1月12日に実施された長野以北並行在来線対策協議会の関係機
関などへの要請活動では、会長である村井知事のお供をさせていた
だき、飯綱町、信濃町の町長さん、飯山市の部長さん方と一緒に、
東京・新宿のJR東日本本社を訪問し、清野社長以下の幹部役員の
皆さんにお会いして、並行在来線問題について、意見交換をさせて
いただきました。
現在の長野新幹線が開通したとき、その新幹線と並行して走って
いる在来線は、JRとしては経営しないという合意が国レベルでな
され、その合意に従って、軽井沢~篠ノ井間(正確には、トンネル
手前の軽井沢変電所まで)は、JRから切り離されて長野県に譲渡
され、県が主体になって沿線市町村、経済団体、金融機関、関連企
業が出資して、「しなの鉄道株式会社」が設立され、今日まで運営
されてきていることは、皆さんご存じの通りです。
この話し合いの段階で、一番問題になったのは篠ノ井~長野間の
帰属問題でした。この間は軽井沢~長野間のドル箱区間と考えられ、
「しなの鉄道」とすれば、経営を安定させるためにはぜひとも欲し
い区間でしたが、JR側としても、名古屋・新宿、松本方面からの
中央線も通っていることから、譲ることはできないし、JR貨物の
運行管理も含めて設立したばかりの「しなの鉄道」では対応できな
いという主張がなされ、結局譲渡されませんでした(長野県側とす
れば、オリンピックを前にして、何としても長野新幹線の開通を優
先した結果なのでしょうか)。
そして、当時の県としては、それでも経営は成り立つという前提
で「しなの鉄道」を企画し、国の認可を得て、事業がスタートした
わけですが・・・現実は大変苦しい経営を続けています。県も
100億円余の出資、沿線自治体も補助金を交付し、そしてしなの
鉄道も減損会計を導入して償却負担を減らすなど、懸命の経営努力
をしておられますが、正直安定したとはいえない状況が続いている
のが実情です。
次に起きてきた問題は、長野新幹線の北への延伸です。正式名称
が「北陸新幹線」という名称のとおり、長野新幹線は上越から富山
・金沢・福井(福井から先はまだ路線も決まっていませんが)を経
て大阪まで延びるということが前提になっていますから、この区間
の並行在来線問題は、軽井沢~長野間以上に大きな問題になること
は、当然予想されることですし、いよいよ俎上(そじょう)に挙が
ってきたということです。
長野市にとって、新幹線の北への延伸は、浅川治水問題と関係し
ているということと、並行在来線をどうするか、という二つの大き
な問題を抱えています。新幹線の建設着手には、その大前提となる
設計協議に至るまでさまざまな同意が必要となりますが、浅川治水
については、知事交代によって地元の皆さんの考えも、良い方向に
向かっていると感じていますが、一方の並行在来線の経営問題は現
在のところ、全く五里霧中といった感じです(北陸新幹線全体につ
いてならば、大宮~東京間の時間短縮問題、福井から先線ルート問
題などもありますが)。
在来線の長野から県境までについては、名だたる豪雪地帯、そし
て乗車人員も少ない単線区間です。長野~豊野間はまだしも、その
先の経営は、現在の「しなの鉄道」の区間以上に厳しいものと予測
されています。
しかし、考えてみますと
(1)地域の皆さんの足としては重要路線であること
(2)長野~上越間は日本海時代を見越すと、今後交流は増えるで
あろうこと
(3)人の交流だけでなく、JR貨物の物資輸送を考えると大切に
すべきこと
(4)地球環境を考えたとき、今後鉄路の重要性は増してくること
等々で、やめると言う選択肢は無いのではないかと感じています
(ただ新潟県側の動向は、まだ全然分かっていません。新潟県側と
すれば、並行在来線問題は、北陸本線の上越から富山・金沢・・・
そしてまだできたばかりの第3セクター会社が運営しているほくほ
く線の経営問題にも影響があるはずで、長野県以上に大問題かもし
れません)。
以上、並行在来線問題について、私見を交えて書いてきました。
村井知事と清野社長の会談は、友好的な雰囲気で進められました。
村井知事は「日本一、いや世界一の鉄道会社として、地域の発展
をぜひ考えて欲しいこと」を強調され、JR東日本を含めて、あら
ゆる関係者で、「この問題を検討する場を作ってほしい」旨を申し
入れました。
清野社長からは「JRは純粋な民間会社で、株主もいることなの
で、厳しい議論をすることになるかもしれないが、一緒に検討しま
しょう、過去は県と議論する場が全くなかった」との話がありまし
た。
今回の会談で、問題の解決ができたわけではありません。実際に
議論が始まれば、双方が主張し合い厳しい場面も予測されます。で
も一つのテーブルに着いて検討を始めようということが合意された
ことは、大変な前進です。双方の事務方同士の話し合い、そして時
には知事と社長の話し合い、色々なレベルで検討が行われるはずで
す。
今後、長野以北並行在来線対策協議会の場で必要な事項が協議さ
れますが、沿線市町は対策協議会に参画していることから、色々な
アイデアを出し合うなかで、鋭意努力したいと考えています。
2007年1月25日木曜日
並行在来線について
2007年1月18日木曜日
新年の行事
4日の仕事始め式で職員に対し、色々な訓示をしましたが、これ
からは「公共心の涵養(かんよう)」を、その中でも中心は「家族
の団欒(だんらん)」が大切だと思うということを強調しました。
どうも日本中がゆがんだような状態になっているように感じます。
家庭の教育力が大切であるといっても理念になってしまう。具体的
にどうあるべきか考えた結果、「家族の団欒」がその中心的な課題
になると思い、取り上げることにしたものです。
以後、市長室には新年のあいさつで大勢の方が来られました。そ
れぞれ地域のリーダーや業界のまとめ役などをされている方々です
から、色々なお話をお聞きする良いチャンスを頂いたと思っていま
す。そして、夕方からは新年会が一晩に2~3席予定され、出席さ
せていただいております。これも生の声をお聞きする貴重な時間な
のですが、自分の体調を考え、お酒は飲み過ぎないように、気を付
けています。
私は運転をしませんので心配ありませんが、新年会の後、出席者
の皆さんが絶対に運転をされないよう、祈るばかりです。
長野市の中央・南両警察署長さんが、新年あいさつに来られたと
きの話ですが、昨年の長野市の交通事故による死者は6人、記録的
に少なかったことはありがたいけれど、昨年あれだけ飲酒運転で事
故があり、世論も取り締まりも厳しくなっているのに、まだ酒を飲
んで運転する人がいる・・・と嘆いておられました。
6日は長野市消防出初式が行われました。雪が舞う寒い朝でした
が、鍋屋田小学校の校庭に消防団員、消防職員、そして自主防災会
をはじめとする市民の皆さん約1,700人が集合、開始式を行っ
た後、市役所まで行進し、市役所前で市長観閲、続いて長野市民会
館で式典を行いました。本年は、若林環境大臣、村井長野県知事を
はじめ、大勢の来賓にお出でいただき、大変盛大な式典になりまし
た。県知事さんが出席されたのは、多分初めてのことでしょう。さ
すがに国家公安委員長・防災担当大臣を務められた方、消防の大切
さを理解されていると感じました。式典開会に先立ち、日ごろから
幼年消防クラブとして、火災予防の活動を行っている若穂幼稚園の
園児の皆さんの鼓笛演奏は大変かわいらしく、消防団の木やりは勇
壮でとても良かったと思います。消防の重要性を認識した行事でし
た。
7日は、長野市内の10の公民館の合同開催による成人式が行わ
れました。長野市民会館いっぱいに着飾った新成人が集まり、厳粛
に行われました。ひところ、日本中で荒れる成人式がありましたが
(今年も埼玉や沖縄では荒れたという報道がありました)、長野で
はそんな非常識なことは起こらず、きちんとした雰囲気は守られて
いたと感じましたし、新成人の決意表明も立派で、見守る大人の人
も、新成人のたくましさを感じたと思います。
9日の夜には、13日から開催のスケルトンワールドカップのウ
エルカムパーティーが浅川小学校の体育館で開催されました。この
パーティーは、長野オリンピックの時、スパイラルの地元浅川地区
の皆さんが総出で、選手の歓迎パーティーを開催してくださり、選
手と地元の皆さんとの素晴らしい交流があったのですが、そのとき
の感激をもう一度という浅川地区の皆さんの熱意によって、開催さ
れたものです。
ウエルカムパーティーは市内のホテルで開催するのが一般的です
が、浅川地区の皆さんが、浅川小学校の児童も含めて、スパイラル
の維持管理のために草取りをしたり、大会のボランティアを務めた
りしていただいていることに、日本・長野のボブスレー・リュージ
ュ連盟の役員が感激して、小学校の体育館での手作りパーティーに
賛同し、喜んで出席していただいたものです。
パーティーでは飲み物や料理、そば・・・オリンピックの時にも
ふるまわれた豚汁やおはぎ・・・などがたくさん出されていました。
アトラクションも琴、北郷区の神楽、若槻地区の三登山太鼓などの
演奏が行われ、子どもたちも外国選手との交流を楽しんでいたよう
ですし、外国選手も喜んで太鼓をたたいたり、盛んに舞台にカメラ
を向けて撮っていました。浅川地区の皆さんの歓迎の気持ちは十分
に伝わったものと思います。
13日、ワールドカップ本番。私もスパイラルに観戦に行きまし
た。時間の都合で全部は観戦できませんでしたが、越選手や中山選
手を含む日本選手も健闘しました(稲田選手が自己最高の3位に入
りました)。私は計時している部屋で選手の滑走の様子と数字をに
らみながら観戦しましたが、微妙なことで記録が変わっていくこと
が分かって、面白かったです。観客の皆さんにも、あの計時室の様
子がすべて分かるようになれば、競技をもっと楽しめるのではない
かと感じました。
競技の合間に、日本・長野のボブスレー・リュージュ連盟の幹部
の皆さんと、国のナショナルトレーニングセンターに指定された場
合の対応などについて懇談することができました。
2007年1月11日木曜日
平成19年度の予算査定始まる
いよいよ新年度予算編成のヤマ場、市長査定が始まります。
予算査定の作業とは、
(1)新年度に向けて、庁内各部局が計画している事業(市の方針
を実現するためのものや、市内各団体の要望、市民会議や陳情を
受けた項目も当然含まれます)が提出される。
(2)財政部は新年度の収入(皆さんから頂く税金や国・県の補助
金や交付金などの使えるお金)を見積もって全体枠を示す。
(3)(1)と(2)のバランスを図って(調整して)、予算案を
作る。
大ざっぱに言えばこれが予算編成作業であり、「査定」という言
葉は、各部局が出す予算要望を原則削る作業が主体になることから
付いた名前でしょうね。
私が常々申し上げている「入りを量りて出ずるを為す」、すなわ
ち財政部が示す総枠の範囲に各部局の予算要望がきちんと納まれば
“めでたし”“めでたし”なのですが、ことはそう簡単ではありま
せん。
(2)の部分、すなわち収入が十分にあれば、査定は楽しい作業
なのでしょうが、現在の状況では多くは望めません。市税などの自
主財源の確保に努めた上で、いかにそれ以外の収入を増やすか、財
政部をはじめ各部局は国や県といろいろな折衝をしています。補助
金がある事業を取り込めば、市の負担は少なくて済みます。しかし
地方自治体はいずこも補助が欲しいわけですから、なかなか競争が
激しく、すべて受け入れていただける環境ではありません。
ただ地域の景気を良くするには、国や県からの補助金や交付金な
どを活用して、できるだけ多くの資金を地域に流通させることが肝
要ですから、国や県への要望活動などに力が入るわけです。
そして(1)の部局の予算要望も、各部局にすれば真剣です。い
ろいろな要望を受けて検討し、部局内では、何とか実現しようと時
間をかけて決めた案件ですから、財政部とは丁々発止の折衝になる
わけです。財政部原案ができるまでには、本当に苦労の連続です。
財政部では判断できない案件、また財政部には認められなかった
けれど担当課としてはどうしても実施したいという案件が市長査定
に持ち込まれるわけですから、これもなかなか難問です。たまたま
市民会議などで出された案件で、私も聞いていたものが査定の場に
出てくると、担当課と財政課の主張のどちらに決めるべきか、本当
に困ってしまいます。
そういえば今回の予算編成には、一つ朗報があります。それは、
エムウェーブとスパイラルがナショナルトレーニングセンター(ト
レセン)に指定されることを前提に、国の財務省原案に予算が盛ら
れたことです。まだ細かいことは分かりませんので、手放しで喜ぶ
わけにはいかないとは思いますが、長野オリンピック開催以来、い
や極端に言えばオリンピック招致段階から、なんとかトレセンに指
定してほしいということは、塚田前市長のころから望んでいたこと
で、長野市とすれば、ようやく実現に踏み出したということです。
昭和39年の東京オリンピックの時、東京には代々木公園や駒沢
にたくさんのオリンピック施設ができました。あれはほとんど国立
競技場ということで、そのとき以来、文部科学省は外郭団体を作っ
て運営しており、東京都は関与していないのだそうです。また、東
京の西が丘にオリンピック選手を強化するための素晴らしい施設が
できたことは、メルマガでも報告させていただきましたが、あれも
すべて国の施設ということだそうです。
それに比べ長野市の施設は、もちろん施設を造る段階では、国か
ら二分の一、県から四分の一の補助金は頂いていますが、運営は長
野市の負担です。大変重い負担です。長野オリンピック記念基金か
らの補助があるうちはまだよいのですが、この基金もあと数年で終
了するとの話ですから、これは大変頭の痛い問題なのです。ですか
ら「ナショナルトレーニングセンター指定へ」の報は本当に嬉しい
ことなのです。
2007年1月5日金曜日
明けましておめでとうございます
をお迎えになられましたか?年末年始の休暇、普段忙しく過ごして
おられる方々にとって、まとまった休暇は、うれしいものですよね。
きっと、ご家族での団欒(だんらん)やテレビ、映画などでお楽
しみになったのでは・・・あるいは読書をしたり、ゲームを楽しん
だり、スケートやスキーに行ったという方もいらっしゃるかもしれ
ません。子どもさんは学校の宿題をしましたか?
目を覆いたくなるような社会現象がたくさん報道された昨年・・・
でも良いこともたくさんあったと思うのですが、なぜか悪い部分が
強調されてしまっている印象があります。
すべてが悪くなっているわけではない、公務員に対する批判も、
皆一生懸命やっているのですが、一部の不心得者のおかげで、国民
・市民の信頼を失っている。
ただ、全体として、社会は良い方向に向かっているのかなあ・・・
随分考えさせられた年だったように思います。
年末年始、久しぶりに帰省した息子家族に囲まれて考えたこと、
それは公共心の涵養(かんよう)が一番必要なことではないか、そ
してその中心は「家庭の団欒」ではないか、ということです。「家
庭の教育力」が大切だということは、言い古されていますが、「団
欒」がなければ言葉の遊びになってしまう・・・そんなことを考え
させられた年末年始でした。
私の年末年始は、息子や孫を連れてのスキーが一番の楽しみでし
た(もちろんお酒を飲んだり、お雑煮を食べたり、一緒にテレビを
楽しんだり、議論したりもしました・・・これも団欒でしょう)。
合間をみて、戸隠スキー場へ3回出掛けました。まだ雪が少なく、
聖山パノラマスキー場は稼働できなくて困っていますが、飯綱高原
スキー場は1日から、やっと一部オープンにこぎ着けました。さす
がに戸隠スキー場はわれわれが滑るにはまずまずの積雪量があり、
楽しむことができました。孫の上達が早いのには、びっくりでした。
ほかのスキー場が雪不足で滑走できない所が多いせいか、年末年
始の戸隠は、多くのお客さんをお迎えすることができたと感じてい
ます。駐車するのに苦労するほど駐車場はいっぱいでした。
私は昨年2月、スキーで足をけがして後半のスキーシーズンを棒
に振ってしまったので、今年は慎重に、憶病に、あまり急斜面を滑
ることは避け、スピードを出し過ぎないように、そして格好良く、
楽しむことを主眼に・・・時間ができたらスキーを楽しみたいと考
えています。