2014年9月19日金曜日

徒然の記 №36 個人の資格


個人事業者が重要になってくるようです。個人事業者というより個人の資格ということでしょうが・・・。

「士業」と言う言葉があるかどうか、良く知りませんが・・・例えば会計事務所の経営をお父さんがやっておられてお亡くなりになり、息子さんが資格をもっていない場合は、かなり苦しいことになりますよね、廃業せざるを得ないことは、十分起こり得る話です。

 その場合、そのお父さんの会計事務所が法人組織になっていれば、他から資格のある方を連れてきて後をついでもらえば、お父さんの地盤をひきついでもらえるわけで、自分の立つ位置も確保できるでしょう・・・法人化が重要なことは、仕事の継続という点では、重要なことだと私は信じています。ただ、仕事の継続と家業の継続は別でしょうがね。

 すべてに国家資格が必要かどうかわかりませんが、組織内で、資格を活用している方もおられますし、資格をもって独立しておられる方も、沢山おられます。

立派な資格(試験が難しいほど、立派な資格であることは原則でしょう)をもっておられる方から、かなりいい加減(悪いということではありません)な“自称資格”まで、いろいろです。

 組織だけでなく、個人に資格がないと、従事できないことも沢山あります。個人営業の方もいらっしゃいます。

勿論企業内で仕事をされる人もおられるでしょう、昔IBMと取引する時、営業的な話が終了しても、最後に組織内弁護士が出てきて、契約のやり直しをせざるをえなかったことがありました・・・。世界企業と称していたIBMの社内規定だったのでしょう。当時は大企業でもそんなことをする日本企業は皆無でした。(私が恐れているのは、弁護士さんがあふれてきたとき、「一定以上の規模の組織は、必ず常勤弁護士を組織内で雇用しなくてはならない」といった規制が加わることです)

 弁護士・会計士、医師、司法書士、税理士、薬剤師、学校の教師、など国家資格が必要なものがあるでしょうし、自動車の免許証はポピュラーですが、鉄道や航空、船、重機、等の交通手段の操作も、資格がないと、運転できない性質のもので、沢山あるでしょう。

経営コンサルタントも正式な資格の人もいるのでしょうが、自称コンサルタントは、沢山おられるようですし、昔からの職人さんも、個人営業が多かったと思っています。

  最近では、国際的に進出する企業や外国人を雇用する企業もあり、通訳の仕事も重要になっています。英語だけでなく、フランス語、イタリア語、中国語、韓国語・・・いろいろありますが、正式資格かどうかはわかりませんが、何年間か、其の国で生活されて、正式資格がなくても、はるかにネイチブな言葉を喋る優秀な方もいらっしゃいますよね。

  私は旅行者として海外を訪問した経験からいうと、日本語の上手な通訳者に感心したことがあります、そういう人は、日本の歴史や文化にも素養が深いのでしょう・・・。

 30年以上前、私のJC現役時代、JCIの事務局長のような人が演説をする時、最初は英語で、途中からフランス語で、最後はスペイン語で締めくくっていたのを、驚異の目で見ていたことがあります。いくら通訳者が居ても、日本人にとって、そういう場で発言するのは気後れがしてしまいますよね・・・。

  エスペランド語という世界共通の言語を作ろうという試みが行われ、私たちの学生時代には、それを習って世界を旅行しようなんて言う方達もいたように記憶していますが、・・・あまり盛んになってはいないように感じます。

英語やフランス語、勿論日本語もそうですが、学習するには、例外規定が多くてエスペラント語という人工語の方が覚えやすいとかんじたことは、事実ですが・・・言葉の習得には「王道無し」が事実でしょう。英語圏に生活や事業を営む人は、羨ましいとこの年になっても、感じています。

でも合理性だけでは、解決出来ない問題でしょうね・・・。

2014年9月13日土曜日

徒然の記 №35 同族会社の欠点克服


先日、日経が発行した「倒産」次にでた「林原健」という本を読みました、同族会社の問題について、改めて考えさせられました。

同族会社の欠点克服は、

    内部対立(忠誠心・求心力の維持)を発生させないことが大切

    情報の偏り、即ちコミュニケーション不足にならないよう

    風通しの良い会社で有り続けられるか

この三つであると、私は結論しました。これが上手くいけば、大企業や上場企業より、同族会社の方が、はるかに効率がよい組織であるということでしょう。

もうひとつ忘れていました。後継者が重要であることは、言うまでもない話です。

理屈は大切であり、当たり前です。その総合力が後継者の人物であることは、これまた当然です。

 最近の議論の中に、会社の留保金が膨大になっているから、「課税すべきだ」という意見が一部でているらしいことに怒りを感じています。まさかとは思いますが、これはとんでもない意見で、企業社会の根幹を崩す議論だと思います。

資本主義が生まれて100年以上、戦争や大不況を通じて、企業は必至になって、会社の将来のために、税法に基づいて多額の税金を払った残りを、内部留保として、営々と貯めてきているわけですから、溜まった分を、出しなさいというのは、おかしな議論ですし、残金に課税しようというのは、まことに阿漕な話です。貯め込んできた資本を吐き出させようとする試みは、企業経営者として許せる話ではありません。

2014年9月6日土曜日

徒然の記 №34


竹下蔵相時代、日本も間接税の導入が必要ということで、売上税の導入が計画されたことがありましたが、私は大いに賛同していました。学者・先生方から、日本は、所得税10%、売上税10%の徴収をすれば、国家としての収支バランスは、取れるのだという説を聞いて、所得税の重さに苦しんでいた我々企業家は、その売上税が実現出来ればよいなあと夢をもったことがありました。

 その時点では、政治的理由から売上税は実現しませんでしたが、数年後、消費税という形で実現しました。税率も徐々に上がってきているようですが、先進国の例をみると、20%ぐらいになることは、覚悟しておく必要があると言われていますが、現在はそのスタートに立ったということでしょう・・・。

私はそれ以上に問題点を申し上げれば、消費税制度は、格段に簡単・単純になると思っていたのに、以外に複雑だなあということでした、そしてさらに、今後の方向として、例えば食品だけに低減税率を適用するといった意見もあるようで、さらに制度が複雑になりそうな話題があって心配です。制度をなるべく単純にしてほしいなあということが、みんなの希望ではないでしょうか・・・。

 理屈はよくわからないのですが、日本は、失われた10年を克服するために、黒田日銀総裁に言わせると、2%のインフレが必要だと言われています。あるいは円安誘導が必要と言われているのですが・・・、消費税はインフレ要因のはずですから、その面では、2%インフレは望ましい方向なのでしょうが・・・。たしかに、景気は少し上向いているようですが、でもインフレで景気が良くなるなんて話は、どうしても理解できません。

まあ問題はインフレになっても、給料が上がらないから、生活は苦しくなるという論理でしょうが・・・。

 私の感覚とすれば、インフレだけは避けてほしいということが願いです。

戦後のあのすさまじいインフレは、私など小学校に上がる前後のことですから、あまり記憶にはないのですが、あの昭和48年の第一次オイルショックの時のインフレ、人件費が一挙に30%も上がりましたよね、経営者(だけではありませんでしたが)は、恐怖に震えあがりました。

 円が強くなること、即ち円が高くなることが、何故いけないのか・・・。確かにあまりにも急激に円高がすすむことは、対応が難しいのでしょうが、徐々に円が高くなることは、日本の国力があがっていることですから、歓迎すべきことではないでしょうか。

日本の輸出が打撃を受ける、企業が円高を嫌って、外国へ逃げ出す、国内の人件費が上らない・・・、そういう意見は主流を占めているのでしょうし、確かに、日本企業の競争力が劣化する可能性はあるのでしょう。そうなれば雇用問題などで、問題が発生するかもしれません・・・。でも短期的な金融政策で円安を誘導することはやむを得ないとしても、長期的なインフレが必要だという発想は、どうしても理解できないのです。一ドル100円ぐらいになってくれれば、換算するのに楽で良いですよね、戦前は1ドルが1円だったという話は本当ですかねえ・・・。

 先日、街を歩いて、自分で買い物をしてみて、街には安い品物があふれていることにびっくり、消費税が上った価格より、価格が下がった影響が、はるかに大きいのではないでかと感じてしまいました。消費税が上った影響があるなんて、信じられませんでした。売れないとすれば、欲しいものがないのでしょう。

でもいろいろ聞くと、街の物価が安いのは、根本を知らないからだそうです、「物価は間違いなく上がっている、それは石油価格の上昇が原因だ」、街の物価が安く見えるのは、ほんの一部で、全体は上昇傾向にあることは、注意を要する・・・。

 それよりあの価格では、街のお店屋さんでは太刀打ちできない・・・、スーパーや大手小売店の進出は、すさまじい・・・、昔から卸を抜いて、メーカーの直接販売が必要と言われてきましたし、今まさにそんな時代がきましたよね。

私は郊外店が発展してきた当時から、中心市街地で日用品を販売する小売屋は、多分成り立たないと主張してきました。シャッター通りが増えてしまうだけ。小売の商売は、お客様も大切ですが、仕入が重要なんですね。

 新しく出来る店は、飲み屋(レストラン)と理・美容、そしてお医者さん、福祉施設だけというのは、単なる悪口ではなく、公的な補助金対象事業、それに匹敵する付加価値の高い商売しか、成り立たない・・・、買い物の楽しみが薄れてきているのは残念です。

中山間地では、お店が無くなって、買い物難民が生まれる・・・、出張販売を試みるが、量とコストのバランスが難しく、採算がとれない・・・。

 あれでは従来からの商店が、経営出来ない、

インフレはいつの時代でも良いことではないと私は信じています。

同時に輸出産業にはマイナスだと言われている“円高”は、日本の国富を増やす意味で、重要なのではないでしょうか?これ以上の円高は、国内産業の衰退を招くという説は、近未来を考えると、説得力があるように思いますが・・・。高付加価値を生み出すことで、新たな産業の台頭を夢見ていくことが重要だと私は思います。

 いわゆる所得税万能時代から、間接税、外形標準課税へ転換し、日本の税制も大きく変わってきていますし、これからも大きく変わる可能性があるのですから、企業もそれに備えて体制を考える必要はありそうです。売上税の失敗から、現在の消費税が実現したこと、私はよかったと思っています。