2013年4月25日木曜日

東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会東京招致


 ご存じのように、7年後の2020(平成32)年の東京オリン
ピック・パラリンピックの開催を目指し、東京都とJOC(日本オ
リンピック委員会)が中心となって、招致実現に向け取り組んでい
ます。
 以前、東京都は2016年の開催を目指し、その招致レースで健
闘されました。しかし、残念ながら、南米初の開催をうたい文句に
招致レースを展開したリオデジャネイロ(ブラジル)に惜敗してい
ます。招致の成否を握る大きなポイントの一つである開催支持率が、
前回は59%と低く、そのことが招致失敗の理由の一つに挙げられ
ていました。
 今回は、日本人選手が大活躍したロンドンオリンピックの余韻が
十分に残っている環境に加え、JOCでもメダリストによる銀座で
の凱旋パレードを行い、招致をアピールするなど、大いに盛り上げ
を図りました。また、日本が東日本大震災という大きな災害を経験
していることから、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」と
いう招致スローガンが語るとおり、東京都民を含む多くの日本人は、
世界中の人々が注目するオリンピックを東京で開催するという明る
い話題を望んでおり、オリンピック開催で元気を求めようとする気
持ちがあったとしても不思議なことではありません。そうしたもろ
もろの要素が今回の支持率70%の世論となって表れ、招致に弾み
をつけていると思います。
 3月4日から7日にかけて、IOC(国際オリンピック委員会)
評価委員会による東京の現地調査が行われました。マスコミが大々
的に報じましたので、多くの方がご存じとは思います。
 「アスリートファースト」と銘打って、女子サッカーの澤穂希(
ほまれ)選手や卓球の福原愛選手などオリンピアンのほか、パラリ
ンピアンなどが前面に出て、招致実現に向け、大変な盛り上がりを
感じる活動をされていました。また、プレゼンテーションではオリ
ンピックの歌まで交えた安倍首相による招致演説や、日本体育協会
会長でもあるトヨタ自動車の張富士夫会長がプレゼンターを務めら
れるなど、官民挙げての対応もまた非常に好評であったようです。
 最終日に行われた評価委員会記者会見では、IOC副会長でもあ
るクレッグ・リーディ委員長が、「招致委員会のプロフェッショナ
ルな準備と協力に熱意を感じた」とのコメントを発表され、まずは
大成功であったと思います。その後、評価委員会の皆さんは他の立
候補都市であるスペインのマドリード、トルコのイスタンブールを
視察され、同じようにポジティブなコメントを残されています。油
断はできませんが、東京都の対応は完璧で素晴らしいものであった
とお聞きしていますので、招致実現の可能性を一歩、二歩と引き寄
せたのではないかと思います。

 さて長野市でも、この3月市議会定例会において長野市議会が、
「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技
大会の東京招致を支援する決議」を採択しました。また、3月1日
には鷲澤市長も阿部長野県知事や山ノ内町などの長野冬季オリンピ
ック競技開催地の首長さん方と、招致活動の成功を祈って、「共同
応援アピール」を行いました。
 私も2月に上京した折に、東京都スポーツ振興局の招致担当の理
事を訪ね、招致支援のための相談をしてきました。現在、101名
いるIOC委員のうち、43名が長野冬季オリンピック開催当時も
委員を務められていたことなどの情報も提供し、協力できることも
あるのではないかといったお話をさせていただきました。
 長野冬季オリンピック招致当時とは招致に関するルールも変わり、
現実的には支援にも限界があります。しかし、今回の招致を積極的
に進めておられる猪瀬直樹都知事は長野市のご出身で、「ふるさと
NAGANO応援団」の一員としても長野市にご協力いただいてい
ますし、竹田恆和JOC会長は、NAOC(長野オリンピック組織
委員会)のスポーツディレクターとして、組織委員会が抱えていた
多くの課題に先頭に立って解決に当たっていただいた方です。
 そのお二人が、まなじりを決して取り組んでおられるオリンピッ
ク・パラリンピック招致ですから、できるだけ協力したいと考えて
います。3月末には東京都スポーツ振興局の方がお見えになり、お
話しさせていただく中で、東京都の招致活動の中で協力できること
があれば遠慮なくご依頼くださいと、あらためて申し上げました。
今後も連携を図り、多少なりとも頼もしいパートナーと感じてもら
えるように対応していきたいと考えています。

 7月にはスイスのローザンヌで、IOC委員に対して開催計画に
関するプレゼンテーションが行われます。そして、9月7日にアル
ゼンチンのブエノスアイレスで開かれる「第125回IOC総会」
で2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市が決定しま
す。
 招致スローガンにもあるとおり、今の日本には世界が注目するオ
リンピック・パラリンピック開催という具体的な目標・夢が必要だ
と感じています。
 政権交代以降、安倍首相が主導する、いわゆるアベノミクスが機
能し、円安と株価の上昇が続いています。景気は「気」からという
至言があります。GDP(国内総生産)世界第3位の日本が再び世
界経済をけん引していくためにも、「2020東京オリンピック・
パラリンピック開催決定」のような国民の気分が高揚する景気のい
い話が不可欠だと思います。
 開催による経済波及効果は3兆円規模との報道もありますが、そ
れ以上に世界経済に貢献できる部分が大きいのではと思います。
 招致成功を大いに期待しましょう。
 頑張れ!日本。頑張れ!東京。