地方自治体には、たくさんの審議会、委員会、懇話会等が設置さ
れています。長野市も例外ではなく、多くの審議会等を設置し、広
く意見をお聞きしたり、提言をいただいております。これらの審議
会等は、私の標榜している「市民とのパートナーシップ」を実現す
る根幹のひとつと考えていますが、今日はそのことについて、お話
させていただきます。
長野市の全体計画、市条例の制定や改廃、予算案、重要人事につ
いては、原則として市長が提案して、市議会で審議・決定されます
(もちろん議員提案もありますが)。ただ市長の判断や議会の判断
だけでなく、さらに広く市民の皆さんの意見も必要であることから、
議会に提案する前に、市民の皆さんのご意見を伺う、あるいは、ア
イデアを求めるということで、各種審議会や委員会が設置されてい
ます。
審議会等において、審議や提案をしていただく委員さんには、市
民の方々を中心にお願いするのが基本ですが、テーマによっては市
外から造詣の深い方をお願いすることもあります。県のように中央
の方ばかりを人選し、東京で開催されている審議会等はどうかと思
いますが、広く意見を求めたいということでは一致しています(長
野市でも広域連合のごみ焼却施設について、技術的なことについて
は専門部会として、中央の権威ある方をお願いし、東京で開いたこ
とがあります)。
委員さんには、テーマによって、公平で片寄らない人選、その道
に造詣が深い方をお願いすることも大切ですし、男女の比率も常に
考えなくてはならないことで、担当課がいろいろ検討します。市内
の関係団体長から推薦いただいた方、学識経験者(主として大学の
教授等)、そして一般市民の方をお願いしていますが、原則は担当
課で原案を決め、市長が決裁します。最近はすべての審議会等に公
募委員さんをお願いすることが原則ですが、この場合は応募された
方に小論文を提出いただき、担当課で審議して、決定しています。
ただ、この人選については、公平にやっているつもりですが、市に
都合のよい人を選んでいるのでは?とのご意見はあるようです。
審議会等で、委員長さんあるいは座長さんが決まりますと、市長
から案件を諮問させていただき、審議が始まります。審議は、年度
単位の長い期間をかけて検討することもありますが、短い期間で審
議していただくときもあります。
審議会等の事務局は、原則として担当課がさせていただいていま
す。外部の方に事務局をお願いすることはその方の負担が大き過ぎ
ますし、議論が案件とは外れた方向へ行っても困るからです。ただ
最近言われているのは、事務局が市役所の都合の良い方向へもって
いくのではないかとの意見もあるようで、難しいところです。ただ
効率を考えるとこの方法が一番良いようです(あくまでも最終決定
は市議会ですから)。
審議会等の素案作成は長野市が行うことが多いのですが、審議内
容によっては審議会等に原案作成からすべてをお願いすることもあ
ります。そして、審議終了後、市長あてに答申をいただき、さらに
一般市民に向けたパブリックコメントを行う場合もあり、市民の皆
さんからいただいた意見も参考に市の原案を作成することが多くな
ってきました。
今年度どんな審議会等が開かれたか、いくつかをご報告しますと
【長野市ごみ焼却施設建設地検討委員会】
長野広域連合が建設する焼却施設について幅広く検討し、2カ所
の建設候補地を報告いただきました。
【長野市財政構造改革懇話会】
将来にわたり安定した行政サービスが提供できる「持続可能な地
域社会の構築」を目指し、財政構造の転換を実現するための改革の
方向性について提言いただきました。
【長野市大型店等出店土地利用委員会】
商業環境形成指針に基づき、市内6店舗の大型店の出店計画につ
いて審査・報告いただきました。
【長野市犯罪防止に関する条例策定委員会】
安全神話が崩れそうな危機感のある中で、条例の必要性を含め、
内容について審議・答申いただきました。
【長野市都市内分権審議会】
市が推進しようとしている都市内分権の必要性を含め、内容につ
いて審議・答申いただきました。
このほか、長野市廃棄物減量等推進審議会、長野市社会福祉審議
会、長野市国民健康保険運営協議会、長野市農業集落排水処理施設
使用料等審議会、長野市まちなか居住調査専門委員会、長野市住宅
対策審議会、長野市保育所等のあり方懇話会、長野市交通対策審議
会、長野市観光推進審議会・・・まだまだありますが、名前でどの
ような会か大体ご想像いただけると思います。
これらをすべて包含する計画、すなわち第四次長野市総合計画を
審議する審議会が動いていますし、都市計画の基本である都市計画
マスタープランの改定も進んでいます。
以上、思いつくままいろいろ書いてみましたが、このほかにもあ
らゆる分野で市民の皆さんから、広く意見をいただくシステムが動
いています。私が各地域や団体の活動している現場にお伺いして懇
談を行う元気なまちづくり市民会議やみどりの移動市長室、市職員
が皆さんの要請により近くまでお伺いし、市政についてお話をする
市政出前講座・・・ぜひご利用いただきたいと思います。そういう
場所で出されたご意見が審議会、委員会、懇話会に反映され、パブ
リックコメントなどを通して市の正式提案になって議会で決定して
いく、そんな仕組みをご理解していただければと考え、このメルマ
ガを書きました。