4月10日(日)、本年度、JFL(日本フットボールリーグ)
昇格を目指す「長野エルザサッカークラブ」が、長野運動公園で開
催された北信越リーグ戦において石川県の古豪テイヘンズと戦い、
ホーム初戦、2対1で見事勝利し、幸先の良いスタートを切りまし
た。
テイヘンズは、石川県の伝統のあるチームだそうですが、開始早
々、エルザは主力選手がけがをして交代、そして1点先取されると
いう展開で、かなり苦戦を強いられました。しかし前半終了直前、
ロングスローからの見事なヘディングシュートが決まって同点。応
援席は狂喜し、同時にホッとした空気が流れました。
後半はかなり押し気味に試合を進めましたが、もうひとつ決定力
不足で点が取れないイライラが続きました。しかしゴール前で、プ
レッシャーをかけ続け、最後には素晴らしいヘディングシュートを
相手のプレイヤーはハンドの反則でボールを手で止めるしかありま
せんでした。それで得たペナルティーキックを冷静に決めて突き放
しました。エルザは今年新しい選手が加入して、かなり強化された
ということでしたが、そのとおりだったようです。
長野エルザには、先日「アスレながの」という応援団が結成され、
本格的な応援を目指し、第一歩を踏み出しました。アスレ会長の塚
田佐前市長や私も家族総出で応援しました。試合中、チームカラー
であるオレンジ色のシャツを着て、太鼓とのぼりで声が枯れるほど
応援している人もいました。この勝利で、初戦の緊張が解けてこれ
から勝ち進むでしょうから、応援団も増えてくることが期待されま
す。ハーフタイムのアトラクションには、キッズ・チアダンス「ミ
ッキーズ」が参加して、華やかなそして可愛い雰囲気をつくってく
れました。
エルザが好スタートを切った翌週、長野でも桜の便りが聞こえる
ようになりました。県内で一番有名な高遠町のタカトオコヒガンザ
クラは、エルザの勝利を祝うかのように、同じ日に開花宣言されま
したが、長野の開花はまだまだ・・・という感じでした。昨年は異
常に早く開花してしまい、城山の花見小屋は設置が間に合わなかっ
たり、市民も花見に行く間がなかったようです。今年は14日に開
花宣言がありましたが、充分に予告期間があったため、にぎやかな
お花見になりました。
開花宣言はどうやって行うのか、お聞きしたところによると、標
本木があって(長野の場合、箱清水にある木だそうですから多分気
象台の近くでしょうね)、その木のつぼみが5、6個開くと開花宣
言だそうです。長野市にも桜の木は多く、南の篠ノ井方面と大峰山
中腹の雲上殿の桜では開花期に随分差が出ますから、かなりの期間
楽しみが続くことになります。
その桜が咲き誇っている16日(土)、松代の山寺常山(やまで
らじょうざん)邸の整備が完了し、常山の子孫の方々をお招きして
記念式典を行いました。また一つ松代の魅力が増え「エコール・ド
・まつしろ2005」の良いスタートになったと感じています。山
寺常山については、佐久間象山、鎌原桐山(かんばらとうざん)と
ともに松代三山と称えられ、藩政に尽力し、寺社奉行・郡奉行を務
め、藩士教育にも力を発揮した人とのことですが、いずれ詳しく調
べてみたいと思っています。
話は変わって、4月17日(日)、「第7回長野オリンピック記
念長野マラソン」が開催されました。前日のホテル国際21での開
会式では、ルーマニアのリディア・シモン選手、エチオピアのデラ
ルツ・ツル選手など、国内外の有名招待選手が紹介され、盛んに拍
手を受けていました。一流選手と一緒に走るのは、一般ランナーに
とって嬉しいことなのでしょう。
日本オリンピック委員会の竹田会長、長野オリンピックムーブメ
ント推進協会の小林会長、スポンサーの(株)セブン-イレブン・
ジャパンの山口社長、ほかにも大勢の方々が出席してくださいまし
た。開会式セレモニーの中で、このマラソンの前身「信毎マラソン」
の時代から、力を入れて育ててくださった小掛照二日本陸上競技連
盟名誉副会長に、小坂健介大会長から感謝状が贈られました。小掛
さんは、昭和30年代だったと思いますが、日本のお家芸と言われ
た三段跳びで活躍された選手として、私達の記憶に残っている方で
す。また、昨年と同じく姉妹提携をしているアテネマラソン、次の
オリンピックを行う北京から代表団が視察に来ておられました。
17日朝8時35分、桜が満開の中、選手が長野運動公園をスタ
ートして、大会が始まりました。NHKが全国ネットで放送を開始。
私も仕事の合間を縫って国道406号のところで応援しました。ス
タートして30分ぐらいでしたので、みんな元気でしたが、天気が
良すぎて気温が上がると記録が出ないのではないか・・・それが唯
一の心配でした。出場登録選手は6300人だったのですが、実際
スタートを切った選手数は5388人だったそうです。
サブスリー(3時間以内のタイム)を目指す市民ランナーにとっ
て、今回力強い味方もありました。「3時間ペースセッター」とし
てドイツの名選手カトリン・ドーレ選手が、そして日本の早田俊幸
選手がいたことです。きっと良い目標になったことと思います。
男子の優勝はケニアのイサック・マチャリア選手、女子の優勝は
ロシアのアルビナ・イワノワ選手だったことは、報道でご存知だと
思います。イワノワ選手の終盤の走りは力強く、42.195キロ
メートル走ってきたとは、とても思えない迫力でした。私は表彰式
で、県内最上位女子選手ということで、福沢久美子選手に市長杯を
お渡ししました。
そして同日、「長野パラリンピック記念第1回長野車いすマラソ
ン」が行われました。長野オリンピック直後に行われた長野パラリ
ンピックも私たちの心に大きな感動を残してくれた大会でした。そ
してこの大会を契機に、障害者スポーツが盛んになってきました。
オリンピック記念があるならパラリンピック記念の車いすマラソン
もやりたいという意見は以前からお聞きしていたのですが、同時に
走る場合には道路規制の時間が延びること、車いすマラソンは選手
層が薄く参加人数が読めないこと、千曲川の堤防コースを走るので
危険ではないかといったさまざまな課題があり、なかなか実施にこ
ぎ着けず、大規模な車いすダンスをやったらどうかと考えたころも
ありました。
しかし、どうしても車いすマラソンをやりたいという声に押され、
警察も了解し、また安全対策も目途がついたということで、今回開
催することになったものです。出場登録者61人(内女性3人、県
内選手10人)、実際走った人は51人、スタートはビッグハット
西(日赤交差点)から南長野運動公園までのハーフマラソンとして
実現したものです。
こちらの開会式は、前日、長野駅のコンコースで行われました。
選手のホテルが駅前でしたので、大変便利な場所だったようです。
そして大会は無事終了し、男子優勝は久保恒造さん(北海道)、
女子優勝は川島由美さん(兵庫県)でした。
両マラソンのゴールになった南長野運動公園は、マラソン・タウ
ンということで、大変なにぎわいでした。篠ノ井商工会議所が中心
になってたくさんの出店があり、市民の皆さんで一杯でした。
ところで、皆さんご存知でしたか、6000人もの選手が走るマ
ラソンでは、スタートラインを通過するのが、先頭と最後尾では5
分以上差があることを。それでは記録が不平等ではないか、何か対
策があるのでは・・・・ということです。調べてみたら、ありまし
た。素晴らしいハイテク・システムでした。
RCチップという直径3.5センチメートル、重さ3グラムのプ
ラスチック製の小型発信機チップを各ランナーのランニングシュー
ズの靴ひもに装着しているのです。チップの中にはIDタグが埋め
込まれていて、衝撃には充分耐えられる構造で雨の影響も受けない、
完全アウトドア仕様だそうです。RCチップを装着したランナーが
カーペット状のアンテナの上を通過すると、アンテナから発射され
た電波がチップのナンバーを素早く読み取り、ネットタイム、グロ
スタイム、スプリットタイムを記録するのだそうです(順位の決定
はもちろんですが、大会終了後、事務局から個人ごとのラップタイ
ム記録が選手に送られてきて、出場者は大変参考になるとのことで
す)。
長野マラソンでは多くの方は黒いレンタルチップ(レース後に返
却)を付けて走ったそうですが、ベテランでいくつもの大会に出場
する方は、個人用のチップ(黄色のチップ)を持っているそうで、
これは世界中のRCチップ計測の大会で使用可能なのだそうです。
ちなみに、価格は3200円、年会費600円だそうです。なぜ個
人のチップを使うのかお聞きしたら、レース後にかがみ込んでチッ
プをはずすのがかなり苦しい、個人用だとそのまま帰れるのが嬉し
いとのことでした。
車いすマラソンでは、大きいサイズのRCチップを競技用車いす
の前輪フレームの中心に近い部分に装着するのだそうです。情報に
よりますと、計測システムとしてはRCチップだけでなく、トルソ
ータグ(ゼッケンに付ける)というものも公認されてきているそう
です。走ること自体が楽しみのマラソンの世界にもハイテクノロジ
ーが入ってきていることを実感しました。
マラソンが終了し、午後4時からホテル国際21で、フェアウェ
ルパーティーが開かれました。大勢のランナーが残ってくださり、
健闘を称え合い、写真を撮ったり、おしゃべりしたり・・・楽しい
パーティーでした。私は元気な走りを見せてくださった皆さんに感
謝し、「来年も開催します。また長野で会いましょう」と宣言しま
した。