2007年1月11日木曜日

平成19年度の予算査定始まる


 いよいよ新年度予算編成のヤマ場、市長査定が始まります。
 予算査定の作業とは、
(1)新年度に向けて、庁内各部局が計画している事業(市の方針
 を実現するためのものや、市内各団体の要望、市民会議や陳情を
 受けた項目も当然含まれます)が提出される。
(2)財政部は新年度の収入(皆さんから頂く税金や国・県の補助
 金や交付金などの使えるお金)を見積もって全体枠を示す。
(3)(1)と(2)のバランスを図って(調整して)、予算案を
 作る。

 大ざっぱに言えばこれが予算編成作業であり、「査定」という言
葉は、各部局が出す予算要望を原則削る作業が主体になることから
付いた名前でしょうね。
 私が常々申し上げている「入りを量りて出ずるを為す」、すなわ
ち財政部が示す総枠の範囲に各部局の予算要望がきちんと納まれば
“めでたし”“めでたし”なのですが、ことはそう簡単ではありま
せん。

 (2)の部分、すなわち収入が十分にあれば、査定は楽しい作業
なのでしょうが、現在の状況では多くは望めません。市税などの自
主財源の確保に努めた上で、いかにそれ以外の収入を増やすか、財
政部をはじめ各部局は国や県といろいろな折衝をしています。補助
金がある事業を取り込めば、市の負担は少なくて済みます。しかし
地方自治体はいずこも補助が欲しいわけですから、なかなか競争が
激しく、すべて受け入れていただける環境ではありません。

 ただ地域の景気を良くするには、国や県からの補助金や交付金な
どを活用して、できるだけ多くの資金を地域に流通させることが肝
要ですから、国や県への要望活動などに力が入るわけです。

 そして(1)の部局の予算要望も、各部局にすれば真剣です。い
ろいろな要望を受けて検討し、部局内では、何とか実現しようと時
間をかけて決めた案件ですから、財政部とは丁々発止の折衝になる
わけです。財政部原案ができるまでには、本当に苦労の連続です。

 財政部では判断できない案件、また財政部には認められなかった
けれど担当課としてはどうしても実施したいという案件が市長査定
に持ち込まれるわけですから、これもなかなか難問です。たまたま
市民会議などで出された案件で、私も聞いていたものが査定の場に
出てくると、担当課と財政課の主張のどちらに決めるべきか、本当
に困ってしまいます。

 そういえば今回の予算編成には、一つ朗報があります。それは、
エムウェーブとスパイラルがナショナルトレーニングセンター(ト
レセン)に指定されることを前提に、国の財務省原案に予算が盛ら
れたことです。まだ細かいことは分かりませんので、手放しで喜ぶ
わけにはいかないとは思いますが、長野オリンピック開催以来、い
や極端に言えばオリンピック招致段階から、なんとかトレセンに指
定してほしいということは、塚田前市長のころから望んでいたこと
で、長野市とすれば、ようやく実現に踏み出したということです。

 昭和39年の東京オリンピックの時、東京には代々木公園や駒沢
にたくさんのオリンピック施設ができました。あれはほとんど国立
競技場ということで、そのとき以来、文部科学省は外郭団体を作っ
て運営しており、東京都は関与していないのだそうです。また、東
京の西が丘にオリンピック選手を強化するための素晴らしい施設が
できたことは、メルマガでも報告させていただきましたが、あれも
すべて国の施設ということだそうです。

 それに比べ長野市の施設は、もちろん施設を造る段階では、国か
ら二分の一、県から四分の一の補助金は頂いていますが、運営は長
野市の負担です。大変重い負担です。長野オリンピック記念基金か
らの補助があるうちはまだよいのですが、この基金もあと数年で終
了するとの話ですから、これは大変頭の痛い問題なのです。ですか
ら「ナショナルトレーニングセンター指定へ」の報は本当に嬉しい
ことなのです。