2005年4月14日木曜日

上越市・長野市経済交流懇談会に参加しました


 4月5日(火)、恒例となっている上越市・長野市経済交流懇談
会が上越商工会議所の主催で開催され、上越市に行ってきました。
この懇談会については前にも書いたことがあると思いますが、上越
商工会議所と長野商工会議所が一年交替で開催することになってお
り、既に約40年の歴史があります。私も市長に就任する前、長野
商工会議所の役員として、ほとんど毎年参加してきました。

 今回、長野市から、仁科長野商工会議所会頭をはじめ、副会頭、
各常任委員長、滝沢市議会副議長、そして私と企画政策部長、産業
振興部長が参加しました。上越市からも田中上越商工会議所会頭、
木浦上越市長をはじめ、大勢の方々が参加し有意義な懇談会になっ
たと思います。

 ちょっと残念だったのは、有名な高田公園の桜が見られなかった
ことです。主催者側では昨年の満開日に合わせ計画を立てていただ
いたようですが、本年は予想以上に開花が遅く、まだ固いつぼみの
状態でした。視察前に公園を車で通過したのですが、ぼんぼり等が
飾られ今や遅しと開花を待っていました。

 最初の視察は、港に隣接した70ヘクタールの大埋立地でした。
中部電力と東北電力が火力発電所を造る予定だそうですが(以前に
お聞きした話ですと、この発電所で発電される電力は主として長野
県向けということです)大変な広さです。そして、日本海の荒波に
耐えるためか、周囲は高い防波堤に囲まれ、まるでここに飛行場を
造るのだと言われても不思議ではないような感じがしました。

 次の視察は、新潟オートリサイクルセンターでした。この工場は
廃車された自動車のリサイクルを行っている工場で(同じ目的の工
場は、長野県では東御市(旧東部町)にあるそうです)、1日80
台の車を解体し、ドアパネルやエンジンなどを取り外して、使える
部品を全国に向けて販売しているとのことです。自動車リサイクル
法の施行をにらんだ施設のようです。

 視察終了後、経済交流懇談会が行われました。上越・長野両商工
会議所会頭の挨拶の後、両市長がそれぞれのテーマについて説明し
ました。

 木浦上越市長と私は、同じ辰年生まれ、過去に青年会議所北陸信
越地区協議会の会長を経験していること、3年前の10月28日の
選挙で、市長に初当選したことなど、全く偶然ですが、同じような
経歴であり不思議な縁を感じます。違うのは、木浦市長が私よりひ
と回り若いことと、県議会議員からの転身であることです。

 木浦市長の話によると上越市は、長野市と同じ平成17年1月1日
に、近隣13町村と合併し人口約21万人、高齢化率23.4%、
面積約972平方キロメートル(長野市より広い)、そして米の農
業産出額が全国2位の農業都市(キャッチフレーズは、「農業都市」
「農村と都市が共生するまち」)、そして合併した上越市全域が過
疎地域自立促進特別措置法の適用を受けることが可能な新上越市が
誕生したということだそうです。長野市と比べて大変だろうなと思
ったのですが、視察先で拝見したガントリークレーンが活躍を始め
た直江津港の活況、工場跡地に進出してくるベンチャー企業の存在
をお聞きしましたし、新幹線・高速道路・海運(フェリーや国際航
路)・・・交通結節点としての存在感も大きくなりそうですし・・・
バブル時代ではありませんので発展は容易ではないでしょうが、大
いなる可能性を感じました。また広域観光についてもお互いの利点
を補完しあってやっていきたいとの表明もありました。木浦市長に
は14市町村の合併を実現された勢いを感じました。

 私は長野市長として、主に二点について理解を求めました。

 一点目は、北陸新幹線の進捗状況についてです。長野市長沼地区
と協議項目が四つあり、三つについては協議が進んでいますが、浅
川ダムに替わる長沼地区の治水対策は現段階では県知事がダム建設
の中止を決定した後、協議の目途が立っていない状況にあります。
何とか飯山以北、上越の皆さん方にも迷惑を掛けないように解決し
なければならないと考えているということです。

 二点目は、新幹線開業以降に並行して走る在来線問題です。長野
以北の信越線は並行在来線ということで、JRは継続して営業をし
ないことはかなり明確だと思いますが、そのことに対して長野県が
どうするのか・・・経営的には「しなの鉄道」以上に厳しい状況が
予想されるにもかかわらず、これも県の動向が分からないため、沿
線市町村や民間は手のつけようがないということです。

 そのほか、広域観光問題、子どもたちの臨海学校、長野市の合併、
行政改革と民間活力の導入、指定管理者制度等についても説明させ
ていただきました。

 いずれにしましても、長野市と上越市は江戸時代から続く交流が
あり、婚姻関係、商売でも付き合いはかなり深いものがあります。
今回の合併で、長野市は妙高市、上越市は飯山市と境を接すること
になったわけですから、いろいろな協力関係が考えられます。良い
関係を築きたいものです。