2006年4月13日木曜日

新たな流れが始まってきました


 18年度が始まって、民間活力導入が本格的になってきました。
これまで、斎場、学校給食センター、水道料金の徴収事務等を民間
委託してまいりましたが、それらの実績を踏まえて、次のステージ
に入ったということです。

 指定管理者制度は地方自治法の改正で可能になった制度ですが、
一挙に市内179カ所でスタートしました。今後は、今回指定管
理者制度に移行できなかった施設や合併地区の施設について検討し
ていくことになります。また県内初の取り組みであるPFI事業も
民間活力導入の一つの手法ですが、動き始めました。今後は、市民
へのサービスがどのくらい良くなっているのか、どんな経営が行わ
れているのか・・・きちんと検証していくことが、行政の重要な役
目です。

 3月25日、柳町保育園のしゅん工式に出席しました。
この保育園は、「昭和45年度に建設されており、既に35年を経
過し、施設の老朽化が著しかった。」「市街地の中心部という立地
条件の中で、特に3歳未満の子どもを中心に、入所児童が増加し、
施設が狭隘(あい)化してしまった。」等の理由から、昨今の保育
ニーズに十分対応できなくなっていました。このため南側に隣接す
る水道局サービスセンター跡地を利用して、新たな保育ニーズに対
応できる施設として、移転改築したものです。

 当施設の設計に当たっては、事前に保護者の皆さんに実施したア
ンケート結果を踏まえて、私立保育園も視察し、子どもたちが安全
で、明るく楽しく過ごせる施設となるよう進めました。人と環境に
優しい材料である竹を床材に採用するなど木材を多く使った温かみ
と潤いのある内装などで仕上げています。事業費総額は5億円弱で
すが、財源としては、市民の皆さんからお借りした長野市ミニ公募
債も利用させていただきました。

 運営面については、定員を160人に増やして充実を図るととも
に、「地域子育て支援センター」を開設して、専任保育士の配置、
育児相談、園開放、育児情報の提供等を行います。さらに、緊急か
つ一時的に保育を必要とする児童に対して行う「一時保育」、また
休日も保育が必要な児童を受け入れる「休日保育」も実施していき
ます。

 長野市では将来を担う子どもたちが、健やかに生まれ育つことが
出来るよう、昨年4月から「次世代育成支援行動計画」を推進して
いますが、この計画では、「仕事と子育ての両立の支援」を図るこ
とが大きな課題と考えています。それにはいろいろなサービスを組
み合わせること、国が進める施策、保育所と幼稚園の一体施設であ
る「認定こども園」の設置、併せて民営化への流れをきちんととら
えて保育行政の推進に努力していきます。

 4月1日、若穂地区に「温湯温泉 湯~ぱれあ」がオープンしま
した。
この施設は昭和50年から皆さんに親しまれてきた温湯温泉市民セ
ンターが老朽化したため、これを廃止し、新しい施設を造ったもの
です。地域の皆さんに支持されて素晴らしい施設が完成しました。

 この施設の事業化については、県内では初めてのPFIという手
法を使いました(PFIについては、違う機会に詳しく述べさせて
いただきます)。何から何まで行政がやる施設と違って、民間の方
々が計画、設計、建設、運営等を、しかも資金まで民間で用意した
プロジェクトですから、従来の行政施設とは雰囲気が違っており、
入った感じも何となくあかぬけしているなと感じたのは私だけでし
ょうか。まずは、新しい試みのこの施設を皆さんにどんどん利用し
ていただきたいと思います。

 同じ4月1日、「犀川南マレットゴルフ場」のしゅん工式が盛大
に開催されました。
犀川右岸地域のマレットゴルフ場の新設につきましては、平成10
年度のみどりのテーブル以来、再三にわたり、川中島・更北両地区
の皆さんから、強い要望があったものです。

 平成15年度に、地域の皆さんからコース建設に当たっては可能
な限り手作りでの整備に協力する、完成後もコース整備や草刈りな
どの管理について協力する旨の申し入れをいただき、市としてもこ
れを積極的に受けることになりました。

 「犀川南マレットゴルフクラブ」が立ち上がり、昨年夏から、行
政と市民の皆さんが一緒になって汗を流しながら、草刈りや倒木・
ゴミの片付けなどの整備を行い、素晴らしい林間の18ホールを備
えたマレットゴルフ場、愛称「アカシアの杜」が出来上がりました。
残念なことは、クラブ立ち上げに一番ご苦労いただいた石井明佳会
長さんが、しゅん工式を目前にして急逝されたことです。立派に出
来たコースをぜひ見ていただきたかったのは、関係するすべての方
の想いではないでしょうか。心から感謝し、ご冥福をお祈りいたし
ます。

 この犀川南マレットゴルフ場の建設には、二つの意義を感じてい
ます。一つは、住民の皆さんが行政と協力して、共に汗を流してい
ただいたこと。すなわち私の主張である民間活力導入の理想形態の
一つであるということです。作業に参加したクラブの方々は延べ
440人、市体育課の職員が延べ40人と記録されています。行政
としての事業費は620万円ということで、従来のとおり事業者に
整備を依頼すれば倍はかかるということでした。

 二つ目は、川中島・更北両地区の皆さんが協力して事業を成し遂
げたことです。これも従来は考えられなかったことだと、しゅん工
式に出席された市議会議員さんが話されました。本年度から都市内
分権が始まりますが、それぞれの地域間の融合を図っていくことも
重要なポイントです。その意味では意義深い事業でした。

 このマレットゴルフ場がいつまでも快適で安全な施設であり、マ
レットゴルフ愛好者の歓声が絶えない活力とふれあいの場となるよ
う期待しています。最終18番ホールでカップにボールが入ると、
“チーン”とかねが鳴る仕組みは、クラブの皆さんの工夫だそうで
すが、なかなかお洒落です。

 3月30日、市内9商工会の合併契約書調印式が行われました。
地域の総合経済団体というのは、市では商工会議所、町村では商工
会ということで、それぞれ法で定められており、一自治体一経済団
体が原則になっています。長野市の場合、昭和41年の大合併の時
点で、3商工会議所、5商工会が存在し、それぞれの地域で活動し
ておられました。これまで、何度か統合の動きはあったのですが、
なかなか機運が盛り上がらず、そのままの状態で推移し、昨年の4
町村との合併が終わって、3商工会議所、9商工会が並存する状況
になりました。

 以来、関係者のご努力で、まず3商工会議所、9商工会がそれぞ
れ統合、1商工会議所、1商工会の体制になることが合意され、商
工会は4月1日、商工会議所は10月1日に合併することが決ま
り、懸案が一歩前進したわけです。

 4月1日、長野市商工会の本所(元の長野市更北商工会)の前で
開所の記念式典が行われ、合併に努力された商工会合併協議会会長
(元長野市若穂商工会会長)の峯村さんの挨拶、長野市商工会初代
会長の窪田さん(元長野市更北商工会会長)の決意表明があって無
事スタートしました。参加された9商工会の元正副会長さん方、さ
ぞかし万感の想いであったことと思います。

 次の課題は、10月の3商工会議所の合併、続いて、合併になっ
た商工会議所と商工会との統合ということになります。