新年度が始まりました。4月1日から副市長を2人とし、新体制
でのスタートです。副市長を2人制とした主な理由は、これからの
本市発展を見据える中で、新幹線金沢延伸に対応した観光振興や新
交通システムを含めた公共交通政策、8つの大規模プロジェクトの
推進や農林業振興の新たな展開など、山積する課題に的確かつ迅速
に対応するためで、確実に市政を進めていくためには、このタイミ
ングが最も効果的と考えたのです。
特に、新幹線金沢延伸が平成26年度末と間近に迫り、観光振興
への取り組みが急務となっているほか、市役所第一庁舎・長野市民
会館建設をはじめとする大規模プロジェクト事業の多くは、今後、
平成26年度までに完了する予定で進めており、サッカースタジア
ムの整備にも時間的な制約があるなど、この間に市政の課題が集中
していることが大きな要因です。
なお、本市では、平成16年4月1日から平成17年12月2日
まで、助役2人制の時代がありましたし、オリンピック開催前後の
時期にも2人制でした。
ここで、新副市長お二人を紹介します。
まず、長野県から黒田和彦副市長をお迎えしました。黒田氏は先
月31日まで長野県の企画部長を務めておられ、リニア中央新幹線
の整備計画をはじめとした公共交通政策に携わっておられました。
本市においてバス・鉄道などの公共交通の再生が大きな課題となる
中、当該業務に精通した方です。また、長野県短期大学の4年制移
行にも関わっておられ、この点からも本市と関係が深い方です。
県財政課長、商工労働部長を歴任されているため、財政、産業振
興関係の知識・経験も豊富であり、新幹線金沢延伸を控え、新たな
施策展開が急務になっている観光振興の面でもJR各社との調整も
含め、大いに力を発揮していただけるものと期待しています。
大規模プロジェクト事業を進めていくためには、本市の力だけで
実現できるものではなく、県から協力や支援を受ける場面も多いわ
けで、黒田氏の県職員としてのさまざまな経験や人脈によって県と
の連絡、調整が円滑に行えるなど、市政運営にとって大きな効果を
生むものと考えています。また、組織規模の大きい長野県で培った
統率力、実行力にも期待しています。
以上のことを踏まえ、黒田氏には、企画、財政、環境、建設部門
などを担当していただきます。なお、黒田氏は、現在篠ノ井に住ん
でおられますが、実家は信濃町とのことで、この冬の大雪では、ご
両親の家に除雪に行ってきたという親孝行な方です。
次に、樋口博副市長を紹介します。
樋口氏は、先月31日まで本市職員として勤務し、その間、企画
課長、政策調整監、産業振興部長などを歴任されました。
樋口氏には、総務、地域振興、産業部門などを担当していただき
ます。
市長就任前、私が株式会社エムウェーブの副会長を仰せ付かって
いた時期に、樋口氏はエムウェーブの総務企画部長として勤務して
おり、私の相談相手として、会社としてスタートしたばかりのエム
ウェーブをいかにして黒字経営にするかで頑張っていただきました。
その後、松代地区で実施した「エコール・ド・まつしろ2004」
のプロジェクトでも頑張ってくれたことも印象に残っており、併せ
て、人とのコミュニケーション力には、NAOC(長野冬季オリン
ピック組織委員会)時代から定評があることなどを評価し、任命し
たものです。
副市長2人制は、特殊な例ではありません。中核市では、長野市
を除く40市中、副市長1人制は青森市、前橋市、高槻市の3市の
みです。規模が違うので単純に比較することはできませんが、参考
までに長野県は副知事を2人置いていますし、東京都は副知事4人
です。
人事の話題について、もう一つお話しします。先月31日に任期
満了となった上下水道事業管理者の中村治雄氏の後任として、高見
澤裕史(ひろし)氏を新たに任命しました。この人事は議会承認人
事ではないのですが、本市の重要人事であり、市議会議員の皆さん
にもご説明して任命しました。
高見澤氏は、本市職員として勤務し、公園緑地課長、都市計画課
長、都市整備部長などを歴任し、平成23年3月に定年退職され、
その後1年間、県関係の機関で頑張っていました。私は、彼の能力
を買っていましたので、このたび、市の特別職として招いたもので
す。
公営企業というのは、行政の組織の中で企業経営を行う、すなわ
ち本来は独立採算制を採用している部門です。本市の公営企業は、
上下水道局だけのように思われるかもしれませんが、独立採算を基
本としているという点では、長野市民病院も同様ですし、指定管理
者制度を導入している施設も基本的には企業経営であるべきですか
ら、これらの経営に当たっては、いかに行政と距離を置くか、いか
に行政を頼らないかがポイントになるのです。
現段階では、本市の公営企業は、多くが長野市から補助金や委託
料を受けて経営しているわけですから、経営としては甘いのです。
社会福祉法人も含め、経営とは何かを市職員にも、今後徹底的に勉
強してもらうつもりです。
高見澤氏には、公営企業の経営に、大いに実力を発揮していただ
いて、本当の意味での経営に取り組んでほしいと考えています。そ
して、私の五原則の一つ「民間活力の導入」実現に力を貸していた
だくことを期待しています。
話は変わりますが、サッカーJFL(日本フットボールリーグ)
の2012年シーズンが先月開幕しました。3月11日の開幕戦は、
藤枝MYFCに4対0で快勝。ホームスタジアムの南長野運動公園
総合球技場は、3,385人の観客で埋め尽くされました。2戦目
のアウェーでのY.S.C.C.戦も2対1で連勝し、出だし順調
だったのですが、3月25日の3戦目は、冷たく強い風が吹く中で
のホーム戦で、ソニー仙台FCに1対1の引き分けに終わり、勝ち
点は7点止まりで、順位も首位から4位へと大きく下がってしまい
ました。また、この日は、残念ながら観客数も目標の3千人には及
ばなかったようです。
まあ、今シーズンは、まだ始まったばかりなので、一喜一憂して
も仕方ありませんが、ファンとしては常に上位で頑張ってほしいと
思うのが人情でしょう。
今シーズン、JFLには17チームが所属しています。対戦相手
の16チームとは、ホーム・アンド・アウェーで戦うのですから、
全部で32試合あるわけです。油断せず、最後まで頑張って、優勝
してほしいものです。
長野オリンピック記念長野マラソンと長野車いすマラソンの開催
が4月15日に迫ってきました。
長野の春の風物詩として、すっかり定着しているイベントですが、
長野マラソンはランナーズ誌などでの評判が相変わらず高く、人気
度は上位にランキングされ、誇らしく思います。
昨年の大会は、約9千人(車いすマラソンは74人)のランナー
にエントリーしていただきましたが、開催が東日本大震災の直後で
あったため、中止せざるを得ず、大変残念な思いをしました。
参加予定であったランナーの皆さんから頂いた参加料の全額
7,664万円は、ご了解を得た上で、被災地へ義援金として送ら
せていただき、復興の一助になったものと思っています。
今年の大会では、昨年エントリーしていただいた皆さんを対象に
優先エントリーを実施したところ、8割弱に当たる6,933人の
方にお申し込みいただきました。
その後、一般申し込みを行い、最終エントリー数は約1万人とな
りました。
なお、昨年の大会に関して付け加えますと、中止が決定された日
が大会開催間近で、大会の準備が全て整っていたため、長野市が負
担する費用は、ほとんど全額支出しました。ご理解願いたいと思い
ます。
さあ、いよいよ本番です。ランナーの皆さん、昨年の分まで頑張
って、長野の春を思う存分楽しんでください。私も、いつもの年の
ように、車いすマラソンのスターターを務めさせていただき、沿道
で応援をした後は、ゴール付近で皆さんをお迎えする予定です。