2010年12月30日木曜日

年末随想(農業への想い)


 先日、インターネットを見ていたところ、明治時代初期の師範学
校について知ることができました。少し引用してみます。

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 師範学校は、卒業後教職に就くことを前提に授業料が掛からない
のみならず、生活も保障されたので、優秀でも貧しい家の子弟への
救済策の役割も果たしていた。師範学校→高等師範学校→文理科大
学というコースをたどれば、学費無料で中等学校→高等学校→帝国
大学というルートに匹敵する教育が受けられたため、経済的な理由
で進学を断念せざるを得ない優秀な人材を多く吸収した。
 この制度に助けられた人物に、明治・大正期の陸軍軍人の秋山好
古や、昭和期の軍人で元韓国大統領のパク・チョンヒ(朴正煕)
(どちらも教師を経て陸軍士官学校入学)、実業家の五島慶太(東
急グループ初代総帥、旧制上田中学校卒業後、小学校の代用教員を
経て東京高等師範学校→英語教師→東京帝国大学)らがいる。
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(秋山好古は、今評判の「坂の上の雲」でも登場していますよね)

 何を言いたいかと言うと、明治の先人たちは、新しい時代の日本
をつくるために、何が大切かを知っていたのだと思います。つまり、
教育ですよね。

 農業者とお話しさせていただくと、多くの皆さんは異口同音に
「みんな高齢者ばかりになって・・・」、「後継者がいない・・・」、
「農産物価格が安くて・・・」、「つらい仕事にくる人がいない・
・・」などとおっしゃいます。このままだと10年後、特に中山間
地域の農業は壊滅してしまう、とおっしゃる方もいます。
 では、これらを解決するためにはどうしたら良いか、いや、どう
すべきなのか・・・具体的な提案はなかなか難しいようです。

 今、二つの命題があります。
(1)農業界は人手不足で困っている
(2)世間では、依然として厳しい雇用情勢が続いている
 この二つをマッチングできないか・・・私なりに考えてみました。

 そこで、前述の師範学校です。あのシステムを今の農業に当ては
められないか、ということです。本来、国がすべきことだとは思い
ますが・・・国がしないのなら、地方自治体としてやってみる、努
力してみる価値があると考えたのです。

 一方、世の中はデフレ、需要が足りない、これらを克服するため
には、新しい付加価値をどこかに具体的に求めなくては駄目・・・
行政として、第二次産業、第三次産業にそれを求めることはなかな
か難しい。今、高い付加価値を求めることができるのは農業しかな
い、そんな気がするのです(行政が商業・工業に手助けできること
は限られているという側面もあります)。
 そして、他産業から農業へ人を誘導するシステムがどうしても必
要なのではないか、と思っています。即効性はないかもしれません
が、じっくり根本から考えていこうということです。

 長野市には、従来から新規就農者を支援するシステムがあります。
1年間農業をやってみて、この人なら農業の担い手として大丈夫だ
ろうという新規就農者を農業委員さんに推薦していただき、その方
に長野市から就農促進奨励金(40歳以下10万円、41~55歳
5万円)を支給するという制度です。毎年10人前後の方が推薦さ
れており、私から奨励金をお渡ししています。
 過去のデータを調べてみると、10年間で100人ぐらいの方が
この奨励金を受給していらっしゃいました。そして、その方々は、
現在も農業に従事しておられることも分かりました。10年間で
100人というのは大変な数字です。現在の長野市の農業を支えて
いるのは、まさにこの人たちであり、よくできた制度だと感じてい
ます。

 ただ、問題は、この100人のうち、本当の意味での新規就農者
は約1割で、大部分は農業後継者(親が農業者)だということです。
それが悪いというわけではありませんが、これでは農業の現状を維
持することが精一杯で、農業の拡大、農業者を増やす方向にはあま
り貢献できていない、そんなことも感じてしまいました。本当の意
味での新規就農者を求めるには、もう少し充実した制度が必要だと
いうことでしょう。

 新規就農者が魅力を感じて農業に取り組めるようにするためには、
就農当初に、ある程度生活費の面倒を見る、きちんと農業を教える、
農地の斡旋(あっせん)もする、地域社会が受け入れる、そんなと
ころまで踏み込まないと駄目なのではないでしょうか・・・。
 私はこのことの実現に向けて、関係者が連携して仕組みを考え、
実行する必要があると考えています。もちろん、教育が大切です。
甘い気持ちで農業を始めて挫折した方の話は、ハウツーものの本を
読んだだけでも枚挙にいとまがありません。

 先日、県の農業大学校を訪問して話をお聞きする機会がありまし
た。私が知らなかっただけで、例えば、里親制度や奨学金制度など、
実は国や県でも、十分ではありませんが、いろいろな農業者育成シ
ステムを持っていることが分かりました(農業大学校は専修学校と
のことですから、卒業すると専門士の称号が得られるそうです。
“農業専門士”ということでしょうか)。
 私が考えているのは、このような国や県の既存システムを組み合
わせて活用し、金額や期間など、それを大きく補完するシステムを
長野市などが提供する、ということです。

 具体的には、農業大学校で勉強することを原則に、ある程度生活
費の面倒を見る、そして徹底的に農業を勉強してもらい、農業社会
に入ってもらう・・・。篠原農林水産副大臣の話をお聴きしますと、
フランスでは、新規就農者に400万円ぐらい支給する制度があっ
て、10年間農業をやれば、返さなくても良いのだそうです。その
くらいしないと、農業に夢を持ち、頑張る若者が出てこないのかも
しれません。

 私としては、例えば、農業後継者には月5万円、全くの新規就農
者には月10万円、それを3年から5年程度継続して支給する、そ
の間、農業大学校と里親をやっている農業者が責任を持って教育す
る・・・大ざっぱに言えば、そんなスキームを想定しています(制
度に登録している里親は、市内に15人おられるそうです)。
 もちろん、教育が終わった後は、10年間ぐらいは長野市で農業
に従事してもらうことを原則にしなくてはならないとは思いますが
・・・。

 では、生活費はいくら支給するか、その期間はどのくらいにした
ら良いか、指導者はどうするか、ある程度経験を積んだとして、農
地をどう世話するのか、農機具や栽培用ハウスにもお金が掛かるそ
うですが、それをどうするか、住宅をどうするか・・・。
 それと、これが大切なのですが、公募を前提に考えるとして、何
人ぐらいの農業者を育成すれば長野市の農業を再生することができ
るのか、ということも考えなくてはいけません(全体のスケールを
考えて取り組むべきでしょう・・・一応の数字として240人ぐら
いかなと農政課では言っていますが・・・)。
 さらに、旧来の農業社会が新規就農者をうまく受け入れてくれる
か、年齢制限をどうするか・・・。考えればいろいろ問題はありそ
うです。

 究極のバラマキ政策みたいで気が進まない面もありますが、農業
は大切だ、農業をやろうよ、そういう掛け声だけでは、つらい、も
うからない、夢を持てないと思われている農業に、新たな専業就農
者は期待できないと思うのです(市民菜園などで趣味的に取り組ん
でいる人は増えていますが、それだけでなく、私は専業農家をつく
る必要を感じています)。
 国の戸別所得補償という政策も出てきました。しかし、大規模農
業者を育てることに重点を置いていることに加え、本年度は稲作限
定で、市内の対象農業者があまりにも少なく、ほとんど恩恵があり
ません(来年度からは、小麦、大豆なども対象になるそうですから、
長野市にもメリットがありそうですが)。

 新規の農業者が生まれるためには、加えて、現在の雇用情勢を少
しでも改善するためには、“農業が魅力的で夢が持てる”と思える
ようにする施策が必要だと思っています。そしてそれは、社会を安
定させる安全弁の役目が果たせる施策であってほしい、正直そう思
っています。

 今年も1年間、このメルマガにお付き合いいただきありがとうご
ざいました。

 迎える新年は、明るく希望に満ちた年となることを期待したいと
思います。皆さまには、くれぐれもご健康に留意され、ご健勝で輝
かしい新年を迎えられますことを祈念しております。

2010年12月23日木曜日

この一年を振り返って


 「広報ながの」12月1日号に「長野市この一年」と題して、今
年一年間の市内の主な出来事を振り返る記事を掲載させていただき
ました。
 たくさんの出来事がありましたので、ここでは、少し視点を変え
て、私なりに出来事をテーマごとに分けて整理してみました。この
一年間の長野市の活動をご理解いただければ幸いです。

[行政・一般]
 ・まずは、長野市と信州新町・中条村との合併です。1月1日午
  前0時、3市町村が合併、カウントダウン会場に集まった皆さ
  んと共にお祝いしました。その5年前の平成17年の1町3村
  との合併を含めますと、7市町村の合併が行われたことになり
  ます。長野市も広くなりました・・・。

 ・市役所第一庁舎・長野市民会館の基本構想を決定しました。そ
  の後いろいろな議論を経て、両施設を現在地(緑町)に建て替
  えることになりました。平成26年度の完成を目指し、来年か
  ら具体的な設計に取り掛かりたいと考えています。

 ・柳原支所・柳原公民館・東部文化ホールが完成
 ・若穂中央公園が全面オープン
 ・住民自治協議会の活動が本格的にスタート
 ・キックオフ・トークを皮切りに、「長野市の未来を語ろう『み
  んなでトーク2010・ながの』」の議論が始まる

[公共交通関係]
 ・路線バス(地域循環バス・乗合タクシーなど)の実証運行を実
  施
 ・長野電鉄屋代線の実証実験を実施
 ・庁用車に電気自動車を導入。今後の本格導入へ向けて準備を開
  始

[観光・文化・文化財関係]
 ・観光キャンペーン「2010松代イヤー」開催
 ・松代観光地路線バスの実証運行を実施
 ・旧樋口家住宅と旧前島家住宅(ともに松代町松代)の公開開始
 ・市立博物館が長野市合併記念事業を開催
 ・松代城築城450年記念 真夏の太鼓競演開催
 ・松代まち歩きセンターがオープン
 ・国指定史跡「真田邸」の保存修理工事が終了、公開開始
 ・生涯学習センター利用者50万人達成
 ・信州デスティネーションキャンペーンが展開(戸隠神社などが
  大にぎわい)

[国際関係]
 ・長野市・クリアウォーター市姉妹都市提携50周年記念市民親
  善訪米団を派遣
 ・鬼無里地区住民有志がオーストリアのベルフェンベンク村を視
  察

[スポーツ関係]
 ・第30回全国中学校スケート大会を開催
 ・バンクーバーオリンピック・パラリンピックで長野市ゆかりの
  選手が大活躍
 ・小平奈緒選手と狩野亮選手に長野市民栄誉賞を授与
 ・第12回長野オリンピック記念長野マラソン大会、第6回長野
  車いすマラソン大会を開催
 ・長野オリンピックスタジアムの人工芝張り替え工事が完了
 ・エムウェーブとスパイラルが、ナショナルトレーニングセンタ
  ーに再指定
 ・裾花中学校女子バレー部が全国大会で優勝(5年ぶり4回目)
 ・長野市陸上競技協会駅伝部が、県市町村対抗駅伝、県市町村対
  抗小学生駅伝、県縦断駅伝で三冠を達成
 ・ゆめ舞台応援プロジェクト・ながの設立。ながの夢応援基金を
  創設、基金への寄付依頼を開始
 ・AC長野パルセイロのJFL(日本フットボールリーグ)昇格
  が決定

[都市計画・産業振興関係]
 ・長野駅前A-3地区再開発ビル「Nacs(ナックス)末広」
  が完成。約40年にわたる関係者の努力が実る
 ・都市計画道路栗田安茂里線が開通
 ・主要地方道長野真田線が開通
 ・川合新田産業用地、第二東部工業団地の分譲開始

[保健福祉関係]
 ・子ども広場「じゃん・けん・ぽん」入館者40万人達成
 ・おひさま広場を開設。全ての幼稚園・保育園で、園開放・育児
  相談開始
 ・西部保育園がしゅん工

[災害関係]
 ・集中豪雨により、篠ノ井・信更地区などで災害発生

 以上、広報広聴課がまとめた今年の主な出来事を私なりのテーマ
で整理してみました(少し追加もしています)。
 項目で見てみますと、行政・一般、観光、スポーツに関する出来
事が多いなあと感じますが、項目数は少なくても重要な課題もたく
さんあることをご理解いただきたいと思います。来年につながる課
題も数多いので、長野市を元気にするために、ぜひご支援をお願い
します。

2010年12月16日木曜日

雪!いよいよスキーシーズンがやってきました


 12月18日(土)は、待ちに待った「戸隠スキー場」、「飯綱
高原スキー場」のオープンです(ただし、戸隠スキー場「中社ゲレ
ンデ」のオープンは28日です)。12月9日には、かなりの降雪
があったようですから、少なくとも戸隠スキー場の当日オープンは
間違いなく大丈夫でしょう。

 戸隠スキー場の素晴らしさは、有名です。先日の市議会12月定
例会でも、ある議員さんのご質問にお答えしたところですが、有名
スキー雑誌のゲレンデ・ランキングで戸隠スキー場は、全国446
のスキー場の中で「総合16位」、「眺望5位」との評価を頂いた
そうです。

 確かに、神秘のパウダースノー“魔法の粉雪”、初心者から上級
者まで楽しめる変化に富んだコース、新幹線駅から1時間かからず
に着けるアクセスの良さ、瑪瑙(めのう)山の頂上から見る眺望の
良さ・・・北アルプス、戸隠連峰、黒姫山、妙高山、火打山を望む
景色は素晴らしいものです。
 そして、宝光社や中社の宿坊街、ペンション街、おいしいそば、
グリーンシーズンや歩くスキーも楽しめる戸隠牧場・・・まだ未開
発の部分もありますが、将来性も含めて戸隠は魅力いっぱいです。

 昨シーズン、古くなった中社ゲレンデと越水ゲレンデの連絡リフ
トを架け替えました。かなりの投資金額になって、一部の皆さんか
らは「このスキー冬の時代になんだ!」とお叱りを頂いたのですが、
私は中社ゲレンデと越水ゲレンデの一体化、あえて言えば「両ゲレ
ンデは運命共同体、一体で頑張りましょう」という意味を込めて、
整備に踏み切ったものです。

 “魔法の粉雪”についても、少し宣伝させてください。戸隠スキ
ー場のパンフレットからの抜き書きです。

 「本州の標高わずか1200メートル程度の多雪地帯に、なぜこ
のような良質の雪が降るのでしょう? 冬の季節風によって日本海
から戸隠へもたらされる雪雲は、北部にそびえる妙高連山や北アル
プスを越え、戸隠連峰に沿うように南西風に乗って運ばれます。日
本海から戸隠までの直線距離は本来なら50キロメートルですが、
北アルプスを経由する長い道のりの過程で、水分の多い重い雪は落
ち、驚くほど軽い雪だけが『魔法の粉雪』となって戸隠に降り積も
るのです。」

 これで戸隠の雪が、いかに神秘的か、お分かりいただけたと思い
ます。私とすれば、この雪質を生かして、ぜひ国際的なスキー大会
を戸隠で開催したいと思っているのですが・・・。

 飯綱高原スキー場は、長野市街地から30分足らずで行くことが
できます。私の友人いわく、「50万人近い人口を有する場所で、
30分ぐらいで標高1000メートル以上に行ける場所なんて、世
界中にあまりないよ・・・」とのことです。
 飯綱高原スキー場は、近いだけでなく、ゲレンデも素晴らしい。
ただ、南斜面のため、ベストシーズンが少し短いのは残念です。で
も、私も好きなコースです。今シーズンも楽しみたいものです。
 行政としては、スキーもそりもできる、子どもの遊園地のような
場所にするのが良いのかなあと思っています。

 長野の冬の観光の基本はスキーです。確かに現在はスキーの人気
は落ちていて、スキー場は苦しい経営を強いられていますが、私は
必ず再生できる、いや、しなくてはならないと考え、頑張っていま
す。
 これだけスキー人気が落ちているのですから、現在この地方にあ
るスキー場が全て生き残れるなんて思っていません。現に長野市で
も、積雪が少なくシーズンが短い、そしてアクセスに難がある聖山
パノラマスキー場は、昨シーズン限りで閉じさせていただきました
(地元の大岡地区の皆さんには、本当に苦渋の選択をしていただき
ました)。

 先日、戸隠と飯綱高原スキー場のオープンに備え、足慣らしとい
うことで、仲間と志賀高原の横手山スキー場へ行ってきました。横
手山は標高が戸隠や飯綱高原よりかなり高いので、スキーシーズン
が長く、早くから滑れる、うらやましいスキー場です。志賀高原の
中でも、一番標高が高いスキー場のようです。また、頂上に日本一
高い場所にあるパン屋さんやラーメン屋さんがあることでも有名で
す。とにかく素晴らしいスキー場で、とても楽しく滑ってきました。

 そして、今シーズン私は、数年間使い続けたスキーを新調しまし
た。ところが、新調したスキーの取り回しが思いのほか難しいので
す。スキー板自体の技術が進歩しているのでしょうか、これまでの
板の感覚との違いに結構戸惑っています。そのうちに慣れると思っ
ていますが・・・まあ、楽しく滑ることにしましょう。

 スキーには、自分の体を動かすことの楽しさがあります。そして、
身近な自然の魅力を体感する良い機会でもあるでしょう。
 近年は、ゲームなど、コンピューターで作り出された仮想の世界
に浸りきっている人が増えているように感じています。冬とはいえ、
室内にばかりこもらず、ウインタースポーツを楽しんでみるのはい
かがでしょうか。こんなに素晴らしい場所が身近にあるのですから、
利用しないなんてもったいないと思います。皆さんもスキー場に出
掛けませんか。おすすめです。

 17日は飯綱高原スキー場の安全祈願祭。翌18日は、いよいよ
オープンです。朝行われる戸隠スキー場の安全祈願祭の後、私は、
半日、仲間と一緒に滑ることにしています。

 話は変わります。本当かどうか分かりませんが、日本でスキー板
を作っているのは、長野市の小賀坂スキー製作所(OGASAKA
SKI)だけだと聞いたことがあります。昔はいろいろなスキー製
作会社があったことを覚えていますが、確かに、最近はあまり見掛
けなくなったように感じています。スノーボードの工場はあるそう
ですが、スキー工場は中国へ移ってしまったのでしょうか・・・。
 調べてみますと、どうも、現在も国内で生産しているスキーメー
カーは、小賀坂さんだけではないようでした。ただ、国産スキーの
トップメーカーであることに間違いはなさそうです。

2010年12月9日木曜日

サッカーのAC長野パルセイロ、JFLへ


 うれしいニュースです。
 12月3、4、5日の3日間、千葉県市原市で開催された「第
34回全国地域サッカーリーグ決勝大会」の決勝ラウンドで、AC
長野パルセイロが見事2位に入り、日本フットボールリーグ(JF
L)昇格への切符を獲得しました。そして、昨日開かれたJFL理
事会で、パルセイロのJFL昇格が正式に決定したそうです。

 「決勝大会」の1次ラウンドは、各地域リーグの優勝チーム、全
国社会人サッカー選手権大会優勝チームなど、12チームが3グル
ープ(1グループ4チーム)に分かれて対戦。パルセイロは北信越
地域リーグで優勝し、この大会に駒を進めていました。

 3日間で3連戦をこなす厳しい日程の大会です。パルセイロが属
したCグループの試合は、四国の高知市で開催。パルセイロは、カ
マタマーレ讃岐(香川県)にPK戦で負けて2勝1敗。グループ1
位であれば問題なく決勝ラウンドへ進めるのですが、残念ながらパ
ルセイロは2位でした。しかし、各グループの2位の中で最高成績
のチームが決勝に進めるというワイルドカードに救われ、決勝ラウ
ンド4チームに残ることができたのです。

 舞台は市原市に移って、決勝ラウンド。再び4チームのリーグ戦、
すなわち再び3連戦という厳しい日程でした。ルールでは、このラ
ウンドで1位か2位になると自動的にJFLへ昇格。3位はJFL
の下位チームと入れ替え戦を行って、勝てば昇格できるということ
になっています。

 初戦のカマタマーレ讃岐には、またもやPK戦で負け。2戦目の
三洋電機洲本サッカー部(兵庫県)には4対0で圧勝、3戦目のN
PO横浜スポーツ&カルチャークラブ(神奈川県)にはまたまたP
K決着で負け。しかし、結局、勝ち点5で2位が確定しました。
 この大会の順位決定は点数制で、試合時間内の勝利は勝ち点3、
負けると勝ち点0、PK戦での勝利は勝ち点2、負けても勝ち点1
だそうで、この合計点で順位を決めます。なおかつ同点の場合は、
得失点差も影響するようです。パルセイロは、激戦を見事勝ち残り、
JFLへの切符を獲得しました。

 長野から市原市入りした応援団は、500人を超えていたそうで
す。見事にスタンドをチームカラーのオレンジ色に染めることがで
きました。
 そして、パルセイロの弱点なのでしょうか、今回、PK戦での弱
さが気になりました。しかし、幸いにもJFLの試合にPK戦はな
く、引き分けとなるそうですから、ひとまずご心配には及びません。

 5日夜には、選手の皆さんがバスで凱旋(がいせん)。午後9時
から、トイーゴ広場で報告会が開かれました。
 JFL昇格、本当にうれしい。選手・監督・役員・サポーターの
皆さん、本当にお疲れさま、そしておめでとう。長野エルザ結成以
来20年、長年の苦労が報いられました。

 “スポーツを軸としたまちづくり”を掲げている長野市としても、
大きな一歩であると思います。確かに、JFLに昇格したことによ
る悩みも出てくるのですが、でも長野エルザの時代からの努力が実
を結んだのですから、ここは素直に喜びたいと思います。
 私は試合会場へ応援に行くことができず、インターネット中継で
観戦していました。長野エルザ結成当初からずっとチームに関わり、
代表を務めてこられた丸山さんが、表彰式で2位の賞状を受け取っ
ている姿を画面で拝見しましたが、本当に万感迫る思いだったろう
と想像しています。

 話は変わりますが、本年度が始まった4月以降これまでに、市内
在住のアスリートをはじめ、いろいろなスポーツチームが活躍し、
市役所に報告に来ていただいています。“スポーツを軸としたまち
づくり”が、少しずつ前進していると感じています。
 以下、秘書課の記録を追ってまとめてみました。

5月
・長野県市町村対抗駅伝競走大会長野市チーム 11年連続優勝
  他チームからのマークも一段と厳しくなる中での11連覇。本
  当に素晴らしいと思っています。

・長野県市町村対抗小学生駅伝競走大会長野市チーム 初優勝
  20分30秒という大会新記録での初優勝でした。

7月
・長野東リトルシニアリーグ 全国大会出場
  2年ぶり3回目、そして、チーム結成40年という節目の年の
  全国大会出場です。

・中学生女子ソフトボールクラブ 全国大会出場
  予選では、圧倒的な強さを発揮して、全国大会出場を決めたそ
  うです。

8月
・日本空手協会(市内4支部) 小中学生全国大会 優勝ほか
  中学生女子団体形の部で優勝、中学生2年女子と中学生1年男
  子ともに個人組み手の部で準優勝。そのほか、9部門で入賞と
  のこと。素晴らしい成績です。

・東北中学校サッカー部 全国大会出場
  長野市の中学校サッカー部では、初の全国大会出場だったそう
  です。

・竹下友崇選手、清水直弥選手 カヌーポロ世界選手権大会出場
  U-21部門の日本代表選手10人のうち、2人が長野市出身
  ということで、とても名誉なことです。ところで、カヌーポロ
  という競技は、カヌーに乗って水上で行うバスケットボールと
  ハンドボールを合わせたような競技とのことです。

9月
・女子ソフトボールチーム「ゴーゴービューティー」全国大会出場
  過去8年間で5回の出場とのことで、全国大会常連チームなの
  だそうです。こちらもチーム結成30年という節目の年の出場
  でした。

・裾花中学校女子バレーボール部 全国大会優勝
  女子バレーボールの伝統校で、5年ぶり4回目の全国制覇です。

・国体出場選手壮行会((財)長野市体育協会主催)
  長野県選手団416人のうち、市内在住選手は51人、17競
  技に出場されました。

10月
・全国障害者スポーツ大会出場選手激励会
  長野県選手団36人のうち、市内在住選手は5人、3競技に出
  場されました。

12月
・長野県縦断駅伝競走長野市チーム 優勝
  4年ぶり10回目の優勝です。2位とは大会史上最小の11秒
  差だったそうですが、1日目の4位からの見事な逆転勝利でし
  た。

 お越しいただいた皆さん、本当におめでとうございます。厳しい
練習に耐えた上での成果だったのでしょう。皆さんの活躍は、長野
市としても誇りに思っています。ぜひ来年も、素晴らしい成果を挙
げ、報告に来てください。お待ちしています。
 さらに、このほか、市役所へお越しいただいていない皆さんの活
躍もたくさんありそうです。スポーツで、明るく元気な長野市です。

2010年12月2日木曜日

最近の出来事4題


 今回は、ここ最近の出来事で、皆さんにご報告しておいた方が良
いと考えていることについて、まとめて書かせていただきます。

(1)消防広域化
 10月26日、消防広域化研究協議会の正副会長会議があり、消
防広域化の枠組みなどの方向性について協議を行いました。この研
究協議会は、消防組織法の改正と国の指針を受けて県が策定した
「消防広域化推進計画」に基づいて設置されたもので、東北信地域
の消防広域化について協議を進めていました。

 この日の協議で達した結論は、国が示した期限である平成24年
度末までに東北信地域の消防組織を統合・広域化することは困難で
あるということです。今後は、「将来的な一本化」を視野に東北信
地域内の連携を保ちながら、消防本部ごとに調査研究を重ねていく
ことになりました。ただし、「消防救急無線のデジタル化」につい
ては、東北信地域で一本化して整備していくことにしています。

 今回の結論に達するまでには、研究協議会の総会や正副会長会議
のほか、検討会や研究会を設けて検討を進めてきました。あらため
て申し上げるまでもありませんが、消防を取り巻く環境の変化や大
規模災害などに備えるためにも、消防体制の整備・確立は必要なこ
とです。
 しかし、研究を進める中では、管轄人口や面積、組織規模、財政
規模の違いなどから、広域化によるメリットの大きい地域と小さい
地域があること、また広域化した場合の災害対応面、組織運営面、
財政負担面などの問題が浮き彫りになってきたことも事実です。特
に組織運営面では、二交代制・三交代制など、現状の勤務体制の相
違も課題になりました。
 また、市町村合併とは違い消防組織の統合は、現場組織であるが
故に合理化ができないという事情もあります。すなわち、人員を削
減すると、現段階では、どうしても住民サービスの低下に直結して
しまう可能性があるのです。これらのことを克服できなかったこと
が、今回の結論に至った大きな要因だと思っています。

 研究協議会では、東北信地域に暮らす110万人の住民の皆さん
が、より充実した消防サービスを受けられるよう研究してきました
が、その結果は、必ずしも県の計画と一致するものではありません
でした。しかし、これまで手間をかけて検討・協議してきたことは、
決して無駄ではなく、将来、必ず役に立つと信じています。
 今後とも、「将来的な東北信地域の一本化」を視野に、調査研究
を重ねることができればと思っています。

(2)長野森林組合 長野市林業経営構造対策事業 しゅん工式
 11月8日、鬼無里地区にある長野森林組合の「おが粉製造施設」
のしゅん工式にお招きいただきました。
 林業を取り巻く環境は、厳しい状況が続いていますが、森林には
二酸化炭素の吸収源や災害防止などの役割のほか、木質バイオマス
燃料供給源としての利用についても期待が高まっていることはご承
知のとおりです。

 森林の持つ多面的機能を維持・管理するためには、間伐を進める
ことが重要であり、本市でも、国・県の支援や森林組合のご協力を
頂きながら、積極的に取り組んでいます。
 しかしながら、間伐材については、木材価格の低迷や搬出コスト
が高いことなどから、本市の間伐材の約8割が現場に切り捨てられ
たままになっているのが現状で、有効活用されていません。このた
びしゅん工したおが粉製造施設は、このような間伐材の利活用に道
を開くもので、今後、間伐材の搬出が進み、有効活用できるように
なるものと期待しているところです。

 長野市では、「すべての政策に環境の屋根を架ける」ことを政策
の一つとして取り組んでいます。今回、おが粉製造施設がしゅん工
し、間伐材などの木質ペレット燃料化が可能になったことで、バイ
オマス資源を活用した自然エネルギー利用の拡大による温室効果ガ
ス削減に向けて、大きな効果を見込むことができます。また、木材
を利活用した新たな産業の育成にもつながることでしょう。

 このように、おが粉製造施設は、林業経営構造の確立を図るため
のツールであるほか、バイオマス資源の利用拡大による循環型社会
を構築するツール、さらには、地域における新たな雇用創出につな
がるツールとしても効果が期待できると考えています。ちょっと期
待しすぎかもしれませんが、それぐらい、本市にとって大変意義深
いものと考えており、この施設の設置については、市としても最大
限の支援をしてきました。

 この施設導入により生産されるペレットは、地域材100%の
「Nagano・Pellets(長野ペレット)」の名称で、市
内を中心に東北信地域にも販売することになっています。このほか
おが粉は、キノコ培地としての需要も多いようです。
 長野市としても、このたびの施設完成に合わせ、市有施設へのペ
レットボイラー導入を進め、ペレット需要拡大に努めていくことに
しています。

(3)涌池史跡公園しゅん工式
 11月25日、信更地区に涌池史跡公園がしゅん工しました。こ
の地域では、弘化4(1847)年の善光寺地震により、斜面崩壊
という大災害を経験しています。涌池史跡公園は、この経験を風化
させることなく、末永く後世に語り継ぎ、防災意識の高揚に役立て
たいという涌池区民の皆さんの熱意により、県の「元気づくり支援
金」を活用して区民の皆さんが整備したものです。

 樹木の伐採や草刈り、遊歩道整備、石積みなど、区民の皆さんの
参加によりしゅん工に至ったということでしたが、事業の決算書を
見せていただきますと、県の「元気づくり支援金」、区の予算から
の支出のほか、経費の面においても各戸が一定の負担をされている
ようです。
 公園にある桜の木や周辺の草木については、これから大きくなっ
ていくだろうと期待を込める部分もありますが、行政が造る公園に
勝るとも劣らない、見事な出来栄えだと思いました。しゅん工式に
は、お年寄りから若者まで、地域を挙げて大勢の皆さんが参加され
ていたことからも、皆さんの思い入れが感じられます。獅子舞の披
露もありました。

 この事業を進めてきた信更地区住民自治協議会会長でもある涌池
区長の村田憲一さんをはじめ、役員の皆さんのリーダーシップには、
感激しているところです。そして、しゅん工式でのあいさつでも申
し上げさせていただきましたが、涌池区の皆さんの取り組みは、長
野市が目指す自治のモデルともなる素晴らしい取り組みだと思って
います。

(4)ふるさとNAGANO応援団
 11月26日、都内で「ふるさとNAGANO応援団」の意見交
換会を開催しました。
 応援団のメンバーの皆さんには、任期3年でお願いしていました
ので、本年でいったんその任期が来たわけです。そこで、メンバー
の皆さん全員に継続をお願いしたところ、ご快諾を頂いたことに加
え、新たに7人の皆さんにも加わっていただくことができました。
 メンバーの皆さんは、何らかの形で長野市とご縁を結んでおられ
る方々ですので、今後も、その高い見識で長野市へのアドバイス、
そして長野市のPRをしていただくようにお願いしたところです。
“長野市の存在をもう一段高めたい”そのことへの支援を期待して
います。

 意見交換会では、私から長野市の現状を説明させていただいた後、
意見交換に移ったのですが、今までにも増していろいろなご意見を
頂くことができ、外から見た長野市という視点で、勉強させられる
ことが多かったと感じています。その後の交流会での会話を含め、
大変有意義な会合でした。メンバーの皆さんには心から感謝いたし
ます。
 なお、メンバーの皆さんは、今回新たにお願いした方々を含め、
以下のとおりです(50音順)。

青木擴憲さん(株式会社AOKIホールディングス代表取締役会長)
荒井寿光さん(東京中小企業投資育成株式会社代表取締役社長)
井浦秀夫さん(漫画家)
猪瀬直樹さん(作家、東京都副知事)
碓井光明さん(明治大学大学院法務研究科教授、東京大学名誉教授)
恩田乾次郎さん(株式会社ウイングメディカル代表取締役社長)
加藤和年さん(株式会社ながの東急百貨店顧問)【新メンバー】
金井政明さん(株式会社良品計画代表取締役社長)
北村晴男さん(弁護士)
小島秀康さん(国立極地研究所教授)
齋藤宣彦さん(医師)
眞田幸俊さん(慶應義塾大学理工学部准教授)
佐野幸男さん(株式会社協和エクシオ NTT営業本部長)
島田博文さん(コムシスホールディングス株式会社相談役)
清水愼一さん(株式会社ジェイティービー常務取締役)【新メンバー】
鈴木善統さん(日本電子計算機株式会社常務取締役)
高野 登さん(元ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本
       支社長)
竹元正美さん(外務省特命全権大使(査察担当))【新メンバー】
田中信義さん(キヤノン株式会社顧問、東北大学特任教授)
鶴田康則さん(日本OTC医薬品協会理事長)
童門冬二さん(作家)
徳永 保さん(文部科学省国立教育政策研究所長)【新メンバー】
飛田紀久子さん(広報アドバイザー、「千曲川草誌」編集・発行)
永澤征治さん(長野朝日放送株式会社特別顧問)【新メンバー】
中村 健さん(信越化学工業株式会社取締役)
夏目雄平さん(千葉大学大学院理学研究科教授)
幡野保裕さん(郵船クルーズ株式会社顧問)
服部信孝さん(順天堂大学医学部脳神経内科教授)
花岡信昭さん(拓殖大学大学院地方政治行政研究科教授)
飛田和緒さん(料理家)
松木則夫さん(東京大学大学院薬学系研究科教授)
丸田義晴さん(財団法人全国法人会総連合事務局長)
三神万里子さん(ジャーナリスト、キャスター、信州大学経営大学院
       客員准教授)【新メンバー】
宮林茂幸さん(東京農業大学地域環境科学部長)【新メンバー】
持田澄子さん(東京医科大学教授)
山田真美さん(作家)
依田 巽さん(株式会社ティーワイリミテッド代表取締役会長)