2年前の11月、私は市長に就任し、市民の皆さんと行政が協働
(コラボレーション)で、元気なまちづくりを進めていくために、
広報広聴の充実(広く市民の声を直接お聴きすること、行政情報は
積極的に公開し、説明・説得責任を果たすこと)に努めてきたつも
りです。
市内26地区(28会場)全てで開催する「元気なまちづくり市民会議」
はその広報広聴活動の根幹をなす事業であり、昨年度に引き続き、
1.それぞれの地域において皆さんの集まりやすい日時の設定
(土・日・平日の夜いずれもOK)。
2.誰でも自由に参加、発言できる懇談会としたい。
3.自由討議にウエ-トを移したい。
などの意向を区長会にお願いし、実施をしてまいりました。
また、広報と広聴は表裏一体のものと考え、前段の市長あいさつ
として、15年度の重点課題(市町村合併の推進、行政改革の推進、
公共交通機関の再構築など)などについて、昨年度から使い始めた
プロジェクターを使用して説明・説得責任を果たすことに努めまし
た。さらに、あらかじめ地区の皆さんから出された意見・質問につ
いてのお答えは、私に同行した部長達が、それぞれ工夫して作った
スライドを使って説明をさせていただきました。道路や河川、都市
計画に関する質問に対するお答えは、地図を使った説明ができるた
め、分かりやすいということで、好評だったように思います。
本年の特殊事情で、「元気なまちづくり市民会議」とは別に、市
町村合併に関する市民会議を11回先行して開催したこと、9月に
は市議会議員選挙があったこと、等で大変タイトなスケジュールの
中でしたが、7月26日の芋井地区を皮切りに、11月29日の第一
地区を最後に、今年度の開催予定を全て終了しました。
・28会場の参加者合計は、3,822人で、内1,185人(31
%)が女性の方でした。
・臨時託児所を開設したのですが、利用者は6会場で19人という
結果であり、PR不足を痛感しました。
・地区の提案議題・回答の要旨と昨年の提案事項の処理経過を、当
日の資料として参加者全員に配布しました。
・自由討議の時間の確保に努めた結果、あらかじめ提出された議題
の討議に要した時間は56分、自由討議に要した時間29分とな
り、ほぼ2:1という結果でした。
当初予測していたより建設的な自由討議ができたように思います
が、本当に自由闊達な議論を戦わす市民会議の実現には、もう少し
時間を要するかなと感じました。
終了後、全ての会場で市民会議に関するご意見をアンケートさせ
ていただきました。その中で主なものを報告させていただきますと、
・自由討議は歓迎する。更なる充実を図り、議論が深まる会議を目
指してほしい。
・自由討議の時間をもっと取ってほしい。
・役員など一部の者だけでなく、地域の誰もが出席でき、自由に発
言できる会議となるよう工夫を要する。
・プロジェクターによる市政報告、説明は大変分かりやすかった。
・提案や回答の要旨、昨年の提案事項の処理経過、プロジェクター
の説明資料等を印刷し、出席者全員に配布していただいたことを
評価する。
等々、肯定的なご意見をいただいた反面、
・若い世代の参加が少ない。
・開催について、地域へのPR不足。
・飛び入りで自由に発言できる雰囲気とは言い難い。
・提案、答弁が議会のやり取りのようで、懇談会の雰囲気には程遠
い。
・担当部長の答弁が長すぎる。
などの指摘も含め、数多くのご意見をいただきました。
今後に向けて、アンケート結果を踏まえ、「現場主義に徹するこ
と」「広報・広聴活動の推進」「情報公開の充実」を行政運営の基
本姿勢として、更に市民会議の充実・拡充を図ってまいります。
なお、地域単位の「元気なまちづくり市民会議」だけでなく、私
が現場に出かけて行って開催する「移動市長室」や、ボランティア、
女性、農業、商工団体、中山間地、外国人、子ども等々、職能別、
あるいはグループ別の市民会議も開催しております。
それぞれの会場でいただいたご意見ご要望は、整理して担当者と
議論しながら、できるものから実現しようと心がけています。