2008年9月11日木曜日

勝った!優勝だ


 サッカーの北信越フットボールリーグ1部(北信越1部リーグ)
の今期最終節、昨年優勝の「松本山雅FC」と昨年2位だった
「AC長野パルセイロ」の試合が、9月7日(日)南長野運動公園
の総合球技場で行われました。

 ここまで、パルセイロは、勝ち点差1でトップを維持しており、
勝てば文句無く北信越1部リーグで、3年ぶり3回目の優勝。しか
し、2位のJAPANサッカーカレッジ(新潟県聖籠町)が最終節
で勝利し、勝ち点を伸ばすことを考えると、どうしても勝たなくて
はならない試合でした(JAPANサッカーカレッジは、同日金沢
市でツエーゲン金沢と対戦して2-3で負けましたので、結果とし
ては、この試合を落としてもパルセイロの優勝だったのですが・・
・)。
 長野市民の皆さんもそれが分かっておられたのでしょう、球技場
は3,000人を超える観客で埋まりました。どうやらこの日は、
この球技場始まって以来最高の観客数だったようです。

 山雅は今シーズン前半の不調がたたり、優勝の望みはなくなって
いるのですが、徐々に調子を上げ、伝統の一戦、信州ダービーを勝
ちたいと意欲満々でした。
 ゴール裏に陣取った山雅のサポーター。グリーンのシャツを着て、
見事に統制のとれた応援を繰り広げていました。あの規模、休むこ
とを知らない応援の声、敵ながらあっぱれで、残念ながらパルセイ
ロより上ではないかと思いました。長野でのホームゲームですから、
球技場全体では、パルセイロのオレンジ色のシャツが圧倒的に多か
ったのですが・・・。

 戦いは、一進一退、とても厳しいものでした。ヒヤッとする場面
もありましたが、パルセイロにも、貞富選手のクロスバー直撃のシ
ュートなどがあって、少し押し気味だったように感じていました。
 そして、前半43分、藤田選手が得たPKをエース要田選手が落
ち着いてゴール右上に決めて先制。山雅をリードして前半を終了し
ました。

 最近のパルセイロの試合ぶりは、前半リードされていて、後半に
ひっくり返すパターンが多く、いつも途中まではヒヤヒヤしていた
のですが、今回は落ち着いてハーフタイムを過ごすことができまし
た。

 私の目から見た感想ですが、得点こそ奪うことができないながら
も、後半も押し気味に試合を進め、あまり危ない場面は無く、前半
の1点を守り、逃げ切ったというところでしょうか。でも、最後の
15分間が本当に長かった。そして、ロスタイムの3分間も「時間
よ早く過ぎろ」と、祈りながらの観戦でした。

 しかし、勝ったことで、すべてOKです。試合終了の瞬間、パル
セイロのサポーターは大喜び、選手も抱き合って喜びを爆発。信濃
毎日新聞の号外も出され、祝勝ムードがさらに盛り上がりました
(最近の号外はすごいですね。球技場の脇にとめてあった新聞社の
車の中で、あっという間に刷ってしまうのです。びっくりでした)。
 私もグラウンドに降りて、バドゥ監督と抱き合って喜び、そして
お礼を言いました。監督がインタビューの中で、「長野に来て
790日になる。この日が来るのを待ち望んでいた。」そして、ス
タンドで観戦されていた奥さんに向かって「今夜は帰らないよ!」
と言っておられたのは、とても印象的でした。

 今期のパルセイロの成績は11勝1敗2分け、勝ち点35(得失
点差は圧倒的にトップだったようです)。選手の力量はもちろん大
切ですが、何と言っても監督の手腕により今日を迎えることができ
たのだと、心底感謝しています。

 山雅とパルセイロの公式戦はここ1カ月で、3試合もあったので
す。まさに因縁の対決といっても良い、両雄相打つ勝負でした。

 まず8月17日(日)、福井県坂井市で行われた、全国社会人サ
ッカー選手権北信越大会の決勝戦です。ここでは、パルセイロが勝
ちました(ただ、この大会は、2位までが全国大会に出場できます
ので、お互い準決勝を勝った時点で目的は達成していました)。

 2回目は、先週、松本市のアルウィンで開催された、長野県サッ
カー選手権大会の決勝戦(天皇杯予選長野県代表決定戦)。ここで
は山雅が勝ちました。山雅は天皇杯全日本サッカー選手権大会に進
出です。
 しかし、この大会は全国地域リーグ決勝大会にはつながってはい
ません。そして、ここで勝ち上がっていくと、大会に出場している
J1、J2のチームと対戦することになりますので、優勝するのは
かなり厳しい大会です。
 そんなこともあり、負け惜しみではありませんが、パルセイロと
すれば、翌週に控えた今回の試合を第一目標に据えて臨んでいたの
だと思います。

 そして3回目、今回の試合です。このリーグで優勝して全国地域
リーグ決勝大会への出場権を得ることは、パルセイロの今シーズン
最大の目標でした。それは、その後、JFL、J2、J1へと昇格
していく道が開けるからです。
 全国地域リーグ決勝大会へは、全国社会人サッカー選手権から勝
ち上がっていく道もあり、パルセイロも山雅もその可能性はあるの
ですが、強豪との厳しい試合が待っているので簡単ではありません。
今回、北信越1部リーグで優勝したということは、パルセイロがそ
こへの切符を一歩先に手にすることができたということです。

 全国地域リーグ決勝大会は、地域リーグ9地区の優勝チームを含
む16チームで争うのだそうです。16チームですから優勝の9チ
ームだけでなく、ほかに参加資格を得た7チームが加わるというこ
とです(どうやって選ばれるのかは、事務局に説明を受けたのです
が、かなり複雑です。全国社会人サッカー選手権の勝者や、大学連
盟の推薦チームも・・・)。
 この大会は11月に開かれる予定ですから、それまでしっかり鍛
えて、最高のコンディションに持って行ってほしいものです。

 今年の大会の1次ラウンドは、西日本が舞台ということで、大変
遠い場所で開催されることになります。最終決戦となる決勝ラウン
ドは、なんと沖縄県の石垣島とのこと。でも、そこで優勝か準優勝
できれば、JFLへの昇格が確定します。

 昇格までには、まだまだ、長い、そして高いハードルが残ってい
ます。今回の勝利により、ようやくそのスタートラインにつくこと
ができたということです。でも三度目の正直です。頑張ってほしい
ものです。皆さん応援をお願いします。