全国史跡整備市町村協議会北信越協議会の状況については、先々
週のメールマガジンでご報告いたしましたが、今週は、この協議会
の全国大会のことについて書かせていただきます。
この全国大会は、10月8日(水)~10日(金)の間、北海道
の函館市で開催されました。
私は、日程の都合により8日の総会にしか出席できなかったので
すが、この全国大会は来年長野市で開催されることが内定していま
す。そこで、どんな運営をするのか参考にし、「来年は長野市に是
非おいでください」という次期開催市の挨拶を行うとともに、史跡
の宝庫“松代”の「エコール・ド・まつしろ」の宣伝をするために
行かせていただきました。
函館はとてもきれいな街です。坂があって、その坂を巧く生かし
た街づくりを感じました。函館は幕末の日米和親条約で、日本が開
港した二つの港町(下田と箱館)の一つで、港町特有の異国情緒が
残っているせいか、長野にはない、おしゃれな街という印象でした。
夜、みんなで函館山へロープウェイで登って世界三大夜景の一つを
楽しみ、帰りはホテルまで散歩しましたが、途中、昔の倉庫街を上
手に活用し、素晴らしい店作りになっている場所を通りました。街
づくりにいろいろなアイデアが生かされているのを見させていただ
きました。
大会では、東北学院大学の榎森教授の記念講演が行われ、箱館
(函館)奉行所の歴史を教えていただきました。箱館奉行所は、戊
辰戦争最後の戦いとして有名な箱館戦争で、明治新政府軍と榎本武
揚や元新撰組副長の土方歳三などが属する旧幕府軍との戦いの舞台
となった五稜郭の一画にあります。講演では、実はこの奉行所は、
幕府が蝦夷地統治と貿易の管理、そして対ロシア政策のために設置
したものであるということを強調しておられました。
記念公演は江差追分、第15回大会のチャンピオンご夫妻の熱演
でした。説明によると、毎年、江差追分をうたう大会があって、チ
ャンピオンになると大変な名誉のようです。びっくりしたのは、こ
の追分の源流は小諸馬子唄で、それが大名の参勤交代で越後に伝わ
り、その後、北前船で江差地方に伝わったのだそうです。そういえ
ば、調子は似ているように思いました。
かなり前のことですが、地元民間放送局の番組審議委員をさせて
いただいた時、馬子唄の源流はモンゴルにある、というような番組
がありました。記憶は定かではありませんが、その時「確かに似て
いる」と感じた記憶があります。
全国史跡整備市町村協議会の大切な役目は、全国の史跡整備
のために文化庁が予算獲得に頑張る、それを応援することであるよ
うに思います。確かに文化財というものは、誰しも保存しなくては
ならないと思ってはいても、どこも財政が厳しいから放っておけば
後回しになり、大切な文化財が失われることは目に見えています。
それを防ぐために、国(文化庁)は、土地買収については実に80
%の高率の補助金で地方を援助しており、整備したい史跡を持って
いる地方にとっては、涙が出るほどありがたい補助金です。三位一
体の改革で、補助金全廃が唱えられている中、総論賛成・各論反対
を絵に描いたような話で、我々の行動もつらいものがあります。
来年は、長野で全国大会です。精一杯、おもてなしをしながら、
応援しなくてはと考えています。