2006年4月27日木曜日

春は始まりの季節です


 長野は花見シーズンを終えて、今週末からゴールデンウィークが
始まり本格的な観光シーズンを迎えます。29日には、「ながの花
フェスタ 善光寺花回廊」が始まり、また、この時季は鬼無里の水
芭蕉も見ごろとなります。多くの皆さんに山あいの春の訪れを感じ
ていただき、大いに長野を楽しんでほしいと思います。
さて今回のメルマガも、この4月の出来事を書かせていただきます。

「善光寺発 信州北回廊プロジェクト」が本格スタート
 このプロジェクトは、北信地域の観光ブランド化を図るため昨年
10月に発足、周辺市町村やJR東日本をはじめとする公共交通機
関等が団結し、まずは首都圏を中心に売り出していこうとするもの
で、3月までの準備期間を経て、いよいよ本格的に始動することに
なりました。

 私は以前から、観光事業を進めるには行政の壁を打ち破らないと
・・・言い換えると地域としての広がりをもたないと、どうしても
上手くいかないと主張してきました。それがいよいよ実現すること
になりました。

 3月に決定したブランドマークは、稀代の先達のイメージ(吟行
姿をした心の旅路への案内人)で、素晴らしいものが出来たと大変
満足しています。今、団塊の世代の大人たちは、自分が帰るべきふ
るさとの地を求めて人生の旅を始めています。このブランドマーク
は、この団塊の世代の人々を主なターゲットとして制作されており、
これからいろいろなメディア等に出てくるはずです。そして、この
地域を旅の目的地として、多くの方々が選んでいただくきっかけに
なると思います。

 事業の第1弾として、JR東日本をはじめとする地域内公共交通
事業者の連携により、2日間乗り降り自由の便利なフリー切符「信
州北回廊パス」が発売されました。さらに、タクシーも利用できる
切符を出す計画も検討しています。今後も、この地域の魅力を多く
の人に知っていただくため、様々な工夫を凝らし、より実効性のあ
る継続的なプロモーションを展開していく予定です。

 また、このプロジェクト事業については、国土交通省北陸信越運
輸局から長野県東北信地域における地域公共交通・観光活性化のた
めの先進的な取り組みとして認定されるなど、各方面からの注目度
と期待とが非常に高いと感じています。必ず、長野市が目指す1,
200万人観光交流推進プラン実現に向けての力強い先兵になると
思います。

「共和小学校・児童センター」の開校・開館式
 4月15日、移転改築した共和小学校の開校式と併設された共和
児童センターの開館式が行われました。

 長野市は38万余の人口を有する県都として、また本県唯一の中
核市として発展してきました。とりわけ犀川以南の地域は、近年特
に発展著しく、これに伴って児童、生徒も増加の一途をたどり、平
成5年に三本柳小学校、平成7年に広徳中学校を新設し、学校規模
の適正化に努めてきました。

 しかし、昭和小学校区では、長野オリンピック・パラリンピック
で選手村として使用された今井ニュータウンが市営住宅や企業住宅
として供用されたため、当初の予想以上に児童数が増加し、昭和小
学校は県下最大規模校になるとともに、過大規模校の目安とされる
30学級を超え、教育環境の改善、施設整備の一層の充実が急務と
なっていました。一方、共和小学校では、児童数が減少し、将来的
な小規模化が懸念されていました。

 そこで、共和小学校を昭和小学校に近いところへ移転改築して、
昭和小学校区を変更し、一部を共和小学校に移す計画が作られ、平
成13年11月、私の市長就任直前、塚田前市長さんのもとで、共
和地区の皆さんが住民アンケートにより受け入れを了承し、実行を
私が引き継いだものです。そして共和・川中島両地区の皆さんのご
理解を得て、計画が進展し、この日の開校式を迎えることができま
した。

 併せて、昭和52年に建設した篠ノ井岡田児童センターも、既に
老朽化し、また、新しい共和小学校の開校に伴い、児童センターを
利用する登録児童数の増加が見込まれたことから、学校と合築する
形で新たな児童センターを建設、開館したものです。

 新しい学校・児童センターは、自然豊かな環境に溶け込んだ低層
かつ曲線的なデザインを採用するとともに、内装は木の温かみの感
じられる設計といたしました。また、環境への負荷の低減を図り、
合わせて児童の環境学習に生かせるよう太陽熱を利用したパッシブ
ソーラーシステム(注)による補助暖房を取り入れ、すべての人に
優しく安全で使いやすい学校とするためエレベーターを設けたほか、
各所に多目的トイレを設置し、床には段差をつけず、車いすの方も
スムーズにご利用いただけるよう配慮いたしました。長野市教育委
員会は総力を結集して、関係者と合意の上、未来にも通用する小学
校を追求してくれたと思っています。

 共和小学校の歴史は、明治7年の蟠竜(ばんりゅう)学校及び岡
田学校の創設にまでさかのぼり、創立130周年を迎える市内でも
有数の伝統校です。また、学校教育目標として、「共に学び、共に
遊ぶ」(共学共遊)を掲げ、兄弟学級活動やリンゴの体験学習、地
域の社会福祉施設との交流など特色ある教育活動を実践してきてお
ります。これからは、この素晴らしい伝統を受け継ぎ、充実した施
設設備を十分活用して、素晴らしい子供たちが輩出されることを期
待しています。

(注)パッシブソーラーシステム・・・太陽熱などの自然エネルギ
ーを建物の構造、間取り、方位などの工夫によってうまく取り入れ
る方法のこと。

※ 次週のメールマガジンは連休中ですので、5月2日(火)に配
 信予定です。

2006年4月20日木曜日

春爛漫(らんまん)、長野の風物詩


 長かった冬がようやく終わって、暖かくなりました。南からサク
ラ前線が北上してきました。もう東京は散ってしまったそうですが、
長野はまさにサクラ満開です。今年の長野のサクラは13日頃が咲
き始めという予想だったはずですが・・・かなり遅れましたが、ま
さに春爛漫の季節になりました。長野市のサクラ開花の標本木は、
私の家の近く、城山にある長野地方気象台のソメイヨシノだそうで
すが、花より団子の皆さんもたくさんおられて、とてもにぎやかで
す。でもちょっと今年の黄砂はひどいですね。

「エルザ、残念なスタート」
 本年度のサッカー北信越リーグが始まりました。このリーグは、
JFL、そしてJ2、J1へとつながっていく大切なリーグである
ことは、4月6日のメルマガに書かせていただきました。今年こそ、
というわけで「長野エルザ」はチーム力をかなり強化し、「アスレ
ながの」もメーンスポンサー獲得など財政的な支援を高めて張り切
ってシーズンを迎えました。

 第1戦は南長野運動公園のサッカー場で、松本山雅FCを迎えて
のホームゲーム。私も応援に出かけました。天気もよく、観客も
2,000人以上が入り応援してくださいました。グラウンドコン
ディションもすばらしかった・・・唯一北風が冷たくて、かなり厚
着をして行ったのですが、寒くて困りました。

 松本山雅FCは昨年2部リーグで優勝して1部に昇格したばかり
のチーム、よもや負けるとは思っていませんでした。それが残念な
がら、0対2で敗れてしまいました。まあ第1戦目ですから、これ
から全部勝てば良いのですから・・・自らを慰めていますが、選手
・監督・コーチ、そして支援するサポーターの皆さん、大いに頑張
ってください。私も時間の許す限り、応援に駆けつけます(第2戦
は、大勝したとの報告が入っています)。

「エコール・ド・まつしろ 松代城 春まつり」
 4月11日から23日までの週末を中心に、松代で春まつりが行
われています。エコール・ド・まつしろも3年目を迎え、徐々に基
盤が出来てきたと感じています。

 今年も「杏お花見ツアー」が行われました。杏は松代にとって、
真田家にお嫁に来た豊姫が、実家の宇和島から持ってきて植えたと
いわれる大変由緒ある木です。恵明寺には、その豊姫が植えたとい
われる木の三代目がありますし、東条地区の杏畑はピンク色の花が
満開になっています。お隣、千曲市の杏に負けないような規模にな
ると楽しいですね。

 ほかにも、松代城観桜会では灯りの演出やライトアップ、お花見
桟敷の設定、ブースの出店が計画され、そして文武学校では切り絵
作家小林由美子さんの展覧会が21日まで開かれています。

 22日には信州・松代ウオーキングも行われます。Aコース14
.5キロメートル、Bコース24.7キロメートル、そして新設し
たCコース8キロメートルの3コースがあり、松代温泉を含む施設
入場割引券や案内ガイドつきで、松代の城下町を中心に、歴史・文
化・自然・温泉を楽しむことができるウオーキングです。このウオ
ーキングは日本市民スポーツ連盟(JVA)認定大会になっており、
参加登録費1,000円をお支払いいただけば、どなたでも参加で
きます。
 あとわずかの日程です。皆さん松代を楽しみましょう。

「第8回長野オリンピック記念長野マラソン」
 4月16日、春恒例の長野マラソンが行われました。
 「ランナーズ」という雑誌が実施した「2005年全国ランニン
グ大会100撰」という企画で「長野マラソン」が総合1位に選ば
れました。評価されたポイントは(1)沿道からの熱烈な応援(2)
国際マラソンのような雰囲気とサービスの充実(3)車いすマラソ
ンの同時開催 ということであり、地域一体となった取り組みと、
オリンピック・パラリンピックの経験から培われた「おもてなしの
心」が皆さんの支持を集めたものと思います。国内屈指の人気大会
に成長したことは大変嬉しいことです。

 今回初めてスタート地点へ行ってみました。長野運動公園は、人
でいっぱいでした。スターターを務められたのは、長野陸上競技協
会の宮下会長さん。過去7回とも務めておられるそうです。招待選
手を先頭に、約6,000人のランナーがスタート地点を通過して
いきました。元気に手を振って、あるいはカメラを応援の人に向け
て撮影しながらの参加者もいました。

 すべてのランナーのスタートを見送った後、エムウェーブに先回
りして、車いすマラソンの選手の走りを応援し、マラソンの先頭が
来るのを待ちました。この地点はスタートから15キロメートルを
過ぎた辺りで、先頭から多分500位ぐらいまで応援したのですが、
既にかなり差がついていました。男子ランナーに混じって、同時ス
タートの女子ランナーもたくさん走っており、男女の力の差はかな
り少なくなっていることを実感しました。

 それから、松代経由で選手に追いつき、桜づつみ公園付近で終盤
を応援しようと思ったのですが、車が混んでいて無理なことが分か
り、表彰式が行われる、フィニッシュ地点である南長野運動公園の
オリンピックスタジアムへ直行しました。

 南長野運動公園は、マラソン・タウンということで、グッズを売
ったり、食事を提供したり、ダンス・パーフォーマンスを披露した
り・・・大変なにぎわいを見せていました。長野マラソンも8回目、
地域の中で確実に定着してきていること、そして「長野の春の風物
詩」として欠かすことができないイベントになったことを実感しま
した。

 第8回大会の結果は、男子はケニアのキニャンジュ選手の初優勝、
女子はロシアのイワノワ選手の2連覇でした。男子の入賞者のうち、
日本人は8位に1人だけというのは、ちょっと残念でした。

 夕方には、ホテル国際21でフェアウエル・パーテーが開かれ、
大会長の信濃毎日新聞社の小坂社長から、登録者6,972人、出
場者5,952人、完走者5,167人、沿道観客数推定23万人
と発表がありました。

 私は、大会を盛り上げていただいたランナー、ボランティア、関
係者の皆さんへの感謝とともに、次回大会宣言として「来年もこの
時期、長野オリンピック記念長野マラソンを開催します。皆さん来
年もまた、長野で会いましょう」と申し上げました。

2006年4月13日木曜日

新たな流れが始まってきました


 18年度が始まって、民間活力導入が本格的になってきました。
これまで、斎場、学校給食センター、水道料金の徴収事務等を民間
委託してまいりましたが、それらの実績を踏まえて、次のステージ
に入ったということです。

 指定管理者制度は地方自治法の改正で可能になった制度ですが、
一挙に市内179カ所でスタートしました。今後は、今回指定管
理者制度に移行できなかった施設や合併地区の施設について検討し
ていくことになります。また県内初の取り組みであるPFI事業も
民間活力導入の一つの手法ですが、動き始めました。今後は、市民
へのサービスがどのくらい良くなっているのか、どんな経営が行わ
れているのか・・・きちんと検証していくことが、行政の重要な役
目です。

 3月25日、柳町保育園のしゅん工式に出席しました。
この保育園は、「昭和45年度に建設されており、既に35年を経
過し、施設の老朽化が著しかった。」「市街地の中心部という立地
条件の中で、特に3歳未満の子どもを中心に、入所児童が増加し、
施設が狭隘(あい)化してしまった。」等の理由から、昨今の保育
ニーズに十分対応できなくなっていました。このため南側に隣接す
る水道局サービスセンター跡地を利用して、新たな保育ニーズに対
応できる施設として、移転改築したものです。

 当施設の設計に当たっては、事前に保護者の皆さんに実施したア
ンケート結果を踏まえて、私立保育園も視察し、子どもたちが安全
で、明るく楽しく過ごせる施設となるよう進めました。人と環境に
優しい材料である竹を床材に採用するなど木材を多く使った温かみ
と潤いのある内装などで仕上げています。事業費総額は5億円弱で
すが、財源としては、市民の皆さんからお借りした長野市ミニ公募
債も利用させていただきました。

 運営面については、定員を160人に増やして充実を図るととも
に、「地域子育て支援センター」を開設して、専任保育士の配置、
育児相談、園開放、育児情報の提供等を行います。さらに、緊急か
つ一時的に保育を必要とする児童に対して行う「一時保育」、また
休日も保育が必要な児童を受け入れる「休日保育」も実施していき
ます。

 長野市では将来を担う子どもたちが、健やかに生まれ育つことが
出来るよう、昨年4月から「次世代育成支援行動計画」を推進して
いますが、この計画では、「仕事と子育ての両立の支援」を図るこ
とが大きな課題と考えています。それにはいろいろなサービスを組
み合わせること、国が進める施策、保育所と幼稚園の一体施設であ
る「認定こども園」の設置、併せて民営化への流れをきちんととら
えて保育行政の推進に努力していきます。

 4月1日、若穂地区に「温湯温泉 湯~ぱれあ」がオープンしま
した。
この施設は昭和50年から皆さんに親しまれてきた温湯温泉市民セ
ンターが老朽化したため、これを廃止し、新しい施設を造ったもの
です。地域の皆さんに支持されて素晴らしい施設が完成しました。

 この施設の事業化については、県内では初めてのPFIという手
法を使いました(PFIについては、違う機会に詳しく述べさせて
いただきます)。何から何まで行政がやる施設と違って、民間の方
々が計画、設計、建設、運営等を、しかも資金まで民間で用意した
プロジェクトですから、従来の行政施設とは雰囲気が違っており、
入った感じも何となくあかぬけしているなと感じたのは私だけでし
ょうか。まずは、新しい試みのこの施設を皆さんにどんどん利用し
ていただきたいと思います。

 同じ4月1日、「犀川南マレットゴルフ場」のしゅん工式が盛大
に開催されました。
犀川右岸地域のマレットゴルフ場の新設につきましては、平成10
年度のみどりのテーブル以来、再三にわたり、川中島・更北両地区
の皆さんから、強い要望があったものです。

 平成15年度に、地域の皆さんからコース建設に当たっては可能
な限り手作りでの整備に協力する、完成後もコース整備や草刈りな
どの管理について協力する旨の申し入れをいただき、市としてもこ
れを積極的に受けることになりました。

 「犀川南マレットゴルフクラブ」が立ち上がり、昨年夏から、行
政と市民の皆さんが一緒になって汗を流しながら、草刈りや倒木・
ゴミの片付けなどの整備を行い、素晴らしい林間の18ホールを備
えたマレットゴルフ場、愛称「アカシアの杜」が出来上がりました。
残念なことは、クラブ立ち上げに一番ご苦労いただいた石井明佳会
長さんが、しゅん工式を目前にして急逝されたことです。立派に出
来たコースをぜひ見ていただきたかったのは、関係するすべての方
の想いではないでしょうか。心から感謝し、ご冥福をお祈りいたし
ます。

 この犀川南マレットゴルフ場の建設には、二つの意義を感じてい
ます。一つは、住民の皆さんが行政と協力して、共に汗を流してい
ただいたこと。すなわち私の主張である民間活力導入の理想形態の
一つであるということです。作業に参加したクラブの方々は延べ
440人、市体育課の職員が延べ40人と記録されています。行政
としての事業費は620万円ということで、従来のとおり事業者に
整備を依頼すれば倍はかかるということでした。

 二つ目は、川中島・更北両地区の皆さんが協力して事業を成し遂
げたことです。これも従来は考えられなかったことだと、しゅん工
式に出席された市議会議員さんが話されました。本年度から都市内
分権が始まりますが、それぞれの地域間の融合を図っていくことも
重要なポイントです。その意味では意義深い事業でした。

 このマレットゴルフ場がいつまでも快適で安全な施設であり、マ
レットゴルフ愛好者の歓声が絶えない活力とふれあいの場となるよ
う期待しています。最終18番ホールでカップにボールが入ると、
“チーン”とかねが鳴る仕組みは、クラブの皆さんの工夫だそうで
すが、なかなかお洒落です。

 3月30日、市内9商工会の合併契約書調印式が行われました。
地域の総合経済団体というのは、市では商工会議所、町村では商工
会ということで、それぞれ法で定められており、一自治体一経済団
体が原則になっています。長野市の場合、昭和41年の大合併の時
点で、3商工会議所、5商工会が存在し、それぞれの地域で活動し
ておられました。これまで、何度か統合の動きはあったのですが、
なかなか機運が盛り上がらず、そのままの状態で推移し、昨年の4
町村との合併が終わって、3商工会議所、9商工会が並存する状況
になりました。

 以来、関係者のご努力で、まず3商工会議所、9商工会がそれぞ
れ統合、1商工会議所、1商工会の体制になることが合意され、商
工会は4月1日、商工会議所は10月1日に合併することが決ま
り、懸案が一歩前進したわけです。

 4月1日、長野市商工会の本所(元の長野市更北商工会)の前で
開所の記念式典が行われ、合併に努力された商工会合併協議会会長
(元長野市若穂商工会会長)の峯村さんの挨拶、長野市商工会初代
会長の窪田さん(元長野市更北商工会会長)の決意表明があって無
事スタートしました。参加された9商工会の元正副会長さん方、さ
ぞかし万感の想いであったことと思います。

 次の課題は、10月の3商工会議所の合併、続いて、合併になっ
た商工会議所と商工会との統合ということになります。

2006年4月6日木曜日

新年度に当たって、「私の夢」


 3月市議会定例会で、新友会の議員さんから「市長2期目のスタ
ートに当たり、市民から様々な要望が寄せられた中で、18年度に
予算化したくても出来なかった積み残した事業には、どのような事
業があったのか」質問されました。

 財政状況が厳しく、市長がやりたいことをすべて出来るわけが無
いことは皆さんご存じですから、この質問の意味は、市長の本当に
やりたいことをせめて聞いてやろうではないかという親心だったの
ではないかと思っています。

 もちろん、私にも理想があり、市長になった以上、こんなことを
やってみたいということはあります。でも議場という正式の場で、
庁内で検討したこともないテーマについて述べることはいかがなも
のか・・・と考え、現実的な話、すなわちいずれやりたいと考えて
いるけれど、今回の予算では見送ったことを申し上げるだけにとど
めました。

 ただそれだけでは、私自身がいかにも夢の無い人間になってしま
う、また質問された議員さんの意図にも反しているのではないかと
考え、今回メルマガで補足的に語るなら、本当に夢であっても許さ
れるのではないかと考え、新年度スタートに当たって、「私の夢」
としてお読みいただければ幸いです。不要不急のものばかりという
批判はあえてお受けいたします。でも私は、長野を日本中、世界中
の人たちの憧れの地にしたいという途方もない夢を持ち続けていき
たいのです。

 夢を語っているので、どうしてもハード面の話が伴うことはお許
しください。また、行政がやるのか、民間がやるのか、区別はつけ
ていません。お金のことも考えていません。私の個人的な意見、冗
談を言い合ったり酒を飲み合う仲間の意見、また、市民会議の後の
懇談の席での皆さんの意見、等々が混同している部分もお許しくだ
さい。次のようなことが30~50年後ぐらいまでに実現出来れば
嬉しいですね。

「長野市のモニュメントを」
 長野市を代表する建築家・宮本忠長先生から、城山公園の蔵春閣
跡地に五重塔を造ったらどうでしょうかと話がありましたが・・・
行政としては、宗教活動にかかわることは難しい・・・とは感じて
います。でもあの素晴らしい場所に一目で長野とわかる大きなモノ、
例えば展望台みたいなものでもあったら素晴らしいなあと思ってい
ます。

「長野駅善光寺口」
 五輪前に取り壊した旧長野駅舎のイメージを復活したいという市
民はかなり多いと思っています。確かに昔の懐かしい、そして長野
らしさを彷彿(ほうふつ)させる駅舎、それと駅前を便利にするペ
デストリアン・デッキ(以下、ペデ)(注)の組み合わせは、魅力
的なプロジェクトです。
 でも前回、中止になったペデに関しては、長野で一番賑やかな駅
前通りの人の流れを大きく変える可能性があり、地元調整を十分に
やる必要があるものと思います。ご存じのとおり、駅前広場の南側
には一部ペデが作られており、やりかけの仕事ですからやらないと
いうわけにはいかないとは思いますが、ペデそのものに反対する意
見もありそうですから、なかなか難しいことではあります。

「長野市の副都心の開発」
 篠ノ井は、長野市の三つある中心市街地の一つで、一つの地区と
しては人口が一番多く、いわゆる長野市の副都心なのですが、もう
ひとつ副都心としての魅力、求心力が足りないと感じています。南
長野運動公園や茶臼山動物園等、郊外には魅力が一杯なのですが、
市街地に何か目玉が欲しいですよね。例えば、篠ノ井駅前から計画
中の篠ノ井中央公園まで、大ドームを造って地元の商店街や大型店、
マンション等がそっくり入ってしまうようなものはどうでしょうか?

「街中観光の充実」
 それだけで旅人が見物にくるという素晴らしい建物を建設したい。
市役所、市民会館、マンション、あるいは事務所棟でもよいのです。
バルセロナにあるガウディが設計した集合住宅の外観をわざわざ見
に行った記憶があります。またミラノの大ドーモの名店街は買い物
の利便性だけでなく、芸術作品であり、憩いの場であると言ってよ
いのではないでしょうか。あわせて市内の軌道式交通システムの導
入も環境対策としても魅力的なプロジェクトですし、信大の遠藤教
授のおっしゃっている大学のキャンパスを中心市街地へというお話
も夢があります。

「善光寺・松代・戸隠」
 善光寺周辺をユネスコの世界遺産に登録したい、松代全体を城下
町としてより魅力的にしたい、戸隠神社の魅力を高めたい・・・と
いうのは夢ではなくて、現実に動いている話ですが、でも昔の面影
を演出していくには、まだまだ地元の皆さんの協力や投資が必要で
しょう。

「長野西部大保養観光リゾート」
 「飯綱・戸隠・鬼無里・大岡」に、可能なら周辺の町村も含め、
その自然・歴史を生かした「長野西部大保養観光リゾート」の開発
も試みたいプロジェクトです。この地の自然の雄大さは、経験した
人でなければ理解いただけないと思います。素晴らしい自然を保護
しながら多くの人に楽しんでほしい、そしてそこに住んでいる方々
の生活が成り立つような環境づくり、たとえば森林ガイドの養成、
森林資源の開発等々。また、飯綱のスキー場から山頂へケーブルカ
ーを架ければ、四季を通じて素晴らしい自然が満喫できるのでは。
100キロメートルぐらいの乗馬コースを作って、秋の紅葉の中を
馬でのんびり歩いたり、冬は歩くスキーコースになったり・・・。

「大遊園地」
 長野の弱点の一つは遊園地が無いことだと前から考えていました。
屋外の施設は積雪があるので難しいとは思いますが、メリーゴーラ
ウンド等に乗って子供連れで一日ゆっくり遊ぶ、あるいは恋人と二
人で観覧車に乗る・・・遊園地は、若い人だけでなく、あらゆる世
代にも魅力でしょう。茶臼山動物園周辺やオリンピック施設周辺が
私の考える候補地なのですが・・・もちろん街の中に出来れば最高
です。八幡原史跡公園あたりに川中島古戦場を上から眺められるよ
うに100メートルくらいのタワーを作るのも、楽しそうですが。

「長野をスポーツのメッカに」
 オリンピック開催都市としてスポーツを盛んにして、市民スポー
ツの底辺を広げながら、オリンピック選手等を輩出したい。この件
についてはハードも足りないことは事実ですが、なんと言っても指
導者が必要です。日本でも有数の名指導者・コーチを招聘(しょう
へい)したい。

「美術・音楽・・・芸術の殿堂を」
 美術館については立派なものがあります。県立信濃美術館・東山
魁夷館は全国的に有名ですし、民間でも立派な、そして規模の大き
なもの(北野美術館や水野美術館)・・・その他小さな美術館もた
くさんあります。今欲しいのは大きな展覧会を開催できる専用市民
ギャラリーだというご意見を多くお聞きしています。また、音楽堂
や劇場は、本格的なものは県民文化会館と市民会館ぐらいしかなく、
関係者からはぜひ欲しいというご意見が多いのですが・・・。

「新たな大学」
 大学が欲しいというのも長野市の悲願です。信州大学や清泉女学
院大学、あるいは長野工業高等専門学校等、高等教育機関は存在し
ていますが・・・どうもまだ足りない。長野市の人口構成をみると
18~20歳代の人口が少ない。それは、大学が足りないからでし
ょう。
 「ものづくり」の拠点としてUFO Naganoが、信州大学
等の知識を活用し、産学行の連携、交流を通じて企業の新技術・新
製品の開発やベンチャー企業の育成などを積極的に推進しています
が、まだ足りない。新たな大学に「ものづくり」につながる研究拠
点としての役割があれば素晴らしいと思います。

 若者が夢を語らない・・・確かに現在の状況ではやむを得ない面
もあると思います。でも、だからこそ語って欲しい、私はそんな気
持ちを込め、若者になったつもりで、長野市の未来の夢を描き、そ
れに向かって努力してみたいのです。

 それから、4月9日(日)、サッカー地域リーグの北信越リーグ
が開幕します(「長野エルザサッカークラブ」は、南長野運動公園
で、松本山雅FCと対戦します)。長野エルザサッカークラブは、
昨年度、北信越リーグで優勝し、JFL昇格入替権利が与えられる
全国地域リーグ決勝大会まで出場しました。今年は、JFL昇格を
つかみ取るための勝負の年です。まずはリーグ優勝、そしてJFL
昇格を目指し、一歩一歩着実に上っていってほしいと思います。

(注)ペデストリアン・デッキ・・・歩行者と自動車の通行を分離
 するために設置する高架になっている歩行者用の通路。