1月18日(火)、中心市街地の、長野銀座A-1地区の再開発
事業の起工式が行われました。中央通りと昭和通りの交わる新田町
交差点の北東に位置するこの事業は、昭和60年度の銀座地区再開
発事業基本計画の作成から20年という長い年月が流れてしまいま
したが、ようやく実現に向けて力強くスタートしたわけです。
起工式は、旧そごうビルの古い建物がすっかり取り払われたテン
トの中で、地権者である組合員の方々、区長さんをはじめとする近
隣の皆さん、建設関係者、行政関係者そして報道関係者等が大勢集
まっておごそかに行われました。一昨年、再開発組合の理事長に就
任された信越放送(SBC)の塩沢社長、そして開発組合を長いこ
と支え、組合員をまとめてこられた太田副理事長、お二人とも苦労
を重ねてきただけに、本当に嬉しそうでした。
この長野銀座A-1地区再開発事業は、平成9年に都市計画決定
がされていますが、その後の景気低迷、住宅分譲予定者の実質的な
事業からの撤退、そして長野そごうの倒産、ダイエーの撤退、加え
て中心市街地の空洞化の進展は土地価格の下落を招き、事業継続は
極めて困難と考えられた時期もありました。
平成14年8月、SBCが旧そごう跡地への進出を決定し、旧銀
座A-1地区と一体になって新たな再開発事業を推進することにな
り、準備組合の改組、都市計画の変更が行われ、平成15年末、改
組された銀座A-1地区再開発組合が、再出発したわけです。以後、
計画を推進するのと並行して古い建物の取り壊しが1年近くかけて
行われ、ようやくこの日の起工式を迎えたわけです。
バブル崩壊後、全国的に中心市街地の空洞化が進んでいることは
事実ですが、長野は特にオリンピック開催の後ということもあり、
空洞化の代表みたいに言われてきたこともあります。しかし、この
計画の始動で、私は空洞化克服への全国モデルになりたい、そんな
野望を持っており、開発組合の皆さんの努力には、心から感謝と敬
意を表する次第です。
長野市は、この再開発事業に補助金や生涯学習センター建設のた
めのフロア取得、交差点部分に象徴的な広場を建設する費用を支援
します。この財政状況のもとでの多額な支出は無駄な公共投資だと
おっしゃる方もいらっしゃいますが、長野のまちづくりの上では、
どうしても必要なものと判断しました。もんぜんぷら座の取得や長
野銀座A-1地区の道を挟んで南側に位置する長野銀座D-1地区
再開発事業と相まって、善光寺と長野駅、県庁と長野市役所の結節
点として、市民が集うにぎわいの場ができることを心から念じてい
ます。そして、これらが起爆剤となって中心市街地の皆さんがさら
に元気を出していただいて、まちづくりに力を入れていただきたい
と期待しています。
長野市では、諸施策推進の参考とさせていただくため、毎年市民
アンケートを実施しています。今年度は5000人の市民を対象に
調査を実施した結果、特に力を入れてほしい施策として1位は高齢
者福祉、これは予想の範囲でしたが、2位は中心市街地の活性化と
なりました。また、施策の満足度をお聞きしたところ「やや不満」
と「不満」を合わせた割合が1番高かった項目が「中心市街地の活
性化」でした。この調査結果で市民の皆さんが街の空洞化を心配し、
長野の中心市街地の活性化に思いを寄せておられるのだな・・・
ある意味では市の施策として中心市街地に投資をすることにご理解
いただけそうだなと感じました。
長野銀座A-1再開発事業は、敷地面積約6640平方メートル、
建物は地上4階建ての銀座棟と地下1階地上10階建てのSBC棟
が造られ、どちらも1・2階部分は商業フロア、銀座棟の上階は長
野市の公共施設として、生涯学習センターの設置が決まり、SBC
棟の上階は本社機能と放送施設が入ることになりました。また、交
差点部分については、広場を配し、象徴的な野外彫刻を設置して、
市民憩いの場にしたいと考えています。
完成は平成18年秋口の予定ですが、これはSBCのデジタル放
送の開始に合わせた計画であり、その意味では遅れることはないと
思います。しばらくは工事で皆さんにご不便をおかけしますが、完
成時には、もんぜんぷら座やD-1再開発事業、そして周辺の皆様
の努力により、長野の新しい魅力が生まれるものと期待しています。