7月9日、嬉しい報告が相次いで入ってきました。
夕刻、腰原長野県副知事から直接連絡が入りました。内容は、
「県議会で浅川治水関係の補正予算が可決されたので、本日早速、
国土交通省関東地方整備局へ、河川整備計画の認可を得るべく、申
請をしました」とのことでした。私からは、「長い間、本当にご苦
労様でした、感謝しています、知事さんにもよろしく」とお答えい
たしました。
思えば前知事の脱ダム宣言から数えて6年間、非常なストレス・
圧迫を感じながら、主張を続けてきた我々にとって、「ああ!やっ
とここまできたか。でも考えてみれば、6年前の状態に戻っただけ
か!」ということでした。空白の6年間だったという思いは多くの
方々が感じておられることです。予定通り進んでいれば、平成18
年度末、すなわち今年の3月には、浅川の外水対策は終了し、長沼
地区などの皆さんは一安心だったはずですし、内水についても検討
が進んでいたであろうことは十分推察できることですが、訳の分か
らない、まるで思いつきのような理論に振り回されて時間を費やし
てしまったこと、本当にむなしい思いがあります。その一方で、私
はいろいろな意見が出ることによって、市民の皆さんに分かりやす
い議論ができたことに“意義があった”と思うことにしています。
過去、記者会見などで、何度もこの問題について質問を受けてお
りますが、私が常に一貫してお答えしてきましたことは、
(1)基本高水流量は毎秒450トン、これが多いか少ないかは、
純粋に技術論であり、素人の議論で安全が保障できるものではな
い。権威ある技術屋さんの議論の範囲であり、我々は、市民の安
全度を値切ることは許さないということ以外に申し上げることは
ない。
(2)ダム地点が危険という話も、断層があるとか、ないとか、我
々には分からない純粋に技術論であり、本当に危険なら我々もダ
ム建設は反対ですが、権威ある専門家の方々が大丈夫と決め、国
も認めた計画ですから、専門家ではない首長が口を挟む余地は無
いと申し上げてきました。
そして一般市民の意見(世論)についても、どんな場合でも賛成
者と反対者はいるわけで、100%の方が賛成ということはありえ
ない、最後は管理責任がある者がきちんと決めて責任をもつ、すな
わち国の一級河川ですから、国から管理委託を受けている県が、案
を決めて国に認可申請を行うのが、その責務であるということです。
今回の申請までの手順については、県の姿勢は極めて慎重でした。
昨年9月、村井知事就任以来、今日まで10カ月、なぜそんなに慎
重なのですか・・と言いたくなるほど村井知事は慎重に河川法の手
続きをきちんと踏まれてきたと思います。
私からみれば、反対の方は何を言っても意見を変える・・・とい
うより聞く耳を持たないのですから、もういいのではないかと何度
か思いました。しかし結果を見れば、村井知事の慎重な姿勢が、す
べてを決めたと言ってよいでしょう。私自身も完全に脱帽、感謝あ
るのみです。
話は変わりますが、腰原副知事から連絡があった同じ日、NTT
東日本の長野支店長が、長野市役所へ来庁され、もんぜんぷら座の
5階から上を借りて、コール・センターを設置したいとの正式な申
し込みをいただきました。良い話は重なるものだなあと感じました。
新年度に入ったころ、NTT東日本の支店長から、「こんな計画
があるけれど、もんぜんぷら座の上層階を借りられますかね?」と
の打診があったことは事実です。“もちろん”とお答えし、すぐ市
役所に戻って、何が何でも誘致したいので、担当部署(まちづくり
推進課)に検討を指示、それ以後NTTとまちづくり推進課が協議
を重ね、今回の正式申し入れになったものです。
もんぜんぷら座の上層階については、もんぜんぷら座活用検討委
員会からせいぜい5階までの利用との報告をいただいたことがあり
ました。その理由は費用対効果を考えるとせいぜい5階までだとの
ことでした。確かに商売で考えると、上層階を利用するのは、極め
て難しい・・・ましてやダイエーという日本一の大型店が撤退した
場所ですから、慎重にならざるを得なかったのです。一方で地元の
皆さんからは、常に8階までの全フロアを利用してほしい、という
要望が出されていたことは事実でした。
長野市にとって、中心市街地のにぎわいはまちづくりの中心課題
です。そして、6年前、閑散としたあの交差点を何としてもにぎや
かにしたいという思いで、私は市長選に立候補し、幸い、市長にな
らせていただきました。市としてもんぜんぷら座(当時の長野セン
タービル)を取得し、トイーゴ、トイーゴパーキングのプロジェク
トを支援・完成させて、一定のにぎわいが生まれ、もう一息のとこ
ろへ来ていたのですが、そこへ偶然このコールセンターの話が飛び
込んできたわけです。
コールセンターの誘致は、中心市街地のにぎわい創出に、決定的
な効果があると私は感じています。数百人の雇用が発生するようで、
あの一角のにぎわいに効果があることは間違いないと思いますし、
周辺の商店街が元気づくことは、事実でしょう。
そこで7月17日に市議会臨時会を招集し、もんぜんぷら座改修
のための補正予算を審議いただきました。この臨時会の議論の中で、
ある党から反対意見が出されましたが、大多数の議員の皆さまにご
理解をいただき可決となりました。年内には一部営業を開始したい
との意向があることから、大至急、工事を進めていきます。
私としては、嬉しくて感謝あるのみです。あと検討することとす
れば、あのビルの外装をどうするべきか、市内の公共交通機関をど
うするか・・・真剣に考える時期に来たということでしょう。
題名にはふさわしくないのですが、話題をもう一つ。
連休の最終日16日(月)の午前10時過ぎに、新潟県中越沖を
震源とする地震が発生しました。新潟県柏崎市を中心に甚大な被害
が生じ、長野市でも震度5弱、お隣の飯綱町では6強が観測されま
した。被災された方に心からお見舞い申し上げるとともに、市とし
ても危機管理に万全を期していかなければならないと改めて感じま
した。