先週は、6月県議会において、北陸新幹線が大変なことになって
いるということについて書きました。
他にも、特に市町村が県とのコミュニケーションがとれなくてど
うにも解決できない、困っている問題はたくさんあります。直面し
ている問題だけに限って話したいと思います。
(1)先週書きました北陸新幹線問題と深い関係がある長野以北並
行在来線問題です。北陸新幹線問題についての詳細は先週書いてい
ますので、避けさせて頂きますが、長野以北並行在来線問題も県が
責任をもって解決するということで、県内沿線市町と約束していま
す。
(2)次にごみ問題です。
ごみ焼却施設の建設地や最終処分場の問題は、現在の市町村にと
って最も難しい、住民の皆さんにご理解願わなくてはならないテー
マであり、しかも法律的には市町村事務ということで市町村に実施
の責務があるということは皆さんご存じの通りです。地域の皆さん
と何年もかけて話し合い、地域の皆さんもどうしても必要なものな
のだから自分のまちの為ならとようやく合意点を見つけ出してきて
いるテーマです。
しかし国から施設建設等に必要な交付金を受けるには「循環型社
会形成推進地域計画書」を県を通して国に提出していかなくてはな
らない規定となっています。そこで、飯山市などで構成している岳
北広域行政組合が、規定に従い書類を県に上げたのですが、県は国
への手続きを進めてくれないのです。
岳北広域行政組合が地元の皆さんと何年もかけて話し合い、やっ
と合意に達した努力に対し、県は誠意のある対応をすべきではない
でしょうか。
確かに焼却施設や最終処分場の建設については、住民全員が賛成
ということは困難です。しかし絶対に必要な施設なのですから、地
域の多くの方のご理解をいただいて作った計画に、一部反対がある
からと言って、岳北広域行政組合の説明に聞く耳をもたないことは
理解できません。
県の廃棄物処理の基本的な考え方の中に“できるだけ燃やさない、
できるだけ埋め立てない方向への転換” があります。「脱焼却」、
「脱埋め立て」の推進は、脱ダム宣言と同じですね。市町村にして
も技術的に、そして具体的に可能な方策があるならば焼却はしたく
ないのです。でも、最終処分場のことを考えると、集めた可燃ごみ
を劇的に減らすには、現時点では焼却が一番有効な手法なのです
(焼却すると、残る灰の量は約10分の1以下になりますし、その
灰を溶融することで再利用の道も開けてきます)。
ごみ処理は世界中が悩んでいるテーマであり、今のところ技術的
にも、コスト的にも、焼却を否定すると、どうすればよいのか、ま
ったく困ってしまうのです。
それだけ難しい。でもごみは365日毎日出てくる、何とかする
責務は市町村にある・・・すべてを県が処理してくれるならありが
たいのですが、評論家みたいに「脱焼却」とおっしゃることはやめ
ていただきたいと思うのです。
そういえば市町村の一般ごみだけでなく、産業廃棄物の処分場に
ついても、今までは県廃棄物処理事業団を設立し最終処分場建設を
推進して来ましたが、本年度に入って突如最終処分場の建設中止を
表明、公的関与を見直し民間企業の参入を促すとしている、行政の
責任をどう果たすか。これから大変だと思います。
(3)次は県立高等学校の再編問題です。
本年3月に長野県高等学校改革プラン実施計画が策定されました。
少子化の時代、私も県内を見渡し、高校全体の問題として考えれ
ば再編は必要だと思います。しかし、何故長野南高校が対象となる
のでしょうか?市内唯一、いや県内唯一かもしれませんが、人口増
加地帯であり、定員割れを起こしている学校でもありません。ここ
を廃校にする理由はどうしても見つからないのです。県教委の説明
も全く納得のいくものではありませんでした。第一通学区の高校再
編について検討を一任された第一通学区高校改革プラン推進委員会
でも、大枠は認めたものの、「長野南高校と松代高校はすぐにも再
編・統合が必要な状況ではない」との判断が示されています。
そこで、本市は5月中旬に「長野南高校の再編については平成
19年度一斉実施にこだわらず、推進委員会からの報告を尊重し、
段階的に実施していただくよう」県議会へ陳情を行ったのですが、
県教委は、議会の議決を必要としない「募集停止」に踏み切ろうと
しました。教育の独立性を優先して、説明責任・説得責任をあえて
無視する県教委の姿勢がうかがえるのではないでしょうか。
その後、先般の6月県議会において、高校再編の一斉実施に反対
する多数の県会議員の賛同を得て、「高校を統合または廃止する場
合は、当該校の生徒募集を決定する前に議会の同意を得なければな
らない」とする議員提案による条例改正案が可決されました。本当
は県教委の独立性を保つためには条例など、作らないほうが良いと
私は思いますが・・・ただ、県教委の一方的とも思われる行為を変
えてもらうには仕方ないことかもしれません。
今後、県教委の動向を注視してまいりますが、この問題は、全県
一律に考えるべきものではなく、地域の実情をよく見極め、了解を
得られた地域から統合を進めればよいと考えています。また、仮に
了解が得られなくとも、生徒数が極端に減って学校の教育効果が上
がらない場合は統合も必要となってくるものと考えますが、全県一
律に考えるべきではないと思います。
長野南高校については、このまま募集停止から廃校に追い込まれ
ることがないよう、今回の条例改正を受けて、改めて関係方面へ要
請していく必要があると考えています。
以上、当面の困っている問題を三つ取り上げました。特に(1)
(2)の問題は、このまま推移すれば、間違いなく長野市だけでな
く長野県が壊れてしまうような大きな問題です。皆さんにぜひ理解
していただきたいと考えています。