2008年2月28日木曜日

新しい年、もう2カ月がたってしまいます


 新年になって、もう2カ月近くたちます。月日のたつのは本当に
早いものだと痛感しています。もう少しじっくり考える時間がほし
いなんてぜいたくなことを言っていますが・・・なかなか難しいも
のです。
 今回は年が改まってから約2カ月、市長がどんなことをしている
か、2月後半の事柄を中心に、アトランダムに書かせていただきま
す。

 新年になりますと、市役所内部の仕事とすれば、予算査定、人事
会議が断続的に開かれ、新年度へ向けての準備作業が大詰めを迎え、
併せて市議会3月定例会に向けて作業が進んで行きます。少しでも
空いた時間は、打ち合わせ、報告などが入ってきます。
 また、各界の方々と懇談する機会も多くあります。特に公共交通
機関が大きなテーマになってきているこの時期、ながでんグループ
の皆さんと懇談できたのは大変有意義でした。

 諸団体の新年会にお招きいただくこともかなり多くなります。年
末に忘年会を行って、新年になると改めて新年会というご丁寧な組
織・友人も居て、ついついアルコールを飲む機会が増えてしまい、
気を付けなくては・・・と自戒しております。

 1月後半から、冬季国体「長野かがやき国体」開会式、同スケー
ト競技会、全国中学校スケート大会、長野オリンピック10周年記
念の諸行事、灯明まつり、東口フェスティバル・・・これらは既に
メルマガで報告させていただきました。それ以外の事柄を書いてみ
ます。

 ガソリン税などの暫定税率、いわゆる日切れ法案について、何と
かこの3月末で廃止にならないように、長野県市長会ならびに関東
国道協会の皆さんと一緒に上京し、国土交通省、長野県出身の国会
議員、特に民主党の議員の皆さんに、重点的に要望させていただき
ました。

 長野商工会議所の正副会頭と長野市の幹部職員との懇談会が開催
されました。この懇談会は以前には行っていたのですが、最近は開
かれていませんでした。会議所では、昨年11月の臨時議員総会に
おいて、任期満了に伴う役員改選を行い、加藤新会頭や新役員が就
任されましたので、この機会に意見交換をしようということで、開
いたものです。あまり堅苦しくならないように、席上いろいろな話
題がアトランダムに話し合われましたが、特に公共交通機関問題が
重要な話だったと思います。

 市長が主催して、長野市消防団の正副団長ご夫妻との懇談会・・
・というより市長主催の感謝の会と申し上げるべきかもしれません。
3千人を超える長野市消防団員をまとめ、夜昼なく、市民の生命と
財産を守ってくださる消防団の活動、それは奥様方の支えがあって
こそであるとの認識から、2年に1回開催しているものです。
 団員の高齢化、定員割れ問題など、消防団をとりまく環境は大変
厳しい状況にありますが、それらを乗り越え、活躍し、団員をまと
めていく正副団長さん方の苦労は本当に頭が下がる思いです。奥様
方も、長野市のため、また地域のためだから、私が支えなくては・
・・といった気分でいらっしゃるようにお見受けしました。
 私も、お一人お一人と話しをして回って、心からの感謝の意を表
し、最後まで楽しくお過ごしいただけたのではと思います。

 平成19年度の長野市老人大学園も修了式を迎えました。この学
園は地域社会活動に積極的に取り組んでいただく方を養成すること
を目的としています。修了された46人の方には、地域社会活動で
ご活躍いただくことを期待しています。

 長野市選出の県議会議員10人をお招きして懇談会を開催しまし
た。県議会開催中にもかかわらず、全員の方に出席していただきま
した。市側からも正副市議会議長、副市長、教育長、関連する部課
長も出席しました。話題は県の出先組織の在り方と広域連合の統合、
県立短大の4年制大学への昇格、市町村合併、消防組織の統合、森
林環境税、中山間地活性化・・・いろいろな問題について意見交換
をさせていただきました。今後も必要に応じ開催しようということ
になりました。

 新規就農者に激励金をお渡しする交付式を行いました。これは毎
年、新規就農された方を地域の農業委員から推薦いただいて、農業
委員や農協の組合長に審査員をお願いし、その審査により地域農業
のリーダーとして新しく専業農家を志す方々に奨励金を差し上げる
事業です。昨年までは年間10人前後だったのですが、本年は17
人の方に奨励金をお渡ししました。大勢の方が農業の担い手として
出てきてくださったことはありがたく感じました。

 農業委員の改選が行われました。農業を取り巻く状況は大変な時
期ですが、よろしくお願いします。

 2月22日(金)、冬季国体の閉会式に出席するため、野沢温泉
村に行ってきました。長野かがやき国体は、スケート競技会が長野
市、アイスホッケー競技会が軽井沢町、そしてスキー競技会が野沢
温泉村の3市町村で開催され、無事終了しました。閉会式には村井
県知事や3市町村長、県教育長、競技団体の役員等も出席され、成
功を喜び合いました。
 スキー競技会は天皇杯得点(男女総合成績)で長野県は優勝、皇
后杯得点(女子総合成績)は新潟県、北海道に続いて3位というこ
とで、立派な成績でした。
 およそ1カ月にわたって開かれてきた長野かがやき国体ですが、
長野県で3競技一括開催できたことは、大変良かったと思います。
来年は、スケート競技会とアイスホッケー競技会は青森県、スキー
競技会は新潟県で開催されます。

 都市内分権を推進するために、住民自治協議会の設立を各地区に
お願いしていますが、ここへ来て、設立のピッチが上がってきまし
た。23日(土)には3つの地区で設立総会が開かれ、駆け足でし
たが私も出席させていただきました。新年度早々には、一気に設立
が続き、30地区のうち23前後の設立が見込まれています。

 明日(2月29日)から、市議会3月定例会が始まります。今回
は2月中の招集になりました。
 国は通常12月中に予算編成がなされ、1月の通常国会で議論さ
れる、めどが付いたころ、県議会は2月に開催され、そして市町村
は3月に議会が開かれる・・・それが通常の姿ですが、今年は国会
のねじれ現象のためか、国の予算が予定通り決まるかどうか、どう
も不安定なのが、心配です。
 いずれにしても、新年度に向けてしっかり準備していきたいと思
います。

2008年2月21日木曜日

長野市農業公社について


 2月12日(火)に理事会、そして15日(金)に総会が開催さ
れました。
 昨年7月に設立した、社団法人長野市農業公社。まだ一年足らず
ですが、農業委員会、グリーン長野・ながの両農協の協力もいただ
いて、体制は整ってきました。今後、商工会議所・商工会などの経
済団体やさまざまな業種の個々の企業からの協力を得ながら、大い
に発展させていきたいと考えています。まだまだこれからです。

 今後の農業公社の展開を整理しますと、重点課題として次の6項
目に集約されます。
(1)農作業支援
(2)担い手育成
(3)農地流動化(農地の貸借・売買)
(4)消費者との交流
(5)マーケティングの拡大
(6)生産者の法人化の推進

 項目を読んでいただけば、大略はご理解いただけると思いますが、
幾つかの点について説明させていただきます。
 まず(1)の「農作業支援」についてですが、農村の高齢化が進
展して農作業を行うには、どうしても人手不足になっています。一
方、団塊世代の方々を中心に、定年退職されてきて、その中には、
農業をやりたいという方々がいらっしゃる、農業公社が両者のコー
ディネート役として「農家」と「農作業のお手伝いさん」を結びつ
けようという仕事です。必ずしも定年退職した方とは限りませんが、
基本的には農作業従事者として、昨年は時給740円で1日6時間
の労働を基本にお願いしてきました。1日で、約4,500円とい
うところでしょうか。実を言いますと、昨年は農家の需要が多く、
お手伝いさんが足りなくて、農家の皆さんからは随分おしかりを受
けました。今年はお手伝いさんの大募集をかけて、農家の皆さんの
満足をいただくように頑張ります。
 加えて、この活動を強化し、農業・農村の活性化に寄与するため
に、学生の皆さんとのコラボレーションも試みたいと思っており、
信州大学を手始めに、各大学に声を掛けていこうと思っています。
また通常のボランティアとは違いますので、日当について手直しし
たり、雇用契約をきちんと整理して問題が出ないようにしていきま
す。

 次に(5)のマーケティングの拡大については、私が日ごろ申し
上げていますが、農業に一番不足しているのは、この分野です。い
かに素晴らしい生産物ができても、売り先が無くては、また、必要
な需要を見極めなくては、単なる“宝の持ち腐れ”となってしまい
ます。時代は「地産地消」といわれ、外国産農作物の安全性につい
て極端に不信感が募っている現在、販路拡張のチャンスと考え、
“地消”だけでなく、外へ向かって販路拡張に乗り出すため、専門
家にお願いして、いろいろな販売チャンネルの開発や計画的な出荷
をしていくことも考えていきたいと思います。

 次に(6)の生産者の法人化の推進です。
 農業は従来、基本的には農家の個人経営という観念があり、「株
式会社なんてごめんだ」という固定観念が長く農業界を支配してき
たと思います。

 でもこれからは変わるべきです。志が高くても、お友達感覚のグ
ループではどうしても長続きしません。外に向かって責任感が生ま
れませんし、産業化にはとてもならないと感じています。法人化
(株式会社など)すること・・・すなわち「株」の原点は、ファン
ドも同様ですが、小さなものを集め、大きな単位とすることで、ま
とまった一つの方向性を志向しようというものです。それによって、
経理が明らかになり、自分の取り分がしっかり分かります。組織内
で役割分担を明確化し、将来計画もつくるなどして、もうかること
が分かれば後継者も生まれてくるでしょう。

 調べてみましたら、農産物加工を中心に地域で頑張ろうとしてい
る住民グループは、現段階、農業公社が把握しているだけでも37
もあるのです。中には“(有)たんぽぽ”のように、立派な会社組
織にして経営努力により採算がとれており、地域の雇用にも力を入
れていただいているグループもありますが、大部分は、法人化の域
には達していないようです。これではせっかくできてきたグループ
もいずれ消滅してしまうのではないかということも心配されますし、
発展していく可能性もはっきりしないと私は思います。

 そこで、私はこれらのグループが発展していくために、法人化を
キーワードに支援していきたいと思います。形態は株式会社、NP
O、LLP(有限責任事業組合)、組合・・・いろいろあると思い
ます。
 その意志のあるグループに、個別に経営分析や生産指導を担う経
営コンサルタント的な仕事を農業公社で行い、企業経営のプロ、農
業のプロを派遣していくことが第一段階でしょう。
 農業は、従来補助金政策により行政への依存が強すぎた、それが
農業衰退の遠因ではなかったかとの思いを私は持っています。今後
は、補助金に頼らず、法人化を促し、次に必要に応じて資本注入と
いう手法によって、農業再生に力を尽くしたいと考えています。

 中山間地域の活性化は重要な課題です。各地域における住民グル
ープの活動が小さくても、農業公社が主体になって、ビジネスとし
て成り立つような仕組み作りや地域ブランド化などを進めていく計
画をしています。

 以下に農業公社が把握している各地の特産品づくり、地域おこし
団体・グループ名を記してみます。
 戸隠おろし振興会、戸隠そば再興大作戦会議、鬼無里酒米生産組
合、鬼無里農林産物直売所ちょっくら、鬼無里手づくり味噌の会、
大岡農村女性ネットワーク、安心で美味しい米づくり研究グループ
(大岡)、大岡グリーンツーリズム倶楽部、にんにく栽培組合(大
岡)、豊野温泉りんごの湯農産物直売所、とよの農産物加工グルー
プ、中曽根地場産品直売部会「いきいき飯綱」、飯綱ふれあいファ
ーム、二十一世紀の生活を考える会(浅川)、浅川坂中地区直接支
払事業グループ、大根クラブ(芋井)、武井学術振興会(芋井)、
NPO法人飯綱高原よっこらしょ、大安寺百匠倶楽部(七二会)、
岩草区活性化生産組合(七二会)、(有)信州七二会おやき、(有)
たんぽぽ(信里)、信更いっぽ、灰原クーヘン会(信更)、遊休農
地を活かす会(信更)、信更農家直売所、エコピカクラブ山新田
(若穂)、保科るねっさんす倶楽部、松代農産加工所あんず村、
(株)おやきや総本家松代店、清野の明日を考える会(松代)、
(有)さんやそう(大門)、(有)柴田興業ヤーコン部(信更)、
(有)ふるさと鬼無里、山布施地域はたらく女性の会(信里)、
さといもつくり隊(豊野)、長野ファーマーズパーク(更北)。

 いずれにしても、農業公社として、来年度はマーケティングの拡
大、生産者の法人化の推進を進めるための組織体制を整えて、支援
していきたいと思います。

2008年2月14日木曜日

長野冬季オリンピックから10年です


 この1月末から2月にかけて、長野かがやき国体、全国中学校ス
ケート大会、そして長野オリンピック10周年記念事業・・・スポ
ーツに関するイベントが続いています。さらに3月になるとスピー
ドスケートの世界距離別選手権もエムウェーブで開催されることに
なっており、長野市は冬季スポーツのメッカに向かってまっしぐら
です。

 長野かがやき国体、全国中学校スケート大会は既に報告させてい
ただきましたので、今回は長野オリンピック・パラリンピックの
10周年記念事業の報告をさせていただきます。

 長野オリンピック・パラリンピック開催から早いもので10年が
過ぎました。あの夢のような、そして感動の日々は遠くへ過ぎ去っ
てしまっていますが・・・でも私たちの中に、いろいろな資産(ハ
ードもソフトも)を残してくれたと思っています。
 その思い出を心に呼び起こすような記念行事を紹介します。

「長野オリンピック10周年記念式典」
 「感動から10年。支えてくれたすべての方々に感謝し、長野オ
リンピックの基本理念「愛と参加」を、未来を担う子どもたちに伝
えるため、ここに長野オリンピック10周年記念式典の開会を宣言
します。」この開会宣言により、2月9日(土)、長野オリンピッ
クではアイスホッケー競技を行ったビッグハットで開催しました。
猪谷IOC副会長をはじめ、9人のIOC理事・委員、JOCの皆
さん、村井知事、塚田前市長、小林前NAOC事務総長、そして、
長野オリンピックに縁の深い伊藤みどりさん、荻原健司さん、船木
和喜さん、などなど・・・本当に多くの方に参加していただきまし
た。オリンピック選手によるトークショー、映像や音楽を使ったア
トラクションなどがあり、10年前を思い出す懐かしいひとときで
した。また、式典の最後には、緑ヶ丘小学校の4~6年生の子ども
たちが未来へのメッセージを力強く朗読、来賓の方々や選手の皆さ
んも感激されていました。これからの未来を担う子どもたちにオリ
ンピックの感動や財産がしっかり伝わったのでは・・・今後への期
待を強くしました。

「長野オリンピック10周年記念メモリアルタワー」設置
 同じ9日、オリンピック10周年を記念したメモリアルタワーの
除幕式が開かれました。このタワーは、地元の皆さんの熱い思いと
努力により、1,460余の多くの方々の協力で実現されました。
設置場所は、長野駅東口ロータリーの東南角です。夜間にはライト
アップされ、これから長野駅の東の玄関口の新しいランドマークと
して、多くの皆さんに親しまれオリンピックの感動を伝承してくれ
るものと期待しています。
 また、メモリアルタワーの除幕式に引き続き、「長野オリンピッ
クメモリアル第10回東口フェスティバル」が盛大に開催されまし
た。このフェスティバルが10年にわたり、引き継がれていること
は大変うれしいことです。

「スポーツと環境トークショー」
 2月11日(月)、若里市民文化ホールで、水野JOC副会長、
山本NHK解説主幹、JOC環境アンバサダーの松岡修造さん、大
林素子さん、ゲストとして伊藤みどりさんをお迎えして行われまし
た。スポーツを通じて地球環境を守るために、何ができるか、オリ
ンピック開催都市“NAGANO”が果たす役割について、考える
良い機会になったと思います。

森山良子「長野オリンピック・パラリンピック10周年記念コンサ
ート」
 2月16日(土)には、長野県県民文化会館で森山良子さんによ
る記念コンサートが開催されます。長野オリンピック開会式のテー
マソング「明日こそ、子供たちが・・・」を子どもたちと一緒に歌
われたことを、今でも鮮明に覚えています。そして森山さんには、
本年4月に開校する市立長野高等学校の校歌を作曲していただいて
います。これもオリンピックによって結ばれた“縁”なのだと思い
ます。

ヤマハ吹奏楽団特別演奏会「長野オリンピック・パラリンピック
10周年記念コンサート」
 2月17日(日)に長野県県民文化会館で開催されます。このコ
ンサートは2部構成となっており、第2部では、ゲスト奏者や地元
の演奏者などを迎えて新しい音楽や長野オリンピック・パラリンピ
ックの感動がよみがえる構成とのことです。ぜひともお楽しみくだ
さい。

「スポーツとまちづくり」シンポジウム
 2月17日(日)に若里市民文化ホールで、サッカー解説者の宮
澤ミシェルさん、東京大学アジア生物資源環境研究センター教授の
堀さん、AC長野パルセイロ代表の丸山さん、信濃グランセローズ
GM・球団総括本部長の今久留主さんをお迎えして開催されます。
この10年でどのようにスポーツを生かした地域づくりを展開して
いるか、そして今後のまちづくりについて、基調講演やパネルディ
スカッションを通して一緒に考えていただきたいと思います。

「トップアスリートによる冬季スポーツ教室」
 昨年12月24日(月)、「ボブスレー・リュージュ・スケルト
ン体験教室」がスパイラルで開かれました。越和宏選手などのオリ
ンピック出場選手に手ほどきを受け、市内外の小学生が氷上でスピ
ード感を楽しんでいたようです。
 1月14日(月)には、小学生のスケート教室をエムウェーブで
開きました。スピードスケートのワールドカップ日本代表選手など
のトップアスリートから滑走を学んでいました。
 2月10日(日)には、ビッグハットでアイスホッケー競技の教
室が開かれました。これは、国際親善アイスホッケー大会U16長
野オリンピックメモリアルカップ2008に併せて開催されたもの
です。

 そのほかにも、すでに終わったもの、これから開催するもの、い
ろいろあります。
 トイーゴで長野オリンピック・パラリンピック写真展・メモリア
ルグッズ大集合(2月9日~11日)。勤労者女性会館しなのきで
一校一国運動発表会(2月24日)。飯綱高原スキー場でパラリン
ピック記念の「長野県障害者スキー大会」や「スノーフェスタ」
(2月2日)・・・などなど、まだまだありそうです。

 長野オリンピックから10年がたち、長野市も日本も、そして地
球もずいぶんと変わりました。しかし長野オリンピックで目標の一
つとなっていた「美しく豊かな自然との共存」は、今でも変わらな
いテーマだと思います。特に地球温暖化はあのころにも増して深刻
であり、われわれが何とかしていかなければいけない課題です。感
動の日々を思い起こすだけでなく、次の10年をどうしていくか、
考えるきっかけとなればと思います。

2008年2月7日木曜日

スケートのメッカに


 先週のメルマガでは、皇太子殿下、皇太子妃殿下にご臨席いただ
いた「長野かがやき国体」のことを書かせていただきましたが、今
回は、2月2日から5日まで行われた第28回全国中学校スケート
大会について報告します。

 この大会は、小泉元首相の発想で、各種スポーツの全国大会を同
じ場所で継続的に開催することによって、それぞれの種目のメッカ
を各地につくることを目指しています。すなわち「高校野球は甲子
園」、「高校ラグビーは花園」というように、いろいろな種目のメ
ッカを日本中のいろいろな地域に展開し、スポーツの振興と地域の
活性化を図ろうというものです。この事業の正式名称は、「スポー
ツ拠点づくり推進事業」ということで、10年間は財政支援を受け
ることができ、優れた大会には内閣総理大臣から国民スポーツ杯が
授与されることになっています。

 この大会開催の趣旨が公になり、希望する市町村を公募する構想
が発表されたとき、オリンピック開催都市として、長野市はどうす
べきか考えました。結果、エムウェーブという世界に誇れるスケー
トリンクがあり、冬季オリンピックを開催した都市として、スケー
トで名乗りを挙げることは当然のこと、義務でもあろうと考えまし
た。さらにスケートのメッカというからには、中学生、高校生、大
学生、社会人とすべての種目に立候補したいと考えたのですが・・
・あまり欲張ってはいけないというアドバイスをいただき、全国中
学校スケート大会を選択し、認められたものです。応援団を含め、
大勢の皆さんが長野にお出でになるであろうことを、期待している
ことも事実です。

 そして(財)日本中学校体育連盟から、当時開催地が既に決まっ
ていた大会が終わってから、長野市で10年間継続開催することの
ご理解をいただきました。その第一回が本年でした。
 以上の経過から、われわれ長野市は、この大会を素晴らしい競技
会に育て、全国の中学生のあこがれの地にする義務を負っているの
だと考えています。

 ちなみに、この事業を実施している(財)地域活性化センターの
資料で、どんな大会が承認されたか調べてみましたら、62もの大
会が全国で選定されていました。
 アイスホッケー(釧路市・苫小牧市・日光市・軽井沢町)、スキ
ー(富良野市・雫石町・鹿角市・妙高市・高山市・都留市)、ゴル
フ(富岡町・川越市)、剣道(岩沼市・大阪市)・・・もちろんサ
ッカーや水泳、駅伝、など私たちになじみがある競技のほかに、全
国少年少女スポーツチャンバラ選手権(由比町)というものもあり
ました(二つ以上の都市があるのは、小学生・中学生・高校生など
の参加対象者の違いでしょう)。

 以下は2月2日、全国中学校スケート大会の開会式での私のあい
さつ要旨です。

 全国から選び抜かれた選手の皆さん、そして役員の皆さん、よう
こそ長野市へお出でくださいました。38万人の長野市民を代表し
て、心から歓迎いたします。

 1998年に開催されました長野オリンピック・パラリンピック
冬季競技大会から、10周年を迎える節目の年にこのような大会を
開催できることは、大変喜ばしいことであります。

 また、この大会は、今後10年間長野市で継続して開催されます。
その記念すべきスタートの年に、こうして皆さんをお迎えできるこ
とをうれしく思います。

 長野でオリンピック・パラリンピックが開かれた時、選手の皆さ
んは、まだ小学校へ入学する前で、覚えているかどうか分かりませ
んが、このエムウェーブで、世界の一流選手が心に残る素晴らしい
戦いを繰り広げてくれました。
 スピードスケート男子500メートルでは、清水宏保選手が金メ
ダルを、女子500メートルでは岡崎朋美選手が銅メダルを獲得し、
日本中を沸かせてくれました。

 「五輪の地 あの感動をもう一度 輝く銀盤 熱き舞台」のスロ
ーガンのとおり、皆さんも日ごろの練習の成果を十分発揮して、あ
の感動に匹敵するエキサイティングなレースや華麗な演技を私たち
に見せてくれるものと期待しています。そして、競技が終わった後
には、競い合った者同士、お互いをたたえ合い、友好の輪を広げて
ください。

 最後になりますが、開催に当たりご尽力いただきました関係の皆
さまに心から敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げ歓迎の
ことばといたします。

 以上が私のあいさつ要旨です。
 これから10年間、この大会が行われるわけですが、長野市とし
て何をすればよいか、いろいろ考えてみました。

 まずは、競技に当たって、最高の環境を提供することです。これ
はエムウェーブという世界最高レベルの施設がありますから、あと
は宿泊や市内交通手段などをしっかりとしていくことだと考えてい
ます。

 次は、長野市にお出でいただいた皆さんに、市民の皆さんがオリ
ンピックの時と同じようにおもてなしの心で、接していただきたい
と思います。
 そして、選手にとって一番の励みは大勢の観客がエムウェーブと
ビッグハットに集まって、一生懸命応援してくれることです。満員
となった競技場からの声援は、選手を奮い立たせてくれるはずです
(ただ今年は、冬季国体やオリンピック10周年記念行事もあって、
準備が十分ではなかったのでは・・・今後の課題だと思っています)。

 最後は、全国の中学生スケーターが、長野市へ行けば最高レベル
の選手と競うことができると感じられるように、長野市の小中学生
を鍛え、スケートのレベルを高くすることだと思っています。

 昨年、エムウェーブは国の競技別強化拠点、すなわちナショナル
トレーニングセンター(NTC)に指定されました。当然のことな
がら、長野市は選手強化に対して支援していく義務があると感じて
います。長野市としてはそのことにも、応えなくてはいけないわけ
で、上質な競技条件でトレーニングができる施設の提供とともに、
選手の養成だけでなく、スピードスケート競技の底辺拡大のために、
指導者も雇用して頑張るつもりです。皆さん応援してください。