2006年4月6日木曜日

新年度に当たって、「私の夢」


 3月市議会定例会で、新友会の議員さんから「市長2期目のスタ
ートに当たり、市民から様々な要望が寄せられた中で、18年度に
予算化したくても出来なかった積み残した事業には、どのような事
業があったのか」質問されました。

 財政状況が厳しく、市長がやりたいことをすべて出来るわけが無
いことは皆さんご存じですから、この質問の意味は、市長の本当に
やりたいことをせめて聞いてやろうではないかという親心だったの
ではないかと思っています。

 もちろん、私にも理想があり、市長になった以上、こんなことを
やってみたいということはあります。でも議場という正式の場で、
庁内で検討したこともないテーマについて述べることはいかがなも
のか・・・と考え、現実的な話、すなわちいずれやりたいと考えて
いるけれど、今回の予算では見送ったことを申し上げるだけにとど
めました。

 ただそれだけでは、私自身がいかにも夢の無い人間になってしま
う、また質問された議員さんの意図にも反しているのではないかと
考え、今回メルマガで補足的に語るなら、本当に夢であっても許さ
れるのではないかと考え、新年度スタートに当たって、「私の夢」
としてお読みいただければ幸いです。不要不急のものばかりという
批判はあえてお受けいたします。でも私は、長野を日本中、世界中
の人たちの憧れの地にしたいという途方もない夢を持ち続けていき
たいのです。

 夢を語っているので、どうしてもハード面の話が伴うことはお許
しください。また、行政がやるのか、民間がやるのか、区別はつけ
ていません。お金のことも考えていません。私の個人的な意見、冗
談を言い合ったり酒を飲み合う仲間の意見、また、市民会議の後の
懇談の席での皆さんの意見、等々が混同している部分もお許しくだ
さい。次のようなことが30~50年後ぐらいまでに実現出来れば
嬉しいですね。

「長野市のモニュメントを」
 長野市を代表する建築家・宮本忠長先生から、城山公園の蔵春閣
跡地に五重塔を造ったらどうでしょうかと話がありましたが・・・
行政としては、宗教活動にかかわることは難しい・・・とは感じて
います。でもあの素晴らしい場所に一目で長野とわかる大きなモノ、
例えば展望台みたいなものでもあったら素晴らしいなあと思ってい
ます。

「長野駅善光寺口」
 五輪前に取り壊した旧長野駅舎のイメージを復活したいという市
民はかなり多いと思っています。確かに昔の懐かしい、そして長野
らしさを彷彿(ほうふつ)させる駅舎、それと駅前を便利にするペ
デストリアン・デッキ(以下、ペデ)(注)の組み合わせは、魅力
的なプロジェクトです。
 でも前回、中止になったペデに関しては、長野で一番賑やかな駅
前通りの人の流れを大きく変える可能性があり、地元調整を十分に
やる必要があるものと思います。ご存じのとおり、駅前広場の南側
には一部ペデが作られており、やりかけの仕事ですからやらないと
いうわけにはいかないとは思いますが、ペデそのものに反対する意
見もありそうですから、なかなか難しいことではあります。

「長野市の副都心の開発」
 篠ノ井は、長野市の三つある中心市街地の一つで、一つの地区と
しては人口が一番多く、いわゆる長野市の副都心なのですが、もう
ひとつ副都心としての魅力、求心力が足りないと感じています。南
長野運動公園や茶臼山動物園等、郊外には魅力が一杯なのですが、
市街地に何か目玉が欲しいですよね。例えば、篠ノ井駅前から計画
中の篠ノ井中央公園まで、大ドームを造って地元の商店街や大型店、
マンション等がそっくり入ってしまうようなものはどうでしょうか?

「街中観光の充実」
 それだけで旅人が見物にくるという素晴らしい建物を建設したい。
市役所、市民会館、マンション、あるいは事務所棟でもよいのです。
バルセロナにあるガウディが設計した集合住宅の外観をわざわざ見
に行った記憶があります。またミラノの大ドーモの名店街は買い物
の利便性だけでなく、芸術作品であり、憩いの場であると言ってよ
いのではないでしょうか。あわせて市内の軌道式交通システムの導
入も環境対策としても魅力的なプロジェクトですし、信大の遠藤教
授のおっしゃっている大学のキャンパスを中心市街地へというお話
も夢があります。

「善光寺・松代・戸隠」
 善光寺周辺をユネスコの世界遺産に登録したい、松代全体を城下
町としてより魅力的にしたい、戸隠神社の魅力を高めたい・・・と
いうのは夢ではなくて、現実に動いている話ですが、でも昔の面影
を演出していくには、まだまだ地元の皆さんの協力や投資が必要で
しょう。

「長野西部大保養観光リゾート」
 「飯綱・戸隠・鬼無里・大岡」に、可能なら周辺の町村も含め、
その自然・歴史を生かした「長野西部大保養観光リゾート」の開発
も試みたいプロジェクトです。この地の自然の雄大さは、経験した
人でなければ理解いただけないと思います。素晴らしい自然を保護
しながら多くの人に楽しんでほしい、そしてそこに住んでいる方々
の生活が成り立つような環境づくり、たとえば森林ガイドの養成、
森林資源の開発等々。また、飯綱のスキー場から山頂へケーブルカ
ーを架ければ、四季を通じて素晴らしい自然が満喫できるのでは。
100キロメートルぐらいの乗馬コースを作って、秋の紅葉の中を
馬でのんびり歩いたり、冬は歩くスキーコースになったり・・・。

「大遊園地」
 長野の弱点の一つは遊園地が無いことだと前から考えていました。
屋外の施設は積雪があるので難しいとは思いますが、メリーゴーラ
ウンド等に乗って子供連れで一日ゆっくり遊ぶ、あるいは恋人と二
人で観覧車に乗る・・・遊園地は、若い人だけでなく、あらゆる世
代にも魅力でしょう。茶臼山動物園周辺やオリンピック施設周辺が
私の考える候補地なのですが・・・もちろん街の中に出来れば最高
です。八幡原史跡公園あたりに川中島古戦場を上から眺められるよ
うに100メートルくらいのタワーを作るのも、楽しそうですが。

「長野をスポーツのメッカに」
 オリンピック開催都市としてスポーツを盛んにして、市民スポー
ツの底辺を広げながら、オリンピック選手等を輩出したい。この件
についてはハードも足りないことは事実ですが、なんと言っても指
導者が必要です。日本でも有数の名指導者・コーチを招聘(しょう
へい)したい。

「美術・音楽・・・芸術の殿堂を」
 美術館については立派なものがあります。県立信濃美術館・東山
魁夷館は全国的に有名ですし、民間でも立派な、そして規模の大き
なもの(北野美術館や水野美術館)・・・その他小さな美術館もた
くさんあります。今欲しいのは大きな展覧会を開催できる専用市民
ギャラリーだというご意見を多くお聞きしています。また、音楽堂
や劇場は、本格的なものは県民文化会館と市民会館ぐらいしかなく、
関係者からはぜひ欲しいというご意見が多いのですが・・・。

「新たな大学」
 大学が欲しいというのも長野市の悲願です。信州大学や清泉女学
院大学、あるいは長野工業高等専門学校等、高等教育機関は存在し
ていますが・・・どうもまだ足りない。長野市の人口構成をみると
18~20歳代の人口が少ない。それは、大学が足りないからでし
ょう。
 「ものづくり」の拠点としてUFO Naganoが、信州大学
等の知識を活用し、産学行の連携、交流を通じて企業の新技術・新
製品の開発やベンチャー企業の育成などを積極的に推進しています
が、まだ足りない。新たな大学に「ものづくり」につながる研究拠
点としての役割があれば素晴らしいと思います。

 若者が夢を語らない・・・確かに現在の状況ではやむを得ない面
もあると思います。でも、だからこそ語って欲しい、私はそんな気
持ちを込め、若者になったつもりで、長野市の未来の夢を描き、そ
れに向かって努力してみたいのです。

 それから、4月9日(日)、サッカー地域リーグの北信越リーグ
が開幕します(「長野エルザサッカークラブ」は、南長野運動公園
で、松本山雅FCと対戦します)。長野エルザサッカークラブは、
昨年度、北信越リーグで優勝し、JFL昇格入替権利が与えられる
全国地域リーグ決勝大会まで出場しました。今年は、JFL昇格を
つかみ取るための勝負の年です。まずはリーグ優勝、そしてJFL
昇格を目指し、一歩一歩着実に上っていってほしいと思います。

(注)ペデストリアン・デッキ・・・歩行者と自動車の通行を分離
 するために設置する高架になっている歩行者用の通路。