先週は、5年間こんなことをやってきましたということで、主な
ものを報告しましたが、今週は、まだまだ至らぬことを中心に(そ
の2)を書かせていただきます。あまりにたくさんありすぎて(そ
の3)(その4)・・・と続くかもしれませんが、悪しからず。
(1)今後のことというより、「現在一番喫緊の課題は」といえば、
長野広域連合が計画しているごみ焼却施設の建設です。最初の施設
を長野市に建設することが決定されてから、長野市では、公募委員
や学識経験者の方にも入っていただいた検討委員会で建設候補地を
慎重に検討していただきました。答申を受けてから環境部を中心に
全庁挙げてのプロジェクトを組んでさらに検討しました。そして大
豆島松岡二丁目を候補地として選定し、大豆島地区、松岡区の皆さ
んにお願いしている段階です。
(2)長野市の新斎場の建設も、(1)と似ている部分もあります
が、松代町寺尾地区にお願いすることを決定し、生活部が中心にな
って、これもご理解をいただけるよう地域の皆さんと話し合いをし
ています。斎場は人生終焉(えん)の地、ある意味では聖地である
と考え、葬送の場にふさわしい施設建設をしたいと考え、取り組ん
でいます。現在の斎場は、大峰山、松代と鬼無里にありますが、人
生最後の別れの場としてはいずれも老朽化しており、申し訳ない状
況になっていると思っています。まだ地元の皆さんに計画をご説明
している段階ですが、ぜひご理解いただきたいと考えています。
(3)教育問題については、基本的には教育委員会の専権事項です
ので、市長としてあまり口出しをすることは、ルール上は問題があ
るのですが、しかし現在の教育環境については行政的に解決しなく
てはならないことがたくさんあると考え、全力を挙げる決意で取り
組んでいます。
今取り組んでいることの一つは、学校規模の適正化ということで、
通学区の見直しを行っていることです。この問題は三つの面があり
ます。第一は、中心市街地における児童数の減少に伴って小規模校
化が進んでいることです。第二は、中山間地の学校が、極めて少人
数学校になっていることです。第三は、地域によって、子供の数が
アンバランスになって、大規模校と小規模校が混在していることで
す。
中心市街地については、市内のどこからでも3校を選択して就学
できる「特例校制度」を導入し、今後の方向を決めていくこととし
ていますが、中山間地の場合は、隣の学校といっても距離が遠いこ
とから、教育環境と地域の活性化問題も絡んで、大変難しい問題で
もあり、悩んでいます。また、大規模校と小規模校の混在について
は、可能な地域では、大規模校に隣接する学校へも就学できる「限
定隣接学校選択制度」の導入を進めていきたいと考えています。
いずれにしろ、私たちの意見は、学校では一定以上の人数の子供
たちが、切磋琢磨しながら、学び、そして遊ぶことが大切で、子供
の将来のためにも絶対に必要であると考えています。何とかしなく
てはならないテーマです。
教育問題としてはその他たくさんあります。平成20年開校予定
の「市立長野」を県内唯一の市立高校として、立派な学校にしよう
という市民の期待にどう応えるか、難しい、でもやりがいのあるテ
ーマです。
それと長年の悲願である大学誘致も、大学倒産の時代と言われて
おり長野市の力だけでは無理かもしれません。しかし、長野市の現
状(20歳前後の若者が少ない)を考えると、実現したいものと考
えています。
学校の安全・安心のシステムを検討することも大切ですし、学校
の耐震問題も頭の痛い問題で、少しでも早く解決しなくてはならな
い課題です。
(4)産業としての農・林業をどうすればよいか、農・林業の再生
も長野市にとって重要な課題です。国では、農業の足腰を強くする
ため、19年産の作物から一定の条件を備えた「担い手」を対象に
支援を行う新たな仕組みを導入します。本市は市域の70%を中山
間地域が占めており、主な産業は農業ですが多くは小規模農家です。
そのため、来年(仮称)長野市農業公社を設立して現状を打破する
ための一助になれるよう本格的に取り組む予定です。農・林業の再
生が無い限り、元気なまちにならないのではないかと感じています。
(5)福祉については、複雑で法律も目まぐるしく変わってきてお
り、市町村とすれば基本的には国の方針に従っていかざるを得ない
のが実態です・・・ただ、柳町保育園、三本柳児童センター、豊野
西部児童センターなどの建設やこども広場の「じゃん・けん・ぽ
ん」、「このゆびとまれ」の開設などハード面を中心に子供の環境
整備は進めてはいるのですが・・・。
(6)入札制度の改革も難しいテーマです。専門家にお願いして、
かなり努力しているつもりですが、まだ完璧という改革はできてい
ません。今後も研究して、より良い制度にしていかなくてはなりま
せん。
今回の(その2)についてはこのくらいにして、次回以降(その
3)をいつか書かせていただきます。特に財政再建については、ど
うしてもお知らせしなくてはならない問題と感じています。
話は変わりますが、私が市長就任以来、5年が経過した中での大
きな変化としては、村井新県政が誕生したことです。
先日ある場所で村井知事就任後、2カ月経った時点での感想を述
べさせていただきましたので、その要約を報告させていただきます。
(1)県職員の顔が明るく、元気になり、自分の意見を言うように
なった。トップが代わるとこんなに変わるものかとびっくりしてい
ます。
(2)私も含めて、知事への要望・陳情活動がめじろ押しと聞いて
います。
長野市からも、20項目(本当はもっとあるのですが)出させて
いただきました(内容は第230号のメルマガに書いてありますの
で、ご参照ください)。長野市独自と思われるものは極力はずし、
県全体を考えた提言にさせていただきましたが、浅川治水問題やオ
リンピック問題を含んでいます。田中知事の6年間、たまりにたま
った(言い換えればあきらめていた)提言なので、ぜひ受け取って
ほしいと思います。
(3)財政状況が厳しい折、村井知事になったからすぐ実現できる
と思っているわけではありません。ただ対話が復活した、仮に長期
的になるとしても真に市町村の願いを聞いていただける状況が整っ
たことを、皆が喜んでいます。
(4)一つだけ、知事さんに注文したいことがあります。
それは前知事の良かった点といえることですが、県職員が市町村
に来たとき、高姿勢でなくなったことです。田中知事登場前は、県
の職員が市町村に来た場合、市町村、特に町村の職員は、「直立不
動」だったという話をよく聞きました。田中知事になってから、県
職員の目線が、低くなっており、これは良いことだと思います。で
すから、昔に戻ってもらいたくない(目線を低くし、本当の意味で
地域の実情を理解してくれていればもっとよかったのですが)、何
人かの首長がそう言っておられます。対話を重視した上で、強いリ
ーダーシップを発揮してほしいと思います。
(5)私(長野市長)にとっての4年半、県政との付き合いは大き
なストレスでした。重石がとれて、ようやくきちんとした対話によ
って行政に取り組むことができる環境が整ったと思います。県都の
市長として県との協力関係を築く中で、一生懸命務めて行きたいと
考えています。
以上が私の発言内容です。村井知事は9月1日に就任されて、手
堅い手法で確実に前進しておられると感じています。ぜひ頑張って
いただき、長野県を再生してほしい、そんな気持ちから話をさせて
いただきました。