「平成27年という年は、長野市が『変わる』一つのターニング
ポイントになります」これは、昨年私が初めてのメールマガジンで
書いた一文です。
現在、長野市では平成27年に向けて、大規模プロジェクト事業
を推進している真っ最中です。「長野新幹線の金沢延伸」と「善光
寺御開帳」に合わせた長野駅善光寺口駅前広場の整備もその一つで、
本格的に整備を進めるため、5月連休明けから一般車両の進入を制
限させていただいたニュースは皆さんの記憶にも新しいことでしょ
う。何かとご不便をお掛けすることもあるかと思いますが、しばら
くの間ご理解とご協力をお願いします。
さて、この平成27年を含めて、現在長野市が抱える県政に関係
する課題について率直な意見交換をさせていただくため、5月20
日に長野市選出県議会議員の皆さまとの懇談会を開催しました。
当日、議題とした懸案・課題事項は主に次のとおりです。
1 長野県立大学の早期開設について
県では、長野県短期大学の4年制化による新たな県立大学の開設
に向けて「長野県立大学設立準備委員会」を立ち上げ、「基本構想
」の策定が現在進められているところです。
長野市にとって、新たな4年制大学の開設は、長年の悲願であり、
地域を担う人材の育成や、地域振興・活性化への貢献、さらには県
の教育力の向上など、その効果に大きな期待を寄せているところで
す。
後町小学校跡地の活用を含め、魅力ある県立大学の早期開設を要
望させていただきました。長野市としても、県立大学の所在市とし
て最大限の協力をしていく所存です。新しい大学の具体的な姿を、
早く明らかにしてほしいと待ち望んでいます。
2 南長野運動公園総合球技場整備事業に対する支援について
現在、AC長野パルセイロがホームスタジアムとして使用してい
る南長野運動公園総合球技場は、残念ながら収容人数などのJリー
グ基準を満たしていません。
県内でJリーグ規格の総合球技場は、松本市にある県営の「アル
ウィン(松本平広域公園総合球技場)」のみで、長野市サッカー協
会や長野市ラグビー・フットボール協会などから長野市における総
合球技場の整備を要望されています。
長野市では、昨年の9月市議会において、南長野運動公園総合球
技場をJリーグ基準のスタジアムへ改修することを決定しました。
平成25年3月には設計業務委託契約を行い、これもまた平成27
年、その2月末の完成に向けて事業を進めています。子どもたちに、
Jリーグやなでしこリーグなどプロチームのサッカーを見せてあげ
たい。今や、オリンピックスタジアムで読売ジャイアンツなどのプ
ロ野球が生で見られるように。そんな思いです。
また、平成31年に日本での開催が決定している「2019ラグ
ビーワールドカップ」の前哨戦や交流戦、また、国内トップレベル
の大会などの開催も期待できます。
こうした状況を踏まえ、本事業は長野市が主体となりますが、県
営のアルウィンとともに、県とプロスポーツチームとの連携による
「スポーツによる元気な信州づくり」の推進や、県内における均衡
あるスポーツ文化の醸成・発展のため、東北信地域におけるスポー
ツの拠点施設として位置付け、県の財政支援を要望させていただき
ました。併せて、「市民スタジアム」として胸が張れるよう、市民
の皆さんのご寄付もよろしくお願いします。
3 北しなの線(長野以北並行在来線)新駅設置について
新幹線金沢延伸後にJRから経営分離される北しなの線は、長野
市にとって重要な社会基盤であります。県の新総合交通ビジョンに
も北しなの線の「維持・存続」が明記されていますが、厳しい経営
が予想されていて、安定した運行を続けるには、利用促進が不可欠
な路線です。
新駅設置によって、市民の皆さんの利便性向上と利用者増による
鉄道事業の安定化、自動車からの乗り換えによる交通渋滞の緩和な
どが期待できます。
昨年度の調査の結果、「北長野駅~三才駅」間への新駅設置に優
位性が認められました。今後、関係機関との調整などにかなりの期
間と、建設には多額の事業費が必要となりますので、国庫補助制度
に協調して、県においても補助制度の創設を要望させていただきま
した。
以上3つの議題に加え、「県営ため池等整備事業『長野地区』の
整備促進」や「県管理道路の整備促進」、また「災害に強い県管理
の河川施設の整備促進」についても懇談させてもらいました。議員
の皆さまとは率直な意見交換をさせていただくことができ、とても
有意義な場となりました。今後とも、貴重なご意見を頂きながら、
主要事業を推進し、さらなる長野市の発展につなげていきたいと考
えていますので、住民代表である議員の皆さまのご支援とご協力を
切に願っています。
このように、「長野新幹線の金沢延伸に合わせた長野駅前整備」、
「南長野運動公園の総合球技場の整備」、「北しなの線の開業」な
ど、平成27年に向けさまざまなハード面での整備を進める一方で、
ソフト面においては、北陸の新幹線沿線各市との連携強化を図ると
ともに、シティプロモーションを推進することを考えています。ま
た、長野市の持つ文化、風土、自然、歴史を、もう一度見詰め直す
ため、今年初めて「ながの百景」を募集しています。市民の皆さん
には、長野市の素晴らしさを再認識してもらうことで、郷土への愛
着心や誇りを持っていただきたい。また、長野市の魅力を最大限に
広く全国へ情報発信することで、長野市外の皆さんには、長野市の
良さを、来て、見て、感じていただきたい。それによって、集客や
都市間の観光交流人口が拡大すること、さらには、次世代を担う若
者が定着してくれることを期待しています。
平成27年はあくまで通過点です。長野市に今ある活力を、一過
性のものとして終わらせてはいけません。県都にふさわしい都市の
形成を目指し、長野市はその先を今からしっかりと見据え、さらな
る持続的な発展を遂げていきたい。そのために、市民の皆さんのご
理解とご協力が、何にも増して必要です。私はそのように考えてい
ます。