今年は何度か松代を訪れましたが、訪れる度に松代の奥深さを感
じています。限られたエリアの中に、古代の古墳群から真田十万石
の町並み、近代の大本営移転予定地であった地下壕まで、数々の歴
史が集積されており、他に類をみない「不思議なまち」と言われて
いますが、本当にその通りです。今回から数回に分けて、私の経験
した松代のことを書いてみたいと思います。
今年も「第47回信州松代 真田まつり」が10月12日・13日の
2日間にわたり行われました。絢爛豪華な衣装に身を固めた真田
武士や、きれいに着飾ったお姫様など、馬上豊かな松代藩真田十万
石行列は見事でした。特に、真田家14代当主の真田幸俊氏(慶応
大学講師)の殿様ぶり(初代真田信之公役)はご立派でしたし、長
野市の姉妹都市クリアウォーター市から、交換教師で来ていただい
ているステイシー・リトルさんの小松姫の女武者ぶりも大変魅力的
で、多くの見物客の喝采を受けていました。
カチューシャの唄の縁で知音都市交流(*)を続けている島根県
金城町(島村抱月の生誕地)の方々も参加してくださり、信政隊と
して行列に加わってくださいました。松代の方々もそれぞれ何々隊
と名乗って、総勢260名が行列をつくり、松代の町を約4時間か
けて行進をされたようで、大変な御苦労だったと思いますが、多く
の見物客を喜ばせてくれました。
当日、松代の方々がたくさん参加いただいていることは当然ですが、
篠ノ井商工会議所の渡辺会頭さんや上山田町商工会の飯島会長
さんをはじめ、市内外の商工・観光の関係者の皆様が応援に駆けつ
けてくださり、地域間の連帯が感じられる大行事でした。また、町の
有志の皆さんが運営する人力車が出ていました。この人力車は、
なかなか高級品のようで、お値段は軽自動車よりもちょっと高いと
いうことで、大変素晴らしいものでした。残念ながら、この日には乗
ることができませんでしたが、違うイベントで乗る機会がありました。
そこには車や自転車とは違う世界の風景がありました。是非一度
乗ってみてください。
なお、前夜祭も行われ、ストリートパフォーマンスも盛大に行わ
れたようで、役員の皆様や委員会の皆様の努力もさることながら、
ボランティアの皆様のパワーが確実についてきていることを感じさ
せるお祭りでした。
平成15年度は、松代城の太鼓門復元を記念し、行列の出発地が
史跡松代城跡に変わるそうです。一段と雰囲気が盛り上がるのでは
ないでしょうか。太鼓門から出陣していく武者行列の姿が今から目
に浮かびます。
来週は、真田氏にゆかりの深い市町村が一堂に会し、広域的な連
携や交流を深めながら個性と魅力あるまちづくりについて研究を行
っている「真田サミット2002 in ながの」について報告させていた
だきます。
(*)知音都市交流(ちいんとしこうりゅう)
カチューシャの唄に縁のある都市が集まって交流している事業です。
女優(歌手)・松井須磨子(長野市松代町)、作曲家・中山晋平(中野市)、
作詞家・相馬御風(新潟県糸魚川市)、演出家・島村抱月(島根県金城町)
の四つのまちが集まって交流しています。