2009年11月12日木曜日

秋篠宮殿下お成りとクリアウォーター市長の来長


 選挙前でこのメルマガをお休みしていたため、ご報告が遅れまし
たが、10月初旬、長野市に賓客をお迎えしましたので、今回はそ
の報告をさせていただきます。

 10月7日から9日、第57回動物園技術者研究会が長野市で開
催され、その主催者である日本動物園水族館協会の総裁を務めてお
られる秋篠宮殿下が長野市にお見えになりました。

 この研究会は、全国から大勢の動物園の飼育員、獣医師の皆さん
が一堂に会して行われる大規模な研究会です。長野市では初めての
開催でしたが、3日間にわたり、研究発表、茶臼山動物園の視察な
どのほか、歓迎レセプションも行われ、大変意義のある研究会にな
りました。

 秋篠宮殿下には、ご公務お忙しい中での来長でしたが、研究会の
合間に戸隠地質化石博物館、茶臼山動物園のレッサーパンダや長野
県在来の鶏の一種である信州唐丸をご視察いただきました。私は同
行できなかったのですが、大変ご興味をお示しいただいたとお聞き
しています。
 今回私は、ホテルの一室で、30分近く市政概要を説明する機会
を頂きました。殿下と二人だけでしたので緊張しましたが、地図を
机の上に広げて長野市の沿革や歴史、自然、現状などについてお話
しさせていただきました。殿下は、山階鳥類研究所の関係などで何
度も長野にお越しいただいていることから、長野についてはよくご
存じで、今回の訪問を楽しんでおられることがよく分かりました。

 殿下にもご説明させていただいたのですが、動物園のある篠ノ井
の茶臼山は、大規模な地すべりがある地域として全国的に有名だっ
た場所です。昭和40年代以降、深井戸や排水トンネル掘削など、
強力な対策工事によって次第に安定し、地すべりは収まりました。
この地すべりの跡地に整備して皆さんにご利用いただいているのが、
自然植物園や恐竜公園です。隣接している茶臼山動物園は、昭和
58年の長野市制施行80周年記念事業の一環として整備したもの
で、もともとここは、地すべり地帯ではありません。

 今回、殿下にご覧いただいたレッサーパンダは、長野市が中国河
北省石家庄市と友好都市を締結したことを機に、石家庄市から贈ら
れたのが始まりです。以後、繁殖に努めた結果、今や“日本のレッ
サーパンダのふるさと”と言われるくらい、日本中に嫁入りや婿入
りをしています。

 また、レッサーパンダの獣舎ですが、これまでのものが老朽化し、
手狭になっていたことから、いろいろなアイデアを入れて新たなレ
ッサーパンダ舎を建築していました。そしてこのたび、素晴らしい
期待の獣舎が完成したのです。
 実は、今回の殿下のお成りに合わせてこの完成記念式典を開催し、
殿下にもご臨席いただきたいと考えていたのですが、台風18号の
影響により式典を延期せざるを得なくなってしまいました。ご出席
いただくことがかなわず残念でしたが、殿下にはご視察の中で新し
いレッサーパンダ舎をご覧いただくことができましたので、大変光
栄に思っています。

 茶臼山動物園では、今後、順次園内をリニューアルして、動物園
を生まれ変わらせたいと張り切っており、今回のレッサーパンダ舎
の建築はその第一弾です。昨年度、茶臼山動物園には、約20万人
のお客さんにお越しいただきました。リニューアルを機に、本年以
降、さらに多くの皆さんにお楽しみいただけるのではないかと期待
しています。

 同じ時期、10月8日から11日まで、長野市の姉妹都市である
アメリカ合衆国フロリダ州のクリアウォーター市から、フランク・
ヒバード市長夫妻、ポール・ギブソン副市長夫妻、ジョージ・クレ
テコス市議会議員夫妻、ジョン・ドラーン市議会議員夫妻の8名が、
姉妹都市提携50周年を記念して長野市を訪問されました。

 クリアウォーター市ご一行の皆さんには、市役所玄関棟での歓迎
式典、市議会全員協議会での記念あいさつ、協定書調印式、歓迎レ
セプション、長野市周辺の視察、松代藩真田十万石まつり参加など、
忙しいスケジュールをこなしていただきました。

 協定書の調印式は、レセプションの直前に別室で行いました。
 50年前の姉妹都市提携を結んだ当時は、両市議会の議決をもっ
て提携が承認されたようで、双方で取り交わした書類は特に無かっ
たようです。そこで、今回の50周年を記念して、両市のこれまで
の友好関係を振り返るとともに、将来のさらなる交流の進展を願う
「協定書」を作ろうということで、以下のような協定を交換するこ
とになったのです。

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50周年記念姉妹都市協定書
 日本国長野県長野市とアメリカ合衆国フロリダ州クリアウォータ
ー市が、両国間の相互理解と友好親善を深めるため、昭和34
(1959)年に両市の市議会において姉妹都市の提携について議
決をしてから、平成21(2009)年の今年で50周年を迎える。
この間、両市の間を絶えることなく多くの市民が行き来し、教育や
文化など様々な面で交流を深め、変わらぬ絆(きずな)と深い友情
を育んできた。
 姉妹都市提携50周年を迎えるにあたり、これまでの両市の交流
の歴史を誇りをもって振り返るとともに、これまで築いてきた両市
民の友好の絆を一層深め、将来の更なる交流の進展を願い、平成
21(2009)年10月8日、日本国長野県長野市において、こ
の協定書を交換する。
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 調印式では、両市議会議員の皆さん等々にお立ち会いいただく中
で、緊張して署名をし、ヒバード市長と固い握手を交わしながら、
協定書を交換させていただきました。

 歓迎レセプションには、国際親善クラブの皆さんや、これまでに
クリアウォーター市との交流事業にかかわった皆さんなど、大勢の
市民の皆さんに出席していただき、楽しくにぎやかなパーティーに
なりました。

 視察では、リンゴ狩り、そば打ち体験と自ら打ったそばの試食、
戸隠や地獄谷野猿公苑の見学・・・長野市周辺でいろいろな視察・
体験をしていただきました。途中、稲刈りの風景なども盛んに写真
に収めておられたそうですから、文化の違いを目の当たりにし、驚
きながらも楽しんでいただけたようです。

 そして、11日の日曜日の松代藩真田十万石まつり。ヒバード市
長も大きな体に羽織・はかまをまとって陣がさをかぶり、腰に大小
の刀を差して馬に乗ってパレードに参加、なかなか貫禄(かんろく)
があり格好良い姿でした。ギブソン副市長やお二人の議員さんもそ
れぞれ重臣役に扮(ふん)していただき、奥様方には着物を着て輿
(こし)に乗っていただきました。そして、沿道の皆さんに「こん
にちは!」「ありがとう!」と日本語で話し掛けたり、ハイタッチ
を交わしたりするなど、市民の皆さんとの交流も深めておられたよ
うです。
 ヒバード市長は大変感激され、「一生に一度の体験をさせていた
だきありがとう」との言葉もあり、松代の皆さんの演出に心から感
謝していました。

 この日の夕方、クリアウォーター市の皆さんは新幹線で長野を後
にされ、帰国の途に就きましたが、今回、長野市民のおもてなしの
心は、クリアウォーター市の皆さんに熱く伝わったと思っています。