2月20日(水)、信州新町・中条村の両町村長が、副町村長、
町村議会正副議長、帯同で、長野市へ来られ、長野市との合併協議
をしたい旨の申し入れがありました。
長野市からは、市長、副市長、市議会正副議長がそろってお会い
し、申し入れ書をお受けしました。
長野市としては、今後の対応について、市議会と十分な意見交換
をしていきたいと考えています。
従来長野市としては、周辺町村との合併について「それぞれの自
治体が住民総意の下で合併協議の申し入れをいただけば、真摯(し
んし)に受け止めてまいります」と申し上げてきました。その結果、
平成17年1月1日、豊野町・戸隠村・鬼無里村・大岡村との合併
が成立したものですが、今回、再び新たな合併の申し入れを受けた
ものです。
この申し入れに先立ち、両町村ではかなり長い時間をかけて、各
地区での住民懇談会の開催や、住民意向調査を実施されてきました。
特に本年に入って1月の住民意向調査では、中条村では90%以上、
信州新町では70%以上が長野市との合併に賛成という結果であっ
たということは1月30日に既に報告を受けていました。
この合併賛成に対する比率の高さは、前回の4町村との合併時の
数字よりはるかに高いものであり、びっくりしたと言うのが、正直
なところですが、住民総意の下での申し入れという長野市側の条件
は、十分クリアされたものであると思っています。
合併については、双方の住民の気持ち、歴史、文化、経済、住民
サービス、財政問題・・・あらゆることでいろいろな検討をして、
重要な決断をしなくてはならない問題ですが、実は行政組織にとっ
て、事務的には大変な作業があるのです。三年前の4町村との合併
時には、市町村が行う約2,500項目の事務事業について、すり
合わせが行われていたようで、今回二つの町村であっても、大きな
違いはないということです。
長野市とすれば、今後対応を慎重に検討しますが、合併について
は、三年前既に経験済みですので、その経験を生かして進めていけ
ば、事務的な検討については比較的スムーズにできるであろうと思
っています。
合併に関しては、市議会と市の理事者が十分話し合うことは当然
ですが、市民の皆さんのご意見もいろいろな機会を通じてお聞きし
ていくことが大切です。前回は合併に関する市民会議を、市内11
カ所で開催した記憶があります。
私の個人的な意見を申し上げれば、今日長野市が38万人余の人
口を有する中核市に成長し得たのは、何度かの合併、そして周辺の
町村の人たちが長野市に移り住んできていただいたことも一因であ
り、それ故に周辺自治体が人口減になり、厳しい状況だとすれば、
「共にやっていきましょう」というのは当然のことと感じています。
加えて、前回の4町村との合併は、現段階での評価を申し上げれ
ば、成功だったと思っています。
現在、3月市議会定例会が開催中です。この問題については、初
日の施政方針演説、および議会全員協議会にご報告しました。3市
町村による合併についての事務的な合同研究会を立ち上げることに
ついてご理解いただきました。今後いろいろな検討をしていくこと
になります。
3月市議会定例会では、新年度予算についてが主要な話題である
ことは当然ですが、「合併について」、「公共交通機関の再生につ
いて」も議論になるかもしれません。
少し長くなって恐縮ですが、ここで公共交通機関の再生について
も、施政方針演説のその部分を引用して、報告させていただきます。
私は公共交通、中でもバス交通を都市のインフラと位置付け、就
任以来地域循環コミュニティバスや、空白地域における乗合タクシ
ー、中山間地域における地域参画型の乗合タクシーの導入などさま
ざまな形態による生活移動手段の確保・充実に努めてまいりました。
また、合併4地区で運行されている市営バスについては、利用し
やすく持続的な運行となるよう平成21年度の再編を目指し、地域
の皆さんとの協議を進めているところであります。
こうした中で、昨年末に発表された松本電鉄などアルピコグルー
プの金融機関に対する再生支援要請、そして、信南交通の地域路線
バスからの撤退というニュースは、非常に衝撃的なものでありまし
た。とりわけ、市内の7割以上の路線を運行しております「川中島
バス」もアルピコグループの傘下であり、その動向が非常に気にな
るところであります。
市内の路線バスの利用者は、20年前と比較いたしますと約半分
となっており、多くの路線が赤字路線となっています。
このため、事業者は不採算路線の整理や縮小などにより経費の節
減を図り、それらが招くサービスの低下などにより「バス離れ」が
進行するという負のスパイラルに陥っている現状にあり、今後もこ
うした厳しい状況が続くことが懸念されます。
地域の公共交通は、活力あるまちづくり、環境負荷の軽減、高齢
化社会における生活環境づくりには欠かすことのできない都市のイ
ンフラであり、何としても守っていかなければなりません。
こうした事態に危機感が募りますが、市といたしましては、地域
の公共交通の在り方を見直す一つの良い機会としてとらえ、アルピ
コグループの動向を見極めつつ、また、長野電鉄など市内交通事業
者のご意見もお聞きしながら、持続可能な公共交通システムの再構
築に向けて調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
また、市民の皆さまには、公共交通の維持・存続を図るため、そ
して環境対策のためにも、公共交通機関の積極的な利用を強く願う
ものであります。
以上、今回のメルマガでは、今後大きな話題になっていくと思わ
れる合併と公共交通に関し、報告させていただきました。