10月8日(金)~9日(土)にかけて、台風22号が強い勢力
を保ったまま日本列島に、そして長野にも近づいてきている・・・。
過去数年間で最大規模と報道される中、9日(土)・10日(日)
に開催される松代藩真田十万石まつりに影響がでないかハラハラし
ました。
9日(土)、雨の中、河川の状況が心配になり、長沼地区の「元
気なまちづくり市民会議」の前後に浅川を見て回りました。川の水
は濁っていましたが、危険なほど増水しているとは感じませんでし
た。しかし、新幹線車両基地の周辺の田畑は、水がついていました。
幸い台風は北上するに従って、偏西風に乗ってスピードを上げ、
9日中には長野周辺を通り過ぎてくれたようで、ホッとしました。
ところが一旦帰宅しましたら、市役所の危機管理防災課から連絡が
入り、「信更地区の安庭で土砂崩壊が起きている。至急、災害対策
本部を設置したい」とのことで、直ちに市役所の危機管理防災課の
隣に設置された「信更町安庭地滑り災害対策本部」室へ駆けつけま
した。消防からの報告はかなり大きい崩落とのことで、すぐに市川
助役に崩壊現場へ出向いてもらいました。
報告によると、国道19号と白馬長野有料道路の交差する付近の
道路が崩落、飲食店舗とその店主宅が陥没とのことで、かなりの被
害(そばに「長野の門」のひとつ長野市野外彫刻の「ARC OF
NAGANO」もあるはずですが、その時点では報告なし)が発生
している模様。すでに市消防局は出動、消防団も中条村の応援も得
て配置済みとのことで、崩落現場とその付近の5世帯に対し、近く
の安庭地域公民館への避難指示・避難勧告を出すとともに、警戒に
当たる皆さんの分も含めて食事や毛布等の手配を指示し、地元の皆
さんには率先して炊き出し等をしていただきました。ケガ等の人的
被害がないことが救いではありますが、物的被害は相当大きいよう
で、現場に駆けつけた助役の報告を受けてから対策本部員にそれぞ
れの役割を指示しました。その後、崩れやすい他の地域のことが気
になり、総務部長に危険個所の点検を再度指示しました。
10日(日)、朝7時に災害現場の安庭に向かい視察を行いまし
たが、予想以上に凄い被害に驚きました。飲食店舗は完全に崩壊し
店主の自宅は犀川のふちまで流されていましたし、竹下内閣当時の
ふるさと創生基金で3つ造った「長野の門」の一つが、飲食店舗の
近くにあったのですが、約100m近く流されていました。基礎は
相当深く造ってあるはずですから、倒れもせずそっくり流れている
のには驚きました。国道19号は崩落して、もちろん通行止め、白馬
長野有料道路も信州新町方面からの側道以外は使用不能という状況
になり、現場が交通の要衝だけに困りました。
避難された方々が安庭地域公民館にお集まりになっていましたの
で、お見舞いをさせていただきましたが、地元の区長さんをはじめ
大勢の方々が詰めていただいており、力強く感じました。飲食店の
店主は体調を崩されたということでお会いできませんでしたが、奥様
にお見舞い申し上げることができました。気丈な方で、このような
大変な時にもはきはき応対していただきました。
現地の状況をより詳しく調査するため、長野県消防防災航空隊の
ヘリコプターで上空から視察することになりましたが、災害発生直
後からの状況を最もよく知っている市川助役に搭乗してもらい、上
空からの視察を行いました。人的被害がなかったことは不幸中の幸
いでしたが、やはり物的被害はかなりのもので、国道が通行可能に
なるためには、相当の期間が必要だろうというのが実感だったそう
です。
市役所に戻って、昼、災害対策本部会議。これまでの経過の報告
と処置についての報告があり、今後の対策についても検討が加えら
れました。また、午後3時からは今後の対応を検討するため、長野
国道事務所で、国、県、市の担当者が集まって対策会議を開きまし
たが、その会議には、現地調査をしていただいた信州大学の小西助
教授にも出席をしていただきました。
午後5時半に災害対策会議を開催し、国、県との対策会議の報告
がありました。この中で、国が現地の2か所に伸縮計を設置してあ
るので、その結果を見て長野市が危険度を判断し、避難指示・避難
勧告の解除に関する決定をする(解除をできるだけ早くと思いまし
たが、制度上仕方ないようです)ことにし、この日は解除のための
資料が不足しているということで、解除できませんでした。
国道復旧については、とにかく国道19号の迂回(うかい)路整
備を国が1週間で整備するとのこと、具体的には唯一残った信州新
町方面から白馬方面への側道(一方通行)と、歩道を利用して2車
線確保しようということで、応急処置としてはそれしか無いと思い
ました。夜8時から地元説明会を行うということになり、国、県、
市が説明し、地元の要望をお聞きすることにいたしました。
翌日(11日)は、前日夜の地元説明会で出された住民の皆さん
の要望(多くは交通路の確保)について、バス会社を中心に、県、
市等との調整を行い、ほぼ要望にお答えする態勢を整え、午後から
の災害対策本部の会議で確認されました。また、この会議において、
4世帯に対する避難勧告は解除されましたが、自宅と店舗を被災し
た方ににつきましては、避難指示は継続となり、現在、仮の住まい
を市が斡旋中です。
道路の問題は、12日(火)の午前中から迂回路整備の工事が始
まりましたが、1日当りの交通量が1万台という国道19号が寸断
されたことは、長野市とその近隣市町村、流通等関係機関へ大きな
影響を長期間にわたって及ぼすことになるでしょう。被災された皆
様にお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復旧に長野市とし
ても全力を注ぎたいと思います。
9月30日配信のかじとり通信において、石家庄市での訪問先の
中学校名「第34中学校」は誤りでした。正しくは「第43中学校」
です。おわびして訂正いたします。