2010年1月7日木曜日

新年に当たって


 明けましておめでとうございます。
 皆さんそれぞれに良いお正月を迎えられたことと思います。今年
も気持ちを新たに、皆さんと共に頑張っていきたいと思います。ど
うぞ、よろしくお願いします。

 まず、1月1日、新年の幕開けとともに、信州新町・中条村との
合併により、人口38万9千人、市域834.85平方キロメート
ルの新たな長野市がスタートしました。
 大みそかの夜から元日にかけては、TOiGO前広場で合併を記
念するカウントダウンイベント、そして、仕事始めの4日には、信
州新町支所と中条支所の開所式を行いましたので、今は何となくお
祝いムードになっています。しかし、重要なのはこれからです。新
たに長野市民になられた皆さんには、一日も早く長野市に慣れ親し
んでいただき、共により良いまちづくりを進めていきたいと思って
います。

 今年は、私の市長3期目の実質的なスタートとなる年です。今後
4年間に向けた一歩を着実に踏み出さなければならない極めて重要
な年だと思っています。そこで、仕事始めに当たり、職員に以下の
ことを伝えました。

(1)マニフェストの実現に全力を
 まず、話をしたのは、私が3期目の市政を預かるに当たり、市民
の皆さんに約束したマニフェストの実現に全力を尽くしてもらいた
い、ということです。

 マニフェストには、以下の5つの基本政策を掲げています。
(ア)世界に誇れる「カーボンニュートラルシティ・ナガノ」の実
  現に向け、すべての政策に「環境」の屋根を架ける
(イ)「少子化対策」として、子育ち・子育て環境の充実を図る
(ウ)高齢者や障害のある方が、安心して健やかに暮らせる社会を
  維持していくために「福祉・健康」の視点から、暮らしのセー
  フティーネットの充実を図る
(エ)個性を尊重した教育は、一人一人が人間らしく、自分らしく
  生きていくための基本として教育環境の充実を図る
(オ)地方分権の流れの中、自立・自尊の都市経営を目指すために、
  産業の強化・育成および雇用と税収の確保を図る

 加えて、本市にとって重要で喫緊に取り組む必要がある17の約
束も掲げています。中でも、「中山間地域の活性化」と「公共交通
機関の活性化」は、3期目の大きな目標です。
 私は、自ら先頭に立って、このマニフェストの実現に全力を挙げ
る決意ですが、私と一緒になってこれらの施策の着実な推進に全力
を傾けるよう、職員にあらためて指示をしました。

(2)スピード感を持った対応を
 二つ目は、スピード感を持って施策を進めてほしいということで
す。社会・経済は絶えず大きく変化しており、現在はまさに激動の
時代の真っただ中にあります。その変化に即応できる柔軟で大胆な
発想を持ち、スピーディーに対応していくことは極めて重要であり、
職員にはそのことが求められているわけです。

 例えば、公共交通機関の活性化対策、新たな産業の強化・育成、
さらには国のさまざまな経済対策に関連して必要となる事業などは、
速やかに取り組まなくてはいけません。
 そのためには、市民目線、市民感覚を忘れることなく、常にアン
テナを張り巡らし、本市を取り巻く状況の変化、国・県などの動向
も的確に把握していくことが重要です。そして、時代の流れをしっ
かりくみ取り、時期を逸することがないよう、実効性のある施策を
速やかに、そして積極果敢に実行してほしいと思っています。

(3)みんなの声が「ながの」をつくる
 三つ目は、市民の皆さんとの対話を通じ、信頼関係を構築するこ
とがとても大切になるということです。

 これまでも、さまざまな手段で広報活動、広聴活動を行い、市民
の皆さんとの情報共有、市民意見・要望の的確な把握に努めてきま
した。
 しかし、市民の皆さんが情報を得やすく、行政をもっと身近に感
じていただくためには、ホームページなど市の広報媒体はどうある
べきなのか。また、市民会議などについても、市民の皆さんとの対
話をさらに深める方法がないのか。まだまだ工夫する余地があると
感じています。

 今年は、住民自治協議会の活動が本格化する年です。あらためて
互いの信頼関係を構築しつつ、住民自治協議会、そして市民の皆さ
んと力を合わせ、市政を取り巻く課題に立ち向かっていくためには、
あらゆる場面で「みんなの声が『ながの』をつくる」ということを
意識しながら取り組む必要があると考えています。

 具体的な事項についても幾つか話しました。

(4)市役所第一庁舎と長野市民会館について
 建て替えの有無も含め、来月には、市役所第一庁舎と長野市民会
館の基本構想を決定したいと考えています。
 なお、長野市民会館については、「建設検討委員会」において、
基本理念や必要な規模・機能、建設場所などに関して協議を重ねて
いただきました。そして、仕事始めの日の朝には、それらをまとめ
た「提言書」を頂いたところです。これを受け、市では基本構想の
案を作成しました。今後、市議会議員の皆さん、市民の皆さんのご
意見をお聴きし、基本構想を決定していくことにしています。
 基本構想の案については、明日の定例記者会見で説明させていた
だく予定です。

(5)住民自治協議会について
 今年から住民自治協議会の本格的な活動が開始されます。活動の
目指すところは、「市民と行政のパートナーシップ」であり、「地
域コミュニティーの再生」です。新年度には、「地域いきいき運営
交付金」、「やまざと支援交付金」、「地域やる気支援補助金」な
ど、新たな支援策が始動する予定です。住民自治協議会の活動が円
滑に進み、地区ごとのまちづくりが活発に展開されるよう、全職員
が連携・協力し、取り組んでもらいたいと思っています。

(6)中山間地域の活性化と公共交通機関の活性化について
 中山間地域の活性化では、農業法人化支援の拡充、新たな産業づ
くりに向けた「薬草産地づくり」、バイオマスエネルギーの産業化
などに積極的に取り組みたいと考えています。
 公共交通機関の活性化では、まず、バス交通と長野電鉄屋代線の
活性化・再生に向けた「総合連携計画」をきちんと策定することが
重要です。そして、その計画に従って各種事業を確実に実行してい
きたいと考えています。
 ただ、私とすれば、現時点でこの2つの課題に対する施策には、
発想不足の面があると感じていることも事実です。柔軟な発想で、
さらにアイデアを出し合っていきたいと思っています。

 このほか、昨年策定した「長野市地球温暖化対策地域推進計画」
に基づいて施策を実行し、長野の地から地球環境を守る運動を推進
していきたいということ、「1200万人観光交流推進プラン」の
最終年度として、平成16年度の「エコール・ド・まつしろ200
4」以来の「松代イヤー」になることなどについても触れました。

 一部その後の経過も含んでいますが、仕事始めに当たり、私から
職員へ伝えた主な内容は以上のとおりです。
 景気の沈滞が続き、なかなか光明を見いだすことができません。
しかし、このようなときだからこそ、前向きな気持ちで夢と希望、
そして勇気を持ち、道を切り開いていきたいと思っています。今年
も市政運営に全力を注ぐ所存です。何とぞ、皆さんのご協力をお願
いします。