3月8日(土)に若穂多目的広場が完成し、開所式が挙行されました。
屋島橋上流の若穂地区側の河川敷に造られたもので、主たる施設
は、関係者の皆さんの待望久しかったグライダー練習場です。滑走路
は総延長850m、幅員30mを備えた本格的なものです。これから
大いに活用される施設として期待しています。
当初、社団法人長野県航空協会の皆さんから、ぜひグライダーの
滑走路を造って欲しいという陳情がありました。私はあらかじめ陳情の
内容について報告を受けていたのですが、長野市民の登録協会員は
60~70名ということで、比較的小規模なスポーツ団体の設備に
市費を投入することは、市民の合意が得られないのではないかと
考えていました。
ただ、陳情に来られた皆さんが大変熱心であり、千曲川に沿って
安定した穏やかな北風が吹いているあの場所は、グライダーを飛ばす
には日本一といっても過言ではないほどの立地条件であり、こんなに
気流の良い場所に滑走路が完成すれば、会員がすぐ倍増するだけで
なく、グライダー仲間が日本中から集まってくるという話をお聞きしまし
た。
その後、担当課との協議やいろいろな方々からの話ですと、長野市
周辺の気流がグライダーにはとても良いということは事実のよう
なのです。日本海から吹いてくる風が北アルプスにぶつかり、さらに
それが飯綱山等の北信五岳にぶつかることにより上昇気流となる
ことが、グライダーを飛ばすためには絶好の条件なのだそうです
(開所式の時、主任指導員の万場さんから聞いた話ですが、この風
を上手く利用すれば高度7000mまでは上昇できるとのことです)。
私は、ここで飛びたくて日本中からグライダー仲間がやってくる、
あるいはグライダーを楽しみたいが故に、この地に根をおろしたい
という人もいるでしょうという話もお聞きしました。長野市の魅力
をどうすれば増すことが出来るか、いろいろあるとは思いますが、
独自性を出すということが、すごく大切であることは事実でしょう。
私はグライダーがいずれ長野の名物の一つになると信じて、担当者
と十分協議した上で、施設整備に踏み切りました。
滑走路の近くの堤防脇には格納庫や研修施設もあって、グライダー
が何機も駐機しています。エンジンの付いたもの、二人乗り、
一人乗り・・・・、素人が見ても楽しくなります。多くの人が空に
魅せられるのが分かるような気がしますし、信大生の中にも結構
魅せられている人がいるようです。
会員以外の方が行っても体験飛行で乗せていただけるということで、
私も誘われましたが「暖かくなったらよろしく」ということでその時は
遠慮させていただきました。しかし、確かに気持ちよさそうです。
なお、この広場は、グライダー練習以外にも地区花火大会、凧揚げ
大会、防災訓練、防災ヘリの緊急離着陸場所等としても使われますが、
施設の管理運営は専門知識が必要なため、(社)長野県航空協会に
委託しました。
ぜひ、長野の澄みきった大空に全国からグライダーの愛好家が
集まり、「飛びたいのなら長野に行こう」と言われるようにしたい
ものです。