長野は花見シーズンを終えて、今週末からゴールデンウィークが
始まり本格的な観光シーズンを迎えます。29日には、「ながの花
フェスタ 善光寺花回廊」が始まり、また、この時季は鬼無里の水
芭蕉も見ごろとなります。多くの皆さんに山あいの春の訪れを感じ
ていただき、大いに長野を楽しんでほしいと思います。
さて今回のメルマガも、この4月の出来事を書かせていただきます。
「善光寺発 信州北回廊プロジェクト」が本格スタート
このプロジェクトは、北信地域の観光ブランド化を図るため昨年
10月に発足、周辺市町村やJR東日本をはじめとする公共交通機
関等が団結し、まずは首都圏を中心に売り出していこうとするもの
で、3月までの準備期間を経て、いよいよ本格的に始動することに
なりました。
私は以前から、観光事業を進めるには行政の壁を打ち破らないと
・・・言い換えると地域としての広がりをもたないと、どうしても
上手くいかないと主張してきました。それがいよいよ実現すること
になりました。
3月に決定したブランドマークは、稀代の先達のイメージ(吟行
姿をした心の旅路への案内人)で、素晴らしいものが出来たと大変
満足しています。今、団塊の世代の大人たちは、自分が帰るべきふ
るさとの地を求めて人生の旅を始めています。このブランドマーク
は、この団塊の世代の人々を主なターゲットとして制作されており、
これからいろいろなメディア等に出てくるはずです。そして、この
地域を旅の目的地として、多くの方々が選んでいただくきっかけに
なると思います。
事業の第1弾として、JR東日本をはじめとする地域内公共交通
事業者の連携により、2日間乗り降り自由の便利なフリー切符「信
州北回廊パス」が発売されました。さらに、タクシーも利用できる
切符を出す計画も検討しています。今後も、この地域の魅力を多く
の人に知っていただくため、様々な工夫を凝らし、より実効性のあ
る継続的なプロモーションを展開していく予定です。
また、このプロジェクト事業については、国土交通省北陸信越運
輸局から長野県東北信地域における地域公共交通・観光活性化のた
めの先進的な取り組みとして認定されるなど、各方面からの注目度
と期待とが非常に高いと感じています。必ず、長野市が目指す1,
200万人観光交流推進プラン実現に向けての力強い先兵になると
思います。
「共和小学校・児童センター」の開校・開館式
4月15日、移転改築した共和小学校の開校式と併設された共和
児童センターの開館式が行われました。
長野市は38万余の人口を有する県都として、また本県唯一の中
核市として発展してきました。とりわけ犀川以南の地域は、近年特
に発展著しく、これに伴って児童、生徒も増加の一途をたどり、平
成5年に三本柳小学校、平成7年に広徳中学校を新設し、学校規模
の適正化に努めてきました。
しかし、昭和小学校区では、長野オリンピック・パラリンピック
で選手村として使用された今井ニュータウンが市営住宅や企業住宅
として供用されたため、当初の予想以上に児童数が増加し、昭和小
学校は県下最大規模校になるとともに、過大規模校の目安とされる
30学級を超え、教育環境の改善、施設整備の一層の充実が急務と
なっていました。一方、共和小学校では、児童数が減少し、将来的
な小規模化が懸念されていました。
そこで、共和小学校を昭和小学校に近いところへ移転改築して、
昭和小学校区を変更し、一部を共和小学校に移す計画が作られ、平
成13年11月、私の市長就任直前、塚田前市長さんのもとで、共
和地区の皆さんが住民アンケートにより受け入れを了承し、実行を
私が引き継いだものです。そして共和・川中島両地区の皆さんのご
理解を得て、計画が進展し、この日の開校式を迎えることができま
した。
併せて、昭和52年に建設した篠ノ井岡田児童センターも、既に
老朽化し、また、新しい共和小学校の開校に伴い、児童センターを
利用する登録児童数の増加が見込まれたことから、学校と合築する
形で新たな児童センターを建設、開館したものです。
新しい学校・児童センターは、自然豊かな環境に溶け込んだ低層
かつ曲線的なデザインを採用するとともに、内装は木の温かみの感
じられる設計といたしました。また、環境への負荷の低減を図り、
合わせて児童の環境学習に生かせるよう太陽熱を利用したパッシブ
ソーラーシステム(注)による補助暖房を取り入れ、すべての人に
優しく安全で使いやすい学校とするためエレベーターを設けたほか、
各所に多目的トイレを設置し、床には段差をつけず、車いすの方も
スムーズにご利用いただけるよう配慮いたしました。長野市教育委
員会は総力を結集して、関係者と合意の上、未来にも通用する小学
校を追求してくれたと思っています。
共和小学校の歴史は、明治7年の蟠竜(ばんりゅう)学校及び岡
田学校の創設にまでさかのぼり、創立130周年を迎える市内でも
有数の伝統校です。また、学校教育目標として、「共に学び、共に
遊ぶ」(共学共遊)を掲げ、兄弟学級活動やリンゴの体験学習、地
域の社会福祉施設との交流など特色ある教育活動を実践してきてお
ります。これからは、この素晴らしい伝統を受け継ぎ、充実した施
設設備を十分活用して、素晴らしい子供たちが輩出されることを期
待しています。
(注)パッシブソーラーシステム・・・太陽熱などの自然エネルギ
ーを建物の構造、間取り、方位などの工夫によってうまく取り入れ
る方法のこと。
※ 次週のメールマガジンは連休中ですので、5月2日(火)に配
信予定です。