本年は、市議会議員選挙の年です。
定例市議会は、3月、6月、9月、12月の年4回開催されます
が、本年は9月16日告示、9月23日投票で、市議選が行われま
すので、9月市議会定例会を早めて8月2日から8月17日まで開
催しました。従って、この市議会は特別のことがない限り現在の議
員さんの任期中、最後の議会ということになります。
そこで、今議会の閉会に当たって、私は現在の議員さんの4年間
の任期中にあった主なことを、概括的に述べ、特に今期限りで勇退
される議員さんへの餞(はなむけ)の言葉とさせていただきました。
以下その概要を報告します。
「この4年間は、景気が回復傾向とはいえなかなか実感が伴わない
経済情勢、少子高齢化の進展、深刻化する環境問題、地方分権の推
進など、自治体を取り巻く環境が大きく変わる中、それに呼応する
ための変革が求められている大変重要な時期であったと思います。
当選された直後の平成15年12月には、長野地域合併協議会が
設立されました。平成16年5月には合併協定の調印、そして平成
17年1月には1町3村編入合併による人口38万人、面積738
平方キロメートルの「新長野市」が誕生しました。
平成16年4月には、松代城跡の復元整備が完成し、「エコール
・ド・まつしろ」がスタートしました。多くの皆さんの思いが結集
し、年間30万人ほどの観光客が86万人となり、「遊學城下町
信州松代」の魅力を全国に発信できた画期的なプロジェクトとなり
ました。
平成17年2月には、世界84の国と地域から2,575人の選
手団が参加した「2005年スペシャルオリンピックス(SO)冬
季世界大会・長野」が開催されました。アジアで初めて、またオリ
ンピック、パラリンピック開催地で初めての大会となり、SO冬季
世界大会史上最多の選手団と、総観客数20万人を超える皆さんを
温かく迎え入れ、「心のバリアフリー」への関心を高めた感動に包
まれた8日間でありました。
同年3月には、次世代育成支援行動計画を策定しました。福祉行
政については、平成18年3月に「新あんしんいきいきプラン21」
の策定、4月には柳町保育園、柳町子育て支援センターを、10月
には真島保健センター、豊野西部児童センターを開所することがで
きました。
行政への民間活力の導入については、平成18年4月に県内初の
PFI手法でオープンした温湯温泉「湯~ぱれあ」をはじめ、指定
管理者制度を295施設に導入、第二学校給食センター、上下水道
料金徴収・収納業務、犀川浄水場運転管理業務、秋葉・松ヶ丘両保
育園、二つの斎場などの民間委託あるいは民営化を実施することが
できました。
都市内分権に関しては、平成18年3月に「都市内分権推進計画」
を策定し、その後、各地区に住民自治協議会の設立をお願いしてい
ます。現在9地区で住民自治協議会が設立され、そのほかの地域に
おいても住民自治協議会設立に向けた準備が鋭意進められています。
中心市街地の再生については、旧長野センタービルが「もんぜん
ぷら座」として生まれ変わり、平成17年には「ぱてぃお大門・蔵
楽庭(くらにわ)」、平成18年には長野銀座A-1、D-1地区
市街地再開発事業が完成し、TOiGO(トイーゴ)、トイーゴパ
ーキング、長野市生涯学習センターが相次いでオープンしました。
また、本年4月にスタートした「改定都市計画マスタープラン」
には、将来の都市像として「歩いて暮らせるコンパクトなまち」を
掲げました。
地域産業経済の活性化については、平成17年4月に産学行連携
の拠点施設「長野市ものづくり支援センター」(通称 UFO
Nagano)を信州大学工学部内に開設し、平成18年からは
「産業フェア IN 善光寺平」を開催しています。
浅川治水対策については、県が、本年7月9日、国土交通省関東
地方整備局へ河川整備計画の認可を得るべく申請しました。重く切
迫した課題でしたが、大きな前進であり速やかに治水事業が実施さ
れますよう県と協力してまいります。
また、浅川治水対策をめぐっては、長沼地区において北陸新幹線
の延伸に伴う設計協議や建設予定地の用地交渉が滞っておりました
が、設計協議については本年1月から地元対策委員会と協議が再開
され、用地交渉については本年3月に「地権者会」を発足していた
だきました。
併せて、長野以北の並行在来線に関しましても、存続に向けた経
営の可能性について、JR東日本や新潟県などとの話し合いを重ね
ながら、広い視点に立って総合的に検討していかなければならない
課題ですが、平成18年5月に「長野以北並行在来線対策協議会」
が設立されたことから、県および沿線市町と協力し、知恵を出し合
う中で存続に向けて努力してまいります。
教育に関する諸課題では、皐月高校は、長い間、新生市立高校へ
の移行について検討してきましたが、いよいよ来年4月「市立長野
高校」として開校します。中心市街地の3つの小学校は、通学区域
特例校制度を導入し将来の方向を見定めてきましたが、後町小学校
を平成24年度末で閉校することとしました。また、昭和小学校の
過大規模解消として平成18年4月に新共和小学校を開校して解消
を図ったほか、大規模校を中心に限定隣接学校選択制度を導入して
学校規模の適正化に向け取り組んでいます。
近年、地域密着型のプロスポーツチーム「AC長野パルセイロ」
や「信濃グランセローズ」の活躍により「スポーツを支える喜び」
の輪が広がっていること、また、数多くの市内小・中学生チームが、
野球やソフトボールなどさまざまな競技で全国大会の出場を果たし
ていることなど、「スポーツを通じた元気」が溢れてきています。
また、本年5月にエムウェーブとスパイラルが文部科学省からナ
ショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点として認定をいた
だきました。
環境対策については、長野広域連合が長野市内に建設するごみ焼
却施設建設候補地の選定におきまして、大変重要な事項として、慎
重に議論・ご検討を重ねていただきました。地球温暖化対策につき
ましても、喫緊の課題としてさまざまなご意見やご提案をいただき、
今後の温暖化対策に生かしてまいります。
思い起こせば語り尽くせないほど、さまざまな出来事がございま
したが、「市民が主役」の元気なまちづくりを進めていくことがで
きるのは、市民の代表である議員の皆さんが、市の発展と市民福祉
の向上のためにご尽力されておられるからにほかなりません。
また、地域に関する課題はもとより、広い視野を持ち、10年先、
20年先を的確に見定める中で、第四次総合計画、産業振興ビジョ
ン、改定都市計画マスタープランなど、市の根幹をなす計画の策定
にご協力いただきました。
ここに改めて、長野市議会議員としてのご尽力と、今日まで市政
に寄せられました幾多のご協力とご支援に対しまして、心から敬意
を表し感謝を申し上げます。」
以上が、9月定例会で述べた私の閉会あいさつの概要です。閉会
のあいさつで触れることができなかったこの4年間での出来事はま
だまだたくさんありますが、もう一つだけ挙げるとするならば、長
野駅周辺第二土地区画整理事業が多くの方のご努力とご理解により、
事業が着実に進展していることです。
皆さんもこの4年という区切りで総括していただければと思いま
す。
この後、勇退される議員さんへの感謝と今後のご健康を、そして
9月の選挙に出馬される方々へのご健闘をお祈りすると申し上げ、
閉会のあいさつとさせていただきました。
さて、この9月に執行されます市議会議員選挙は、議会改革とし
て議会自らが率先して議員定数の削減に取り組んでいただき、条例
定数を39人へと削減されての初めての選挙です。現段階では少数
激戦という予想で、なかなか厳しい場面も想定されますが、まさに
民主主義の原点、正々堂々と戦い、勝ち抜いて、再び議場でお会い
できる日を楽しみにしたいと考えています。
また、市民の皆さんには、ぜひ投票を・・・投票率を上げていた
だくことを心からお願いします。