昨年10月、長野市行政組織を活性化する委員会から行政改革大
綱の見直しの中間報告をいただきました。これまでも様々な摸索を
続けてきましたが、いよいよ行政改革を実行に移す時期が迫ってき
ましたので、今後どのような組織・スタッフ体制にしていくのかと
いうことについて、具体的な検討に入りました。
私の目玉政策ですし、そのために職員との理念の共有を一生懸命
図ってきたわけですから、大変な仕事ですが、職員も張り切ってや
ってもらえるはずと考えていました。
しかし、人事担当者と協議したのですが、なかなか名案が生まれ
ません。そこで、私の主導で行政改革推進局を設置し庁内から職員
を募集することとしました。
この新たな組織での業務と目的については、
1.民営化する分野の検討
長野市が行っている事業の分析・整理と民間事業者の成長等
をバランスよく考えながら、検討する必要があります。サー
ビスの質を落とさない、競争条件がある、コストが下がる、
という私の考える民営化三原則を満足する分野を、聖域を設
けずに検討していく必要があります。
2.受け皿・スケジュールを検討し、民営化を推進
ここで大切なことは、受け皿になってもらえる信頼できる事
業者が存在するか、どうかでしょう。市職員で、役人を辞め
て独立したいという人もいるかも知れません。そのぐらいの
気概を持った人が現れることを期待しています。公設民営方
式にすれば、かなりの融通性もありますし、やりがいにも繋
がると考えています。
3.民営化後の経営体についての相談及び指導監督
これは既存の社会福祉法人等の経営にも言えることですが、
大切な分野をお任せするわけですから、しっかりとした経営
をお願いしなくてはならない。本来民間経営なのだから原則
自由ですし、行政は一切干渉しませんということが理想です
が、当面はいろいろ相談をしていく必要はあるのでしょう。
経営相談に乗るには、経験と経営の数字が分かる人が絶対に
必要です。
4.その他
以上の事柄を解決し軌道に乗せていくためには、広い社会経
験、人脈、交渉能力、そして民営化への信念、継続する意志
力等を持つ人が必要になります。
行政改革という難題に従事するスタッフをどのように選んでいく
のか、併せて、意欲ある職員の人事配置をどのように進めていくの
かということが課題となりました。そこで、全管理職に対し「チャ
レンジする管理職」の募集を行うこととしました。
テーマは、民営化推進だけではなく、自分がやりたい専門分野を
挙げて、意欲を湧かせる分野への挑戦をお願いするものとし、昨年
末の仕事納めの日に庁内の部長職が集まる会議の中で方針を決めま
した。
結果としては残念ながら、民営化推進担当への挑戦はありません
でしたが、それぞれの専門職については、いろいろなアイデアやや
る気が寄せられ、私にとっては良い勉強になりましたし、それぞれ
の職員のやる気も分かりましたので、将来の人事構想の参考にして
いきたいと考えています。
民営化推進については、人事担当者といろいろ議論してみたので
すが、「長野市の組織をいじり、場合によっては自分達の身分がど
うなるかということに通じる可能性もある仕事に、自ら名乗りをあ
げることは無理ではないか」というのが結論です。現段階では仕方
ないということなのでしょう。
結局、市議会議員の皆さんとも相談する中で、新年度から組織を
変更して、行政改革推進局を新たに設置し、トップは長野市の部長
級から任命しますが、この組織の中に、民間企業から人材を登用す
ることにしました。
また、担当する仕事も前述の4項目に加えて、長野市の組織体制
の検討や平成14年度から本格化した「行政評価」の仕事も加えて
推進してもらうことになりました(外部評価を入れたいと考えてい
る一歩になるかも知れません)。大変な仕事量になるとは思います
が、大いに期待したいと思っています。
ただ、新年度からというのはスピード感が無いので、4月から直
ぐに実務に取りかかれるよう準備していきたいと考えています。
長野市にとって、今年は市町村合併の問題が大きくなる可能性が
出てきており、そのこととの関係もあって、都市内分権が大切なテ
ーマになりますが、今回取り上げた行政改革推進局の設置もそれに
劣らず大きな仕事に繋がっていきます。