4月4日(金)、もんぜんぷら座の1階に「TOMATO食品館」
が正式オープンし、併せて、同じ日に大門町の旧長野市物産館が
「楽茶れんが館」としてオープンしました。善光寺の御開帳に
ぎりぎり間に合ったことで、滑り出しは極めて順調に推移している
ようです。
この両館は、どちらも建物の所有は長野市ですが、行政で直接
何かをやるというのは、どうも好ましくない。旧長野市物産館は
やり方も悪かったのでしょうが、毎年1000万円以上の経費を
かけ運営していました。建物は中心市街地の賑わいのためにはどう
しても必要な地点なのですが、民間会社はこの不況下では、なかなか
積極的には進出しないということで、長野TMOに依頼し、商工
会議所や周辺商店街の皆さんの協力を得て、「楽茶れんが館」とし
て生まれ変わり、新しい出発にこぎつけたものです。
TMOとは、平成10年に出来た法律(略称 中心市街地活性化法)
に基づいて、地方自治体が中心市街地の活性化に取り組む組織を
市が認定するものです。全国的には珍しいそうですが、長野市では
長野地区・篠ノ井地区・松代地区の3か所を中心市街地に指定し、
それぞれの地域が行政と一体となり活性化の計画を作り、その中の
計画を実現するため、昨年3月に長野商工会議所を長野地区のTMO
として認定したものです。ただこれは当面の処置でして、将来国の
有利な補助金を大きくお願いする場合には、行政も出資する必要が
あるようですし、その時は第3セクターに組み替える場合もあるの
でしょう。
さて、「楽茶れんが館」ですが、あの建物は明治時代の末期、
馬車引き会社の建物として建てられたもので、当時流行の煉瓦造り
で、大変由緒あるものだそうです。もうお亡くなりになりましたが、
建築家としても有名だった北野幾造さんが、「あの建物は長野とし
て絶対に残さなくてはいけない」、とおっしゃっていたことを思い
出します。
TMOのタウンマネージャーに、「運営費の補助はしないけれど、
お任せするからなんとか賑わいのある施設として、公的施設の利用
として批判されないような形でやって欲しい」とお願いしました。
当然のことながら儲けながらやることは必要です。そうでなくては
長続きしないでしょうし、古い建物ですから使い勝手はよくないか
も知れませんが、歴史のある建物として生かしてもらい、質の高い
観光の拠点として活用して欲しい。そして、経営が軌道にのり一定
の利益が出るようになったら、長野市に家賃を払ってくださいと伝
えてあります。
もんぜんぷら座については、大型店の撤退、倒産で生じた中心街
の空洞を何とかしよう、ということで、昨年の6月市議会定例会で
議決を受けて買収が決まってから、改修計画と同時に利用方法の検
討をしてきました。今年の御開帳までには間に合わせたい、何とか
賑わいをつくろうということで、準備に全力をあげてきました。
1階部分については、中心市街地の大型店の撤退や閉店で、生活
用品、なかでも食品を買う場所がない、特に近所のお年寄りが困っ
ているということでしたので、TMOに出店していただきたい
とお願いしました。地元商店街や経済界の協力を得て、株式会社
「まちづくり長野」(資本金5000万円)が設立され、4月に
「TOMATO食品館」が開店されました。
正直言って、御開帳前には間に合わないと思っていましたが、タ
ウンマネージャーの服部さんの過去の経験や人脈が生かされ、何と
か4月1日のソフトオープンにこぎつけました。オープン以降、
間違いなく人の流れが出てきています。6月になると、地下から
3階まで食品館以外は公益的な利用(2階は子供のスペース、
3階は市民活動のスペース、地下は演劇の練習場など)を中心と
してオープンしますし、4階以上についても何とか利用したいと
考えて検討中です。