2006年12月14日木曜日

元気なまちづくり市民会議が終わりました


 7月15日に始まった「元気なまちづくり市民会議」が11月
26日で、全30地区32回開催し、終了しました。それぞれの地
区では年間の大切な行事として、準備していただいている事業です
が、関係者の皆さまいろいろありがとうございました。

 この市民会議は各行政区の区長さんにお願いして、以前から行っ
ている市民と行政をつなぐ大切な会議です。私が市長に就任した5
年前、この会議は平日の午後2時ごろから開始し、夕方まで開かれ
ていました。私は何度か出席した結果、この時間帯では、若い人が
出席することは無理だと思い、平成14年度から開催日・時間は
「土・日曜日・祝日、夜間でもいいですよ」と申し上げ、何とか若
い人にも出席してほしい・・・そんなお願いをしてまいりました。

 以来5年目、ようやく土日開催が多くなって、出席される人数も
かなり多くなってきたように思います。これは大変嬉しいことです。
でも正直な話をすれば、私自身は休みが無くなってしまって疲れて
きていることは仕方ないのですが、会議に出るテーマを担当する部
局長と、私と一緒にすべての会議の準備等を担当する広報広聴課を
中心とした企画政策部の職員にも頑張ってもらっています。

 会議終了後の懇談会(酒席)についても、前からできたらやめて
ほしいとお願いしてきたのですが、地域の皆さんの意向もあり、な
かなか思うようにはなりませんでした。
 ただ今年は事情が違ってきたように思います。先日ある地区の市
民会議、出席者はいつものように200人以上でしたが、懇談会に
なったら4分の1ぐらいに出席者が減ってしまったのです。どうも
飲酒運転の取り締まりが厳しくなったことが影響しているらしいと
のこと。確かに地域の方々と年一回、お酒を飲んで意見交換するこ
とは悪いことではないのですが・・・飲酒運転だけは絶対に許され
ません。ましてや市長との市民会議の後の懇談会でお酒を飲んで、
帰りに運転して事故を起こしたなんてことになったら・・・そろそ
ろ考えなければいけない時期に来ているのかもしれません。

 なお、市民会議の内容は、私が本年度の市政重点課題7項目の説
明を行い、そのあと地域で話し合って決めた課題について、市民サ
イドの意見発表・提言・質問があり、市の担当部長が答え、さらに
自由討議でもいろいろな要望・質問が出され、答弁する・・・最後
に私が全体を通しての総括コメントを申し上げて、会議終了という
ことになります。
 自由討議は、始めたばかりのころは、ぎこちなく、なかなか質問
も出ないこともありましたが、最近は結構活発に意見が飛び出すよ
うになってきました。予測していない質問は担当部長が出席してい
ないため、後日お答えを区長さんを通して地域に伝えることもあり
ますが・・・。

 今年の市民会議で出された地域の要望の主なものを、報告しますと
(1)「道路関係の要望」
 この要望はほとんどの地域で出されました。道路特定財源の一般
財源化が話題になっているこの時期、心配ではありますが、長野市
としては皆さんの要望を受けて、必要性を検証しながら、できる限
りお応えしたいと答えています。
(2)「都市内分権に関する質問」
 本年は都市内分権元年と考え「地域のことは地域で決める」そん
な新しいルールを作るつもりで、一生懸命に説明させていただき、
既に立ち上がった地域のお話等をさせていただきました。手応えは
感じています。
(3)「支所・連絡所・公民館の建物が古くて狭い、建て替えてほ
 しいという要望」
 この要望は厳しい財政事情の中、大変苦しい状況にあるとの答弁
に終始しました。またあらかじめ決めた順番に基づいて、整備して
いきますということで、ご理解願いたいと申し上げてきました。
(4)「児童館・児童センターが狭く、子どもたちがあふれている。
 改革を」
 この問題は早い時期から整備された館ほど深刻です。子どもたち
のことですから何とかしたいと以前から頑張ってきたのですが、財
政、土地などどうしようもない事情で皆さんにご不便を掛けてきて
しまった次第です。ただ来年は、国の文部科学省と厚生労働省が連
携して「放課後子どもプラン」を始めることになりましたので、少
しは良い方向に進むきっかけとなりそうです。すなわち学校施設を
使うことで、解決しようということです。これは私が市長就任以来、
主張してきたテーマです。

 そのほか、過疎対策、遊休荒廃地対策、安全安心のまちづくり、
防犯灯、水害対策、公共交通網、全戸水洗化、大型商業施設、公園、
図書館、ケーブルテレビや防災無線、高速通信網・・・等々あらゆ
る行政課題が話題になりました。全部はとても書ききれませんが、
いずれも皆さんの意見として、今後検討していくことになります。
 いずれにしても、市民と行政をつなぐ大切な会議です。開催時期、
会議の内容、懇談会のことなど、いろいろ検討する課題があると思
っています。

 話は変わりますが、10月31日に、平成17年国勢調査の第一
次基本集計結果の概要が総務省統計局より発表になりました。平成
17年12月に速報値が発表されていますが今回の数値は確定値と
いうことです(調査から一年も経って発表されるというのは、ちょ
っと不思議、もっと早く分かるはず・・・と考えてしまうのですが
・・・行政は慎重を期しているということでしょうか・・・)。

 発表された数字によって長野市の現況を概観してみますと長野市
の人口は378,512人です。この数字を見て長野市はいつも
38万人と言っているけれど、変ではないかという疑問をお持ちか
と思います。これは国勢調査は、実態を正確に表すことが目標にな
っており、悉皆(しっかい)調査といって世帯を一軒一軒調べて実
際に住んでいる人すべてを対象に調査しているからです。

 この国勢調査人口に対し、住民基本台帳登録人口は
383,298人であり、ここに4,786人の差が生じています。
住民基本台帳法では、生活の実態のある居住地で住民登録をするこ
とになっています。実際には、全国の市町村において、このように
国勢調査と登録人口が合致しないことが多い状況となっており、要
因としては、学生や社会人が住民登録を長野市に置いたまま市外に
転出、赴任されている実態が推測されます。転出入届けをきちんと
していただくように指導しているところですが、大都市では国勢調
査人口が登録人口を上回り、地方都市では下回るという傾向を見る
ことができます。

 この国勢調査人口が登録人口を下回るという傾向はどんな意味が
あるのか、私なりに考えてみました。これは推測ですが、長野市に
大学が少ない、企業が少ない・・・言い換えると地域の拠点都市と
しての性格が弱い・・・残念ながらそんな構図が浮かび上がってき
ます。

 他都市の数字と比較してみますと、一目瞭然(りょうぜん)なの
です。北信越の中核市を調べてみますと、富山市は2,676人、
金沢市は8,581人、国勢調査の数字が登録人口より多くなって
いるのです。大部分の中核市は長野市と同様の傾向にあり、仕方な
いのかもしれませんが、北陸の拠点都市としての金沢市、富山市の
元気さは際立っているのではないか・・・考えてみる必要があると
私は感じています。

 もうひとつ、国勢調査では、前回調査(平成12年)に比べて、
長野市の人口は420人減りました。内訳は旧長野市は545人の
プラスでしたが、旧合併4町村が965人減少したので、トータル
で420人の減になったものです(合併4町村の中では豊野だけが
プラスです)。過去一貫して増勢にあったのですが、今回初めて減
少に転じたということです。

 年齢別人口では、年少人口(15歳未満)が2,416人、生産
年齢人口(15歳から64歳)が7,679人、それぞれ減少し、
老年人口(65歳以上)が9,695人増加したということで、こ
の少子高齢化の傾向は当分進むと考えられます。

 一方、長野市の世帯数は141,030世帯で、前回調査より
4,922世帯増えており、世帯規模の縮小化は進行しているよう
です。当然のことながら、一世帯当たりの人数は減っています。

 いよいよ高齢社会が現実のものとなり、少子化の傾向を考えると、
当分この流れは変わらない・・・行政はどんな施策に取り組むべき
なのか、考えています。