2003年12月25日木曜日

「読書よもやま話」


 暮れも押し迫って、本年最後のメールマガジンを書く時期になっ
てしまいました。何を書くべきかテーマが定まらなくて迷ったり、
逆にこのタイミングであれもこれもと欲張ってしまったり・・・・。
週末近くになると「来週の原稿はまだですか?」なんて催促されそ
うで、結構プレッシャーを感じます。「市長週刊日記」のつもりで、
平成14年4月にスタートしたのですが、もう90号(号外は除く)
近くなってしまいました。下手な文章に付き合っていただいた方々
には、ただ感謝あるのみです。

 年末ですので、市政のことから多少離れますが、今年読んだ本の
話をさせて下さい。昼間は本を読む時間があまり無く、帰宅後もメ
ールに返事を書いたり、メルマガの原稿を作ったり・・・、寝なが
ら本を読む癖もあったのですが、最近はすぐ眠ってしまう有様で、
雑誌、新聞や小論文以外には、読書の機会はかなり減ってしまいま
した。それでも上京時、往復の新幹線の中や車の中で、何冊か努力
して読みました(以下、恥ずかしながら若干の読後感を入れさせて
いただくことを、お許しください)。

1.塩野七生著「ローマ人の物語」 先ごろ発売された第12巻は
  ようやく購入したばかり、まだ読んではいません。でもこの本
  は、12年前からの愛読書です。ローマの起源から書き起こし
  た大作で、1年に1巻づつ出版されています。第11巻までの
  感想とすれば、2000年以上の昔、共和制からなぜ帝政にな
  ったのか、なぜあんな大きな帝国が維持できたのか、そして公
  共事業とは何か、等々その真髄が見事に描かれている本だと思
  います。

2.ビョルン・ロンボルグ著「環境危機をあおってはいけない」 
  環境重視派の方々にとっては、目を剥くような題名の本ですが、
  こういう主張もあることを知っておきたい、と思って買ってみ
  ました。国連等の統計資料を駆使して、現在の地球環境は必ず
  しも悪くなっていないのではないか、という主張をしている本
  でした。京都議定書に懐疑的な彼の主張に、真偽はよく分かり
  ませんが、かなりの説得力があるように感じました。ただ地球
  温暖化の傾向についてだけは、彼の主張に納得できませんでし
  たが・・・・。

3.ジョージ・オーウェル著「動物農場」 この本は私達の高校時
  代、英語の原書講読の授業で読んだ本ですが、最近の世情の中
  で、何となくもう一度読みたくなって、今度は日本語の文庫本
  を買って読んでみました。昔、英語の授業で、先生がCOMRADES!
  (同志諸君!)という豚の呼びかけをやっておられたのを懐か
  しく思い出しました。社会主義独裁への皮肉がテーマの本です
  が、何となくユーモラスで、でも怖い本でした。独裁者のパタ
  ーン、そしてその仮面の下の実態が描かれた本です。

4.ジョージ・オーウェル著「1984年」 この題名(昭和59
  年)は、まったく無意味だそうです。これも社会主義を風刺し
  た本なのでしょうが、なんとも後味の悪いというか、こんな社
  会にだけはしたくない、と思わせる内容でした。「動物農場」
  を買うとき、この小説の方が有名だということで一緒に買って
  読んだのですが、途中何度も止めたくなりました。常時誰かが
  見張っている社会、そんな社会はあるはずもないのですが、場
  合によっては「国民総背番号制反対」運動の論拠になりそうな
  感じはありました。

5.新渡戸稲造著、矢内原忠雄訳「武士道」 明治33年、新渡戸
  稲造(38歳)がアメリカ滞在中に、外国人に日本人のことを
  理解してもらうために英語で著した原作を、元東大総長が訳し
  た有名な本です。日本人の思考法・価値観、あるいは行動規範
  を欧米人に分かってもらうために「武士道」とは何か、という
  ことを解説された書と言われています。原本をルーズベルト大
  統領が読み、友人達に贈ったという逸話が残っているくらい、
  確かに素晴らしい本だと思います。若干今の時代では受け入れ
  られない部分もあるようには思いますが、現在の日本人が忘れ
  ているものを教えてくれる本と思います。その中の一文「武士
  道は、我々の良心を主君の奴隷となすべきことを要求しなかっ
  た。(中略)主君の気紛れの意志、もしくは妄念邪想のために
  自己の良心を犠牲にするものに対しては、武士道は低き評価を
  与えた。かかる者は『佞臣(ねいしん)』すなわち腹黒き阿諛
  (あゆ)をもって気に入ることを求むる『奸徒(かんと)』と
  して、或いは『寵臣(ちょうしん)』すなわち卑屈なる追従に
  よりて主君の愛を盗む嬖臣(へいしん)として賤しめられた。
  誰かに聞かせたい文章です。

6.童門冬二著「上杉鷹山」 ケネディ大統領が鷹山を知っていた
  という話は有名ですが、江戸時代こういう殿様が存在したこと
  に感激しました。夜中に読んだのですが、この本は明け方近く
  までかかって、一気に読了しました。途中不覚にも、何度か涙
  がこぼれて仕方ありませんでした。

7.長 尚著「田中康夫 長野県知事の虚像」 過去、信大の長先
  生が、ご自分のホームページで知事批判、脱ダム宣言の不当性
  を主張しておられたことは承知していましたが、それをまとめ
  て一冊の本にされて出版したものです。新聞や県のホームペー
  ジに載った田中知事の言動・行動をきちんと整理され、私達に
  も理解しやすくまとめたものです。巻末に公共事業の入札問題
  についての提案をされていますが、大変参考になる部分です。

8.矢幡洋著「アイドル政治家症候群」 ある方が「これ面白いよ」
  と届けてくださいました。抱腹絶倒、よくもここまで分析して
  くれたものだ、と面白く読ませていただきました。

9.佐々木信夫著「市町村合併」 先生は現在中央大学の教授、先
  ごろ長野市・豊野町・大岡村・戸隠村・鬼無里村の任意合併協
  議会が主催した合併シンポジウムで、記念講演をしていただき
  ました。合併協議の中で、大変参考にさせていただいた本です。

 文庫本が多くてまとまった物が少なく、お恥ずかしい次第です。
今思い出したのですが、戸隠の村長さんから「戸隠の鬼」という本
をいただき、面白く読ませていただきました。村長さんにお聞きし
ますと、戸隠を題材にした本は山ほどあるそうです。また、年末に
お届けいただいた信大の吉田俊弥名誉教授の「長野県のダム問題を
考える」という投稿記事(建設オピニオン誌)も興味深く読ませて
いただきました。

 雪がちっとも降らなくて、スキー場は大変だと心配していました
が、どうやら本格的な冬が訪れました。年末年始は大勢のスキー客
を迎えたいものです。可能なら、私も二、三冊本をもって、温泉の
あるスキー場へ行って、こたつにあたりながら本を読んだり、少し
スキーをやって、酒を飲んで、風呂に入って、そして居眠りして・
・・・、そんなことが出来れば最高だなあなんて夢をみています。

 元気で良いお年を迎えられますよう、そして来年も又、メルマガ
をご愛読いただきますようお願いし、年末のご挨拶とさせていただ
きます。

2003年12月18日木曜日

元気なまちづくり市民会議が終了しました


 2年前の11月、私は市長に就任し、市民の皆さんと行政が協働
(コラボレーション)で、元気なまちづくりを進めていくために、
広報広聴の充実(広く市民の声を直接お聴きすること、行政情報は
積極的に公開し、説明・説得責任を果たすこと)に努めてきたつも
りです。

 市内26地区(28会場)全てで開催する「元気なまちづくり市民会議」
はその広報広聴活動の根幹をなす事業であり、昨年度に引き続き、
1.それぞれの地域において皆さんの集まりやすい日時の設定
 (土・日・平日の夜いずれもOK)。
2.誰でも自由に参加、発言できる懇談会としたい。
3.自由討議にウエ-トを移したい。
などの意向を区長会にお願いし、実施をしてまいりました。

 また、広報と広聴は表裏一体のものと考え、前段の市長あいさつ
として、15年度の重点課題(市町村合併の推進、行政改革の推進、
公共交通機関の再構築など)などについて、昨年度から使い始めた
プロジェクターを使用して説明・説得責任を果たすことに努めまし
た。さらに、あらかじめ地区の皆さんから出された意見・質問につ
いてのお答えは、私に同行した部長達が、それぞれ工夫して作った
スライドを使って説明をさせていただきました。道路や河川、都市
計画に関する質問に対するお答えは、地図を使った説明ができるた
め、分かりやすいということで、好評だったように思います。

 本年の特殊事情で、「元気なまちづくり市民会議」とは別に、市
町村合併に関する市民会議を11回先行して開催したこと、9月に
は市議会議員選挙があったこと、等で大変タイトなスケジュールの
中でしたが、7月26日の芋井地区を皮切りに、11月29日の第一
地区を最後に、今年度の開催予定を全て終了しました。

・28会場の参加者合計は、3,822人で、内1,185人(31
 %)が女性の方でした。
・臨時託児所を開設したのですが、利用者は6会場で19人という
 結果であり、PR不足を痛感しました。
・地区の提案議題・回答の要旨と昨年の提案事項の処理経過を、当
 日の資料として参加者全員に配布しました。
・自由討議の時間の確保に努めた結果、あらかじめ提出された議題
 の討議に要した時間は56分、自由討議に要した時間29分とな
 り、ほぼ2:1という結果でした。

 当初予測していたより建設的な自由討議ができたように思います
が、本当に自由闊達な議論を戦わす市民会議の実現には、もう少し
時間を要するかなと感じました。

 終了後、全ての会場で市民会議に関するご意見をアンケートさせ
ていただきました。その中で主なものを報告させていただきますと、

・自由討議は歓迎する。更なる充実を図り、議論が深まる会議を目
 指してほしい。
・自由討議の時間をもっと取ってほしい。
・役員など一部の者だけでなく、地域の誰もが出席でき、自由に発
 言できる会議となるよう工夫を要する。
・プロジェクターによる市政報告、説明は大変分かりやすかった。
・提案や回答の要旨、昨年の提案事項の処理経過、プロジェクター
 の説明資料等を印刷し、出席者全員に配布していただいたことを
 評価する。

 等々、肯定的なご意見をいただいた反面、

・若い世代の参加が少ない。
・開催について、地域へのPR不足。
・飛び入りで自由に発言できる雰囲気とは言い難い。
・提案、答弁が議会のやり取りのようで、懇談会の雰囲気には程遠
 い。
・担当部長の答弁が長すぎる。

 などの指摘も含め、数多くのご意見をいただきました。

 今後に向けて、アンケート結果を踏まえ、「現場主義に徹するこ
と」「広報・広聴活動の推進」「情報公開の充実」を行政運営の基
本姿勢として、更に市民会議の充実・拡充を図ってまいります。

 なお、地域単位の「元気なまちづくり市民会議」だけでなく、私
が現場に出かけて行って開催する「移動市長室」や、ボランティア、
女性、農業、商工団体、中山間地、外国人、子ども等々、職能別、
あるいはグループ別の市民会議も開催しております。

 それぞれの会場でいただいたご意見ご要望は、整理して担当者と
議論しながら、できるものから実現しようと心がけています。

2003年12月11日木曜日

イベント企画と資金集めについて(その2)


 先週号では、こういう不況時代ですから、継続を前提としたイベ
ントを企画する場合、主催者は組織力と工夫、そして、何よりも情
熱が必要だということをお伝えしました。

 今週は、もう一つの大きな課題である資金集めについて、私の考
えを書いてみたいと思います。

 イベントの活動資金を集めるということは、確かに誰でも簡単に
出来る仕事ではありません。そのため、資金集めをイベント企画会
社にお願いした場合には、委託料を支払うことになりますが、行政
が絡んだイベントの場合、リベートと見られるようなことに行政が
関与することはあってはならないことです。ましてや選挙の後援会
に絡む方の場合は、癒着と言われる危険性があると思います。

 そういう意味では、県議会の議論の中で、インフィオラータの資
金集めに関する知事の関わり方について「疑惑がある」という話に
より、そのイメージが随分ダウンしてしまって、関係企業に敬遠さ
れたのではないかと心配しています。

 新聞報道で知る限りであり、真偽のことは分かりませんが、知事
支援の政治団体の前代表が社長を務める東京都内のイベント企画会
社に、スポンサー契約の取りまとめなどの委託料として、約390
万円を支払っていたということですが、純粋な気持ちであの花びら
を並べてくれた子供達やボランティアの皆さんの気持ちを考えると、
どうも納得がいかないという気持ちになるのは私だけでしょうか。

 話は違いますが、長野オリンピック招致委員会の帳簿紛失問題に
ついて、我々は既に決着がついたものと思っていますが、知事が調
査するとおっしゃって、いまだに尾を引いているようであり、これ
もあの素晴らしいオリンピックのイメージを落とす話で、市民にと
って気になる話です。

 オリンピック(今の時代、インフィオラータもそうかも知れませ
ん)のような地域の中だけでは解決できない大型イベントの場合、
全国的あるいは世界的にお願いして歩き、あの手この手でお金を集
めたことによって大成功したことは事実です。純粋に宣伝効果を計
算し、スポンサーとなった企業もあるでしょうが、義理を立て、あ
るいは長野のために仕方ないと考えてスポンサーになってくださっ
た企業もあるはずです。

 個人的なことで恐縮ですが、私も市長就任前は長野商工会議所の
副会頭という立場で、色々な寄付金集めに携わってきました。オリ
ンピック前で、まだ景気が良かった時代ではありましたが、いくつ
ものプロジェクトを抱え、辛かったことを思い出します。ある時期、
友人の会社社長にアポイントを入れたら「今度は何の金集めかね?」
と言われたこともありました。

 オリンピック招致段階の資金集め、セントラルスクゥエアの表彰
式会場づくりのためのタイルによる資金集め、オリンピック文化プ
ログラム(全てではありません)実行のための資金集めのような一
時的な資金集めのほか、アスペン音楽祭のように10年間続けたも
のもありました。長野びんずるやえびす講煙火、あるいは町のお祭
りのように長い間の伝統に支えられた寄付集めもあります。数え上
げたら切りが無いのですが・・・・・概して一時的な資金集めより、
毎年お願いしていく方が大変だったように思います。

 もちろん私一人でやったのではありません。街の活性化を担う皆
さんが例えば「えびす講煙火」「ニコニコお祝い花火」「びんずる」
「ながの歳時記」等のビッグイベントをはじめ、地域のお祭り等で
も頭を下げて歩き、頑張っていただいています。これらの皆さんの
努力が無ければ、街は火が消えたように寂しいものになってしまう
と思います。

 そして自信をもって申し上げられることは、その間にリベート等
に類するものは一切無かったこと。資金使途は明確に報告され、疑
念が生じないこと。加えてお金を集める人は自分がまず出すのが当
たり前ということです(出さなければ他人は応じないでしょう)。
「税外税だ」と批判される方はいるでしょうが、それがあるから、
市民社会は運営されていくし、コミュニティが保たれていくのだと
思います。

 インフィオラータは残念ながら来年は休止です。でも市民の皆さ
んが素晴らしい経験をしたが故に、永久に止めです、とはなかなか
言えるものではないと思います。このプロジェクトをどうすべきか、
議論して可能性を検討したいものです。

 長野市とすれば引き続き応援していきたいとは考えていますが、
企業の動向や県の動向いかんでしょう。今回の休止発表はイベント
を企画する場合において、一回だけなのか、長期にやることを目指
すのか、後のことを考え、多くの人と良く話し合ってから実行に移
すべきだということを、学ばせてもらいました。

2003年12月4日木曜日

イベント企画と資金集めについて(その1)


 長野の新しい春の名物になることが期待されていた花の祭典、
「インフィオラータ・イン・NAGANO」について、長野商工会議所
が来年は一時的に休止すると発表したことが新聞に掲載されました。
2年間、素晴らしい企画のもとで、小学生を含む大勢のボランティ
アの皆さんが一生懸命に頑張り、“花の芸術”といってもよい、素晴
らしい花のじゅうたんを作っていただき、多くの観客を集め、長野
の名を高めていただいたイベントが一時的ではあるとしても、休止
されることは誠に残念です。しかしながら、不況の時代、資金集め
が難しいようであり、仕方がないものと感じています。

 いつの時代も同じことなのでしょうが、何かを作るとか、何かイ
ベントをやるとかという場合、どうしてもお金が必要であり、その
企画者・責任者にとってお金の工面は一番頭が痛い問題です。特に
現在のような不況の時代、行政が全てやることは無理ですし、個人
が出せるお金には限界があります。企業も最終的には利益をあげる
ことが目的ですから、費用対効果を考えてなかなか渋い。したがっ
て趣旨を理解してくださる企業は本当にありがたいわけですし、大
いに宣伝してあげるからよろしくと申し上げたいのですが、なかな
か企業が見つからないのが現実です。
   
 個人が自分の家を造る場合には、自分の責任でお金を用意するわ
けで、自分のお金だけでは足りない場合、親・兄弟・知人に頼み、
それでも足りなければ金融機関から借金してローンを組むのは当た
り前であり、当然のことながら自己責任で返済することになります。

 行政においても原理は同じです。例えば市民会館を造る場合、長
野市の場合には、いずれ造ろうということで先輩の皆さんが基金を
つくってくださっていますが、足りなければあらためて予算を組ん
で、市議会の了解を得なくてはなりません。国や県から補助金をい
ただける場合もあるでしょうが、市民会館の場合は無理でしょう。
足りない場合は借金(市債)することになりますが、返済をしなく
てはならないことは当然です。

 最近はまず無いと思いますが、例えば学校のプールを造るような
場合、昔は行政も貧乏な時代ですから、地元負担ということで、寄
付金を、生徒の保護者、卒業した同窓生、あるいは地元企業などに
お願いすることは普通に行われており、また地域の皆さんも自分達
の学校ということで、渋々であってもなんとか出してくださったわけ
です(最近は、PTAが行う家庭の不要品バザーについても、抗議
の電話がくる場合があるとのことで、お金集めは極めて難しく慎重
にならざるを得ないようです)。

 そこで、インフィオラータの件です。このイベントは田中知事さん
の発案で2年続けて行われました。長野市としては、長野商店会
連合会が中心となって行われている「善光寺花回廊」に併せて資金
的な応援(2千万円)を行っています。

 全国に発信できるイベントとして考えた場合、あの発想と企画力
は、普通の者では無理でしょう。知事の発想力と度胸が、今岡氏と
いう凄い発信力を持ったプロデューサーを連れてきた、そのことに
は敬意を表しますし、ボランティアが大勢参加し、新しい長野の風
物詩をつくったといえると思います。

 しかし、問題は2つあると思います。(1)2日間のイベントと
しては費用が多額すぎる、もっと節約できないか。(2)資金面を
クリアするためには、どうしても企業協賛が必要であり、それも地
域の企業だけではこの不況の時代には困難であり、ナショナルブラ
ンド企業の応援がどうしても必要なのですが、安定的なお願いは無
理だった、ということでしょう。

 時代は違いますが、例えば長野びんずるをつくった当時の過程に
比べると、突然出てきたお金がかかるイベントだけに、継続性を考
えた組織づくりが充分ではなかったと感じます。

 最近では、今年2月に行われた善光寺のライトアップ(善光寺ゆめ
常夜灯)があります。青年会議所(JC)と商店街の皆さんが熱心
に取り組んでくださいましたが、あのイベントは、石井さんという
素晴らしい照明デザイナーをJCの皆さんが熱心に口説いてくれた
おかげで破格の費用でやっていただき、費用対効果は極めて良かっ
た。夜の行事ですから小学生のボランティアには参加していただけ
ませんでしたが、商店街や若い人に支えられた素晴らしいイベント
でした。市民の皆さんの意見にもよりますが、次年度以降も継続す
る可能性が高いと思います。