としては若穂ジビエ振興会や市内飲食店、食品関係業者
などと連携し、ジビエメニューの開発や家庭で手軽に調理できるレ
シピを研究・作成するなどして普及を進めます。また、食肉を飲食
店へ卸すとともに、一般消費者向けにスーパーなどで店頭販売する
取り組みも進め、消費の拡大を図ります。
 食肉の販売が進めば、捕獲者の捕獲意欲も向上し、捕獲の促進が
図られ、有害鳥獣による農林業被害も減少します。地域の活性化に
つながるものと期待しています。

4 北信農業共済組合事務所の移転
 私はこの2月、北信農業共済組合の組合長理事に就任しました。
そしてこのたび、同組合は、岳南、岳北、長野、須高の旧支所を廃
止し、新しい事務所を豊野支所2階に統合・移転し、4月3日に開
所式を行いました。平成17年1月の市町村合併以降、豊野支所庁
舎の空きスペースの活用も課題であったため、長野市にもメリット
のある移転となりました。

 農業共済というのは、農家が自然災害による被害を受けた場合、
その損害を、農業者の皆さんが出し合った共済掛金などを原資とし
て国が補償する一種の保険制度であり、農業を強化するための施策
の一つなのですが、この保険の充実を国に要望することも農業振興
には必要な対策ではないかと考えています。すなわち、共済金の支
払い対象の中に「農産物の価格の低下」も入れてほしい・・・これ
についても、国が検討を始めたという報道がありましたが、一考に
値する施策と考えていますし、実現に向けて国に要望していこうと
思っています。農業共済組合と国が、一体になって補償することが
大切だと考えます。

 TPP対策として、組合自体の業務の効率化・合理化は当然です
が、一番強化しなくてはならないのは、農業で生計が成り立つため
の施策です。TPPで農家の皆さんが一番恐れているのは、外国か
らの安い農産物の輸入によって、国内農産物の価格が下落し、農業
だけでは食べていけなくなることでしょう。

 近年の農業を取り巻く状況は、農業就業人口の減少、高齢化の進
行、TPPの交渉参加などますます厳しくなっています。農業共済
制度につきましても、TPPの参加を前提にした対策の一つに考え
るべきです。

2013年4月4日木曜日

晴れやかな気持ちで


 4月1日、新年度がスタートしました。この日は、午前8時30
分の始業と同時に、同日付けの人事異動に伴う辞令交付を行いまし
た。市役所ではおおむね3年から5年で所属部署が変わり、新たな
職場で、新たな業務を担当します。前任者と後任者の引き継ぎや引
っ越しは大変のようですし、ベテランの域に達した年配の職員でも
経験したことがない業務となればかなり戸惑うようですが、いろい
ろな部署で経験を積んで仕事の幅を広げることは、行政マンとして
重要であることが多分にあるわけです。

 新規採用職員への辞令交付も、私から、行政職や保育職の54人
に一人ずつ辞令を渡しました。皆さん、緊張した面持ちでしたが、
最後に私から以下のことを申し上げました。
 「地方自治体においても、厳しい財政状況の中、行政改革が進め
られている。その一つに職員数削減がある。毎年職員数を減らして
いるため、当然職員一人にかかる仕事、責任は重くなる。しかし、
これは時代の要請である。
 また、皆さんは長野市職員としてこんなことをやりたいという大
きな目標、理想を持って本日を迎えた。このことは大切なことであ
る。そこで、まずは、配属先の仕事を覚え、長野市職員としての基
礎をしっかり身に付け、足元を固めてほしい。それから自分の理想
に向かって進んでほしい」新規採用職員には、若さを前面に出して
元気に頑張ってほしいと思います。
 
 また、その後行われた管理職職員の辞令交付式の中では、長野市
の中枢を担う立場でしっかりそれぞれの役割を果たすことはもちろ
ん、部下となる若い職員をしっかり掌握し、そして訓練し、フォロ
ーしながら将来の長野市を担う職員を育てることも重要な仕事であ
ると申し上げました。

 下氷鉋保育園は、4月1日から民間事業者に運営を委託し、新た
なスタートを切りました。運営委託にあたっては、保護者の皆さま
から頂いた、民営化に対するご意見・ご要望を踏まえ、保護者と有
識者などで構成する「委託・移管先選考委員会」での選考を経て、
「社会福祉法人おおぞら作新会」が委託先として決定しました。昨
年度、おおぞら作新会と市による「引き継ぎ保育」を行うとともに、
保護者を含めた「三者懇談会」を開催し、保護者の皆さんの民営化
に対する不安軽減に努めるとともに、民営化後の保育の在り方や園
の運営などについて具体的な意見交換を行い、情報の共有と方向性
を確認してきました。

 去る3月29日に運営引き継ぎ式を行いましたが、ご来賓や園関
係者の皆さんのあいさつの中で、「最初は民営化への不安が先に立
ち、反対であった」という正直なお話がありました。しかし、今は
新たな保育園への期待の方が大きいと、感じていらっしゃるようで
す。保育園の民営化は、2009(平成21)年度の三輪保育園を
皮切りに、2012(平成24)年度の川田保育園に続いて、これ
で3園目となります。また、2011(平成23)年度には、城東
保育園を隣接する「済生会(さいせいかい)長野保育園」へ移管・
統合しています。こうした「民間活力の導入」は、私の歴史的使命
であると、市長就任以来申し上げてきましたが、保護者の皆さんか
らは、「民営化後、保育環境の改善や独自の保育内容の導入など、
大変感激している。もっと早く民営化してもらいたかった」との声
もあり、民営化のメリットを理解していただき、とてもうれしく感
じたこともありました。

 就職を機に新たな人生をスタートさせた人、人事異動により心機
一転、新たな職場に勤務する人など、形はそれぞれですが、この時
期は一年のうちでも晴れやかな時期です。県内各地から、桜の便り
も届いています。アベノミクス効果により経済も回復基調にあり、
日本銀行が発表した今年3月の企業短期経済観測調査では、企業の
景況感を示す業況判断指数が、大企業の製造業、非製造業とも9カ
月ぶりに改善したとのことです。中小企業にこうした景況感がはっ
きり表れるにはもう少し時間がかかるでしょうが、経済は回ります。
必ず良くなるはずです。期待が膨らむ新年度になりそうです。

 明るい話題をお話ししましたが、私は今、花粉症に悩まされてい
ます。症状が出るようになったのは一昨年の春からですが、今年は
今までになくつらい・・・。国民病ともいわれる花粉症ですが、と
にかく煩わしくて具合が悪い・・・。一日も早く、花粉の飛散が収
まってほしいと願うばかりです。

 個人的な話になりますが、3月30日は戸隠スキー場へ、31日
は妙高杉ノ原スキー場に、孫を連れて春スキーに出掛けました(私
は、花粉症で苦しくて、あまり滑れませんでしたが・・・)。
 戸隠スキー場は今シーズン、例年よりも2週間長い4月14日ま
での営業を予定していましたが、残念ながらこのところの暖かい陽
気で積雪が減り、7日(日)で営業を終了させていただくこととな
りました。まだ滑り足りないという人は、ぜひ今週末、戸隠スキー
場へお出掛けください。
 なお、来シーズン、戸隠スキー場は50周年を迎え、ご来場いた
だく皆さんに感謝の気持ちを込めた各種イベントが企画されるそう
です。来シーズンを楽しみにしていましょう。

 AC長野パルセイロは、3月31日のアウェー戦で、昨シーズン
2戦2敗と唯一勝ち点を奪えなかったHOYO大分を3対1で破り、
開幕から4連勝の快進撃で、今シーズン素晴らしいスタートダッシ
ュを切ることができました。チームの力は確実なものになってきて
いると実感していますし、ホームスタジアムの改修も動き出しまし
た。J2昇格条件の中、今後、課題となるのはホームゲーム1試合
平均観客数3,000人以上の確保です。しかし、前回3月24日
のホームで開催した対ホンダロックSC戦の観客数は2,552人
と、天気が良く絶好の観戦日和であった分、少し寂しい感じです。
ホームゲームには毎回欠かさず応援に行くという熱心なサポーター
はもちろんのこと、「応援には行きたいけど、なかなか行けなくて
・・・」という人もぜひ一度、試合に足を運んでみてください。
「応援に行ってみたら楽しくて、病みつきになった」という声を多
くの人から聞いています。勝利の歓喜で沸き上がる満員のスタジア
ム・・・そんな光景を早く見たいと思っています。

 4月7日には、レディースも開幕戦がアウェーで行われます。本
田美登里新監督の下、なでしこリーグ昇格を目指すレディースの応
援も、今シーズンは時間を見つけてぜひ行きたいと考えています。