2005年2月10日木曜日

ダイエー長野若里店について


 ダイエー長野若里店の閉鎖に関する報道がなされています。この
問題について、現段階で分かっている範囲のことをお知らせし、少
しでも市民の皆さんの不安解消ができればと考えています。

 長野冬季オリンピック開催が決定し、オリンピック関連施設(必
ずしも競技施設だけではありません)を建設するに当たり、長野市
は若里にビッグハットの他にオリンピックを取材する報道関係者の
拠点となるメインプレスセンターを造る計画を策定しました。長野
市が所有する土地に民間企業が建物を建設し、オリンピック時だけ
長野オリンピック冬季競技大会組織委員会(NAOC)が使用し、オリ
ンピック終了後は民間企業が自由に使っていただく計画です。そし
て、建設会社が中心になって大型商業施設やホテルを造る案等のプ
レゼンテーションが行われ、外部委員も含めた検討委員会の審議の
結果、オリンピック後の施設利用として、ダイエーが出店するプロ
ジェクトが採用になったわけです。私は委員会の委員ではなかった
のですが、中心市街地のダイエーを閉鎖してそちらへ出店するので
はないかということで、内心、心配をしていました。しかし、その
段階では、中心市街地から退店しないということでダイエーの出店
が決まりました。

 そして、オリンピック終了後の平成10年(1998年)10月、
(株)ダイエーが「ハイパーマート長野若里店」をオープンしまし
た。前述のとおり敷地は市有地ですので、市は大阪に本社のある京
阪神不動産(株)に30年契約で賃貸契約し、同社が建物の所有者
として、(株)ダイエーに賃貸したものです。

 その後、平成12年12月には、懸念したとおり新田町のダイエ
ー長野店が閉店、平成14年には、ハイパーマートから本社直営店
として「ダイエー長野若里店」に名称を変えて、今日まで営業して
いるものです。

 現在、店舗面積は、約1万1,500平方メートル(市内では3
番目の広さ)、年間売上は、推定で40億円前後と思われます。従
業員は、現在約200人(うち正社員30人程度)、テナント数は、
11店(うち市内業者3店)であり、1階に食料品、2階に衣料、
雑貨といった店舗構成です。商圏としては、中程度の半径約3キロ
メートルを範囲として、芹田地区を中心に地域に根付いた経営をし
ていると思います。
  
 しかし、ご承知のとおり、(株)ダイエーは本体の経営不振と大
幅な債務超過により、昨年12月28日、ついに産業再生機構の支
援が正式決定しました。併せて、全国263店舗のうち不採算とさ
れる53店舗を閉鎖、150店舗を改装、また今後5年間で首都圏
・近畿圏を中心に食品スーパーを100店出店するという方針が打
ち出されました。
  
 ダイエー長野若里店閉鎖という事態を避けるため、早速1月13
日に私が産業再生機構に出向き、担当者に説明を求め対策をお願い
してきましたが、その段階では機構としてもはっきり言えない部分
が多いという状況でした。

 私としては、ダイエーが撤退するのは市場経済の論理のもとでは、
仕方がないと考えています。でも売上はそこそこあり建物は新しい、
小売店の条件としては決して悪くないはずです。問題は、既にあの
店は地域の中に根付いており、店舗の閉鎖は従業員の雇用機会が失
われることにもなりますので、地域として必要な施設だと考えてい
ます。撤退するなら間をおかずに次の店舗が入るようにしてほしい、
建物所有者の京阪神不動産(株)が次のテナントを探しやすいよう
に配慮してほしいと要望してきました。

 なお、ダイエーとの直接の契約者である京阪神不動産(株)は、
ダイエーの関連会社ではなく、付き合いは長野だけということを確
認しホッとしました。また、京阪神不動産(株)に対しては、既に
本市の産業振興部において、昨年暮れから、万一の場合に備えて、
速やかな対応ができるよう連絡を密にしております。

 長野市としては、ダイエーへの支援企業がまだ決定しているわけ
ではありませんし、産業再生機構からの閉鎖店舗の正式発表も3月
中と聞いていますので、今後の対策として、そのまま(株)ダイエ
ーの経営で長野若里店が存続できるように、関係方面に要請を続け
ていきたいと思います。

 また、仮に閉鎖が決定した場合には、地域住民への影響を最小限
に抑えるため、食料品等を中心としたテナントを早く探し、閉鎖期
間をできるだけ短くして、次の店舗がオープンできるよう、契約し
ている京阪神不動産(株)にも、更に強く要請するとともに、関係
団体とも協議する中で、多方面に大きな影響の無い、当地に見合っ
た新たな商業者を市としても検討する必要があると考えています。

 なお、2月4日には商工会議所、商店会、地元区長、県等に集ま
っていただき、現況説明に併せて、今後の対応について協議させて
いただいています。