3月24日(土)、NHK大河ドラマ「風林火山」の特別企画展
が、長野市制110周年記念事業として、八幡原史跡公園と長野市
立博物館を会場に始まりました。
武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いは、合計5回あったと言われ
ていますが、その中で「第四次」川中島の戦いは両雄死力を尽くし
た戦いとして、歴史上有名です。
その決戦の場である八幡原史跡公園、私たちが立っているこの地
で戦いは行われたのです。武将たちの魂が宿るこの地で446年後
の現在、その戦いを蘇(よみがえ)らせてみることは歴史的、文化
的に大変意義深いことであると思っています。
昭和44年の大河ドラマは、海音寺潮五郎作「天と地と」で、主
人公は上杉謙信でした。その放映を記念して、信玄・謙信一騎討ち
の像が八幡原に建立されました。そして、その37年後の今年、武
田側の軍師「山本勘助」を主役にした「風林火山」が放映されてい
ます。
オープニング・セレモニーは、下氷鉋小学校の児童たちの「竹太
鼓」と「霧の川中島」の曲に乗った舞で始まりました。竹太鼓は初
めて聴きましたが、竹を太鼓に見立て、みんな打ちそろっての素晴
らしい演奏でした。
セレモニーの後、博物館に入って企画展を見て回りました。武田
二十四将図、上杉十六将図や、文字でみる両家の盛衰、山本勘助の
考案した「きつつき戦法」や謙信の「車懸(くるまがか)りの戦法」
を分かりやすく解説したジオラマ(展示物とその周辺環境・背景を
立体的に表現する方法)、そして第四次川中島の戦いを再現した合
戦体感シアターなど、内容がとても豊富でした。NHKの協力を頂
きながら、なかなか迫力のある企画展に仕上がっており、お越しに
なられた皆さんはきっと満足していただけるであろうことが確信で
きました。
見終わって博物館から出ると、そこには風林火山関連グッズ、地
元特産物の販売コーナーがあり、お客さんでにぎわっていました。
私も関連グッズを一つ買いました。その後、博物館の外側にある古
い石碑、この戦いで亡くなった多くの武士の亡骸(なきがら)を埋
葬したと伝えられる首塚や今回の企画の一環として新たに武田軍や
上杉軍の陣立などを配した八幡原史跡公園一帯を見て回りました。
続いてオープニングイベントとして開催されたトークショーでは、
皆さんお待ちかねの大河ドラマの主役であるお二人、勘助役の内野
聖陽(うちの まさあき)さん、由布姫役の柴本幸(しばもと ゆ
き)さん、そしてチーフプロデューサーの若泉さんをお迎えして、
ドラマを演じるに当たっての熱い思いを語っていただきました。花
火を上げるタイミングでハプニングがありましたが、まあお許しい
ただける範囲のことと思います。
お二人の出演を待って、早朝から多くのお客さんが場所取りをし
ていました。お二人には午後、篠ノ井市民会館で開催された「勘助・
由布姫が語る風林火山」と銘打った大河ドラマ講演会への出演もお
願いしました。
そして、主役のお二人は帰りに妻女山(さいじょざん)と勘助の
墓に立ち寄られ、二人とも戦いのスケール感が感じられる妻女山か
らの眺望に感銘したようで、特に内野さんは役作りに生かしたいと
言っておられたそうです。
ところで、八幡原史跡公園からあまり遠くない場所に胴合橋(ど
あいばし)と呼ばれている小さな橋があります。特別企画展オープ
ンの二日前、この場所で、地元の方々が中心となって建立された
「山本勘助翁(おう)鎮魂碑」の除幕式が行われました。勘助が合
戦で討ち死にしたあと、生き残った家来が首を奪い返し、この橋の
あたりで血まみれの首を洗っていると、見覚えのある鎧(よろい)
を着た胴体が流れついたので、首と胴体をつなぎ合わせたところ、
ぴったり一致したため、家来たちは、亡骸を橋のたもとに手厚く葬
ったと伝えられています。この話から、この橋は胴合橋と呼ばれる
ようになったそうです。
川中島合戦ゆかりの地は、この場所のほかに、海津城(松代城)や
妻女山、典厩寺(てんきゅうじ)、勘助の墓を含めたくさんありま
す。往時の武将たちや現代の役者さんの思いを想像しながらゆっく
りと史跡巡りをすると、きっと楽しいですよ。
この企画展は12月16日まで、長期間にわたり開催されます。
運営側となる地元の皆さんも大変ですが、長野発の情報が全国に伝
わるよう、そして全国から多くのお客さんに来ていただき満足して
お帰りいただくように、おもてなしの心を大切に頑張りましょう。
今年は長野市制施行110周年、国宝善光寺本堂再建300年祭、
そして戸隠イヤー・・・観光施策は大変豊富です。
また、3月28日には二つのセレモニーがありました。
一つは、城山公園の再整備開園式です。ここは長年親しまれてき
た市営野球場が南長野運動公園へ移転したことに伴い再整備し新た
な施設として生まれ変わりました。この辺りは桜の名所として親し
まれてきましたが、今回はさらに約150本のサクラを植樹しまし
たので、数年後には多くの花をつけ、花見の新名所として皆さんを
お迎えできると思います。
もう一つは、アシカ来園記念セレモニーです。城山動物園の2頭
のアシカがいなくなってずいぶんと経ちますが、ようやく大阪市の
天王寺動植物公園で生まれたオスのカリフォルニアアシカを迎える
ことができました。名前は「シュン」君です。皆さんもシュン君に
会いに城山動物園にお出掛けください。