4月17日(土)好天に恵まれて、松代城の復元春まつりが開催
され、いよいよ、本番がスタートしました。当日、太鼓門前での記
念式典に際し、私は裃(かみしも)を着て皆さんに挨拶させていた
だきました。今日のメルマガは、その内容をそっくり転載させてい
ただきます。
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春爛漫の4月、この良き日に、長野市並びに史跡松代城整備完成
記念行事実行委員会との共催により、松代城完成記念式典を開催い
たしましたところ、文化庁記念物課 本中 眞主任調査官様、真田
家14代当主 真田 幸俊様 夫人 綾子様、15代 真田 幸知
様、国会議員の先生方をはじめ、大勢のご来賓のご臨席を賜り、こ
こに盛大に開催できますことは、私の喜びでございます。
この松代城は、開城当時、海津城と呼ばれ、上杉・武田の川中島
合戦の最中、武田信玄により築城された城でございます。元和8年
(1622年)に真田信之公の入封以後、明治維新までの約250
年間、真田氏の居城となり、10代にわたって松代藩を治めてまい
りました。
明治の廃城以後は、崩れた本丸石垣だけの状態でございましたが
、昭和56年4月11日に国の史跡に指定され、文化庁及び長野県
のご指導・ご支援を賜り、平成7年度から本格的な復元整備事業に
着手いたしました。9年の歳月を費やし、ご覧の太鼓門をはじめ、
北不明門(きたあかずもん)や内堀、土塁など、江戸時代後期の姿
に復元をいたしまして、この4月から一般の方にご覧いただいてい
るものでございます。
この事業を進めるに当たりましては、国、県はもちろんのこと、
史跡松代城跡附新御殿跡(つけたりしんごてんあと)整備委員の先
生方や地元の皆様ほか、大勢の皆様の暖かいご支援・ご協力がなけ
れば、成し得ない事業でございました。ここに謹んで感謝を申し上
げる次第でございます。事業着手前の松代城の姿をご存知の方は、
この変貌振りに驚かれたのではないでしょうか。
松代城の整備はここに一段落を迎えましたが、長野市といたしま
しては、今年度から文化庁のご支援を受け、新御殿跡(真田邸)保
存整備事業に着手する予定でありますので、引き続き変わらぬご指
導・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
松代町は、この松代城をはじめとして、多くの武家屋敷や町屋な
ど、江戸時代からの伝統的な景観が現存する全国的にも貴重な城下
町の一つでございます。国史跡の新御殿、文武学校をはじめ、重要
文化財の横田家住宅や真田信之公の御霊屋(おたまや)、幕末の開
明的思想家、佐久間象山関係の史跡など、松代藩時代の文化財はも
ちろんのこと、古代の大室古墳群や、太平洋戦争末期の松代大本営
予定地・象山地下壕など、実に古代から現代に至るまで、さまざま
な史跡・文化財が残された町であり、正にこの松代は文化財の宝庫
でございます。
これらの史跡・文化財は、長野市の成り立ちを理解する上で欠く
ことのできないものであり、将来の文化向上発展の基礎をなす貴重
な財産でございます。長野市といたしましては、これらの文化財を
次の世代に継承していくために、適切な保存・管理に心がけ、多く
の市民や来訪者が親しみをもてるように整備・活用してまいりたい
と考えております。
この松代城の完成を機に、地元住民が主体となって、エコール・
ド・まつしろ2004実行委員会がつくられ、松代町内にあります
文化遺産を生涯学習や趣味に活用する「遊学城下町・信州松代」の
事業が始まりました。2004年が松代新時代の元年として、その
第一歩を踏み出そうとしておりますが、これまでの準備における地
元の皆様の並々ならぬご努力に敬意を表しますとともに、いよいよ
本番との地元からの熱気を強く感じております。エコール・ド・ま
つしろ倶楽部の会員も日増しに増え、遊学客をお世話する幾つもの
専科ができ、おもてなしの心でお迎えする準備もできているとのこ
とでございます。今後の継続的な活動に大いに期待しているところ
でございます。
また、この完成記念式典の主催者であります、史跡松代城整備完
成記念行事実行委員会では、一年を通していろいろな事業が計画さ
れております。本日から始まります松代城復元春まつりもこの一つ
であり、本日からこの松代城を中心に松代町内至るところで開催さ
れます。また、夏まつり、秋まつり、冬まつりと、四季に適したま
つりの開催も予定されております。
エコール・ド・まつしろの最大のテーマは、観光地としての松代
ブランドを成立させることにあります。この事業が継続され、松代
が全国的知名度を獲得するためには、一連の行事開催などを機に、
まず長野市民が改めて松代を知り、松代を愛し、松代を訪れていた
だくことが、長野県内をはじめ、全国の人々に広まっていく第一歩
だと考えております。長野市といたしましても、今まで善光寺一極
通過型観光でありましたものを、松代の魅力を全国に発信し、善光
寺さんを参拝されたお客様が、この松代にも足を運ぶよう、善光寺
・松代間のルートを確立して、交流人口の増大・定着及び滞在型観
光への転換を図るため、積極的に取り組んでまいりたいと考えてお
ります。
終わりに当たり、本事業完成のためにご尽力いただきました、関
係者の皆様のご労苦に感謝を申し上げますとともに、本日ご臨席を
賜りましたご来賓の皆様をはじめ、お越しをいただきましたすべて
の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げまして、主催者としての
ごあいさつとさせていただきます。
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以上が、当日、万感の思いを込めて読み上げさせていただいた私
の挨拶です。約1年半、エコール・ド・まつしろのための準備に、
松代の住民の皆さんは本当に一生懸命取り組んでいただきました。
松代の町の盛り上がりは、過去最高であると皆さんがおっしゃって
います。
天気に恵まれ、桜は残念ながら葉桜になっていましたが、素晴ら
しい復元まつりでした。長野駅から松代までのシャトルバスも満員
でしたし、信濃毎日新聞社の主催で行われた「信州・松代ウオーキ
ング」には約2千人が参加したとの話です。順調に滑り出しました。