2013年5月30日木曜日

長野市の持続的発展を目指して


 「平成27年という年は、長野市が『変わる』一つのターニング
ポイントになります」これは、昨年私が初めてのメールマガジンで
書いた一文です。
 現在、長野市では平成27年に向けて、大規模プロジェクト事業
を推進している真っ最中です。「長野新幹線の金沢延伸」と「善光
寺御開帳」に合わせた長野駅善光寺口駅前広場の整備もその一つで、
本格的に整備を進めるため、5月連休明けから一般車両の進入を制
限させていただいたニュースは皆さんの記憶にも新しいことでしょ
う。何かとご不便をお掛けすることもあるかと思いますが、しばら
くの間ご理解とご協力をお願いします。

 さて、この平成27年を含めて、現在長野市が抱える県政に関係
する課題について率直な意見交換をさせていただくため、5月20
日に長野市選出県議会議員の皆さまとの懇談会を開催しました。
 当日、議題とした懸案・課題事項は主に次のとおりです。

1 長野県立大学の早期開設について
 県では、長野県短期大学の4年制化による新たな県立大学の開設
に向けて「長野県立大学設立準備委員会」を立ち上げ、「基本構想
」の策定が現在進められているところです。
 長野市にとって、新たな4年制大学の開設は、長年の悲願であり、
地域を担う人材の育成や、地域振興・活性化への貢献、さらには県
の教育力の向上など、その効果に大きな期待を寄せているところで
す。
 後町小学校跡地の活用を含め、魅力ある県立大学の早期開設を要
望させていただきました。長野市としても、県立大学の所在市とし
て最大限の協力をしていく所存です。新しい大学の具体的な姿を、
早く明らかにしてほしいと待ち望んでいます。

2 南長野運動公園総合球技場整備事業に対する支援について
 現在、AC長野パルセイロがホームスタジアムとして使用してい
る南長野運動公園総合球技場は、残念ながら収容人数などのJリー
グ基準を満たしていません。
 県内でJリーグ規格の総合球技場は、松本市にある県営の「アル
ウィン(松本平広域公園総合球技場)」のみで、長野市サッカー協
会や長野市ラグビー・フットボール協会などから長野市における総
合球技場の整備を要望されています。
 長野市では、昨年の9月市議会において、南長野運動公園総合球
技場をJリーグ基準のスタジアムへ改修することを決定しました。
平成25年3月には設計業務委託契約を行い、これもまた平成27
年、その2月末の完成に向けて事業を進めています。子どもたちに、
Jリーグやなでしこリーグなどプロチームのサッカーを見せてあげ
たい。今や、オリンピックスタジアムで読売ジャイアンツなどのプ
ロ野球が生で見られるように。そんな思いです。
 また、平成31年に日本での開催が決定している「2019ラグ
ビーワールドカップ」の前哨戦や交流戦、また、国内トップレベル
の大会などの開催も期待できます。
 こうした状況を踏まえ、本事業は長野市が主体となりますが、県
営のアルウィンとともに、県とプロスポーツチームとの連携による
「スポーツによる元気な信州づくり」の推進や、県内における均衡
あるスポーツ文化の醸成・発展のため、東北信地域におけるスポー
ツの拠点施設として位置付け、県の財政支援を要望させていただき
ました。併せて、「市民スタジアム」として胸が張れるよう、市民
の皆さんのご寄付もよろしくお願いします。

3 北しなの線(長野以北並行在来線)新駅設置について
 新幹線金沢延伸後にJRから経営分離される北しなの線は、長野
市にとって重要な社会基盤であります。県の新総合交通ビジョンに
も北しなの線の「維持・存続」が明記されていますが、厳しい経営
が予想されていて、安定した運行を続けるには、利用促進が不可欠
な路線です。
 新駅設置によって、市民の皆さんの利便性向上と利用者増による
鉄道事業の安定化、自動車からの乗り換えによる交通渋滞の緩和な
どが期待できます。
 昨年度の調査の結果、「北長野駅~三才駅」間への新駅設置に優
位性が認められました。今後、関係機関との調整などにかなりの期
間と、建設には多額の事業費が必要となりますので、国庫補助制度
に協調して、県においても補助制度の創設を要望させていただきま
した。

 以上3つの議題に加え、「県営ため池等整備事業『長野地区』の
整備促進」や「県管理道路の整備促進」、また「災害に強い県管理
の河川施設の整備促進」についても懇談させてもらいました。議員
の皆さまとは率直な意見交換をさせていただくことができ、とても
有意義な場となりました。今後とも、貴重なご意見を頂きながら、
主要事業を推進し、さらなる長野市の発展につなげていきたいと考
えていますので、住民代表である議員の皆さまのご支援とご協力を
切に願っています。

 このように、「長野新幹線の金沢延伸に合わせた長野駅前整備」、
「南長野運動公園の総合球技場の整備」、「北しなの線の開業」な
ど、平成27年に向けさまざまなハード面での整備を進める一方で、
ソフト面においては、北陸の新幹線沿線各市との連携強化を図ると
ともに、シティプロモーションを推進することを考えています。ま
た、長野市の持つ文化、風土、自然、歴史を、もう一度見詰め直す
ため、今年初めて「ながの百景」を募集しています。市民の皆さん
には、長野市の素晴らしさを再認識してもらうことで、郷土への愛
着心や誇りを持っていただきたい。また、長野市の魅力を最大限に
広く全国へ情報発信することで、長野市外の皆さんには、長野市の
良さを、来て、見て、感じていただきたい。それによって、集客や
都市間の観光交流人口が拡大すること、さらには、次世代を担う若
者が定着してくれることを期待しています。

 平成27年はあくまで通過点です。長野市に今ある活力を、一過
性のものとして終わらせてはいけません。県都にふさわしい都市の
形成を目指し、長野市はその先を今からしっかりと見据え、さらな
る持続的な発展を遂げていきたい。そのために、市民の皆さんのご
理解とご協力が、何にも増して必要です。私はそのように考えてい
ます。

2013年5月23日木曜日

太陽光発電の先進地視察


 5月2日、環境部の職員と一緒に太陽光発電の先進地である山梨
県北杜市に出掛けました。北杜市一帯は日本でも有数の太陽光発電
の適地(日照時間が長く、気候が比較的涼しいため)とのことで、
太陽光パネルがあちこちに見られました。気候が涼しいとパネルの
温度が上がらないため、発電効率が落ちないそうです。

 特に今回視察した「北杜サイト太陽光発電所(2メガワット級)」
は、国の機関である独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開
発機構(NEDO)」が実証実験のために「稚内サイト」(北海道)
と共に整備したもので、素晴らしいものでした。約10ヘクタール
の広大な土地に設置された施設は、建設に約30億円掛かったとの
ことですが、うらやましいことに、5年間の実証実験終了後は国か
ら北杜市に無償譲渡され、北杜市の市営発電所として稼動し、毎年
約1億円の売電料が入るとのことです。国内メーカーをはじめ、世
界9カ国のパネルメーカーの単・多結晶パネルや、化合物系結晶パ
ネルなど、材質や形状が異なる27種類のパネルが雄大な八ヶ岳を
バックに整然と並んでいる光景は圧巻でした。中には、効率的な発
電を検証するため、パネルの傾斜角度を15度、30度、45度に
設置し比較する実験区画もありました。こうなると、どのメーカー
のパネルが一番優れているか気になるところですが・・・それは公
表しないとのことでした(当然ですよね)。

 県内に戻って、富士見町の「ヘリオスタット(太陽光追尾装置)」
を視察しました。これは、太陽の動きに追従し、直径50センチメ
ートルの反射鏡2,680枚の向きを調整しながら、集光・集熱を
行う装置(250キロワット級)で、閉校となった中学校跡地に
NEDOの補助で設置されたものです。一般的なパネル型とは違う
「集光型」で、視察前のイメージとは違って、かなり高度な仕組み
のものでした。現在は発電ではなく、集光・集熱による蓄熱の実証
実験中とのことで、将来的には、蓄熱したエネルギーで「海水の真
水化」や「酸化マグネシウムを酸素とマグネシウムに分解するリサ
イクル技術の確立」など、さまざまな用途に使えるよう研究してい
るとのことです。

 今回の視察で、大規模な太陽光発電を行う場合、広い敷地の確保
や日照時間はもとより、気温(特に夏場の温度)や土地の形状、ま
た、送電線の有無、パネルの反射やパワーコンディショナー(電気
の変換機器)から発生する騒音対策など、さまざまな検討が必要で
あることを再認識しました。また、現在、多くの企業が太陽光発電
による売電ビジネスに参入を始めている中、売電価格も1キロワッ
ト当たり42円から先月38円に下がりましたし、発送電分離とい
った問題があるなど、今後の動向も気になるところです。

 現在、長野市には、今回視察したような大規模な太陽光発電施設
(メガソーラー)はありませんが、「すべての政策に環境の屋根を
架けよう」と、長野市ではこれまでにもさまざまな取り組みを行っ
てきています。一般住宅や事業所を対象にした太陽光発電システム
の設置補助事業では、昨年度末までの決算見込みで、補助累計件数
が5,748件、補助総額7億4,607万円と、1メガワットの
メガソーラーシステム24基分に相当する規模となっています。
 その他、大岡地区の小水力発電(大岡小・中学校の電力の約3分
の1を賄っています)や奥裾花自然園の小水力・太陽光・バイオデ
ィーゼルによる発電事業の着手、保科温泉への木質ペレットボイラ
ーや市有施設へのペレットストーブの導入、商店街街路灯や各地区
の防犯灯のLED(発光ダイオード)化などの環境政策も積極的に
進めています。
 また、小・中学校や保育所など、37カ所の市有施設に太陽光パ
ネルを設置していますし、現在建設を進めている新市役所第一庁舎
・新長野市民会館、そして来年建設に着手する南長野運動公園総合
球技場などにも設置する計画です。

 以前かじとり通信で、「藻から石油が採れる。日本は産油国にな
れる」といった研究があることをご紹介しました。藻によるバイオ
マス燃料については担当職員が早速視察してきましたが、まだ費用
対効果など研究課題は多いようです。また、特殊塗料で太陽光発電
なんていう研究が進んでいることも聞いています。
 こうした夢のある未来のエネルギーには引き続き注目していきた
いと考えていますし、太陽光発電をはじめとした次世代エネルギー
開発は、アベノミクスが掲げる3本目の矢、「成長戦略」の有力候
補の一つではないでしょうか。

 4月から5月の上旬にかけて、天候が不安定で心配しましたが、
ここに来て、連日暑い日が続いています。市役所では、昨年より3
日早い5月7日から全庁でクールビズを始めました。私もクールビ
ズは夏の正装だと考え、毎日ノーネクタイで仕事をしています。
 環境への取り組みで大事なことは、一人一人ができる小さなこと
を積み重ねていくことだと思います。冷房の温度を高めに設定する。
小まめに電気を切る。LEDなどの節電型の照明を使用する。車の
不要なアイドリングをやめる・・・。こうしたささいな取り組みの
一つ一つが、みんなの意識やライフスタイルを変え、環境の改善に
つながるのです。
 クールビズもささいなことかもしれませんが、今年も率先して取
り組んでいきたいと思っています。

2013年5月16日木曜日

長野オリンピック同窓会


 大型連休が明けて、あちこちで行われていたイベントも終了しま
した。昔は、道路が渋滞したり、交通機関が混雑する様を「民族の
大移動」などと言っていましたが、人々の生活は正常に戻りつつあ
るようです。連休中は、孫がわが家をにぎやかにしてくれましたが、
今は夫婦二人の生活に戻り、落ち着きを取り戻しました。

 AC長野パルセイロは、トップチーム、レディース、共に少しず
つ調子を上げてきました。連休明けの試合では、両チームとも勝利
を挙げられず少し足踏み状態の感もありますが・・・現在、トップ
チームはJFL(日本フットボールリーグ)3位、レディースはチ
ャレンジリーグ10位です。しかしながらトップチームについては、
ホームゲームでの平均観客数が現在2,045人と、昨季に比べ
800人ほど下回っています。ホームゲームの日が天候に恵まれな
かったこともあると思いますし、連休中は他にいろいろな楽しみが
あって、「そちらにお客さんを取られたのかなあ」なんて勝手に思
ってもいますが・・・(茶臼山のモノレールは長い行列ができるほ
どの人気だったそうです)。
 監督や選手たちは頑張っています。これから、もっともっと皆で
応援していきましょう。

 まったく私的な会合ですが、5月11日に開かれた「長野オリン
ピック同窓会」に出席しました。1998年長野冬季オリンピック
で、同組織委員会(NAOC)で頑張った県職員、市町村職員、企
業から派遣された皆さんなど・・・私はNAOCの実行委員とボラ
ンティア団体「チーム98」の会長を務めさせていただいた縁で、
今回この同窓会に呼ばれましたが、こうした人たちが長野冬季オリ
ンピック開催15年の記念ということで3年ぶりに集まったわけで
す。

 この同窓会は、楽しかった、あるいは苦労した思い出話などを皆
でワイワイと談笑することに大きな意義があると思いますが、「あ
の感激をもう一度味わいたい」「長野冬季オリンピック開催から
15年以上経過して、ここ長野でスポーツの祭典・オリンピックが
開催されたことを知らない子どももたくさんいる時代になっている。
何とかあの感動を体験させてあげたい・・・」そんな気持ちが皆の
胸の中に渦巻いていることは事実でしょう。私も含めて、長野で2
度目の冬季オリンピックが実現するまで生きていられる方は・・・
などと余計な心配もしていますが。

 現在、東京都が2020年の夏季オリンピック・パラリンピック
開催都市に立候補しており、イスタンブールとマドリードが相手で、
激戦と言われています。長野市としては、日本におけるオリンピッ
ク開催都市としての責任もあり、東京都にぜひ勝ってほしいと願っ
ています。長野市議会でも、3月市議会定例会において招致活動支
援の議決を行い、先日、長野市議会の祢津議長と一緒に東京都に決
議文をお届けしました(猪瀬直樹都知事は長野市出身という縁もあ
ります)。開催が実現できたら素晴らしいですよね。

 現段階で、長野への冬季オリンピック招致を打ち出すことは、ま
もなく決まる東京都の招致結果に影響するのではないか・・・夏季
と冬季は違うとはいえ、東京都の招致活動にわずかなりとも影響を
与えるようでは申し訳ない、そんな気持ちから大きな声での運動は
慎んできました。

 1964年に東京オリンピックが開催されてから、1972年に
札幌冬季オリンピックが開催されるまでの間は8年ありました。そ
の伝でいけば2020年に東京オリンピック開催となった場合、長
野は2028年ごろが狙い目かもしれません。あるいはもう少し早
く実現できるかも・・・。

 オリンピック開催都市の決定は国際オリンピック委員会(IOC)
委員の投票によって決定されます。長野オリンピックを招致した当
時は、大勢のIOC委員を長野市にお迎えし、現地を視察していた
だきました。視察中に市民と交流していただきながらオリンピック
開催に対する熱意を直接感じ取っていただき、「長野」に投票いた
だくよう運動を展開してきました。しかし、現在はルールが大きく
変わって、個々のIOC委員が立候補都市を訪問することは禁じら
れています。その代わりにIOC評価委員会が調査に訪れ、同評価
委員会が作成する「評価報告書」と「各立候補都市のプレゼンテー
ション」に基づきIOC委員が投票し、開催都市が決定されるよう
です。招致活動も大きく様変わりしています。
 夏季と冬季オリンピックの違いは規模だけでなく競技種目の数と
種類、自然条件などが大きく影響しそうですし、治安と自然保護活
動も影響がありそうです。今後もいろいろな変化が予想されます。
ただ冬季オリンピックは夏季とは違い、自然条件の制約が大きいた
め世界の中でも開催できる場所は限られてしまうようですから、長
野での2度目の開催も決して夢ではないと思っています。ユースオ
リンピック、アジア競技大会、ユニバーシアードなどの招致に挑戦
しながら、チャンスを待つべきなのかとも感じています。

 新幹線が金沢まで開通し、さらに大阪まで延伸することにより、
長野市は関東だけでなく、北陸、そして関西をはじめとした西日本
とも広く結ばれ、今まで以上に多くの人々が長野市に集うことがで
きます。まさに、日本の真ん中で開催するオリンピックになるわけ
です。「夢」、そして「長野市が新たに目指す旗」を・・・これか
ら生まれてくる子どもたちに与えたいというのが私の夢です。
 いつの日か、この夢を大きく花開かせたい。そんな思いを強くし

2013年5月9日木曜日

大型連休の活動記録


 連休中の主な市長日程(プライベートにも少し触れてみます)に
ついて、報告します。

大型連休前半
 4月27日 茶臼山モノレール開通式
 4月28日 AC長野パルセイロ・レディース対セレッソ大阪堺
       レディース戦の応援
 4月29日 休日 野沢温泉スキー場に今シーズン最後(多分)
       のスキーツアー
 4月30日 信濃川水系学識者会議上流部会
 5月1日  長野県中央メーデー。全国若手市議会議員の会役員
       会。AC長野パルセイロ対横河武蔵野FC戦の応援。
       長野商工会議所女性会総会
 5月2日  山梨県北杜市ほかへ太陽光発電施設の視察

大型連休後半
 5月3日 虫倉山開山祭。「善光寺花回廊 ながの花フェスタ
      2013」開会式
 5月4日 信濃グランセローズの長野オリンピックスタジアム初
      戦(対福井ミラクルエレファンツ戦)。夕方、花回廊
      を観賞しながら中央通りを散策
 5月5日 休日 終日、孫の相手
 5月6日 休日 
(5月7日から市役所でもクールビズを開始)

 以上が連休の日程です。この間に各部署との打ち合わせなどもあ
って、最後の2日間を除いては、正直言ってあまり休めたとは言え
ませんが、でも良い日々を過ごすことができました。

 主な日程のうち、お話ししておきたいことを列記します。
○茶臼山モノレール開通式
 これまで、北口駐車場から動物園北口ゲートまでの通路は、急勾
配の上り坂で道幅も狭いため、高齢者やベビーカーを利用する人に
は大きな負担であり、車いすの方には利用していただくことができ
ませんでした。そのため、来園者の利便性向上とバリアフリー化を
図る目的で、茶臼山エリア活性化再整備計画においてモノレールを
設置することになったわけです。

 実は、市長に就任して2年目ぐらいのゴールデンウィークに、私
が車を運転し、孫を連れて茶臼山動物園に行ったことがあります。
南口は混んでいるとのことで、北口に回ったのですが・・・そちら
も渋滞していて、その混みようは大変。ほとんど車が動かない、た
だ待つしかありませんでした。記憶はあまり定かではありませんが、
1時間近く車の中で待たされ、小さかった孫がぐずるので困ったこ
とを覚えています。加えて、動物園北口への坂はかなりきつかった
・・・連休になんて2度と来るものかと思いました。

 連休明けに担当の公園緑地課に、「直ちに何とかすべき。このま
までは『2度と行きたくない』というお客さんを増やすだけだ」と
指示した結果、直ちに対応して、動物園南口に駐車場を増やしまし
た。でも根本的な解決には程遠い状況でした。

 今回設置したモノレールは、動物園北口の利用者を増やそうと動
物園北口と北口駐車場までの176メートルを結んだもので、乗車
定員は25人、片道の乗車時間は約3分です。また、急勾配の斜面
に設置したことで、高い位置からの眺望を楽しむことができ、遊具
感覚で乗車していただけることも期待しています。
 なお、2007(平成19)年度に閉館した茶臼山自然史館(展
示物は戸隠の地質化石博物館に移しました)の利活用方法について
悩んでいましたが、このたびモノレール茶臼山中央駅として再利用
が可能となり、ひと安心したところです。

 茶臼山エリアは、県内最大級の動物園と広大な植物園のある複合
エリアです。敷地内には、アスレチック施設や実物大の恐竜遊具、
マレットゴルフ場などの施設があります。特に植物園は「ながの緑
育協会」の職員としてお迎えした矢澤秀成(ひでなる)さん
(NHK「あさイチ」などに出演されています)の豊富な知識と経
験を生かして、植栽計画などの提案を頂き、「人は花を育てる、花
は人を育てる」を基本コンセプトに整備を進めています。また、地
元企業の株式会社中嶋製作所さん(社長の中嶋君忠さんは、長野商
工会議所副会頭も務められています)からは、これまでに植栽整備
費として2千万円の寄付を頂き、恐竜公園下部の南斜面にツツジを
約4,700本、その他ハナモモなどを植栽しています。今年もも
うすぐ見頃を迎えます。

 将来的には「茶臼山全体にモノレールを張り巡らせたい」という
夢を持っていますが、まずは動物園を訪れる人の足として完成した
モノレールが大いに利用され、茶臼山エリアのみならず篠ノ井地区
全体の活性化に貢献できるように、末永く皆さまに愛されるモノレ
ールであってほしいと期待しています。

 また、モノレールの茶臼山中央駅舎1階に、売店「よってけや里
山店」がオープンしました。地元で採れた野菜や、おやきなどを販
売するアットホームな雰囲気の売店です。私も開通式に参加後、に
らせんべいを買って帰りましたが・・・これがまた、おいしかった。

○AC長野パルセイロ・レディースのホームゲーム。セレッソ大阪
堺レディースを相手に、見事に5-1で圧勝。寒さを吹き飛ばす快
勝で、今シーズン初勝利を挙げました。

○野沢温泉スキー場へ、多分、今シーズン最後になるであろうスキ
ーに出掛けました。日影ゲレンデには雪がありませんでしたが、ゴ
ンドラで上ノ平まで登ると雪はたっぷり。昨年も5月5日にこのゲ
レンデを滑ったのですが、その時よりはるかに快適でした。今年は
スキー場のお客さんがかなり増えているとのことで、スキー人口の
減少に歯止めが掛かったとすれば、うれしいですね。

○信濃川水系学識者会議上流部会
 現在、国が進めている「信濃川水系河川整備計画」策定作業の一
環として、千曲川河川事務所の主催により、学者や行政、関係団体
の代表が出席して、今後30年間の整備計画(原案)について論議
しました。長年の懸案であった中野市との境にある「立ヶ花狭窄部
(たてがはなきょうさくぶ)」の問題が、ようやく改善の方向に向
かうように感じました。

○AC長野パルセイロのホームゲーム、対横河武蔵野FC戦。パル
セイロは、昨年の天皇杯全日本サッカー選手権大会の3回戦で同チ
ームと対戦し、PK戦の末、惜敗。しかし、今回は何とか1-0で
リベンジし、依然ホーム戦負けなしです。ウイークデーで、連休の
谷間、そしてすごく寒かったせいでしょうか、観客はちょっと少な
かったのが残念です。

○中条地区の虫倉山開山祭には合併以来、毎年参加しています。し
かし、これまで一度も虫倉山に登ったことがありませんので、今年
こそはと思っていたのですが、皆に反対されて駄目でした。それに
しても当日は絶好の登山日和。「今日は北アルプスも奇麗に見える
最高の日だ」なんて地元の人から聞いたものですから・・・余計に
残念でした。

 そしていつものとおり、中条地区の素晴らしいイベント「さぁさ、
よっとくらえ! となりの村の道めぐり」に参加させていただき、
中条地区の良さを堪能してきました。

 市街地に戻って、善光寺花回廊の開会式に出席しました。今年も
いろいろな企画があり、翌日、善光寺方面から歩いて見学もしまし
た。チューリップなどの花びらで路上に絵を描く恒例の「花キャン
バス」、そして今回初めて木枠を花で飾った幅3メートルほどのト
ンネルもお目見えし、素晴らしかったです。
 中央通りは、現在工事を進めている「中央通り歩行者優先道路化
事業」(工区700メートルのうち約5割が完成しています)によ
り歩道が広がり、またベンチの設置や植栽の整備も行われ、こうし
たイベントとの相乗効果で、まちがとても明るく、そして心安らぐ
との評価を頂けるようになりました。「歩いて楽しいまちづくり」
が順調に行われています。

○信濃グランセローズの長野オリンピックスタジアム初戦では、メ
ーンスポンサーのホクト株式会社の水野雅義社長と2人並んで始球
式を行いました。ホクト株式会社様には、今シーズンも長野広域連
合管内9市町村の全小学生を招待するため、3万5千枚の入場券引
き換え券をご寄贈いただきました。本当にありがたいことと感謝し
ています。なお、試合は5対2で、見事グランセローズが勝ちまし
た。今年こそはぜひ優勝をと願っています。
 

 連休の前半は結構忙しく、後半は休みが取れましたが、孫の相手
で結構大変だった・・・そんな連休でした。
 なお、5月2日に環境部の職員と一緒に、太陽光発電の先進地で
ある山梨県北杜市を視察しましたが、このことについては、後日あ
らためてかじとり通信で報告させていただきます。楽しみにしてい
てください。

2013年5月2日木曜日

年度初めの市政方針市民会議


 「みんなの声が『ながの』をつくる」。市長就任以来、一貫して
申し上げていることで、私の市政運営の根幹を成すものです。広く
市民の皆さんの声に耳を傾け、対話を大切にしたいと考え、毎年
「元気なまちづくり市民会議」を各地区住民自治協議会主催で開催
していただいていますが、2009(平成21)年度からは年度当
初に「市政方針市民会議」を市主催で開催し、その年度の予算や重
点的に取り組むべき課題、全市的なテーマについてお話ししていま
す。これにより、各地区での「元気なまちづくり市民会議」では、
市政方針の説明を省略し、地域の皆さんのご意見をじっくりお聴き
することができるようになり、地区の意向に沿った地域主体の会議
が実現できるよう工夫したものです。

 本年度の市政方針市民会議は4月18日に開催し、本年度の共通
課題、予算、優先施策について説明しました。共通課題の中でお話
ししたのは以下の6項目です。
1 公共交通機関の整備
2 環境対策の充実
3 中山間地域の活性化
4 子育ち・子育て環境の整備
5 緑育の推進
6 大規模プロジェクト事業の実施

 今回のかじとり通信では、このうち「1 公共交通機関の整備」
と「4 子育ち・子育て環境の整備」について、市民会議でお話し
した内容を中心にお話しします。

「公共交通機関の整備」
 公共交通は、電気・ガス・水道と同じように「都市のインフラ」
だと考えています。
 これまで、廃止代替バスや地域循環バス、乗合タクシーなどの運
行、また昨年10月からバス共通ICカード「KURURU(くる
る)」の運用を開始するなど、「インフラ」の充実に努めてきまし
た。
 人口減少の時代を迎える中、公共交通を持続可能なシステムとし
ていくことは容易なことではありません。また、LRTやBRT
(*)などの新交通システムの導入検討、JR長野駅~豊野駅間に
おける新駅設置など将来を見据えた取り組みも必要です。このため
本市では、公共交通の将来像を明らかにした「長野市公共交通ビジ
ョン」を策定し、その維持・発展に向けた施策を計画的に展開する
ことにしました。このうち、市民の利便性向上とまちの魅力を高め
る効果などが期待される「新交通システム」は、私としてはぜひや
りたいプロジェクトです。事業費とのバランスなど多くの課題につ
いて、長野市公共交通ビジョンの策定を進める中で検討していきた
いと考えています。

 長野電鉄旧屋代線の関連資産の活用策として、線路敷地を自転車
道や遊歩道に整備するとともに(間伐材などによるウッドチップ舗
装ができれば素晴らしいでしょう)、駅舎を有効活用することを
「千曲川新道活性化プラン(基本構想)」に位置付けました。本年
度は、自転車・遊歩道の概略設計や綿内駅と信濃川田駅のトイレ整
備・駅舎耐震診断などを実施する予定です。

「子育ち・子育て環境の整備」
 少子化は、日本の社会構造を大きく変える大変深刻で憂慮すべき
問題であることは周知のとおりです。未婚化だけでなく、晩婚化や
ライフスタイルの変化など、さまざまな要因が複合的に絡み合って
いて、特効薬などないといっても過言ではないでしょう(仕事と生
活の両立を図るワーク・ライフ・バランスといった考えも広まりつ
つあるとは思いますが・・・)。

 2011(平成23)年の長野市の出生数は3,226人で、
2001(平成13)年が3,683人ですから10年間で457
人(約12%)減ったことになります。こうした中、出生率を少し
でも上げるため、本市では不妊治療や妊婦健診に掛かる費用の助成
により経済的負担の軽減を図るとともに、安心して子どもを産み、
育て、さらに仕事と家庭を両立させることができる環境を整備する
「ながの子ども未来プラン」を策定し、子育ち・子育て支援を推進
しています。さらに、親子の交流の場として、もんぜんぷら座こど
も広場「じゃん・けん・ぽん」、篠ノ井こども広場「このゆびとま
れ」を運営し、市内15カ所の保育所には「地域子育て支援センタ
ー」を併設しています。また、保育所・幼稚園の園開放、保育所に
おける一時預かり、延長保育や休日保育、児童手当や福祉医療費の
支給など、さまざまなサービスを行っています。

 就学後は、「長野市版放課後子どもプラン」により、希望する児
童に安全・安心な放課後などの居場所を確保し、遊びや生活、学び
や交流の場を提供しています。「既存の児童館や児童センター、小
学校施設の活用」、「既存の児童館、児童クラブなどの放課後対策
事業の一体化」、「市民ボランティアの参加」を3本の柱としてい
ます。

 出席者の方から「長野市がどのような少子化対策を打ち出してい
るのか」との質問を頂きましたが、前述のとおり少子化解消に向け
て考えられる対策は全て講じていると思っています。しかし、この
問題は地方自治体レベルでの地道な取り組みに加え、やはり国全体
で対応しなければ解決に向けた大きな動きにはならないだろうと感
じています。
 男女の出会いの場を提供する取り組みがいろいろされているよう
ですが、なんといっても一番は、若者の所得を上げ、結婚、そして
出産、子育てに必要な収入を確保することでしょう。40歳以下の
カップルが誕生したらお祝い金を差し上げる・・・そんなことも一
案かもしれません。

 また、優先施策として、次の3つの項目について説明しました。
1 新幹線延伸に対応したまちづくり
 2015(平成27)年春の新幹線金沢延伸は、経済や観光面に
おいてまさに「好機到来」です。
 JR長野駅新幹線改札口正面に開設している「観光情報センター
の再整備」、「観光案内の広域化」、「市内での滞在期間延長の促
進や周辺地域への回遊性の向上」など「効果的な情報発信」を進め
るとともに、「集客プロモーションパートナー都市」として協定を
締結した金沢市、富山市、上越市、甲府市、静岡市、そして昨年度
国土交通省の認定を受けた「信越観光圏」の構成都市である北信地
域14市町村と上越市、妙高市との「広域連携」により、観光誘客
を積極的に図っていきます。

2 地域に根ざす産業づくり
 「地域農業の確立と経営基盤づくり」として、国に先立ち始めた
「新規就農者支援事業」に加え、本年度からは「市民菜園開設補助
金」および「やまざとビジネス支援補助金(4月11日のかじとり
通信でもお話ししました)」を新設し、「売れる・もうかる農業」
を積極的に推進します。

3 健やかで安心なまちづくり
 2015(平成27)年度における建物の耐震化率90パーセン
トを目指し、耐震診断と補強工事に対して補助を行ない、耐震化の
促進を図っています。また近年、全国各地で発生している集中豪雨
に備え、河川や排水機場、雨水調整池などの流出抑制施設のハード
整備を進めるとともに、防災教育などのソフト対策にも取り組み、
「防災体制の整備」を進めます。
 また、「スポーツ環境の整備・充実」の一つとして、長野市北部
地域のスポーツレクリエーションの拠点施設「(仮称)北部地域ス
ポーツ・レクリエーションパーク」の建設を進めており、2014
(平成26)年3月の完成を目指しています。
 「文化芸術活動への支援と文化の創造」としては、次代を担う子
どもたちの豊かな感性を育むために、音楽やミュージカルの鑑賞会
などを開催する「子どものための文化芸術プログラム」事業を推進
します。また、長野市は1973(昭和48)年から取り組んでい
る「野外彫刻ながのミュージアム事業」により、日本有数の野外彫
刻都市となっています。市内に設置した野外彫刻賞受賞作品数は昨
年度末で144点となり、民間事業者や合併前の信州新町が設置し
た作品(信州新町支所前に、「カマキリのエアロビクス」をモチーフ
にした、とてつもなく大きな作品がありますよね)なども含めると
200点を超えています。本年度も新たに2点を設置する予定で、
野外彫刻めぐりや野外彫刻写真コンテストを開催するなど、内容の
充実を図ります。

 市政方針市民会議では、重点施策を中心に、長野市が何を考え、
何に取り組むのかを分かりやすく説明させていただきました。もち
ろん、今回お話しできなかった項目についても、一生懸命取り組ん
でまいります。

* LRT(Light Rail Transit):次世代型
路面電車システム
  BRT(Bus Rapid Transit):バス高速輸
送システム